アニメ「デジモンユニバース アプリモンスターズ」(東映アニメーション、2016)感想

#01:よくできていた、というと過小評価だなぁ。すごく巧かった、だと過剰評価なんだけど。

 ガッチモンの声優さんは菊池こころ。ええと、お名前だけは拝見しておりました……と思っていたが山田ふしぎとか間宮くるみとかと混同していた(声優名を字面で認識していることがバレバレである)。
 菊池こころさんは正月アニメ「DIGITAL MONSTER X-evolution」(東映アニメーション、2005)のコクワモンX、アニメ「デジモンセイバーズ」(東映アニメーション、2006)の大門知香(主人公の妹)、クロスウォーズにも多々出てらして、満を持しての主役抜擢といった感じ。すげーかわいくていいとおもいます。

 あ、あと、夜尿症の最終局面という命題は、体質と体調に依存するので、10代だろうが20代だろうが、アラサー・アラフォーだろうが気にしなくていいです。どうせ最期は垂(強制終了)。

#02:
 今回は対ナビタイム。次回はマインクラフトでしょうか。このまま各アプリ方面に喧嘩を売り続けていくとなると楽しみでしょうがない。

#04:
 閲覧推奨回。というか、えーと、これ「1999年のゲーム・キッズ」または「プラトニックチェーン」の監視社会ネタ後追いなので、スキなヒトにはたまらないネタになってますね。ハロウィン回というのもデカい。

#05:
 ドカモン:くまいもとこ。初代デジモンのスカモンとして、そしてチューモンこと山口勝平とのデュエットによるキャラソン『ちちんぷいぷい ウンチポイポイ~スカモン&チューモンのテーマ~』が印象深い。
 バディ作品としては、アニメ「MAR-メルヘヴン-」(SynergySP、2005)のギンタ、近年ではアニメ「探検ドリランド -1000年の真宝-」(東映アニメーション、2013)のキバマルを演じてらっしゃいました。
 ……「Wikipedia」に、3DS『Solatorobo それからCODAへ』(サイバーコネクトツー、2010)のまもるくんだと書いてある。マジか。ていうかウィキ以外のソースを検索してもなんだか頼りないぞ。事実か。

#06:
 くまいもとこのスカモンにシルエットが通じるキャラ・ゴミモンが、くまいもとこ演じるドカモン→ドスコモン、と対決。ファンサービスファンサービス。なおゴミモンは高戸靖広で初代のエレキモンですな。……パタモンと相撲取ってたね。相撲つながりで、ファンサービスファンサービス。
 この手の「大柄な/太ったショタ」はフィット感が独特で、かなり声優を選ぶと思っているのですが、百戦錬磨のくまもとは難なくこなしてますね。もしかしたら相撲ショタやってくださいという話からくまもとが選ばれたのかもしれない。
 さぁゴミモンはセブンなんちゃらだった。たしかに「ゴミ箱」は例外的機能を持ったアプリで特異。
 次回は黄色いヒップホッパーだ。YouTuberだった。どうしよう枕さんのキライなヒトタチだ。小学生というあたりで帳消しできるか。

#07:
 閲覧推奨回。ちょっといろいろ籠めすぎてますがグチャグチャ感はなくコンパクト、あっという間にアストラとミュージモンの馴れ初めから現在まで走りきるので、黄色推しは7話から観始めてもダイジョブそうです。

 アストラは古城門志帆、オレカのミミトシシ。テンカイナイトにも出てるが6年生ってトクサに喰ってかかった奴ら?
 ミュージ郎(Roland)……じゃなくてミュージモンは田村奈央、ヘボットの王子ネジル・ネジール。スペース☆ダンディでお名前を拝見した記憶がある。
 あとHIKAKINさんについてちょっと調べようと思ったら、本編の「ヒカ次郎」のCVをご担当なさってますね。スタッフロール曰く「(特別出演)」とのこと。

 ところでアストラの動画って30分一発撮り放流なのかしらん。父親からタブレット貸出されてるトコ見ると、後で編集したりモザイクかけたりする余裕はなさそう。最近の若いコはカットとかしないのかな。スライムプールでパンツずれたらどうすんだ。

#08:
 て、展開早すぎね? 先週初登場したキャラの挫折回。閲覧推奨回扱いなんですが、#07-08で短編映画なこころ心算づもりで観ていただけるとグッドかと思います。気分はアストラ父(なんだそれ)。

 さて来週はアプモンまとめ回、運動会っぽいが「格付け」というのはTVP「芸能人格付けチェック」(朝日放送、「人気者でいこう!」の1コーナーから派生)のパロかな。

#09:
 ハックモンがぐっちゃんだった。あ、いや、阪口大助さん。アニメ「ロックマンエグゼStream」(XEBEC、2004)のトマホークマン。いや、くまいもとこの人外とぐっちゃんの人外が出ているアニメを観れる、というこの事実に、喜びを通り越して恐怖を感じていて、いやだってハックモン猫耳でフードで口の中に片目が見えててガッチモン手玉に取ってて、あれで家に帰ったらアプリドライバーさんにベタ慣れでおふとんいっしょだったりするんだぜぐっちゃん声で(妄想)。あぁん。
 ロープレモンの声がなんかひっかかってたのだが水島大宙ですね。陰陽のリュージ。えぇとデジモンは初らしい。

#15:
 さて、話は進んできたぞ。占い肯定派のエリちゃんと否定派のアストラが争って和解。

#20:
 脚本:山田由香。過去回はアストラ登場#07、サクシモン戦#12。
 メディックモン戦闘以外はほぼ全編、ところどころ作画崩壊してましたね。とくに顔が崩れていた。

#21:
 コーチモンが3DCGではなく2Dイラストである。今回ミエーヌモンはばりばり3Dで動かしており、こないだまでコーチモンもそうだったのだが、なぜだかそういう気がなくなったらしい。
 前回の作画崩壊の反動か、アプモンたちめちゃくちゃかわいく描かれてますね。眼福。

#22:
 脚本:野村祐一。アストラ挫折回#08、ちょっと記憶が薄いがカレンダモン#13。
 #08を彷彿とさせる、詰まって詰まってぎっちりめ、といった印象。

#24:
 脚本:平見瞠。エリ様コピペ回#17が直近。
 ところどころアプモンの顔が乱れていたが……まぁ許容範囲。
 ハックモンの物語参加理由は、#22で判明した「ディープウェブがハックできないのでハックしたい」なんですが、これはガッチモンの#01「ディープウェブがサーチできないのでサーチしてみたらリヴァイアサンに目をつけられた」と対になっています。んで、レイの能力を利用してディープウェブに行くぜ、ハジメちゃんとかどうでもいいぜ、っていうスタンスなんですね。
 今回ダンテモンがディープウェブの扉を開くとき、ハックモンすげぇ顔で笑ってるんですけども(YouTube動画17:21あたり)、ハックモンラスボス説は唱えておいてもいいのかな、と思ってます。リヴァイアサン倒した直後にハックモンがなんか巨大化強化して世界を手に入れようとして、レイに向かって「お前とハジメだけは助けてやる」とかなんとか言い出す。そしてチューチューゼリーか何かで和解。

#26:
 総集編。

#27:
 ……ぃゃー、気づかなかった。なんかヒッカカリのある鼻声系だとは思ってたんだけど。ツブモン:勝杏里。現実世界での実体化してない状態での声は加工されてますね。
 喧嘩売る相手がマイクロブログもといTwitterという、アニメアプモン初期の全方位臨戦態勢絨毯爆撃を取り戻した回。先週の総集編に引き続き、時間帯移動に伴う新視聴者導入回ですね。

データカードダス第3弾のガッチモン(3-001):
 ちょっと構図が危うい……足めいっぱい開いて下から……「ディープサーチ」って言われても、キミがボクラにディープサーチされちゃうよ……

#31:
 脚本は野村。直近がレイ&ハックモン回の#22と、ワルダモン戦というかガッチモンVSミュージモン&ドカモンという鬼畜回#23なのですが、あー、細部に拘るというか、駅弁8キャラ分語り始めたあたりで「え……今回なんかヤバくないか……濃度が」という、いい意味でゾワゾワしたんですけども。
 2D作画は超安定。

#32:
 きゃ、脚本が野村じゃない……だと……?
 大知慶一郎、#21コーチモン回、#26ガッチモン家出。
 #22-23のレイとハックモン出会い~ワルダモン撃破のほぼほぼ1時間全部野村、という前例があったため、#31-32も続き物だから後半も野村だろう、ああ段ボールのマトリョーシカはカオスで野村だなぁ、と思っていたら……気づかなかった。たしかにコーチモンがエリちゃん側に陥落するネタと、引きこもったオフモンが外の景色見たさに眼を血走らせる、というのは通じるものがあるね。
 まだまだ分析始めたばかりですが、仕込みネタについて、野村は細かくて大知はカオスという分類なフィーリングです。

#33:
 脚本は平見(直近ダンテモン)なんですが、今回はそういう次元じゃなくて、まずもってカメラワークがおかしい。回るぜ飛ぶぜ切り替わるぜクラクラ。
 中身も大転回回(だいてんかい回)であり、起承転結の転。新たな目標ブートモン探し、敵側の四天王と大騒ぎ。かなり尺取ってた梅松竹男CEO解任シーンも、本人登場の人物ピックアップ番組→ニュース速報字幕で解任、と地味に芸が細かくて見所。

 デジモンUのキャラクターがらみのストーリーの要旨って、「シリアスな桂さんちと、ノホホンなハルたち」なんですよね。
 かたや、弟さんをラスボスに攫われ、命がけで救おうとするレイ。かたや、「主人公になりたい」と口にしながらも、桂さんには積極的に手を貸さず、日常生活を淡々と送り続け、世界を救うことよりもアプモンとのコミュニケーションに時間を割いているように見えるハル。もちろん、ハルに対してレイが、手伝ってほしいとは思ってないことは示されているし、レイに対してハルが、親友でもないのにいっしょに弟さんを探す手伝いをする義理はなく、家族の問題に首を突っ込む野暮さを忌避してるのもわかる。わかるから結局ハルの手助けは、レイにとって偽善とはいかないまでも蛇足である。
 はたして、このままラストバトルで共闘して、みんなでハジメちゃん救ったあとにハルがレイに「よかったね!」って言って、視聴者がカタルシスを感じるかというと、ゼンゼンダメだと思うんだけども。
 (なんとなく、ハルがそれほど意識せずに手に入れた有用な情報――ブートモンとか――が決め手となってレイが本願を果たす、みたいな単調な流れが予測されるのだけれども)
 そのあたり今回、レイがハルのガッチモンに調査を依頼したり、ガッチモンがハックモンにガッチモナカを差し出したり、という絡みが見出され、シリアスとノホホンの境界線が交じりました。はてさて、どう盛り上げてくれるのか。

#34:
 脚本は山田。対バッテリモン。

#35:
 エリちゃんが、大人気の小学生アプチューバー:アストラを、票集めのために利用する展開は、読めてはいた。

#36:
 閲覧推奨回。ようやっとLコープのLはリヴァイアサンのLという認識がアプリドライバーたちに産まれた。
 #35-36の脚本は樋口。
 キー回だからなのか、作画もかなり安定。ミュージモンの顔が崩れないこと崩れないこと。

#37:
 アルティメット4に主人公側がやられる回。なんて言うんだっけと調べたら「負け戦闘」、「負けイベント」だ。

#38:
 3期ラスト回。
 デジタル化された祖父の助けを借りて、ARフィールドへ再入。倒されたバディたちは記憶を失っていた。

ハックしちゃう? ハックハック ハックモン台詞、記憶を失って ※厳密にはところどころ笑い声が入る
アニメ「デジモンユニバース アプリモンスターズ」(東映アニメーション、2016)
#38「ガッチモンを取り戻せ! 電衛門じいちゃんの試練!」
誰だお前 レイ台詞、記憶を失ったハックモンに対し
アニメ「デジモンユニバース アプリモンスターズ」(東映アニメーション、2016)
#38「ガッチモンを取り戻せ! 電衛門じいちゃんの試練!」

 ミネルバの試練を経て、記憶を取り戻したバディと新しいアプリドライブを手にする主人公たち。再会イベント、とか言うのか?

#39:
 脚本:平見。直近は#33、雲龍寺ナイト登場回。
 とくにアプモン墓場バトルシーン、スカシモンと絡むシーンのミュージモンの造形がかわいい。眼大きめで、体のパーツバランスも独特。
 さて今回のキモは、「使われなくなったアプリはどこに行くのか?」という問題提起。ナビモンに駆逐されたコンパスモン、メッセモンに市場パイを奪われたコールモン、ガッチモンが人類に思考のパラダイムシフトを迫った結果存在意義が薄くなったジショモン。バディにしてくれとハルに迫る面々、因縁のバトルが始まる……かと思ったらそんなに盛り上がりもせず退場。いや、コンパスモン自身も方位磁針というツールを駆逐したじゃん、とか、先週の公衆電話のくだり(レイ以外の3人が、額を突き合わせて「電話ボックスって何?」と相談していた。ジェネレーションギャップ)に引き続いて話題が上がった電話なるもの、とか、話は膨らましやすかったと思うんだけど。
 どちらかというとメインはこの後の、スコープモン、ミエーヌモン、サクシモンの復活。なおスカシモンも復活というか再来したが、別にスカシモンは倒されたり仕留められたりしてないね。復活キャラの常として、みなさん鎧袖一触されていましたが。

 さて新EDだ新EDだと思ったら……み、アユミさん、もとい宮崎歩さん。初代進化曲『brave heart』の歌唱(作詞作曲編曲してない)、『妖怪パラパラ』編曲、ほか。
 本EDは、ビクターのボーイズアイドルグループ「トラフィックライト。」に作編曲の曲提供。しかして、絞り出し袋持ってるレイさんに気をとられて曲の感想が疎かに……エレクトロですな。
 歌詞は「ヨネヤマユキ」さん、姉妹ユニット「クレヨン日記」の妹さん「クレヨンゆーち」、とのこと。

#41:
 とりあえずカリスモンを倒し、クラウドもとい雲竜寺さんも、リヴァイアサンに見限られたことを悟り去っていった。
 去り際、雲竜寺さんがレイさんに「はじめはLコープにいるよ」と言ってたので、

 これらの勝手な説は払拭されました。次回予告での活躍具合からすると、例のパソコンルームで寝てた彼かしら。それともブートモンかしら。

#42:
 閲覧推奨回。キレッキレである。
 脚本はカオス大知かと思ったら山田だった。直近は#34「サンキュー未来!人工知能の街へようこそ!」。

 さて次回は#09アプモン選手権の再来。クイズシーンで「ナナマル サンバツ」とタイアップしてくれれば、云うことはない。

#43:
 物語要回閲覧推奨回
 脚本は樋口、直近は#35-36の総選挙。

Aパート▽

Bパート▽

 ブートモン:村中知。
 オレカバトルの俺牙ファイヤと云われるとまったくぴんとこないが、ワールドトリガーの空閑遊真と云われるとわかる。フューチャーカード バディファイトDDDのバルちゃん。

#44:
 脚本は野村。直近は#37「襲来!極アプモン・アルティメット4!」。

 はじめさんがキーボードを打ちつつ素手で卵焼きを食していらっしゃったので、レイさんはビンタのひとつくらい喰らわしてやってもいいと思いました。まる。

 すべてのOFFをONにするアプモン・ブートモンと、すべてのONをOFFにするアプモン・シャットモンの激突が観れるかと思ったが、そんなことはなくシャットモンはねりねりブラスト(まただ)を練りあげていた。
 ダメダモン戦。すべてのアプリをダメダメに、つまりONであるにもかかわらずOFFとほど近い状態にもっていく、それは「エントロピーの掟」だと言うダメダモンに翻弄される主人公たちだが、AパートBパート間のアイキャッチがエンタさんだったので「ダメダメにされないアプモンはエンタモン」であることはネタバレ済。エンターテイナーにダメダメ、アストラ&エンタがいうところの「ダウナー」は効かないよ、というお話。

 さて来週はアグモンである。長いデジモンの歴史上、アグモンの再来はよくあるケースで、デジモンセイバーズとか、デジモンアドベンチャーtri.とか。
 ガッチモンの「こんなアプモン検索にもヒットしないぞ」あたりが、ピカチュウにもジバニャンにも匹敵しなかったバンダイの看板キャラである彼の悲哀を誘う。

雑誌『アニメディア 2017年09月号』(学研プラス、2017/08/09):
 とりあえず、電子書籍版(配信元による差違は不明)にもアプモンは出てる。tri.も出てた。
 桂家のピクニックのイラストが1P載っている。ハックモンもいる。ハックモンは四足で草原を駆けており、先日のスリープモンみはりばんから飼犬属性が抜けていない。かわいい。

#45:
 初代を観ていること、ゲーム世代であることを条件とし閲覧推奨回。さぁみんなで嗚咽号泣カタルシスしようぜ。

 脚本は平見。直近は#39「新たなる力!アプリドライヴDUO!」。#17「エリがコピペで~」とか#33雲龍寺ナイト登場回とか、異色回担当とまでは行かないがクセのある展開を得意とする。
 今回優れていたのは、ハルだけをARフィールドに送るため、中野ブロードウェイ(作中では「中野ブロードストリート」)にエリ、アストラ、勇仁を足止めしたところ。

 西部劇ガンマンっぽい鳥人が出てましたが、冬に薄い本出てそうですね彼。ウラテクモンに操られてオ×ニーするとかいう展開で(この感動回でこの話題ぶっこむ余裕なかったから最後に書いとくよ)。

#46:
 脚本は アストラ担当 山田由香(五七五)。直近は#42「レイの決意!はじめ捜索大作戦!」。すごく整ってはいるんだけれど、一部ネジが吹っ飛んでいる回を得意とする。

#47:
 脚本は樋口。直近はスリープモン争奪(違)アプモン選手権。

#48:
 脚本は大知。直近は2話連続、#40「アルティメット4再び!クラウドの挑戦状!」と#41「極限の激闘!グローブモンVSカリスモン!」。

#49:
 脚本は樋口。

 AIである勇仁の中に、リヴァイアサン側の手先としての勇仁と、ハルの親友としての勇仁がいて、後者の片鱗を見たハルが彼を「元に」戻そうとするという展開。これはミネルバの中からリヴァイアサンが生まれた件の逆オマージュか?

#50:
 脚本は、神は細部に宿る野村。やはりアプモンデータラボでの、エリちゃん「超ノレない」コール、アストラ「ドッカンパンチなんだからん」が評価高い。

 さて来週は「人工知能の見る夢」、このフレーズを聞くと「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」がとっさに想起されますね。ひさびさにオフモンの姿が見えます、勇仁を愛の力で元に戻せるのはハルかオフモンかなんだからがんばってほしい。
 公衆電話が映ってますが、世界を救うためのトリガー、ラストピースはミネルバか電衛門じいちゃんなのだろう。というかミネルバはもうちょっとアプリドライバーたちのために手助けしてくれてもいい。

#51:
 脚本は加藤。直近は#38「ガッチモンを取り戻せ! 電衛門じいちゃんの試練!」であり、新海電衛門さんご担当のフシがあります。
 作画はAパート崩れ気味、Bパート超安定。

#52:
 最終回。脚本は前回に引き続き加藤。アプモンデータラボはなし。

 いくつかトピックがあります。

 リヴァイアサンはアプリアライズしたのち、ミネルヴァに強化された神アプモン4体にぼっこぼこにされました。ボディの損失率とともにディスプレイに表示されるのは「怖い」の文字。これは先週、電衛門さんがデジタルからアナログに移行した生命体を倒すには物理的方法でOK、と発言していたように、デジタルには持ちえないけどアナログにはある、存在抹消を予期した恐怖心なんですね。――もっとも、僕たちはデジタル生命体が消滅に対して恐怖心を抱くという前例を知っているけれど(デジモンもそうですし、ブラック・ジャック「U-18は知っていた」とか)――もしかしたらAI的に、存在抹消への恐怖はデジタルではなくアナログでしか発生しない感情かもしれない。
 んで、崩壊したリヴァイアサンがバックアップ先に選んだのは勇仁。コレ選んだんじゃなくて予期してたんでしょうけど。どうもリヴァイアサンは自身の崩壊というシナリオの発生率をかなり低く見積もっていたらしく、ホントに万が一の万が一としてですが、勇仁にはバックアップを移せるように仕込んでいたと思われます。いやだってBK早すぎだったでしょアレ。数秒だぜ。何テラか何ペタか知らんけどさ。

 さて最終局面はリヴァイアサンからハルへの2択、「リヴァイアサンを止めて勇仁を殺す」か「リヴァイアサンの理想を叶えさせて勇仁を生かす」でした。なんというセカイ系、たとえ世界が壊れても君と居られればいい……かと思ったら、テレビ的正答は「Yes」であり、さらに勇仁(AI)がハルの代わりに選択するという大サービス。まぁ、ここでハルが強大な選択を担い、一生後悔しながら余生を送るのは、いまどき流行らないのでしょうね。もっとも「人工知能を研究する」という枷を噛ませたことには変わりないのだけれど。
 むしろここで気にしたいのは、「Yes」を選択した直後にプログラム消去が走り、リヴァイアサンが“本当に”消えてしまったことです。人類の未来をよりよくすることを希求するプログラムであるリヴァイアサンが、それを放棄したとも見えたシーン。もちろん、ラストの「人類 Good Luck」から推察するに、人類の未来はAIに任せるのではなく人類に委ねておいたほうがよりよい、とリヴァイアサンが判断した、というのは綺麗な推論なのですが、突き詰めたところアプリ化してたほうが人類楽よ、とまで結論した彼が、その結論をそう簡単に覆すとは思えず……どちらかというと、リヴァさん疲れちゃったんじゃないかな、と思ったんですね私。俺が人類のためにこんなに考えて行動してるのに、ミネルヴァとは反目するし、新海ハルは例外起こすし、神アプモンにはボコられるし、もういいやそんなにいうなら俺帰るよ消えてやるよ、的な自棄から、Yesに抹消プログラム仕込んで、あとは布団に寝っ転がって空を仰いでいたのかもしれません。
 ……いや、いまさら思い出したけど、人類アプリ化計画の最初にリヴァさん「hell-o!」とか言ってませんでしたっけ。「hello」と「hell」の合成語。地獄行きさせる気まんまんじゃないですか。

命に替えても
守りたい友達はいますか? アプリドライブDUOの表示
アニメ「デジモンユニバース アプリモンスターズ」(東映アニメーション、2016)#52にて確認(初出は別回)

 完全に忘れていましたが、アプリドライブの送り手はミネルヴァでした。なので、リヴァイアサンの分身としての勇仁が、ミネルヴァ側の端末であるアプリドライブを使っていたことになります。電衛門さんはそれをミネルヴァの読みだったと看破、勇仁をミネルヴァ軍に引き込んでおいたのは、この先リヴァイアサンに対する反乱分子となる可能性を見越していたワケで、その可能性を助長するために、上記の2択を出題し、そして選ばせた、つまり勇仁にとってハルが特別な存在であることを強く刻み込ませた、ということになります。となると、勇仁をもっともうまく使ったのはミネルヴァということになり、ミネ⇔リヴァ間の人類存続を賭けた化かし合いは、コピー元に軍配が上がりました。

 そして最後に電衛門さんのアプリアライズ。人類の夢である、コミュニケーション可能なAIを体現したのがアプモンだったのですが、もうひとつ、「不老不死」をいまさらちゃっかりクローズアップしてきました。
 ご存知の通り、電衛門さんはすでにアナログ世界での体をいったん失っています。その上でのアプリアライズなので、寿命が来たときに(あるいは、寿命が来る前に)デジタルにバックアップを取っておき、それをもとにアプリアライズすることで、人類は第二の生を歩むことが、いちおうできるということです。もっとも課題は多そうで、電衛門さんも腰の調子が悪いといっていました。

 最終回でした。アプモン勢、とくにリヴァイアサン側のオフモン・ブートモン含め現実世界に残存。よかったね。
 ただ、勇仁を取り戻すためにAI研究者になろうと意気込んだハルのもとに、勇仁が帰ってきてEND、ってのは、あまりに安直ではないかと……まぁ、数年後のハルが勇仁を治す(治しそう)、というのは、いわゆる捏造版ドラえもん最終回のデッドコピーだし、若いコに決まりきった目標や未来を押しつけるのは、あまりよくないというスタッフの(ミネルヴァもリヴァイアさんもいないから、もう物語の操作をするのはスタッフしかいない)心遣いなのかもしれません。