アニメ「ミスター味っ子」(サンライズ、1987)感想

OP:
 マンガのコマから陽一くんが出てくるという演出については、今川監督がこう述べている。

あれで、マンガから出てきたキャラクターなんだ、出てきた以上はこっちのものなんだ、別の世界のキャラクターなんだ 編:小黒祐一郎『ミスター味っ子 うまいぞーBOOK』(アニメージュ文庫、1989)P.90上Ll.16-18

#10「いわしグラタンは母の味」:
 勝敗が原作と正反対。やりすぎ感はあるが必然性はある。人間味を押し出したアニメ版では、料理の下手なほうが味勝負に勝つことで未来が回ることもある、と語る。

#15:
 原作4巻では高校教師だった、石灰に水をかけて温める仕組みの伝授人が、アニメだと一馬になっていた。うれしいんだけど、ワンカップ酒を陽一に届けるよう(ましてやみつ子経由)言い渡すのは、年齢的にマズいんじゃ……。

#16:
 怒涛の一馬推し。

#18:
 初の全編アニオリ回。アニオリとは何かを押さえきった名エピソードなので、ホントコレは観といてください。関場さんをもってくるセレクトよ。

#41:
 激烈な一馬推し。タコヤキ戦。

#45:
 陽一・中江の再戦にスポットが当たったかと思ったら、まさかの一馬推し。台詞なし・キャスト欄なし。

#46:
 筋肉キャラの素材ナチュラルハイ・中江兵太。原作の通り名「素材の魔術師」とはさっぱりの方向に着地したキャラクタライズ、「照れ屋」(#41コオロギ談)な一馬との絡み、3人で山小屋。突然の競馬。
 あと一馬さんの「一馬」って書いてあるボトムスがほしい。
 ところで最近「ミスター味っ子の抱き枕ラインナップ」を夜な夜な考えているのですが、

Iのみ
味吉陽一
堺一馬
中江兵太
I・II
味吉陽一(I)
堺一馬(I)
味吉陽太(II)

 でほぼ確だと思うんですよねー。II未読なんですけど読むのコワいんですよねー一馬がー。

#47:
 閲覧推奨回。……ただ、肝心の味勝負としては、カレーの天才だからってサンマ定食にカレー南蛮出すなよ、に尽きるので、面白いか、と訊かれると、そうでもない……
 コオロギと別れたと思ったら「ついてこい」云うたり、陽一の食堂を手伝っちゃったり、味の評価をする食堂客から陽一のサンマ蒲焼丼を奪って食べたり、ラストシーンで陽一に「お前は俺の……」と言わせたり、なんかもうストーリー上繊細な扱いを受けている一馬さん。
 もうすごいどうでもいいんですけど、味っ子って枕さんにとってアニメ・マンガ原体験で、ショタコンとして恐縮なんですが、性欲とか感じないんですよね。まぁ一馬さんは鈴木みえ(現:一龍斎貞友)推しとして外せない物件なんですけど、スキとかキライとかいうよりは眺めていたい対象なんですよね。

#53:
 珉々(CV:本多知恵子)とかいうアニオリ女児が出てきた所為で、小龍も紅鶴も出ないのかと落胆していたら、虎峰がしげるをバイクで拉致るという事案が発生し、やべぇコレ香港では日常茶飯事なのかしら行かなきゃ、と思いました。

#58:
 全裸で陽ちゃんと虎峰が空飛んでくシーンで、一馬・中江・ウィーン少年料理団の面々が飛来してますね。中江くんはうっかり脱ぎそうなキャラなんですけど、一馬はなかなか脱いでくれなそうですよね。何の話でしたっけ。

#60:
 これ閲覧推奨回だなぁ。要するに、アニメ版香港でやらなかった、陽一VS虎峰の焼き餃子戦の代替なんだけど、かなりの異色回。
 餃子勝負、と言われた時点で、香港と品目カブってるなぁ、とヘンな予感はしてたんですが。味将軍グループのラインナップが、陽一のジャンボ焼き餃子、虎峰の透明蒸し餃子、陽一の小部屋蒸し餃子の改変上位互換で、自らの料理のノウハウが筒抜けだったことに愕然とし勝てないと思ってしまう陽ちゃん。ただし、二種の蒸し餃子はキャビアとフォアグラぶちこんだだけという底の浅い工夫であり、さらに素材自体はロボコックとだだ被りである。いや、まぁ、フォアグラ入れたら美味いだろうな……キャビアは私わからないな……
 なお松井菜桜子が、もとい太郎と次郎が陽一のサポートに付くというサービス回です。

#76:
 詰め込み過ぎ。放映日が1989年04月06日なので、7クール目冒頭回なんですね。先週、味皇様が失踪したんですが、かてて加えて新要素ブチ込み過ぎである。

 怒涛の一馬推しは続いておりまして、学ラン、陽一の布団で爆睡、コオロギに尻の形で同定される、陽一と和歌山旅行、と正ヒロインとしての株を上げまくりであり、先週のみつ子ちゃんの下りは何だったのだという勢い。

余談ですが陽一・一馬の中学校名は「関陽学院中学」です。これ難易度高いな。あと『メルヘヴン』の虎水ギンタの中学校は「風呂輪中学」、この手の「学生主人公だけど物語舞台が学校ではない」作品の学校名当てクイズ、ちょっとまとめたい。

#77:
 1989年のキッズたちは本当にこのアニメについてけてったのか非常に気になる。突然のバレーボールで陽一と一馬はブルマ姿、夫をボールにしてスパイクを打つ妻と豆腐勝負。えぇと、ホントにこれ日本の地上波で放映してたのか。

#79:
 閲覧推奨回。幸いなことに枕さんは、端午の節句に粽・柏餅を食べない地方の生まれなので、粽には糯米が入っているものだし柏餅はミルルン(SFC『テトリス武闘外伝』(BPS、1993))……それ桜餅だ……ですので、ここはおとなしく一馬さんといっしょにケーキとか食べようと思います。

 一馬さんへのいじめ描写、幼少期トラウマ抉りがメインテーマですが、2年花組の3人も、親の仇を討つという“子供”らしい大義名分があるんですね。さらに陽一の相方はかつて子供をないがしろにしていた江川母。

 いわゆる、ヴィジュアルが個性的な女子、をネタにした回という評価は避けられないと思います。

#81:
 トランクス派。

#90:
 左右色違いのビキニ水着をお召しになっています。

 アイスクリーム勝負、といえば、原作コミック11巻では陽一VS一馬の3回目の味勝負(香港旅行後に拉致される陽一)、そしてコオロギ♂最大の見せ場ともいえる「アイスクリームは作り立てがいちばん美味しいワケじゃない」知識披露というキモの回なのですが、はたしてアニメ版、すっぱり作り変えてきましたね。

#96:
 まぁほら、原作コミック読み慣れてると、アニメ化したとしても一馬さん出てくるの5回(味勝負4回+ラスト1回)くらいじゃないの? と思ってさぁ全99話駆け抜けようぜと始めたところ、#76から正ヒロイン、毎話出てきて毎話活躍、ときには笑ってときには泣いて、どうしようこれコロッケ勝負したい(≒ケッコンしたい)、と腹案抱いた今日この頃ですが、まさか味皇のじいさんにかっさらわれるとは思いもしませんで。味皇宅の畑を耕し飯も作る一馬さん、店もコオロギもほっぽって。俺だってキャベツ一玉頭に当てて泣きたいぜ。
 さて次回はシングルエイジ一馬さん登場、高山みなみが「おい・しー・よっ♪」と言わず「お楽しみに」ときたもんだ。

#97:
 とりあえず殴る回なので、ニガテなかたは注意してください。
 シングルエイジ一馬さんの声を聴くと、ああ鈴木みえ(現:一龍斎貞友)がしんべヱなんだなとようやくわかるくらいの耳力です。さっきまで一馬さんと猿谷猿丸(CV:頓宮恭子)の中の人を混同してたなんて口が裂けても言えない

#99:
 最終回。
 ワイルドカードはまさかの甲来軒の奥さん。思えばアニメ化にあたりものすごく出世したのが丸井さんと甲来軒のダンナであった。ダンナは日之出食堂を手伝い、さらに中国にまで付いてきていた。