竜魔王。レッドドラゴンだけど桃色。
v:魔王様とギアとナシゴレンとの暮らし
x:火を吹くこと
ミントは竜魔王の桜餅すあまに抱きかかえられて、城の廊下をずんずん進んでいった。
ホントはおふろに入りたいけど、カラダがもちそうにない。そう思ったミントは、ベッドへ運んでもらうように頼んだ。こくり、と頷いたすあまは立ち止まり、廊下にある扉のひとつを開いた。
大きなベッドに大きなタンス、あっちにある大きなお椀はお風呂だろうか。弟と過ごしている小さな家がすっぽり収まってしまいそうな部屋。初めての距離感に、ミントの頭はくらくらである。それに、さっきのまおーさまの部屋は、寝室とお風呂が別にあって、お風呂はこの部屋よりも大きかった。
「よいしょ。ここがミントくんの部屋。くつろいでね」
すあまがベッドにバスタオルを敷き、その上にそっとミントを降ろす。肌触りがくすぐったくて、かけてもらった薄い毛布はふわふわで、疲れたカラダがやんわりと眠りの国へ誘われる。
と思ったら。
「あ、ふにゃあああ!」
全裸で寝そべった上に、かけてもらった薄い毛布を突き上げて、股間の小さな塔が硬直し、ぴくぴく震えて、さらなる刺激を希求している。
「な、なんで」
カラダはすっかりくたくたなのに、股間のソコだけが元気すぎるくらい元気になっている。
やっぱりだらしないのかもしれない。まおーさまは“ふしだら”なのがいいと言っていた。だらしなくてふしだら。自分が自分でないものになってしまうみたいで、ミントはコワがった。オチンチンをぴんと背伸びさせて、うるうると目頭を濡らす。
「すあまさん、ぼく」
「あ、あのね、違うのっ、ミントくんのせいじゃないの」
声が重なった。
「え?」
「まおーさまに、してもらうと、そうなるの。はじめてだと、よけいに」
かぁっ、と顔じゅうを赤くして、すあまが説明する。
「まおーさまの、せいえき。すごく淫乱なお薬みたいなんだって、ギアが言ってた。だから、ミントくんがそうなっちゃうのは、んと、しぜんのせつりなの」
自然で摂理なら、仕方ないのだろう。恥ずかしいけど。ともかくも、このままではオチンチンがじんじんして、眠れそうにない。体中の筋肉が、動きたくないと言っているのに。
と思ったら。
「あ、あれ」
腕が軽くなって、足が軽くなった。さっきまでの疲労が嘘みたいに引いていって、今度は体が火照ってきた。
「また、ヘンになってる。すごく元気」
「あ、あのね、それもまおーさまのせいなの」
「うん。なんだか、そんな気がした」
「まおーさまの、せいえき。元気になるお薬。でも、ムリすると、次の日とっても疲れちゃう」
「そうなんだ」
「でも、あの、その、まおーさま、嫌いにならないでね」
今度はすあまが泣きそうな顔になっている。
「毎日じゃなくていいから、やらしいコト、してあげてほしいの。オシリがヤなら、挿れてあげて」
「す、すあまさん、そんなの」
具体的な行為に話が及んで、ミントは腰が引ける。それはそうだ、なんたってさっきのが初めてだったのだから。いきなりの受け側を経て、攻め側でもいいと言われても、実感は沸かないし、沸いたら沸いたで恥ずかしい。
「ご、ごめんね、でもね、いいこともあるの」
「いいこと?」
ミントの動揺とはうらはらに、すあまがほっぺたを赤くして、続ける。
「3つめの効能。あのね、うんとね、……すごく、キモチイイの、またしたく……なっちゃうの」
まおーさまの精液。ひとつ、興奮剤に催淫剤。ふたつ、スタミナドリンク。みっつ、快楽促進効果。たっぷり注ぎ込まれたカクテルは、ミントのカラダを蝕んでゆく。ひとまずいちどは抜いておかないと、今夜は眠れそうにない。
「ミントくん、眠れそう?」
「あ、な、なんとか」
体が動くうちにシャワーを浴びて、全身に浴びた淫液を洗い流した。オシリの穴から零せるだけ零して、少しは楽になった気がするけど、火照りは止まなくて。再度シーツに寝転んで、すあまと話す。
「そばにいてくれてありがとう」
「いいの、ミントさんはお客様だから」
まおーさまとの交渉後、つきっきりでいてくれたすあまに、ミントは礼を言った。
「もうだいじょうぶ」
ミントはすあまを安心させたくて、もひとつにっこり笑った。もう夜も遅いのだから、すあまもお部屋に戻って、眠ったほうがいいと思った。
いっぽう、すあまはそわそわして、ミントのほうをちらりと見ては背け、もじもじ。何か言いたそうにしている。
◇「僕、もう寝るね」
→「どうしたの? すあまさん」
「あ、あのね、ミントくんが、ヤじゃなかったらだけど」
「うん」
指をお腹の前で、くるくる回す。
「オチンチン、ラクにしてあげる」
「うん……え、え!」
「ボクのオシリ、使っていいよ」
とつぜんの申し出。耳まで赤くなるミントと、桃色から全身真っ赤になるすあま。
「で、でも、そんな」
「そのままじゃ、寝られないから、ボクが部屋から出たら、あの、ひとりでするつもりだったよね」
「い、言わないでよ」
「ごめんねっ、でも、ひとりでするより、キモチイイから。気持ちよくしてあげたいから。この城のこと、まおーさまのこと、嫌いにならないでほしいのっ」
「あの、近い」
火が点いたように主張するすあまは、いつのまにかミントとの距離を詰めていた。
「あ」
遠ざかり、すーはーすーはーと呼気を整えて、すあまが畳みかける。
「ミントくん、ボクのこと嫌い?」
「嫌いじゃ、ないけど」
「ベッド、入っていい?」
「う、うん」
もぞもぞ。ミントの倍はありそうな竜魔王の体躯が、薄い毛布に潜りこむ。寝返ってミントと向き合うだけの余裕がじゅうぶんにある、大きなベッド。
「そのままじゃ、収まらないから」
すあまの視線が、ミントの股間を射る。
「ミントくんの、オチンチン、ボクの中で気持ちよくしてあげたいの」
そう云うと、すあまは腹這いの姿勢から腰を上げ、太いシッポをゆるりと上に向けた。
「ミントくん、お願い」
「で、でも、そんな」
申し出に困惑するミント。
「ほら、ボクのここ、ミントくんのが欲しくて、ウズウズしてるから。すぐ挿れてだいじょうぶだよ」
シッポをぐるりと曲げて、尖った先端で後孔を示す。おそるおそるミントが覗き込むと、薄桃色の肌の合間、シッポの付け根あたりに、赤く色付いた入口があった。
「う、うわ……」
初めての驚きと、卑猥さへの昂奮で、思わず声が出る。じーっと見つめていたら、すあまが首だけ曲げてこちらに声をかけた。
「み、見てるだけ、なの?」
ふうふうと息を荒げ、舌をだらりと垂れさげ、まだ行為が始まってもいないのに目を虚ろにしている。後孔の下でふるふる揺れる肉棒からはたらたらと透明な液が流れ、シーツをしとどに濡らしていた。かたやミント自身も、ガチガチになって先端を湿らせている。
「ミントくん、早く」
「う、うん」
すあまから漂うただごとではない熱気に感化され、ミントはごくり、と息を飲んだ。そろそろと立て膝になり、桃色のドラゴンの背後に回れば、自身の竿とちょうど同じ高さに穴が設えてある。
「あの、それじゃ、挿れる……ね」
「うん。いっぱい気持ちよくなってね」
快楽を導いてくれる器官。さっきまで、自分が貫かれていたオシリの穴。まおーさまの肉棒は固くて、さきっぽが自分の中に入って、びゅくびゅくとたくさん射精していた。もし自分がすあまさんのオシリに挿したら、まおーさまみたいに止まらなくなっちゃうのかな、すあまさんはコワくないのかな、いろんな思いが頭の中をぐるぐる回る。すままのオシリに両手を当てて、真ん中の穴に照準を定める。
「あ、あのね、片手はオチンチンに添えたほうが、入れやすいの」
「そ、そう……なんだ」
口添えに従い、右手で自らの竿を持つ。距離を縮めると、自らの先端を、すあまが欲しがっているトコロに充てた。
「そのまま……」
「うん」
ゆっくりと、腰を進めていく。やんわりとした感触とともに、先端が入口を抜け、難なく内部に収まる。
「あ……ん、ミントくん、もっと奥ぅ……」
「そん、な、コト」
あったかいのと、定期的にきゅっと閉まる刺激で、ミントはすでに達しそうになっていた。すあまの要求通りひとまず全部挿れようと思い、ミントはさらに前進する。
すあまの内部は、ミントのオチンチンを拒むことなく、するすると中へ導く。きゅっと締まった入口の刺激が、竿の根元まで抜けていくときに、ミントは甘い声を挙げた。
「あ……すご……」
「ミントくん……」
すべてがすあまの中に納まったときには、ミントはもう気が気でなかった。とにかく発射してしまいそうで、なんとか耐えてはいるものの、差し込んだ肉棒にたっぷりの肉壁が纏わりついて、緩めては締めつけ、熱を齎す。それでいて入口は適度に締めつけて、ミントの陽根を逃がさないように食らいついている。
「ひぁっ、もう、ダメだよ、すあまさんっ」
「あ、あのね、少しでいいから、動いてほしいの。お願い」
枕に顔をうずめて、すあまが懇願する。その期待に何とか応えようと、すあまは前後運動を試みる。腰を引いてみれば、擦れる快楽に意識がもってかれた。
「は、はう」
「あ、ボクの中、ひっぱられて……」
半分くらいまで引き抜いたら、またゆっくりと内奥を征服していく。
「ひ、ぅんっ」
「あ、ミントくんの、奥に……」
じわじわとオチンチンを蝕む快楽に、ミントはガマンしきれず、すあまに謝った。
「ダメっ、もうっ、すあまさん、すあまさんっ!」
「ミントくんっ、すごいよぉ」
ぐっと引き抜き、また押し込む。そして引き抜いたときに押し寄せた射精感。半分くらいの往路を引き返し、ミントはそのままオチンチンをずぶりとすあまの秘部に潜りこませ、耐え切れず精を放出した。
「ひあっ、出ちゃっ、出てるっ」
「ミントくんっ、いっぱいちょうだい、ミントくんのせいえき」
痙攣し、とくとくと白い体液を吐き出すミントの器官。さっき覚えたばかりの機能を、いかんなく発揮して、震える。