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しろしろ

ライムライト・クァドラプト・オムライス

「ふはははははははは!」
魔王様。

v:魔王城、忠実なしもべ、崇高な理念
x:弱い勇者

1日目:まおーさまと

 「まおーさまー」
「うむ!」
 湯を借りてから、用意されていたバスローブを着て、まおーさまの寝室へ向かう。
 すでに湯浴みを済ませたまおーさまに、ベッドの上に誘われて、開口一番。
「ミント。今夜オレ様と儀式をするのだ」
「ぎしき?」
「お泊まりする者はみんな、まおーさまに忠誠を誓うのだ」
 忠誠、というのは、なんでもいうことを聞く、という意味だと、かしこいミントは知っていた。
「忠誠は、しません」
「うむく! それではお泊まりさせない!」
「じゃ、ぼく帰りますね」
 ベッドから降りて、とてとて、と部屋を出ようとしたミントを、まおーさまが慌てて引き留める。
「待つのだ! それでは忠誠は誓わなくてもよい」
「はい」
「しかし儀式はするのだ」
「どうして?」
 首を傾げて問うミントに、まおーさまはタジタジである。つかのま、
「オレ様がしたいからするのだー!」
 本音が出た。バタバタと両手両足をベッドの上で振り回す。
「うー、まおーさま、騒がしい」
「ミントがオレ様のゆーことを聞かないから悪いのだー!」
 駄々を捏ねている。槍のようにとがったシッポの先が、フキゲンそうに不規則な弧を描く。
「まおーさま、儀式って、何するの?」
「うむ!」
 このままでは寝かせてもらえないと思ったミントが、再度ベッドに登り、仕方なく話を振ってみると、まおーさまがひょこっと起き上がる。
「ミントのオシリのアナに、オレ様のせいえきを流しこむ」
「……え」
「うむ。ミントのオ」
「もっかい言っちゃだめー!」
 真っ赤になったミントが、言いかけたまおーさまの淫語を制した。ひるむ魔王様。
「うむく。魔王様に盾突くとは小癪である」
「だってまおーさま、そんなやらしいコト言うんだもん」
「ミントは、やらしいコトがキライか?」
 すっ、と間合いを詰めて、まおーさまがミントに近づき、ベッドの上で差し向かう。それから、ニヤリと笑って。
「オレ様はやらしいコトが大好きだ。キモチいいし、あったかい」
「キモチいい? 恥ずかしいよ」
「恥ずかしいからキモチいいのだ」
 頷くまおーさま。
「それから、魔王城が頽廃し色欲にまみれる様子を見せて、民の手本とさせてやるのだ。オレ様が直々にだ」
「直々じゃないとダメなの?」
「うむ! ギアとスアと、レンといっしょに絡む。みんなで頽廃するのだ!」
 牛魔王と、竜魔王。それから、初耳の名前。茫然としていたミントだったが、ともかくも目の前のまおーさまは、自分とやらしいコトをしようとしている。そんな恥ずかしいサマは見せられないから、逃げなくちゃ、と思った。
「あの、まおーさま、ぼく、用事を思い出しました」
「明日にしろ」
「弟のパジャマを、タンスから出しておいてあげないと。ハッカが眠れなくなっちゃう」
 ぱたん。
「弟君、ちゃんとタンスからパジャマを引っ張り出しましたよ。何段目かわからなかったようで、パジャマ以外も全部散らかしてましたが」
 ぱたん。開いたドアが閉じて、ギアの報告が終わると、まおーさまは身に纏ったバスローブの帯に手をかけた。
「うむ! 用事は終わったな!」
「えええ」
 困惑するミントを尻目に、帯を解いてバスローブを床に放り投げる。
 同じくらいの背の高さで、ケモノのようにもこもこしていなくて。薄い黒炭色の素肌に引き締まった筋肉が浮いており、黒いシッポがふわりと揺れた。
 目を惹く股間には、隆起した一物が今か今かと閧を待ち侘びているようだ。ぴくぴくと震えて、先端が宙を往復し軌を残す。躊躇なくさらけ出されたその棒状の器官に、びっくりするミント。
「ま、まおーさま」
「案ずるな。ミントのオチンチンも見せるとよい」
 儀式を受け入れるとはいちども口にしていないのだが、全裸に牙を覗かせてニカッと笑うまおーさまを見ると、自分だけ服を着たままというのは不自然な気がしてくる。ミントは借り物の水色バスローブをするすると脱ぐと、
「あ、あのね、かけとくの」
「あ、ありがと」
 いつのまにかベッドの脇に待機していたすあまに渡した。受け取ったすあまは魔王様のぶんも拾って、タオルウォーマーにひっかけ、こそこそ部屋から去っていく。
 素っ裸になったミントが足を曲げて、股間が見えないよう手で隠していると、まおーさまがうれしそうな顔をした。
「ミント。なぜ隠す」
「だって、恥ずかしいもんっ」
「うむうむ! 羞恥が快楽に変わってこそ、魔王が直々に手を下す価値がある!」
 がばぁっ、と飛びかかり、足のあいだに潜りこまれる。とっさのことに対応できず、ころりと後ろに転げるミント。気が付けば視界はベッドの天蓋、足は中空に浮き、股間にはまおーさまのツノ。
「うむ。色も形もよい。使いこなれていない、初々しいオチンチンだ」
「ふ、ふわぁ」
 そんなふうに評されて、耳の先まで赤くなる。
「ふむ」
「わぁ!」
 ぺろり、とまおーさまの舌が伸びたかと思うと、一口に頬張られた。ゆっくりと吸いあげられ、舌を絡めて愛撫される。
「んっ、んっ」
 初めての快感に、声をガマンできない。慌ててマズルを手で覆うと、まおーさまが股間から顔を放した。糸が伝い、細くなって空中に溶ける。
「ほんのりしょっぱい。先走りと混じれば、もっとウマくなるぞ」
 何の話をしているのかすぐにはわからなかったが、数瞬考えて、“味”のコトだと気がついた。自分の、オチンチンの。
「わああ!」
 ミントの恥ずかしさは最高潮。とにかく姿勢を戻そうと横に転がって、
「うぬく」
 まおーさまの側頭部に膝蹴り。とっさに謝罪。
「まおーさま、ごめんなさい。だいじょうぶ?」
「うむ。そんなことでは魔王は倒せぬぞ!」
 うれしそうだ。横向きになった体の背後に、まおーさまが滑りこんできて、今度はオシリの溝に指を這わせる。
「わああああ!」
 くすぐったくて、ミントはまた声を挙げた。
「ミント、騒がしいぞ」
 さっき注意された反撃とばかり、まおーさまがミントを窘める。
「うー、だってまおーさまが、オシリ、触るから」
「うむ。儀式には動かないオシリが必要だ。……うぬ、動いても、よいのだが」
「え?」
「ミント。しばらく動かずに、力を抜いていろ」
「う、うん」
 まおーさまがベッドサイドの引き出しに手を伸ばし、届かないので腹を立て、腹這いの姿勢で移動してやっとこさ目的の物を取り出す。手のひらに収まる小瓶には、透明な液体が入っている。
「これは、潤滑剤だ」
「じゅんかつざい?」
「ミントのオシリのアナの入口を、オレ様のオチンチンのさきっぽが入るくらいまでほぐす」
「え、ええ?」
 驚いて振り向けば、きゅぽ、とまおーさまが瓶の蓋を取って、とろりとした半液体を指に垂らしている。くにくにと数本に絡めてから、ミントの後孔に指を運んだ。
「んっ」
 しばらく表面をさわさわして、それからまおーさまの指がすこし潜りこむ。予期していた痛みはなく、なんだか不思議な感触が、オシリの入口でウズウズする。
「だいじょうぶか?」
「う、うんっ、ヘンな感じするけど」
 いつになく優しいまおーさまの声に、ミントは素直に答えた。
 軽く指を上下させる動きから、円を描く動きに。少しずつ激しくなり、数を増すまおーさまの指に、ミントは頭がぽわぽわして、ただただ感触だけに集中させられて、マズルの端から唾液が零れるのをガマンできなかった。知らず知らず、ミントのオチンチンも軽く勃ちあがり、流れ出た前液で先端がかすかに濡れている。
「うむ! これくらいで下準備は終わり」
「終わり?」
「うむ。これから本番」
「まだ続くの」
「うぬく。もうすぐ終わる」
 オシリに熱くて固いモノが触れる感触。まおーさまのオチンチンだ。
「ミント。ゆっくり、さきっぽだけ、挿れるから、な」
 ハァハァと息を荒げたまおーさまが、ミントの腰を掴んだ。
「う、うん」
 とにかく、この恥ずかしくてやらしいコトももうすぐ終わり。まおーさまの考えはよくわからないけど、魔王様に逆らってはいけない、らしい。ミントは心を決めて、まおーさまのオチンチンを受け入れることにした。
「んっ」
 つぷっ、まおーさまのオチンチンの先端が、オシリの入口に刺さった。ミントは指のときと同じムズムズを感じ、オチンチンをぴくりと震わせる。首ごしに、まおーさまのコーフンした吐息がひっきりなしに吹きかかる。
「さぁ、ミントっ、まおーさまのせいえきを、注ぎこんで“せーふく”してやるっ!」
 決めセリフらしいそのフレーズを口にして、まおーさまは潤滑剤の絡みついた指をオチンチンに添え、こすり始める。先端をミントの中に潜りこませたままで、射精しようとしている。
「せ、せーふく!?」
「うむ!」
 絵本の中に書かれていた、魔王様の最終目標は、世界“せーふく”だった。ミントにとってはそれよりも、
「せーふく、されても、ハッカに会える?」
 弟といっしょにいられるかどうかのほうが、大問題だった。
「んっ、うむっ、だいじょうぶだ、もっと仲良くなれるぞっ! あうっ! 出るっ!」
「ひあっ、あついっ」
 どくんどくん、まおーさまのオチンチンのさきっぽが膨れあがって、せいえきがどんどんミントの内奥に流れこんでくる。留まることを知らぬ性欲の解放。何度も何度も痙攣し、狭いミントの奥の奥に届くまでたっぷり1分。まおーさまの射精は収まらなかった。
 ミントの背中からまおーさまが離れ、オチンチンを引き抜くと、余ったせいえきが零れそうになる。
「ミント! オシリを高く上げろ」
「え、えええ?」 
「オレ様のせいえき、すべてカラダに沁みこませるのだ!」
 命令されて仕方なく、ミントは腹這いになり、シッポを高く持ち上げた。すかさずまおーさまが股間の下に枕を潜りこませ、体勢を固定する。たっぷり注がれた淫液が、流れ出さないように。

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