ここは、陸地から数百キロ離れた海の上空。一人の軍服を着た龍人が上空を飛んでいた
龍人の首からは、双眼鏡がぶら下げられ
お腹の部分には四角い無線機が革ベルトで固定されていた。
彼の名前は、龍夜。龍桜・特別攻撃隊の隊員である
「こちら、龍桜・こちら龍桜。本部本部、応答願います」
「こちら本部。どうぞ」
「○△地点に、敵母艦1隻・護衛艦4隻を発見。あ・・・あれは!!」
龍夜の視界には、忘れられない物が映し出された。
母艦の甲板の上の搭乗されている戦闘機の中に、一機他の戦闘機と違い大型の爆撃機が
乗っかっていた。その爆撃機の腹に装着されている兵器は、悪魔の兵器。核兵器
「敵母艦の上に、大型の爆撃機を発見!核兵器を腹に抱いていると思われます!!」
「写真を確保次第。基地へ帰投せよ」
俺の名前は、龍夜。龍桜・特別攻撃隊所属の龍人だ。俺が生まれて直ぐに、
この戦争は始まった。人間は、俺が生まれ育った土地に核爆弾を落とした。
核爆弾は、俺の家族・故郷・家・俺の全てを一瞬で奪った。
それから、生き残った者に育てられ俺は軍に志願し軍人となった。
暫くして、龍桜・特別攻撃隊が結成され。俺は死んだ家族の敵討ち・
そして祖国を勝利へ導くために俺は龍桜部隊に志願した。
「偵察任務より只今、帰投しました」
「うむ。ご苦労だった」
毎日、偵察に出かけ写真を撮り基地に帰る。数日、同じ事を繰り返した。
特別攻撃隊らしい戦闘は行っていないが、直感で分かる。出撃は近い・・・
報告を済ませ、基地の廊下を歩いていると向こうから雌の龍人が歩いてくる。
「お帰りなさい。龍夜」
「あ、友恵さん。ただいま」
彼女の名前は、友恵さん。大戦で夫と息子を失って事務員として軍に志願し、
両親を失った俺を実の息子のように可愛がり育ててくれた。
「龍夜。今日のご飯は、カレーよ」
「カレー?どうしてそんなものが手に入ったの?」
この戦争下、カレーとかの食べ物確保しにくい。確保できたとしても
通常の倍の値段だ。とてもじゃないが、入手できる代物ではない。
「ふふ。少尉が龍夜にって、くれたのよ」
「少尉が?何故だろう」
疑問に思いつつ、兵寮へと向かい自分と友恵さんの部屋の前まで来る。
ドアは、有り合わせの材木を集めて作った質素なドアだ。
ガチャ
部屋の中に入り、軍靴の紐を解き脱ぐ。軍靴を脱いだ時が一番安心できる。
足がリラックスできると言った方が正しいかもしれない。
キュッキュッキュッ・・・ジャー
洗面所へと向かい蛇口を捻り水を出す排水口の周りを一通り綺麗にし、栓をして水を溜める。
ある程度水を溜めた後、タオルを浸し一度絞ってから顔を軽く拭き。
友恵さんの居る居間へと足を進ませる。
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