「ふぅ・・・疲れたな・・・」

今日の練習も終わり、一呼吸する・・・
現在この、サークルは総合格闘技という事になっている。
プロレス・空手・レスリング・・・色々あるはずなのだが、
メンバーが少ないため、それらしい事は、あまりやってなかったりする。
メンバーは、自分を含めて5名・・・
場所は、学校裏にある周りと比べると古い小屋である。
古い小屋ではあるが、内部はしっかりしていて、
何かの道場だった様な所である。
シャワールームもあり、なんかこの人数ではもったいないかも・・・なんて思った事もある。
一日の授業が終わったあと、俺達はこの「道場」に来て練習をする。
・・・今は、筋トレが主になっているが・・・
今日の授業も終わり、廊下に出ると紅竜の姿があった。
「あ、仁竜先輩。」
「あれ、紅竜じゃないか、ここに来るなんて珍しいな。」


紅竜は、一年生。
二年の所に来る事はあまりない。
「先輩は、今日どうします?」
「どうって・・・そうそう、黒竜が珍しく早退して帰る時に、今日は好きにしろって言ってたからなぁ・・・」

「そうなんですか・・・」


「ん?ああ、テンのやつも帰るって言ってたし・・・鉱竜はどうなんだ?」

「鉱は、ちょっとやっていくって、言ってましたよ。僕も、付き合おうかなと思ってます。」

鉱竜と紅竜は、同じ学年同士で仲がとてもいい。
なんか、ちょっとうらやましい時もある・・・
「ん、そうか・・・?じゃあ、俺も一緒に少しやっていくかな。」
紅竜と俺は道場へ向かった。
紅竜は、他の人に比べると背が低い。
第三者から見ると、いいカップルのように見える。
紅竜が「男」とわからなければ・・・


道場につくと、鉱竜が着替えて筋トレしていた。
「あ、仁竜先輩。先にやってます。・・・あれ、他の先輩方は?」
「黒は早退したし、テンは帰ったよ。」

腹筋しながら、鉱竜は残念そうに答えた。
「そうなんですか・・・」
着替えの用意をしていると、腹筋を終えた鉱竜が、
「仁竜先輩、久しぶりに練習しませんか?」
鉱竜の相手は、今は、俺しかいないしな・・・
「いいよ。それじゃあ、今着替えてくるから。」
荷物を紅竜に預け、さっそく着替えてアップする・・・
「よし、鉱竜・・・始めようか?」
「今日は、翼使ってもいいですか?」

「ああ、いいよ。」

俺は翼の使用を許した。
「わかりました。それじゃあ、行きます!!」


鉱竜の得意技は、急降下で首から上を持って行き、空からそのまま下に落とすという技。
普段は空での攻防はないため、鉱竜の翼を使った技は禁止している。
・・・結果は、鉱竜の優勢で終わる。
「・・・さすがに空の攻撃には参るな。鉱竜にはかなわんな。」
空の上から首絞めは、地上戦の俺にとっては解くのは難しい。
「いえ、先輩が手加減してくれたおかげですよ・・・」
やっぱり空中戦は反則だな・・・俺はつくづくそう思った。
「今日は、ありがとうございました。今日は先に上がります。」
試合形式が終わると、鉱竜は着替えて道場を後にした。
「仁竜先輩、先に失礼します。紅、お先に。」
足早に道場を後にする鉱竜。
「それじゃあ、俺達も行くか。」
練習もすぐに終わったため、片付けもすぐに終わり、
俺達は道場を後にした。


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