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カイとライアとは、それから暫く出会うことはなかった。恋愛が成就した以上パームやマリー達の出番は終わり、
あの二人の恋路の邪魔をすることもないからだ。風の噂では厳格な両親もライナのことが気に入ったらしく、
交際は続いているということだ。あの事件でカイも成長をしたのだろう。黒服の件も既にパームがコテンパンにとっちめたので、
おそらく警察の出番はないまま、財団内で処分決定して片づけられる筈だ。

 カイとライアに再び出会ったのはそれから数ヶ月後の結婚式だった。俺も縁結びを行った友人として紹介されたが、
まさかいきなりスピーチをするハメになろうとは。当たり障りのない話をしたつもりだったが、パームとマリーの茶々が
横から入り何度も招待客を笑わせることとなった。カイ曰く「僕たちにふさわしい最高のスピーチだったよ」と喜んでいたが、
後で聞いたら友人どころか財界や果ては光都から来た政界の中心官僚まで来ていたらしい。あんなスピーチで大丈夫だったのかな…。

 拍手が湧いて一通りのお祝いが終わったのを見届けると、俺達はそっと結婚式場を後にした。
相変わらず仲むつまじい様子の二人だと、きっと近いうちに子供が生まれたことが僕らにも届くことになるだろう。
今後も友人として会うことも出来るだろうが、縁結びとしての俺達の役目はここまでだろう。

 結婚式が終わって暫くしてから、俺は光都に向かう海沿いのハイウェイを俺は再び走らせていた。
行きと同じ青空が続いていたが と沖に浮かぶ綿雲は相変わらずだったが、日差しは幾分弱まっていた。
夏の終わりももう近いのだろう。

行きの時と同様に傍らにはパームが同乗していたが、その背後にはマリーも一緒に座っていた。車の背後には中身が
パンパンに詰まったダンボール。その4分の3はマリーの引っ越し用の荷物だ。一番上には壁に立てかけられていた
弓が置かれていた。

「本当‥良い結婚式だったねぇ‥。」

ハンドルを細かく切りながら、俺は呟いた。めでたく結ばれたカイとライナのことがチラッと頭に浮かんだが、直ぐに淡く消え去った。

「ボクも同じ、でも羨ましいなぁ…。そう言えばまだボク達の結婚式やってなかったねぇ♪クロウ君、帰ったらボク達も盛大に結婚式を!!」

「あっ、その時はマリーも一緒一緒♪マリーの結婚式もやろうよぉっ♪」

横と後ろから二人の天使が答えた。チラッと横目で見たが、前見せていた悲しそうな表情はすっかり消え去っていた。
今は俺が居る安心感があるからだろう。でも嬉しいからって後ろから抱きつくなっ……首が締まるぞ首がっ!!

「グゲゲゲゲ…ちょ、ちょとヤバイから離せ。」

「にゃっ、ゴメンナサイッ!」

さすがのマリーもそのことに気が付き、慌てて俺から手を離した。ハイウェイを制限速度ギリギリですっ飛ばしてる所だぞ。

「ゲホゲホ…それにしてもマリーは良かったのかな?思い入れのある街なのだし、まだここでダンサーを続けながら
恋のキューピットをすることだって出来たろうに…?」

「うん…。ここなら恋する女の子達が一杯居る素敵なところだけれどねぇ…。でもねっ、いっちばんいいのは旦那様と
一緒にいることだものっ♪それにお腹に子供できたんだしっ♪」

「……はあああああああぁぁっ!!?」

おい、今何て言った!?ホッとしたところでマリーの言葉に光都テクノタワーの頂上から放り出されたようなショックが
俺の全身を駆けめぐった。

「ああ、マリーったら先に言ったらずるいっ♪」

「だぁって毎晩遅くまでエッチしているんだもの、絶対出来ちゃうもん♪ボクだって子供が出来ちゃったんだものねぇ♪」

「はぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!?」

マリーに続いてパームからも追い打ちの爆弾発言、それも特大の大型爆弾が頭の中に放り込まれた。無論一瞬にして大爆発。

「マジかあああああああああああああああああああああっっっっっ!!!!」

理性が崩壊する前に俺はふらつく車を路肩に停めた。あまりのショックにもう運転できそうにない。

「ふふ、マリーとも結婚して二人同時に子供が出来たんだから、天界ではまたまた大ニュースになるだろうねぇっ♪
今よりもスゴイ有名人になるよクロウ君、良かったねぇ。」

「よくねぇ!そこまでいくと有名人じゃなくて賞金首の間違いだろっ、それ!?弓じゃなくてライフル持った天界の雄に絶対狙われるっ!」

「そんなことないって♪あ、地上に降り立った子も天界の子もみぃんな押しかけてきちゃうかも?みんなとまた
再開できたらいいなぁ…ねねっ、クロウ君も天国だよねぇ?」

それだともう天国なのか地獄なのか訳がわからなくなってくる。でも2度あることは3度アルというような…。

こうして俺は、二人の天使を妻に迎えることになったのだった…。

いいのか…いいのかよこんなんで…!?  …凄い嬉しいけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでパーム、一つ聞きたいことがあるんだけれど…?」

「なぁにかな、クロウ君♪3人目の子供のことならボクに似た女の子が欲しいよ?」

「あっマリーも次も女の子が欲しい〜♪

「いやそれは別の話で…。俺達がこてんぱんに叩きのめしたあの黒服のおっさん達だけれど…、アレで解放して良かったのか…?」

「あっ、平気平気♪あのおっさんだけは財団やクロウ君の事を含めて記憶は一切合切残ってないからねぇ…。もちろんマリーのことを
口外すること絶対にできないから♪」

「いや、そういう意味じゃなくて…あんなモノを好きにさせちゃっていいのかって…。絶対矢の当たり所が悪かったせいだぞアレ。
ああ…尻に刺さったときのあの音、今でも思い出すと身の毛がよだつ…。」

「いいのっ!マリーとクロウ君へのやった仕打ちと動機のことを考えたらまだまだ安すぎる位だよっ。だからもう一生あのままに
しておこうっと♪」

 

あーあ、やっぱり天罰だろうなあ…あれって。…ご愁傷様。

「本当に美しい…。ああ、赤くて細身の身体といいこの抱き心地といい…。さぁっ、今こそ白いモノを沢山だして頂きた…はうっ(*⌒▽⌒*)」

「はうっ(*⌒▽⌒*)」 

「はうっ(*⌒▽⌒*)。」

「お客様、いい加減消火器に抱きつかないで下さい!!!!」

 

 

(おしまい)

 

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