ファイナル・ウルフ

 

街から遠く離れた山地に広がる森林地帯、街や村どころか人工的な痕跡すら殆ど見られない

アラカシの木々の山の尾根道を、俺は尻尾を垂れて一人トボトボとお腹をすかせながら歩いていた。

 

「はぁぁ、仲間はもういないのに…何のために生きてるんだ俺は。」

 

おれはそうつぶやくと、気を紛らわそうと木々の間から僅かに見える空を見ながら歩き出した。

最も空はどんよりとした雲に覆われており、俺の心を一層悲しくさせるだけに過ぎなかった。

 
   俺は今はもう自分しかいないオオカミ族だ。

かつては強靱な肉体で他の種族を凌駕する程の勢力を持っていた種族だったが、

いつの頃からか、出産率が低下し子供が居なくなり、俺たちの仲間はどんどん消滅していった。

残ったオオカミ族は隠れ里を作り、仲間を増やそうと懸命の努力をしたようだが、その甲斐もなく仲間が消滅してゆき、

俺が物心ついたときには爺様と俺を産んでくれた両親しかおらず、里は等に廃村同然になっていた。

 

 半年前にその親と爺様がなくなり、生き残りが他に誰も居なくなったとき、俺は放浪の旅に出た。

無論行くあてなんかあるはずもなく、この半年間ずっと寂しい思いをしながら森の中をさまようばかりだった。

かといってもうあの村に戻ることもできない。もう誰もおらず自分しかいないことを嫌でも感じてしまうから。

死んでしまった爺様の話だと、俺たちの村が、唯一のオオカミの里だということだった、

もう俺しか生き残りがいない以上オオカミ族は絶滅確定だ。このまま連れ合いも家族も持てずに孤独に生きるしかない…。

 

 そこまで考えたところで、俺は考えるのをやめてため息をついた。そんな悲しみだらけで孤独に放浪しているのだから、

どんなに腹ぺこでも食欲なんて出る筈もない。わずかに干し肉を口にするだけであとは殆ど喉を通らないから

ずっとお腹がすきっぱなしの悪循環そのものだ。最近は今はいない村の仲間達と大量のご馳走を

食べる夢を毎晩見るようになってきた。腹も空ききって心も大分蝕まれてきているのだろうか…。

 

 (ピクッ…)尾根から外れ谷に下る踏み分け道を下り始めたあたりで俺は考えるのをやめ足を止めた。

谷底の水の匂いに混ざり、自分の仲間に似た匂いがしてきたのだ。

不思議に思った俺は斜めに下る踏み分け道から外れ、下草が殆どなく土がむき出しの斜面を下り始めた。

一体誰の匂いなんだろう…?

脆い傾斜面を注意しながら降りて行くにつれて匂いは徐々に強くなってきた。

どうやらすぐ近くに匂いの主がいるみたいだ。仲間の匂いにしてはどこか少し甘いホッとする匂いも混ざっていて、

俺が不思議そうに首をひねったその時、

 

(ガラガラガラ…)

 

「!?しまった!!」

不意に足下の地面が滝のように流れ出した。

空腹と匂いに気を取られた俺は、特に斜面の脆い危険地帯に踏み込んだことに気が付かなかったのだ。

脆い斜面は周囲の岩や斜面の土砂を巻きこんで、小さな土石流を生み出しながら崩れ落ちていった。

無論そのまっただ中にいた俺も無事なはずがなく、土石流と一緒になって斜面を転げ落ちていった。

 

(ドササササッ…ベチッ!!)

「う…ぐううう…」

嫌と言うほど斜面を転がされた挙げ句、俺は谷底の平地に放り出された。

ごく小さな土砂崩れで生き埋めになるような心配はなかったが、それでも弱った身体には相当のダメージになっていた。

身体は思うように動かないし目も霞む、血は出ていないみたいだけれど身体中に痛みが走っているみたいだ…。

 

(…けて!?)

 

不意に頭に誰かの声が聞こえてきた。その声につられて俺はよろめきながらも起きあがった。

けれど、ろくに物を食べていない身体なので力がでてこないし、眼がかすんで姿がよく見えない。

何か黄金色をしたものが向かっているのがわかったがそこまでだった。

目がかすみ、膝に力が入らなくなった俺は、そこでばったりと倒れた。

ここで…俺はここで死んでしまうのかな…。

 

どのくらい気を失っていたのだろうか…。目が覚めたときは、俺はベットの上に毛布を掛けて寝かせられていた。

驚いて毛布を触ってみると自分の毛に負けない位フワフワした毛布だった。かなり上質の素材を使ってるようだ。

上半身を起こして辺りを見回すと、数メートル四方の小さな部屋に家具や見たことのない

機材があちこちに置かれているのが分かった。

今はもう居ない母親からわずかにこれらの機材とやらのことについて聞かされていたけど、よく分からないものだった。

機械なんて隔絶された村に殆どなかったからなぁ…。

自分の身体を見回すと、あちこちに出来た傷に包帯とガーゼで手当がされており、

着ていたボロボロのシャツもコレまで着たことないような新しいTシャツに変わっていた。

 

  とりあえずベットから起きてここはどこなのか見回ろうとベットから降りようとしたとき、

扉が開き黄金色の身体が飛び込んできた。


「良かった、気が付いたのね。痛みはない?記憶は残ってる?」


出し抜けにそんなことを聞かれて、俺はあんぐり口をあけてしまった。こっちが聞きたいことが山ほどあるのに、

逆にこっちから色々聞かれる羽目になるとは…。


「痛みはないし特に何も忘れていないよ。それと、ちょ、ちょっと待ってくれ…。

頭が混乱して何から話せばいいか解らなくなりそうだ。」


「ごめんなさい、でも安心したわ。谷を転げ落ちたときは驚いたけれど随分と丈夫なのね、貴方の身体。」


そういうと彼女はにっこりとほほえんだ。

改めて彼女をよく見ると 大きな垂れた耳、そして黄金色をした毛布以上に柔らかそうな体毛に包まれていた。

背中の後ろには俺の尻尾より一回り大きくてフワフワの尻尾が揺れているのが見え隠れしていた。

後に狼にほど近い種族の垂れ耳犬娘だと知ったが、それを知らなかったこの時は

種族は違うけれど美獣の彼女を不思議そうに見つめるしかなかった。

そういえばさっきから部屋に谷底近くで感じ取った甘い匂いが漂っていたけれど、どうやら彼女の匂いだったみたいだな…。


「ここは…、どこなの?」


「わたしの別荘よ。サウスバレーの別荘地知ってるかな…今はオフシーズンだからいるのはわたし位だけどねぇ?」


別荘地やオフシーズンの言葉といった知らない言葉に俺は首をかしげた。この部屋にある機材とかからみて、

どうやら俺は彼女らが住む文明圏の街の郊外に迷い込んだみたいだ。


「ううん、知らないけれどどうやら助かったみたいだな…ここには他に誰かいるのかな。」


「ここには私ひとりだけよ。車があって良かったわ。そうでなかったら谷奥で倒れていた

貴方をここまで運べなかった者もう大丈夫かしら」


「うん、おかげでもうどこも悪くない…」


(グルルルル)そこまで言いかけた途端、自分のお腹が盛大に鳴り出した。

どうやら彼女と話して緊張が説けたのか、身体が忘れていた空腹を思い出したようだ。

その音を聞いて、一瞬眼を丸くした彼女だったが隣の部屋にいくと湯気の立つ鍋と小皿を台車に乗せてきた。

中は見えなかったが、匂いで滅多に食べたことのないクリームシチューだとすぐに分かった。


「元気が出てきたみたいで良かった。沢山作り過ぎちゃった夕飯の残りだけれど、どう?」

そう言いながら、鍋から小皿にシチューをよそうと、彼女は俺に差し出してきてくれた。特に警戒もなく、

自分を介抱してくれたことを不思議に思ったが、今は空腹で口とお腹を満たしたい気持ちだけで頭がいっぱい。

俺は頭を下げてお椀を受け取ると、ものすごい勢いで飲み込んでいった。


「美味い……!!」


気持ちが思わず口に出た。こんな美味い物のは久しく食べたことはない。

夢中でシチューを平らげる俺を見て、彼女はニコニコして食べるところを見守り、

お皿が空っぽになると、すぐにおかわりをよそってくれた。結構世話好きな子みたいだ。

2杯目、3杯目でもまだ足りないのを察したのか同じように皿によそって差し出してくれた。

俺は、モノも言わずタダひたすら食べ続けた。なんだか忘れていた食べる楽しさを、思い出させてくれたみたい…。


「本当にありがとう…。すまない、迷惑をかけてしまった上にこんな美味しいモノまでご馳走してくれて。」


4杯目のお椀を平らげたところで、俺はようやく一息をついて大きく息を吐いた。


「良かった。もっとお代わりしてもいいのよ、遠慮なんていらないわ。」


「いや、もう本当にお腹が膨れたから大丈…ぶ。」


腹の虫はどうにかならなかったものの、一滴も残っていないシチュー皿と

まだまだ空腹で物欲しそうな表情は彼女にお見通しだったようだ。

彼女はクスクス笑うと、5杯目のシチューを多めによそい、それを俺に差し出してくれた。

再び頭を下げると、俺は物も言わずスプーンを動かす。


「顔と仕草は本当に正直ねあなた。でも素直でわたしは好きよ。それにしてもあなたって見たことがない姿しているわね。」


「見たことが無くて当然だと思うよ。俺の種族…?オオカミ族っていうけれど知っているかな…?」


「ごめんね 聞いたことがないわ。」


「いや、無理もないさ。これまで小さな隠れ里を作ってひっそりと生活してきたから知っている獣の方が珍しい筈だよ。」


「そう、でもここにいるってことは…あなたは村を出たの…?」


「………。」


正直どう返答すればよいか迷ったが、彼女の顔を見ると、不思議と隠し事や嘘はつけなかった。


「もうなくなってしまったんだ…村も仲間も。」


「えっ!?」


さすがの彼女もこの返答は予想できなかったみたいで、表情から笑顔が消えた。


「俺しか子供が生まれず…みんな死んでしまった…。

生き残ったのは後にもさきにも俺一人…他に仲間はもういないんだ…。」


うつむきがちに話す俺のほおを生暖かいモノが伝って行くのが分かった。

看病をしてくれる彼女にその姿を見せられるのは辛かった。思い空気が部屋一面を包み込んだ。


「ごめんなさい…。」


しばらくしてから、彼女がそう答えた。小さく消え入りそうな声だった。


「いや、別に君が謝る事じゃないさ。」


「そう…、それでも辛いこと思い出させちゃったみたいでごめんなさい…。

そういえばあちこち放浪していたって言うけれどこれからどこに向かうはずだったの…?」


どうするって聞かれても行く宛はないので答えようがない。

答えられず困惑した表情を見せたところで、彼女もそのことに気が付いたようだった。


「もしあなたさえよければ、疲れが取れるまでココにいるといいわ。」


「え!? いやそれは申し訳ないよ。それにこの通り俺は大丈…」


そこまで言って立ち上がりかけたところで、俺はヘナヘナと腰を下ろした。怪我と空腹は治っても

体力はまだ底をついたままだったようだ。結局俺はへたり込んだままベットにすら戻ることが出来ず

、彼女に抱き起こされてまたベットで静養する羽目になってしまった。

どのみち体力が戻っていない以上旅を続けることは困難だ。悪いとは思いつつ俺は彼女の好意に甘えることにした。


「すまない…そしてありがとう。そういえば君の名前聞いてなかったな…?」


「わたしはマーラ。あなたは…?」

 

 

それからしばらく、俺はこのマーラの別荘に厄介になっていた。

自分の身体に無茶をして余程体力が落ちて居たらしく、一週間もすれば全快すると思っていた身体は、

一月たっても歩くのが精一杯で全快にはほど遠かった。

それでも彼女自身は嫌な顔一つせず、自分を看病し続けてくれた。

世話好きな彼女にとって俺がいることは寧ろ歓迎のようだった。

俺も心底嬉しかったが、身体の方はなかなか回復せずに時が流れていった。

早く治さなくてはと心の中で焦っていたが、思うように身体は回復しなかった。

 別荘にで介抱されてから一月半が経とうとしていたときのある晩、

妙に寝付けなかった俺の枕元に、不意に甘い香りが漂ってきた。

彼女の匂いとすぐに分かったが、普段より強い彼女の匂いに不思議に思った俺はベットから起きあがり、匂いの元へと歩き出した。

匂いの元はやはり彼女からだったようで、彼女が寝ている隣の部の扉辺りから強く漂っていた。

さすがにこの扉をあける訳にはいかないな…、そう思った俺が引き返そうと回れ右をした丁度そのとき


「入ってきてもいいわよ」


(ドッキーン!!)


俺は尻尾をピンと立てて飛び上がった。明るいところだったらかなり間抜けな姿に違いない。


「と、トイレに行くつもりだよ」


しどろもどろにそう答えたが、動揺が声に出ていたのが自分でも分かった。


「そう慌てなくても大丈夫よ。わたしは構わないから部屋に来て、お願い。」


彼女に言われるがまま、俺は明かりがついている彼女の部屋の中に入ると、

マーラが目の前のベットで上半身だけ起こして笑いかけているのが見えた。

部屋には俺が寝ていた部屋と同じように機材がいくつか置いてあったが、飾りや模様は自分の所より綺麗に彩られていた。

 

 とりあえず彼女の枕元にあった椅子に腰掛け何を言えばいいか口をぱくぱくさせていると、彼女から話しかけてきた。


「身体が思うように動かないこと、気にしているんでしょ…?」


俺は頷いた。どうやら俺の顔にすぐ出るのか彼女には俺の考えてることがお見通しらしい。


「身体のほうは多分完全に回復しているわ、疲れはまだ残ってるだろうけれどもう問題はないと思うわ。

多分、身体は完治しても、精神的なものが身体を貴方の動きを抑えているみたいね。」


「精神的なもの…?」


「うん、多分その根っこには自分の種族が無くなってしまうことそして自分は孤独だってこと…

それが元になっていると思うの、だからそれを取り除けばきっと治るわ。」


「治るって…種族が亡くなってしまうのに、どうするんだいっ。もう仲間がいないのだから俺が孤独なのも種族絶滅も確実じゃないかっ!」


俺は言い返した。思い出したくないことを指摘されて、心がちくりと痛むのが分かった。


「ごめんなさい…。あなたの種族がなくなってしまうのはわたしにはどうすることも出来ないわ。

でもね、孤独の気持ちやその寂しさは別、これは少しでも埋めることは出来るわ。」 


「えっ?埋めるってど…」


俺がそう言いかけたその時、不意に彼女が自分を抱きしめてき頬をすり寄せてきた。

凄い美獣の彼女に突然抱きしめられ、俺は頭が真っ白になった。

分かるのは彼女の身体の熱が俺に伝わっていることと、それと俺の心臓がバクバクいってることだけだ。


「ど…どうして…俺にこんなに優しくしてくれるのかい。」

抱きしめられて真っ白になってる頭のなか、俺はやっとの思いでそうたずねた。暫く沈黙が部屋を支配していたが、

やがて彼女が抱きしめたまま静かな声で答えた。


「好きになったの…貴方のこと…。」


「えっ!?」

俺の頭に電気が走る。心なしか彼女の頬が赤くなっているような…。


「同情なんかじゃないわ。初めはあなたの事がほうっておけなかったけれど、だんだんと看病するうちに、

貴方の気持ちや考え、喜びや悲しみが私にも伝わるようになってきたの、

それに貴方と一緒だとわたしも気持ちがホッとさせられるの…知らなかった…?

だから、私がもう貴方に辛い思いも、孤独な思いもさせないわ。」


抱きしめたまま彼女のいう言葉を聞いている俺の頬を、涙が伝っているのに気が付いた。

慌てて涙をぬぐったが、もう次から次へと溢れてきて止めることができない。
 

「泣いたっていいの…、わたしが貴方の心の傷まで治してあげるから…。」
 

彼女のその言葉がトドメだった、俺は彼女の肩に顔を埋め大声で泣きだした。

かつては他種族からも恐れられたオオカミ族が好きだと告白された泣くのを見られてるのが恥ずかしくて、更に泣いた。

しばらくして大声で泣くのを辞めても、しゃっくりあげるような嗚咽が止める事ができなかった。

その間、彼女は抱きしめながら俺の頭を撫でしっかりと自分の涙を受け止めていた。

涙でぼやけた俺の視界の中で、彼女が黄金以上に輝いているように見えた。

本当に美獣でそして優しい子なんだ…、この犬の少女…。
 

「ごめん、泣いたりして…でも、もう跡から跡から涙が溢れて…。」


「そう言うときは思いっきり泣いていいわ…。少しは気持ちが落ち着いたかしら…?

これで身体も少しは言うこと聞くようになったでしょ?」


そういえば、身体が思うように動くようになったような気がする。気持ちも少し軽くなったみたいで、

これまであった心の痛みが少しだけ消えたように思えた。


「本当はね、もうちょっとだけ黙っていようかなって考えもあったわ。

本当はずっとここに居て欲しいけれど元気になったらまた旅に出てしまうんじゃないかって心の何処かで不安だったから。

でもね、毎晩寝ているときに貴方がうなされていたの知っていたかしら…。

仲間を呼び続けていた貴方を見てもう辛い思いをさせたくないって。」


「マーラ…」


「だから決めたわ、私がずっとあなたと一緒にいる。そして、もう貴方に寂しい思いをさせない…。」


そう話す彼女から甘い香りが強くなっていくのに気が付いた。と同時に、

俺にこれまで滅多に感じなかった感情が湧き出してきた。この感情は…一体!?


「マーラ、一体何を…!?」


「わたしだって女の子よ、愛する獣のためなら、何だってするわ…。」


(スルッ♪)
 

マーラはそう言うと、着ていたワンピースを脱ぎ、床に落とした。

全身が金色の毛に覆われ、胸に柔らかそうなフサ毛が生えた彼女の姿が露わになった。

そして、その姿に見とれている自分に再び抱きつき、口に口を押しつけてきた。


(ん…んふう)


媚薬のようなモノだったのか、既に膨らみきっていた自分のチ○チ○が更に大きくなった気がした。

と、同時に湧き出してきた煩悩が一気に爆発していくのを覚えた。

一瞬その爆発を抑えようと思ったが、すぐにその気持ちは吹き飛んでしまった。


(ガバッ!!)

「キャッ♪」


感情にまかせたまま彼女を押し倒し、そのまま胸のフサ毛に顔を埋めると、嬉しそうな小さな悲鳴を上げながら、

彼女は俺の顔を抱きしめそのまま胸の谷間に押しつけた。

彼女は胸はフワフワだし左右の胸が顔を挟んで押しつけてくるので、もう凄い気持ちよさだった。

金色の美獣の妖艶なキスと、胸のぬくもりでもう俺は我慢なんか出来るはずがないっ。

俺の理性は崩壊した。動かないはずの身体が完全に動けるようになっていたが、もうそんなことを考える余裕はなかった。


(ングングッンン…んんっ)


「あん、あんんっ…♪」


フワフワの毛に顔を押しつけ頬をすり寄せ、そのまま左右の胸の先端を吸い付く…

俺はそれを無我夢中でしまくった。こんな美獣の綺麗な女の子の胸に顔を埋めて頬張ることも出来るなんて…。

「あん…まるで赤ちゃんみたい…恥ずかしい…」と顔を赤らめていた彼女であったが、

身体は抵抗をせず、むしろ足をからめ身体中を俺に密着させて温もりを伝えていた。

 

 彼女はそこから更に手を導き、毛の奥にへと入れていった。

と思う間もなく「アンッ♪」という彼女の声が頭に響き、同時に手にしっとりと濡れた感触が伝わってきた。


「マ、マーラさっ…んんっ」


驚いて声を上げようとする俺の口を、マーラの口が再び塞ぎ、彼女の舌が俺の口に入ってきた。

と同時に更に奥へと導かれた自分の指が、彼女の秘部の泉に到達した。びくっと彼女の刺激が、密着した身体に伝わってきた。


「あん…胸だけじゃ物足りないでしょ…だからもっと…私の身体をしゃぶり尽くして…あなたの好きに…してぇ…」


そう言うと、彼女は足を広げ、俺の身体を足の間に入り込むような体型になった。

欲望に更に火を付けるような、可愛いけれど艶めかしさが混ざった声だった。

その声を聞いた俺は頭を下へと動かし無我夢中でマーラの股の根本の秘部に頭を飛び込ませた。

やや湿っているがフワフワで凄い良い香りがする秘部を、俺は夢中で舐め始めた。


「やん、はああん、いや…ああん…♪」


とろけるような甘い声を上げながら、彼女は快楽に身体をくねらせつつ、

夢中で秘部を舐めまくる俺の顔を太ももで挟み込んだ。

太もももフワフワの毛に覆われていて、秘部と一緒に自分の顔を押しつけてくるので、

もう天国と言わんばかりの状況だった。夢中で秘部と太ももに頬をすり寄せ、舌を秘部の割れ目に差し込むと、

びくっとした刺激が顔に一瞬伝わり、フワフワの太ももが一層強く俺の顔を挟み込んだ。

 

 (プハッ)ようやく口を離し、今まで舐めていた秘部をじっと覗き込むと、もう彼処がぐしょぐしょに濡れ、

本当の泉のように愛液が溢れて止まらなくなった。


「あん…、見ちゃだめぇ…。」


彼女はそういうと、手で俺の頭を再び秘部に押しつけた。

(クチュッ)とエッチな音が、俺の耳に入ってきた。

彼女の秘部を舐めまくるつもりで居たが、もう彼女の声と淫らな音を聞いてしまった以上、

自分のチ○チ○が限界を超えていた。もう、彼女の膣内に自分の膨らみきったものを根本まで突き入れ、

猛烈に動いて快楽を得たくて…たまらないっ。

 

 俺は身体をずらすと完全に彼女に覆い被さるような体型になりチ○チ○を秘部に宛った。

顔を真っ赤になって不安と恥ずかしさが入り交じった顔で、彼女はその接合部を見つめていた。


「すっごく大きい…。全部入れたら私の彼処、大きすぎて裂けちゃいそう…。」 


「大丈夫…?もし心配なら辞めても…」彼女の言葉にそうは言ったものの本当は奥までいれたくて仕方なかった。


頼む…嘘でも夢でもありませんように…。そんな俺の言葉に、彼女はニコッと笑い軽くウインクをした。

どうやらお見通しだったのかな…。


「はんっ…私のことは気にしないで、…思い切り動いて…。そして…うんとうんと気持ちよくなって…ね」


そう言うと彼女はフワフワの毛で覆われ開ききっている足を、自分の腰に巻き付けて軽く挟んだ。

早く自分のモノを挿れて…のサインだとすぐに分かった。

もう障害など何もない、俺はそのまま彼女の膣内の奥へ、一気に自分のモノを付き入れた。


「「はぁぁぁぁんんっ!!!!」」


俺と彼女の絶叫が、同時に部屋の中に響き渡った。大きい俺のモノにとって彼女の膣内ははあまりにも小さすぎた。

おかげで彼女の中はものすごくきつく、自分を狂わせる位ギュウギュウニ自分のチ○チ○を締め付けていた。

ぎゅっと抱きしめ密着させた身体の隙間から接合部が見て取れた。

彼女の膣は大きすぎる俺のモノを受け入れたせいか腫れあがり、溢れ出る愛液にまざって血が滲んでいた。

 ものすごい快楽で俺はもう彼女の虜だ…凄い気持ちいい…。
 

「いいのよ、自分の身体に正直になって思い切り動いて…、沢山すれば…私だってきっと気持ちよく…」


自分に心配をかけまいとしているのか、涙を浮かべて痛みをこらえる表情しながらも、彼女がわらいかけてきた


(ズンズンズンズニュッ!!ズンズンズン!!!!!)


その言葉に促されるかのように、俺は猛烈に腰を振り始めた。

激しい突き上げに彼女の彼処とお腹がほんの僅かに膨れあがり、

痛みと快楽で顔が左右に揺れ、金色の長い垂れ耳が激しく揺れ動いていた。

猛烈な突き上げにされるがままで口も開きハァハァするみたいに舌が出しっぱなしになっていた。

そんな彼女の姿に、俺は更に激しく動き出した。

「はぁぁんっ。」彼女の愛らしい声と、接合部から聞こえる凄くエッチな音が更に大きくなった。


「ごめん…でも気持ちよくて止まらない…」


本当に止まらなかった、止められなかった。激しく突けば突くほど、マーラの膣が自分のものを

ギュウギュウに締め付けてきた、もうもの凄い気持ちよさだった。

 

(ビクビク…ビクンッ)


「んんっ!?」


あまりの気持ちよさに、自分の身体とチ○チ○が痙攣し始めるまでそう長い時間はかからなかった。

交尾の噴火の兆候だ。

 でも自分はそれに構わず突きまくった。迷いなど無く、もう心は全部綺麗な金色の少女の膣奥へ全て注ぎ込むって決めていた。

彼女も脚を自分の背中に強く回しチ○チ○が絶対に抜けないようにしっかりとしがみついてい…も…もう…。

「きてぇ…」

舌を出して回らない口で彼女がつぶやくと、彼女は急に俺の耳へと口を寄せてきた。 
 

「いいこと…おしえてあげる…。貴方が私の中に一杯注ぎ込んだら…私ね、妊娠できるわ…あなたの赤ちゃん…。」


「は…ああっ…!?種族が違うのに…!?」


「同じ種族しかいない村に住んでいたから知らなかったのね…。あのね…たとえ種族が違っても子供は出来るわ。

だからわたしも貴方に中に注ぎ込まれたら絶対…。お願いっ子供が出来るくらい…中に大量に注ぎ込んで…。

あなたの欲しがってた家族にわたしが…家族なってあげる…。」


喘ぎながら言う彼女のこの言葉が心に深く染みこんでいった。

もう自分に望むことが出来ないと思っていた家族も子供も出来る。

そう思うと一度止まった涙が再びこぼれ落ちた。

だけど腰の動きは止まらない。俺は泣きながら彼女の名前をうわごとのように呼びつつ猛烈に腰を突き上げた。

もう彼女の彼処がひしゃげるくらい…。

 

(ズンズンズンズニュズニュズニュッ!!!!!)


「わぁう!わたしの彼処…壊しちゃ嫌よぉぉぉ……!!」


流石の彼女もこの激しい突きに絶えられないようだった けれども吐息とともに漏れる言葉は歓喜の

混ざったあえぎ声だった。でも俺も…もぅこの気持ちよさに絶えられない…!


「で、でる…マーラ…マーラ……!!!!!!」


もう…我慢できないっ!!!俺は一気に彼女の膣奥に、これ以上入らない位根本まで一気に突き入れた。

次の瞬間、大量の子種が彼女の膣奥で爆発した。


(ドクッドクドクドク…)


「はぁぁ…熱い……よぉ!!…膣内に熱いのが一杯……」


もうもの凄い量だった。俺の為にあるんじゃないくらいかと思うくらいのきつい膣は大量に自分の子種を搾り取った。

俺が射精した瞬間、彼女もいったみたいだったが、もうエッチで感覚が麻痺してハッキリとは分からなかった。

でも一つだけハッキリとしたことが頭に刻み込まれていた。もう…俺は一人じゃない…。


 俺がわずかながら意識を取り戻したのは暫く経ってからだった。

「エッチ…。貴方がうんと激しくしたせいでもう私の膣内でわたしもあなたの

チ○チ○入ってないと落ち着かなくなりそう…。」


マーラがそう言うとニコッ笑った、抜いて欲しくないのか彼処は繋がったまま未だぎゅうぎゅうと、

チ○チ○の中のモノを全て出すように締め付けていた。接合部を見ると殆どが膣内に注ぎ込まれたせいか、

接合部から溢れる液は殆どなく、僅かにベットのシーツに垂れたものが、シミを作っていた。


「ごめんよ…もう君が綺麗で凄く好きで…そして気持ちよかったから…。許してくれる?」


「許しません…。膣内を貴方にこんなにされちゃっただからもう貴方以外のところにお嫁なんていけないもの。

だから罰としてあなたが一生責任を取ってもらわないとね…。」


そういうと彼女は未だ息を切らしながらもにっこりほほえんだ、天使や女神様のような笑顔で眩しかった。


「だからもう寂しい思いしなくてもいいのよ…私と子供が一生、あなたの側に一緒にいてあげるから…。」


そう言うとマーラは、そのままチュッっと自分の唇を俺の唇に押し当てた。


(ズブブッ )


快楽が再び俺の理性を超えるほど強くなった。


先ほどよりも一回り大きな俺のチ○チ○が彼女のきつい膣内を押し広げ始めた。


「ま…ま…」


「…?」


「マーラああああっ!!!!!」


(ズンズンズニュッ!!!!!!)


「キャアッ♪」


俺は泣きじゃくりながら再び腰を激しく動かし始めた。凄い綺麗で優しい奥さんが出来たこと、

そして子供が出来た…もううれし涙も、腰の動きももう止まらなかった。


「あっあっあっ」


激しい突き上げに、彼女も再び可愛い声を上げながら、快楽の表情を浮かべていた。

フワモコの身体と脚でで自分に密着するようにしがみつき、

膣が自分のモノを絞り出すんじゃないかと思うくらいもの凄い快楽で締め付けていた。

もう世界中の誰がみても、幸せすぎるような状況かもしれない。


(ビクビクッ…ビクン!!)


再び噴火の初期微動が動き出したが、もう迷いはなかった。もっと可愛い彼女の彼処に全て注ぎ込んで、

受胎させたい…。そう思った俺は再び彼女の膣内の奥に一気に突き入れた。


(どくっ…ドクンドクン…ドクンッ)


再び猛烈な快楽とともに、俺の命の源が彼女の腹の中へと流しこまれた。


「はぁぁ… あなた…ぁ…もう抜いちゃ嫌…。」


薄れゆく意識のなか、彼女の可愛い声がいつまでも頭に響いていた。

 

 

  こうして俺は、種族は違うが愛する妻と一緒に街へと降りていった。

最初は文明が進んだ社会に色々戸惑いもあったが、可愛い妻が色々教えてくれたおかげですぐに慣れた。

無論、彼女がお腹に自分の子を宿して子供が生まれたのはそれから間もなくだった…。

狼である俺の血は子に半分受け継がれたようだが、混血の子供や孫、

そしてひ孫へと移るに連れてやがては犬と区別がつかなくなっていくだろう。

けれども俺の血が少しでも未来へと繋がっていくならそれで構わない。

何より、俺を心から心配してくれ、そして愛してくれるとても素晴らしい連れ合いがいつでもそばにいるのだから。

こんな今の状態を無くなった村の仲間や爺様が見たら、

喜んでくれるどころかこの幸せ者め…っと全員で袋叩きにされるかもな。

 

(ギュッ…!)

その余韻に浸っている所で、金色のフワフワの塊が背後から俺にに抱きついてきた。

もうずっと一緒にいて何度も繋がった仲だというのに、いつ見ても、彼女には見とれてしまって慣れるってことがない。


「マーラ…?」


「ふふ…もう顔が真っ赤よ。相変わらず正直で優しくて…好きよ。」


よく見ると今でもきつく締め付ける名器の膣から、愛液が泉のように溢れ出ていた。

正直もの凄いエッチな姿で、もう鼻血が出そう。


「わ、わ、落ち着けって…マーラがあんまり美獣だから…んわっ」

(ズププププッ…)

俺が言い終わらぬうちに、マーラは抱きしめた勢いで、身体を密着させたまま膣内に俺のチ○チ○をくわえ込んだ。

今でもきつく締め付ける彼女の名器のことだ、こうなったら最後、もう俺もマーラも一晩繋がって激しくエッチをしたままで眠れない。

「うんと出してね…。あなたの寂しさも孤独もなくして、幸せな家族をうんと作って上げる…。」


もう寂しさも孤独も俺から消えていった…。だけど俺の子孫って凄いエッチな子に育ちそう…。

 

(おしまい)

 

あとがき

 

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