アニメ「おねがい♪マイメロディ きららっ★」(スタジオコメット、2008)感想
全話閲覧。
モーニング娘。が壊滅的にニガテだとか、3DCGベースの作画が肌に合わないとか、そもそも小暮が出ない(編注:#52に出る)とか、理由はいろいろあったんだけど、当時観てなくて、改めて閲覧(2018年09月)して、これだけ凄さを感じたアニメは、なかったかもしれない。
ちなみにすっきりもスゴかった。ちょっとまとめきれてない。
各話感想
#07:「~バクくん有罪?」。裁判ネタ。嫌疑はソラぴの捕食、お金がなくてマイメロ以外の弁護士を雇えなかった、もし有罪であればマリーランドの極刑「バク化」を喰らうハメになるがバクには効果なし、と盛り込み過ぎ。
#08:「~リスくんが止まらない」、リスくんメイン回。CV:山田茉莉、かわいい。
#18:#17の次回予告にて、ベリーが「ウサミミ仮面、ふっかーつ!」と謳う、気合いの入りようである。
待望のルロロマニック回。マリーランドの説明役(ルロロマニック)に、劇中劇(ウサミミ仮面)をぶっつけ、説明役(ベリー)に劇中劇(ウサミミ仮面)のコスをさせ、さらに新世界(ソララ王子)に劇中劇(ウサミミ仮面)をぶっつけてコスさせた挙句、宮田(ベリー)VS宮田(ソラぴ)になるというサービス作品。ごちそうさまでした、と“はにゃーん”していたら、おもむろに「ウサミミ仮面號號」のOP『おれはウサミミ仮面』が始まるという盛りだくさん仕様。ナスビ仮面も出る。
バク家族のごはんのために、鰻の蒲焼の匂いを魔法で出すベリーや、ウサミミ仮面コスのベリーや、イケメンビームを出すも出ないベリーや、宮田のベリーがかわいいのでオススメ。
#24:#23の次回予告にて、クマくん・リスくんのシーンを流す、気合いの入れようである。
「~王様だ~れ?」、脚本は江夏。合コンネタでクマくんとリスくんをラブラブにするという名采配。
#25:このあたりからホントに、マイメロきららがヤバくなってくる。
魔女っ子フォーマットとしてのマイメロきららは、マイメロときららが変身アイテムで困った人を救う、という筋なのだけれど、戦いに駆り出されるのはきららばかりで、マイメロは傍観者なんですね。んで、きららが最近の自身の体調不良と、マイメロの良好な健康状態を見比べて、この変身アイテムはきららの健康を奪い、マイメロに渡しているのではないかという疑惑を抱くのです。なんともどす黒い、きな臭い、よいこのアニメらしからぬ展開が、2クール終わりの節目(2008/09/21)にやってきました。けっきょく、変身に起因する体調不良は、変身アイテムの賞味期限切れだったと本編にて明かされます。けっして生命力の受け渡しが行われていたわけではないとわかり、視聴者はいったん胸を撫で下ろそうとするのですが、「賞味期限切れ」という、らしからぬ理由が、胸にひっかかってすっきりしない読後感。
#27:バク結婚ネタ。星のかけらによってバクとソラぴが相思相愛になる。
#29:紅茶王決定戦は往年の視聴者参加型クイズ番組のパロディだが、視聴者に凄さを伝えようと、「出題前に解答」という表現を最終的に用いたため、実際のクイズ回答とはかけ離れてしまいましたが、いちおう押さえておきますね。
第1問。紅茶の木の名前は何でしょう?/ クロミ出題
カメリア・シネンシス 裁判長回答
「名前」との表現は、子供向けアニメゆえの配慮でしょう。厳密に言えば、学名か、和名の「チャノキ」か、それ以外の何らかの名を答えるかが曖昧です。
話始まったとたんにコレであり、テレビの前のお子さんたちはついてこれているのか心配。
第2問。美味しい紅茶が収穫できる時期のことを/ きらら出題
クオリティシーズン ブラックローズ回答
紅茶における「旬」のこと。
第3問。お茶特有の成分で/ クロミ出題
カテキン ナタリー回答
展開によっては「テアニン」もありうる……が、解答者は絞り込みしきった自信アリの回答。
第4問。ティーポッドの/中で きらら出題
ジャンピング ブラックローズ回答
たぶんコレ、“読ませ押し”ですね。確定ポイントは「~中で」だと思うのですが、9割くらいは「ジャンピング」だろうと想定しつつ、確定待たずにチャージしてます。
第5問。/イン クロミ出題
イングリッシュブレックファースト 裁判長回答
「インド茶とセイロン茶のブレンド」との作中説明。紅茶関係の問題で「インド茶」から始まるものの解答が上記に絞られるのであれば、まぁ押せるけども、普通は押さないね。
第/6問 きらら出題
ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー ナタリー回答、出題前
紅茶の等級に関する問題。問題の片鱗がいっさい知らされていないため憶測だが、「紅茶の等級で、『TGFOP』と略される~」とか、「アニメ『ご注文はうさぎですか?』の舞台である喫茶店『ラビットハウス』で飼われているうさぎのフルネームは?」とかだったのだろう。
第/ クロミ出題
スペシャル・ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー ブラックローズ回答、出題前
後続の解答がコレなので、等級に関する出題が連続したと思われ、第6問目にごちうさの問題が出た可能性は限りなく低い。
そのあとの展開はダイジェストであり、各人の回答が重なっているためよく聞き取れないが、ブラックローズが「はつもみじ」と答えていますね。国産紅茶の品種。
#30:「~お月様大異変」の脚本は浦沢義雄。以後数回脚本を担当する。
#32:バク結婚ネタ(2回目)。星のかけらのせいで、マイメロがバクに惚れる。
やはり、指輪の代わりに自身の縫い糸を引き抜いて輪にし、マイメロに渡そうとしたが、直後魔法が切れてプークスクスされるという、涙なくしては観れない語れないシーンを仕上げてきたことが評価点だろう。ネタは2回目であるにもかかわらず既視感はなく、シナリオはキレッキレである。
#34:「~トゲトゲや~ん」ははりねずみくんメイン回。針が固くて皆と遊べないため、美容院に行くというコンプレックス回。
#35:王妃様が「スポーティーな女学生」のコスを披露しているが、これは藤崎真菜ちゃんの服装を模しており、声優ネタ(杉本ゆう)である。
バク十一郎がはりねずみくんの声優ネタ(沢城みゆき)で「はい」(≒コロリ)を披露、OPの冒頭を再度放送、まさか番組ロゴあたりに星のかけらがあるなんて! 探しても見つからないわけである。
#36:カイト先輩は竹内順子である。
「~きゃふ~んvsはにゃ~ん」、マイメロとバク十一郎のかわいさ勝負が繰り広げられる。このあたりからの「バク十一郎かわいい」という話は、ラスボス撃破につながる伏線であった。
#37:「~戦えショッピングプラザ」は、既存・民営のスーパーが、新規・国営のショッピングプラザに駆逐されそうになるという、極太の社会派ストーリー……かと思いきや、ねがい星バトルではギャルぞな(ギャル曽根)にガンダムパロ(「いっきまーす」「メインカメラがやられただけ」「3倍速く動ける」)などとやり放題。
#39:「~宝くじは誰のもの?」。貧乏なときに、神様に祈って手に入ったと思った一攫千金のチャンスは、たんなる他者の落とし物だった、という話。身につまされるのでやめて。
#40:「~大喜利Oh!ギリギリ」。大喜利ネタ。
「~クロミちゃんの乙女心」。クロミフィルターの話。クロミーズ5のうちニャンミ、チューミがメインで喋っており、バクとともにソララ王子のフリをして喋るシーンがあるのだが、イケメンとして演じる前田登、まちゃまちゃ、山田茉莉が聴けてお得感満載。リスくん兼任の山田王子がいいぞ。
#41:「~イケメンがいっぱ~い」、星のかけらがクロミフィルターに刺さる話。男たちの顔がソララ王子、金髪、青髪のいずれかになる。なお枕フィルターの場合は、男たちのCVが宮田か沢城か菊池こころになるものと思われます。
んで、汎用クロミフィルターのかかったソラぴはソララ王子の姿なんだけども、彼をクロミが観るとさらにクロミフィルターがかかるためどうなるか、という試論。⇒全裸になり、乳首に貼った星のかけらを取るよう要求してくる。これ放映できるのかどうか、このリビドーがお子様がたにどう伝わるのかが心配だ。
#43:「~パパのこと教えて」は、全編を通して置鮎歌唱ネタ。……あ、いや。マイメロパパと柊恵一の声優が同じであるため、マイメロパパをビジュアル系バンドのヴォーカルに仕立て上げ、柊恵一の持ち歌を流し歌唱映像を作るという仕掛けを披露。『美・Guilty』と『Let's Go』が起用されました。後者は新ED「宇宙のフラメンコ」のCW、なんと新曲ですね。ウサミミ仮面號號2期OPといった位置付けか。
ちなみにバンドメンバーは、ええと、ギターが王様、ベースがフラット父、ドラムがバク父、ですかね。
#46:バニーガールのバクがヘロヘロのカイト先輩に、「ショック療法」ということでキスしてますね。
#47:鳥嫌いのきららが、ヒヨコ姿に変えられてしまったことでソラぴの苦痛に共感し、鳥嫌いをいくらか克服してソラぴを嫌悪しなくなった話。ここにきてきららとソララにフラグが立ち、誰と誰が結ばれるのかわからなくなった。
#48:イケメン大作戦×2回。いったいヒロシは人間だったのかマリーランド住民だったのか、目的はホントにピアノちゃんだったのか、謎は残る。
#49:大好きな相手との結婚という報奨があれば、大嫌いな相手とルームメイトになれるのか、という、アニメという隠れ蓑をうわっ被せた人体実験。ひたすらクロミが不憫。
#50:怪しい偽カイト先輩の策略を知りつつ、きららとソラぴが仲違いをしているのに乗じて、ソラぴと仲を深めようとすることに、後ろめたさを感じるクロミ。そしてバクの喝入れに応じて、ソラぴにきららの危機を伝えにいく役回りに。きららとクロミの友情、恋する乙女としての連帯感、これまで描いてきたその関係性を押し出してきます。
さて、きららを絶望に導いたのは、「スキな相手に書いたラブレターで、スキな相手に洟をかまれる」でした。このエピは、伝説のクロミノートNo.001、マイメロと仲良くなりたい、とクロミが綴ったノートの記念すべき1ページ目で、マイメロが洟をかんだエピソードを前提にしていると考えられます。クロミ→マイメロへの敵意、つまりアニメ「おねがいマイメロディ」シリーズの物語動機のひとつが、きらら→カイト先輩への絶望に相当するということで、これ相当なモンですね。
#51:世界を救うためのキーは、これまでのシリーズでの、マイメロによる「おねがい」に代わり、バク十一郎による「おねがい」……のはずだったのですが、声変わりのせいで効力なしという結果に。マイメロワールドでネックになっている「かわいいはすべて」「かわいくなければゴミ」という思想を前面に押し出したひっくり返しとなりました。
#52:最終回。ラスボスを倒したのはきららの「ファイナルアタック」。
ソララがクロミにプロポーズしたので、ここでクロミが結ばれてしまったら柊しゃまの出番が、と思っていたら、963番目の妃にするよ、とか言われてクロミが拒否ったので、整合性は保たれましたね。とはいえやはり玉の輿ではありました。金のあるケッコンがしたい。
ED『手をつなごう』、初回視聴時は号泣していたため気が付かなかったのだが、ピアノちゃんが羊言語で全編を歌い上げるという恐ろしい技術を披露している(初出のくるシャEDもそうだ)。皆も真似してカラオケしよう。