TVP「高校生クイズ2017 全国一斉スマホ大会 真夏の大熱狂SP」(日本テレビ、2017)及び「第37回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2017)の感想

決勝の「カドリエンナーレ」誤答について

 いきなりですみませんが、決勝の開成誤答「×カドリエンナーレ ○2019年」について。今大会の決勝問題は、ほぼすべてストレート形式なんですけど、あの問題だけ突出した感があったんですよね。ちょっと書き出してみましょう。

持っているだけで安心→「ライナスの毛布」
国立大学で唯一名前にひらがな→「お茶の水女子大学」
国立大学の女子大は2校だけ→「お茶の水女子大学」「奈良女子大学」。
C11H7N3O8、鎮痛剤にも→「テトロドトキシン」
キモは「にも」であり、問題は「フグ毒の主成分」と続く。難易度低めの出題であれば「フグ毒の主成分で~」から始まる。
普通切手、1円は前島密、2円は→「ウサギ」
パラレル。2円切手はかつて秋田犬だったが2002年に販売終了、2014年にエゾユキウサギで復活。
【ゲストクイズ】ノーベル文学賞受賞者の孫、代表作『THE OLD MAN AND THE SEA』→「ヘミングウェイ」
『老人と海』。
余談だが、次問出題前に桝が「通常早押し問題」と言っている。ゲストクイズが連続しないことを明言するためと推測される。
心理学用語で、文字がバラバラ→「ゲシュタルト崩壊」
龍のアゴの下に生えた→「逆鱗」
「逆鱗に触れる」=目上の人を怒らせる。由来は『韓非子』(著:韓非)。
【スペシャルクイズ】NY生まれの食べ物、客のクレームから生まれた、ジャガイモ→「ポテトチップス」
TVP「究極の◯×クイズSHOW!! 超問!真実か?ウソか?」(日本テレビ、2016)から出題。
アインシュタインがボルンに宛てた手紙→「神はサイコロを振らない」
ガラスのコップに入れることはできても取り出せない→「ひび」
なぞなぞ。
テスラモーターズやスペースXなどのCEO→「イーロン・マスク」
ベネズエラの自然現象→「カタトゥンボの雷」
未確認だが「マラカイボの灯台」も可。
小説「雨やどり」→村上春樹、「星/やどりの声」→「朝井リョウ」
「星」で押している。
フランスのオクシタニ地方に由来するコスメショップ→「ロクシタン」
世界初設立「NAUI」、アメリカ「PADI」というスポーツの団体→「スキューバダイビング」
第1回近代オリンピック、マラソン優勝者→「スピリドン・ルイス」
国旗、中央に「スカンデルベクの鷲」→「アルバニア」
ヨーロッパで一番早く飛ぶ鳥は何か? という疑問から誕生→「ギネスブック」
劇中曲「デイズ・イン・ザ・サン」「強いぞガストン」のミュージカル、ディズニーが実写映画化→「美女と野獣」
ゴーギャンがタヒチで遺書→「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
「遺書の」で押している。これは「知の甲子園」時代の高校生クイズ決勝で既出(未確認)。
日本語では「社会関係資本」→「ソーシャル・キャピタル」
茶道で最後の客、正客しょうきゃくに対して→「末客まっきゃく
くじ引きで決めた室町将軍→「足利義教」
「くじ引き」の「く」で押した。
「嵐を呼ぶ男」「夜霧よ今夜もありがとう」などのヒット曲→「石原裕次郎」
カウボーイのかかとに付いている歯車→「拍車」
チアダンス、足を大きく広げて飛び上がり両足でつま先をさわるジャンプ→「トータッチ」
「足を」で押し、「足を大きく」まで出題が聞こえた。
プラハで4年に一度「プラハ カドリエンナーレ」、次回→「2019年」
理研の三太郎→「本多光太郎」「鈴木梅太郎」「長岡半太郎」
多答。本多光太郎:KS鋼、鈴木梅太郎:ビタミンB1、長岡半太郎:土星型原子モデル。
金字塔→「ピラミッド」
ウイニングアンサーを想定した出題。「高校生クイズ」が問題文に含まれる問題といえば、かつて「昨年の優勝校」が出題されたことがある(出典未確認)。

 3校の最終合計ポイントが27、誤答1問でしたので、出題計29問ですね。

プラハで開かれる有名な美術展覧会で 4年に一度開催される/
「プラハ カドリエンナーレ」が次に開かれるのは何年?
→「2019年」 決勝問題、TVP「第37回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2017)

 さて。「プラハで」「4年に一度」→「プラハ カドリエンナーレ」、次回は→「2019年」という発展型。2円切手と『星やどりの声』がパラレル型、これ以外はすべてストレート型でした。
 (なおラスト問題も「優勝して打ち立てたい」→「金字塔」→「ピラミッド」と構成を捉えれば発展型なのですが、通常の問題文からするとちょっと異質な「高校生クイズで優勝して打ち立てたい」というフリ、いうなれば内輪ネタだったため、問題の本質は「金字塔」→「ピラミッド」にあると考えて異存ないでしょう)
 さらに唯一の数値回答、そして時事変動値でした。
 これほどストレート多用な問題構成じゃ、ストレート型だと読み違えちゃうし、まさかキーワードじゃない答えが求められるとは思えないから、誤答しちゃうよなー、と分析しかけたんですが……

 冷静に考えますと、このフリで「カドリエンナーレ」が答になることはおそらく皆無です。開成の頭の中には、数年に1度の美術展覧会の呼称、「ビエンナーレ、トリエンナーレ、カドリエンナーレ……」が入っていて、問われれば答えられる知識量だったのでしょう。なので、「4年に一度開催される」に反応し、このフレーズが読み上げられたあとに押しています。
 しかし「カドリエンナーレ」は、この問題の答としては致命的で、

  • 問題文に開催場所が明確に含まれているため、この時点で一般名称である「カドリエンナーレ」が答になることはない
  • 「カドリエンナーレ」が回答ならば、「プラハで開かれる“ものが”有名な、4年に一度開催される美術展覧会のことを何という?」とするか、「年に2回開かれる美術展はビエンナーレ、3回はトリエンナーレ、では4回~」とベタなパラレル型にするか、である

 また、「プラハ カドリエンナーレ」が答になることも、あまりなさそうです。

  • この問題文の、「プラハで」「4年に一度開催される」という説明と、「プラハ カドリエンナーレ」という語は、一対一対応がついている。一対一対応が付いている説明と語はクイズの問と答になりうるが、この場合、共通項「プラハ」があるため、後者の語を答としてそのまま回答させることは、早押しクイズの文法としてはふさわしくない。繰り返しを嫌う日本語の性質からか、問題文の語が回答に含まれることはあまりない
  • もし、固有名詞としての「プラハ カドリエンナーレ」を答えさせたいとすれば、「4年に一度チェコの首都で開かれる美術展覧会のことを、その都市の名を取って何という?」あるいは「頭文字のアルファベットを取って『PQ』と称される~」というような問題文になる

 そのため、ストレート型でないことは推測可能なので、惜しかったね、というのはちょっと甘い評価。しかし、出題側に引っ掛けたいという思惑があった可能性は、考えておいて損はない。


TVP「高校生クイズ2017 全国一斉スマホ大会 真夏の大熱狂SP」(日本テレビ、2017)感想

 全国一斉。3時間で約100問回答。

 第1問は○×「夏季五輪、冬季五輪、サッカーW杯すべてに出場した選手がいる」。スヴェン・ベルクヴィストで○。

「第37回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2017)感想

高校生クイズ伝統と実績(2回目)のフィンガーボウル

国内第1チェックポイント

 60→10、早押し。1問正解で通過クイズへ、通過クイズ正解で勝ち抜け。通過クイズはAI出題という触れ込みだったが、実際にAIが作問したものかは不明。

国外第1チェックポイント

 10→8、早押し。1問正解で神経衰弱し1ペア揃えれば勝ち抜け。ディズニー舞台だがディズニー問題は放映なし。

国外第2チェックポイント

 8→7、早押し。ウォータースライダー。まず1対1で4校勝ち抜け、負けた4校が同時対戦、早抜けで3校勝ち抜け。

奇襲

 朝5時。早起き先着1校に、次のチェックポイント第1問がご当地問題になるチャンスが与えられる。

国外第3チェックポイント

 7→5、大声早押し。早抜け1校敗退を2回。なお2回目は英語出題、英語回答。
 奇襲で見事アドバンテージを得た高校は、残念ながらご当地問題に答えられなかった。

国外第4チェックポイント

 5→4、抜き打ち。マナークイズ。1品を食する中でマナー違反がなければ1ポイント、3品で3ポイント獲得すれば勝ち抜け。
 満たない場合は早押し、計3ポイントで勝ち抜け。

 #18「クイズ結婚式」から29年、あのフィンガーボウルが帰ってきた!
 早押しのゲストクイズはトランプ大統領のそっくりさん、デニス・コッポ。これはアメリカ横断ウルトラクイズ#01のサンディエゴのオマージュですね。

準決勝

 4→3、バラマキ、1問2答。

決勝

 3→1、早押し、10問勝ち抜け、お手付き誤答はマイナス1。ゲストクイズはヘミングウェイ子孫。


応援ソング

 応援ソングは乃木坂46「泣いたっていいじゃないか?」。