よくわかるアイアンナイト（屋宜知宏「アイアンナイト」1-2巻感想）

　えーと。2014年のジャンプ系ショタの話題は、こぞって福島鉄平『アマリリス』（ミラクルジャンプ）がかっさらっていきそうなので、私が言及するまでもないかなー、と。いや萌えるけど、女装ショタは範疇外なんだよにゃー。

連載

主人公：ショタ、人外、フードと3点揃っており、かつ第01話にてショタから人外への変身を心身ともにじっくり描いてくれたことで高得点を叩きだした2014年ジャンプの救世主（2014WJ01-18号連載）。

• 必殺技名が「A・F」だったり（スペルミスなので正しくはI・Fだが、パンチなのでどっちかっていうとF・Fだよねとか）、ヤカンを素手持ちで沸かしてカップラーメンだったり、ウサギキャラから顔に○○○を浴びせかけられたりと、ちょこちょこポイントを押さえたプレイ内容
• 涙目がちなシーンが多いショタショタしさ
• 主な鳴き声「ヴォルルル」、ツルツル系素肌、ツノシッポと枚挙に暇がない怒涛の人外押しにより、「もう少し線が細かかったらあんな細部やこんな細部も見れたのに」（なお、2話表紙カップメンは、1巻P.110に線画が載っている）と思わせる怪物描写

　などなど見所多し。なお股間はV突起系（武井宏之「重機人間ユンボル」のように股間が生身ではなく、ポケリバのリョウガさんみたいにツルツルでもなく、「Mighty No. 9」のU字突起よりも角ばっていますね。なんだこの分類）。

ヒロイン：あはははは何言ってるんだい少年ジャンプにおにゃのこキャラがいるわけないじゃないか。
　「背中はまかせろ男の子！」という名ゼリフ（#06）をもっている。基本的に、マンガ内で男の子に「男の子」と言える立場のキャラは、鷹勢優でもない限り（褒め言葉）♀である。

菊田さん：少なく見積もって全国20万人のショタコンが、いつかショタに言いたいセリフランキングトップ100には入るだろう「あ～入っちゃった～」(2巻P.114)をリアルで言い放ったリア充（使い方違う）。あと自分の目玉を相手に寄生させることで、視覚と感覚を相手に伝えるという地味な技も持ってるキョロ充（使い方違う）。

読切「ゴブリンナイト」（2巻所収）

読切版主人公：ショタ、人外、フード、体温100度、弟がいる、溶鉱炉、キライな食べ物、と揃い踏みであり、むしろ属性が多すぎる。なお股間の奥には熔岩が見えるので珍しく凹系ですか（だからなんだこの分類）。

読切版ヒロイン：あはははは（中略）作者自ら「男なのか女なのか分かんない」（2巻P.126）と言っているのでまだ望みが（中略）
　「灼熱で最強！！　冷えたら無敵！！　街の守護神　獄卒・牛頭鬼！！」という決めゼリフをもっている。

作者

　屋宜知宏。〆んだり×したりといった鬱展開、救いのない惨劇、守れなかった後悔、そのほかダーク系のエピソードに筆が乗るらしい。今作はダークファンタジーなので今後こういう路線でいくのか、バトル時に戦略的描写が多かったのでそっちで攻めるのか楽しみだが、とりあえずツノシッポ勢力でいてくれるとうれしいな。