ちせくま座談会~これは魔法少女モノですか?~
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」#11・12感想
おはー
東日本大震災の影響で放映が延期したのは、避難所のシーンがあったからかね?
もしかしたら放映されたのは修正版で、オリジナルには地震や津波、市街地崩壊のシーンがあったのかもしれない。
うまくまとめられたクライマックスだったと思う。
考えられる線で、望ましいハッピーエンド。
本当のハッピーエンドかどうかは疑問だけどね。
#10時点では手放し絶賛してたけど、
正直、評価は下がった。
魔法少女モノとしてのテンプレートを破って面白さを生み出してきた作品が、最後の最後で(ほむら視点での)普通の魔法少女モノ※に着地したことで、拍子抜けしてしまった。
とはいえこの感想は、平日の合間の深夜、ドタバタしながら眠気と戦いつつ閲覧したあとにまとめたものなので、またしばらくしたら変わってくるかもしれん。
※.主武器が銃火器(人工物)だったほむほむが、まどかと同じ魔法の弓矢を手に取るなんて!
まどかは魔法少女なのか?
あんなまどかは魔法少女じゃないよ! タイトル詐欺だよ!
整理するよ。
私が鹿目まどかを魔法少女だと思っていない理由は、次の3つ。
・人間ではない
・概念化(神化)した
・異装していない
このうち、「人間ではない」という点は、まどかに限らずさやかや杏子にも当てはまることなので、ひとまず措いておきます。
異装していない?
ちゃんと変身してるよ、まどかちゃん。
映像としては、そうだけどさ。
でも、あの可愛らしいピンク色の衣装は、ポストまどかの世界では誰も、知覚できないんだろ?
もう少し直接的に表現すれば、キスもセックスもできないじゃないか。
性的接触がまったく想定できない少女は、魔法少女モノの登場人物である要件を満たしていないよ。妄想の入り込む隙がないじゃないか。
衣装に限らず、誰にも認識してもらえない存在となってしまったまどかは、もう魔法少女ではないと思う。
あー、そうだね。
でもそれは「君の頭の中にしかない夢物語と区別がつかない」(#12、QB)ワケで。
鹿目まどかは、自らの願いを叶え、敵を倒す。この2点は、アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」において視聴者に提示された魔法少女の定義で、まどかはそれをきっちり満たしているよ。
物語機能としてはその通りだ。
でも俺、認めたくないんだよ。
神概念に等しくなってしまったまどかは魔法少女ではない。
魔法少女らしいところと、魔法少女らしくないところを行き来する、まどかたち。
魔法少女モノの定番と、脱構築を行き来する、まどかという作品。
そういうマージナルなところが気に入ってたのに、まどかがデウス・エクス・マキナとなり、これまでの混乱を一気に引き受けた結果、事態が収束する、という話運びが、個人的には期待外れ。
もちろん、ポストまどかの世界では、まどかは死ぬより辛い役目を永遠に背負い続け、ほむらは戦い続けなくてはいけない、と作中で説明されている。トンデモ展開が単純なハッピーエンドに結びついてないから、物語に深みがないとはいえないんだけどさ。
よいこになってたQBも新鮮だったしね。
観たことないんだけど、「これはゾンビですか?」(アニメ、2011)※も魔法少女モノの定義が問われる好例だと思う。主人公、♂だし。
※.原作ライトノベルの改題前タイトルは、「これはゾンビですか? はい、魔法少女です」である。
さやかの末路
あの鎧っぽいの? 気づかなかった。
まどかによって再編成された世界でも、さやかちゃんは消えてしまったね。
うん。
敵を倒すときに、力を使い果たしてしまったんだってさ。
説明役のマミさんがそう言ってた。
そうなの?
緑に上条くん寝取られて、絶望に苛まれて消えたんじゃないの?
まどかの願い
疑問点。
どんな願いでも叶えると公言していたインキュベーターが、まどかに対し「どんな途方もない望みだろうと、叶えられるだろう」(#12)とわざわざ注釈している、ってことは、
魔力に乏しい女の子との契約時には、叶わない願いがありうるということなのか?
だとすると、契約時にあんな大言壮語していたQBは嘘吐きだ。クーリングオフ適用対象だよ。
というより、
潜在する魔力(因果)に比例する願いしか、人は願わない、思いつかないんだろう。
あるいは、そういう身の丈に合った願いを抱いている少女だけを、QBが選んでいる。
なるほど。
だとすると嘘ではないね。
ところで、「すべての魔女を、生まれるまえに消し去りたい。すべての宇宙、過去と未来のすべての魔女を、この手で。」(#12、まどか)ってさ、
「この手で。」のところを「キュゥべえがぶち壊す!」とか「上条くんのバイオリンで浄化する!」とかにしておけば、まどかちゃん概念化しなくてもよかったんじゃない?
まどかは、自らが矮小な存在で、誰も救えないということにコンプレックスを抱いていたから、その反動として主体になりたかったんじゃないかな。
あるいは、まどかに拘泥し、運命に反旗を翻してきた、
暁美ほむらに対する申し訳なさ、
「私もやらなきゃ」的な義理の気持ち?
追記:あるいは、マミさんへの懺悔。
時間遡行と平行世界
「魔法少女としての素質は、背負い込んだ因果の量で決まる」(#11、QB)のとこ、
ほむらちゃんがタイムループすることで、まどかの因果が蓄積される、っていう説明がよくわかんなかったんだけど。
ほむらが時間を繰り返すたびに会っているn回目のまどかは、それぞれ平行世界の別存在なんだから、
現在、x回目のまどかと、これまでのまどかは無関係なんじゃないの?
平行世界っていう言及はなかったはず。
同じ時間をやりなおしてるんだよ。だから鹿目まどかには、ほむらの繰り返す数だけ未来が分岐していき、無数の因果となっていく。それが魔力。
契約するけど働かない
願いを叶えるために契約だけして、魔女退治をしないとどうなるの?
夜な夜なキュゥべえにソウルジェム踏まれつつ強請られるのかな?
「例えば×××に×××が刺さった場合」と逐一説明されながら調教されたい。ハァハァ。
魔法少女が魂のない肉体を保つためには魔力が必要で、
何もしなければソウルジェムが濁ってくんじゃない?
なるほど。
グリーフシードを集めないと生きていけないのか。
なんとかして命の危険を冒さずにキュゥべえとお近づきになりたいんだけど。
魔法少女になれないんなら、せめて使い魔になりたい。劇団イヌカレーに姿形をデザインしてもらい、登場シーンでは梶浦サウンドが流れる。
我々の業界ではご褒美です!
魔女になっちゃいそうな魔法少女と友達になり、自分の姿に似た使い魔を生み出してもらう、とか。
さやかちゃんが仁美ちゃんっぽいの出してた。
……その使い魔と私は感覚を共有してる※のか?
だったらうれしいけど。
※.「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(2009-2013、料理番組)のまいんちゃんとミサンガたん的な。
枕のちせ:
好きな1クールアニメは「もえたん」(2007)。
考える熊:
好きな1クールアニメは「妄想代理人」(2004)。