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ちせくま座談会~交わした約束忘れない~

アニメ「放浪息子」(2011)感想

おつー
おつー
先週枕さんが猛プッシュしてた「まどか」全部(#10まで)観たよー。
私も熊さんがオススメしてた、「放浪息子」全11話観たー。

※.DVDでは全12話。
どうだった?
おにゃにょこぽいとからかわれていた○学生時代を思い出して鬱った。
^^;
ショタコン的には、
女装属性・メガネ属性がないので、主人公とその親友はスルー。
土居くんはルックスが比較的タイプで、中の人(吉野裕行)がかなり好きなんだけど、性格悪いせいで受け付けなかった。
残された砦は岡くんなんだけど、こちらも中の人(田村睦心)は大当たり、ヴィジュアルは正統派ショタでオッケオッケ。でもやっぱり、イジメっこキャラに対して生理的嫌悪が先立ってしまう。

しかしまぁ、熊さんに女装ショタアニメを勧められる日が来るとは思わなかったよ。
(注:熊はショタコンではない)
原作コミックがまだ連載中なので、アニメでラストをどうするのか興味があったけど、巧く終わらせたなーと思う。

時間ループネタ

で。「魔法少女まどか☆マギカ」(アニメ、2011)ですな。

先週は私がひとりで、
・魔法使いが魔女を倒すという構図は、魔法使いが魔女になる「おジャ魔女どれみ」シリーズに対するアンチテーゼかと思ったら、実は痛烈な皮肉だった
・魔法少女モノの脱構築と再定義
みたいな話をウダグダと垂れ流してた。
ハートフルボッコアニメですね。
OPは可愛らしいのに本編が鬱展開な、アニメ「なるたる」(2004)を髣髴とさせます。
時間ループネタを観ると、どうしてもハルヒのエンドレスエイトを思い出してしまうなぁ。
ひいては劇場版「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984)。
ひぐらしもそうだね。
梨花ちゃんが同じ時間を繰り返してる。
自分にとってよい結果が出るまでやり直すループネタ、ってのは、近年流行りの物語要素で、まどかもそれを換骨奪胎したのかなーと単純に思ってたんだけど、それは違ってたみたい。

脚本の虚淵玄はニトロプラスでループネタを何度か書いてるね。
「デモンベイン」シリーズに、『スマガ』(PC、2008)。
そしてまどかに対し、「『スマガ』のほうがループものとしては一段練られた話」と発言していることから、すでに虚淵はループネタを自家薬籠中の物にしている感がある。

※.『オトナアニメ Vol.20』(2011)P.034
まどかにループネタがあるんじゃないか、ってのは9話時点で予想可能だったと思うよ。
私は思いつきもしなかったよ。だから10話観たときは「あれ、もしかして1話分スキップしちゃってる? こんなほむほむ知らない」って思ったし。
それはある意味幸せだ(笑)。

魔法少女モノとしてのまどか

私がまどかを観て思ったのは、これは魔法少女モノの枠を越えている、という感動。
主人公が10話に至っても変身していない、ってのはそれだけでびっくりだった。
でも熊さんは、それは魔法少女モノが1クールないし1年間かけて描く、「魔法少女になる前」→「魔法少女中」→「魔法少女卒業後」っていうステップのうち、これまでは1話分くらいしかなかった「前」を拡張しただけで、既存の魔法少女モノの大枠から外れたわけじゃない、って言ったんだよね。

だから、30歳で魔法使いになる予定の私の人生は、いまのところ魔法少女モノだといっても差し支えがないorz
魔法少女である必然性はないが、
魔法少女であることで陰惨さが引き立っていると思う。

力を得る代償として、何かを失うっていうのは、もともとヒーローモノの定石であり、それを思春期の女の子にやらせた、っていうギャップが面白い。
なるほど。
自分では叶えられない力を得るための命という代価、というのが「ぼくらの」(アニメ、2007)に近い。
魔法少女モノっていうのは、私たちの頭にあるテンプレートなんだよな。
マスコットに促されて変身、非日常の力、想いを寄せる男の子。その形式を打ち破る作品を観ると、単純に気持ちいいと私は思う。

もっとも、ゼロ年代には「邪道魔法少女」シリーズっていう、テンプレートをパロディにした作品群がすでにあるんだけど。想いを寄せる男の子を惨殺する「撲殺天使ドクロちゃん」(OVA、2005)、魔法ではなく関節技で敵を倒す「大魔法峠」(OVA、2006)。
「魔法少女プリティサミー」の初出は1993年だから、魔法少女モノをパロって面白くする、っていうのは手口としてそんなに目新しくはないと思うんだ。それでもまどかがすごくインパクトのある作品だ、と今感じている理由を、私は知りたい。
まどかが魔法少女モノでなければならない理由のひとつが、QBのエントロピーの話だよね。
思春期の女の子の感情の起伏が、莫大なエネルギーになる。
だから、魔法少女がQBにとって必要だ、と説明されてしまえば、この物語に必要な登場人物は大人でも少年でもなく、少女なのだと納得せざるをえない。
んー。
むしろ私は、あのQBの話は、オタク界がさんざん論考してきた、“萌え”とは何か、に対するメタフィクショナルな回答なんじゃないかって思った。

最近の“萌え”に関する話題だと、神戸新聞社がウェブ上でアルバイトを募集したときの問題、「右のキャラクターがいまいちいけてない(萌えていない)理由を3つあげなさい。」を見逃すわけにはいかないね。
「初音ミク」を彷彿とさせるビジュアルをもったそのキャラクターは、いわゆる“萌え要素”、すなわちツインテ、カラフルな髪、大きな目という、オタクが求める「定番の要素」を兼ね備えているはずなのに、なんか違う、違和感がある、つまり“萌えない”。
萌え要素に萌えない、という、東浩紀もびっくりな撞着なんだよね、これ。まぁ絵のデフォルメが上手くない、という解釈もできるんだろうけど、それよりも同じツインテなのにミクやかがみん(CV:加藤英美里)は良くてこっちの娘はダメだという、脊髄反射的な判断基準の理由を知ろうとするほうが、“萌え”の理解には重要だろうと思う。ちなみに私は明確な回答を導けていない。

ともかく、90年代そしてゼロ年代にとって、“萌え”とは何か、っていうのはひとつの大きな命題だったと思うのね。それは要素である、テンプレートである、と分析されてはいるだろうけれど、まだ誰も把握できてない。要素をつぎこみテンプレートをちりばめればヒット作になるか、といわれると、そううまくはいかない。“萌え”の本質を見極めることが、ビジネスチャンスとしてのサブカルの課題であり、現代思想の最先端の論題だった。

そんなオタク界の潮流に対し、架空のエネルギー論で説明を試みたのがQB。思春期の少女の感情の起伏が生み出す何かを、QBはエネルギーとして、オタクは“萌え”として受け取る。つまり“萌え”とは、現代の科学技術ではまだ解析できないが、オタクは“萌え”として感知している、新時代のエネルギーなんだよ! そのうち新しい発電所が建つよ!
それはちょっと違うんじゃね?
そう?

女の子が二次性徴の際におどろおどろしいエネルギーを出す、っていうのは、私は感覚的にすごく納得がいく。
「妄想代理人」(2004)の事件のすべての元凶も、「生理」だったと監督のサイトに書いてあったし。

男の子じゃこうはいかないよね。野球とサッカーのことしか考えてないもん。

※.「今 敏 オフィシャル・サイト - KON'S TONE」内コンテンツ、「妄想」の産物→妄想の十三「終わり無き最終回。」-その11-
いや、他にも勉強のこととか考えてるでしょ。

あるいは、性欲だけ、とか言ってほしかった。
テンプレート返しの中でも、魔法少女が人間でない、っていうのは虚を突かれたよ。
魔法という人間離れした能力を持ちながら、恋や友達といった人間的な悩みを抱えている、っていうのがありきの魔法少女モノだと思っていたから。

よもやゾンビだったなんてさ。
もっとも、魔法少女モノを調べてたら、人間ではなくアンドロイドだよ、っていう「ミラクル少女リミットちゃん」(アニメ、1973)なんて作品もあった。
枕さんは、魔法少女になったさやかちゃんが上条くんに対して抱いている、
「こんな体で抱きしめてなんて言えない、キスしてなんて言えない……」っていう感覚に共感できる?
うん。
人間が非人間とキスしたりセックスしたりするのは人道的にアウトだよ。

関係ないけど今日ナンジャタウンでナジャヴさんに握手してもらって超うれしかったハァハァv ナンジャラー!

ケモナー視点でのQB

杏子ちゃんはなんでいつも飯食ってるの?
子供のころひもじかった反動じゃない?
あのさ、モルモットって食べ続けてないとダメな生き物なんだ。
空腹になると腸内細菌が足りなくなって体調崩すんだって。

んで、杏子ちゃん見てると昔ウチで飼ってたモルモットを思い出す。
むしょうに愛おしい。
ケモナーとしてのまどかの見所は杏子ちゃんとQBだね!

ちなみに魔法少女の中ではピンクが好きです。ピンクなので。
俺はさやかちゃんかなー。

枕さんはQBに萌えるの?
QBのせいでまどかちゃんやほむらちゃんが不幸になってる、っていう憎しみの感覚は、私にはあんまりないのね。
QBの言ってることは極めて合理的だと首肯できるし、そもそも人間の感情を理解できないキャラに対して人間の道理で腹を立てるのはそれこそ不合理。

だから、大半の怒り猛るネットユーザと違って、そういう憎しみのハードルはないはずなのに、QBに萌えるか、と聞かれると、なんかこう、違うのよ。

どうもキュゥべえが可愛くならないように演出してるよね、本編。

だからケモナーとしては、愛くるしいマスコットはもっと愛くるしく描いて、我々を狂喜乱舞させてほしかった。もったいないなぁ、と下心が叫んでいます。

あ、でもエロ同人誌はあったら買うレベル。

※.マンガ版はもっと表情豊かで、いわゆる「可愛らしい」マスコットキャラの絵柄・表情になっている。
誰と絡ませるの?
代わりはいくらでもいるんでしょ?

11・12話連続放送を前に

魔法少女3人が生き返って、ハッピーエンドになってほしいなぁ。
枕予想:
・これ以上ほむらはループしない
・まどかは最後まで変身しない

あと、QBが勢い余って例のショタバイオリニストと契約したら俺的にゴールイン。
(◕‿‿◕)わけがわからないよ。

枕のちせ:
2010年度ベストアニメは「けいおん!!」、
次点で「GO!GO!明るい社会」。
どちらも前作に比べ、観応えがアップしていると思いました。
考える熊:
2010年度ベストアニメは「それでも町は廻っている」。
「おおきく振りかぶって ~夏の大会編~」は残念な出来だった。
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