「菱餅は、俺とだけしたいのか」
「そうだよっ」
屋上ふたりっきり。昼ゴハンのサンドイッチをぱくつきながら、菱餅とアーウィンは会話を交わす。
「俺は、いろんな相手としてきたし、これからもしたい」
「うう」
議題となっているのはやはりさっきの価値観の違いで、菱餅が一対一のお付き合いを主張するのに対し、アーウィンは多数との交流を重視しているという点が食い違っている。
「もし菱餅がそういうのイヤだったら、やめる」
「ホントに！？」
予想外の申し出。相手が折れたことに驚きの喜びを感じながら、菱餅は笑顔で続ける。
「できれば、オレはそれがいいな。アーウィンの体、触らせたくない」
「だけど」
「だけど？」
「1日3回、シないと、落ち着かない」
「ア、アーウィン！？」
耳をうたぐった。
「……3日に1回、じゃなくて？」
菱餅クァのペースは3日に1回である。いわずもがなソロプレイの換算であるが。
「だから、よろしく」
その日のうちにナシゴレンと話がまとまり、菱餅の引っ越しが決まった。
ルームメイトは3人。1日3回。菱餅の恋路は、体を鍛えることから始まりそうだ。