TSハザートkyouske作

 第六話 波乱の新学期

 二学期の始まりの朝……唯はボーとした表情で食卓にある食パンに目玉焼きを載せた物を食べていた。以前は血圧が低くなかったのに性転換してからは低血圧になってしまった……。
「学校に早めにいくの?」
「だって”転入生”だろ………俺が送って行ってやるから」
 将一は朝イチに会議があるので両親から大切な”従妹”の初登校を頼むと言う事になった。唯はブラウスにフレアスカートにサマーカーディアンと言う格好だった。例のヘアバンドの効力には半信半疑だった将一だったが日本の諜報戦とこの手の技術の高さを実感する彼だった。
「恐るべし……日本の諜報技術」
 将一はそう思っていた。

 学校に着くと新品の上履きを出す……そして兄に連れられて校長室へと行く……民間出身の女性であって辣腕を振るっている。
「色々と大変な目にあったけど、頑張ってね……」
「はい……でも、大丈夫なんですか?」
「うふっ、文部科学省に日本国首相公認の超法規的処置だし……後でばれてもこの時はこうするしかないって言い訳も時が経てば皆も分ってもらえる…安達先生頼みます…」
 側にいた安達先生は頷く。クラスは以前いた所だった……ばれてないと思う、朱実もウィルスの影響で獣化になったが興奮すると尻尾や犬耳が出るそうで体力の増加も確認されている。まあ元々はスポーツ少女なので早々ばれないだろう。
「覚悟はいい……橘さんもわかっていると思うけどノリがいいからね」
「はい……」

 先に安達先生が入る……。
「皆元気だったね、橘君の事は突然の別れで残念だったけど……今の医学じゃこうするしかなかったの…代わりに転入生が来ます」
 おおおおっ〜〜〜と言う声が聞こえる…ノリが良いクラスと言うのは知っている唯だがこんなに盛り上がるのか……無理も無い自分が美少女だし太一を始め数人のここのクラスの男子とは以前会っている……。他のクラスは定員に近いので十中八九、あの美少女がここに来ると読んでいたのだろう。
「はい……橘さん入ってきなさい」
 唯は緊張して教室に入ると男子の視線が全て発育がいい胸に行き次に顔に向けられる……。
「彼女は橘 唯さん……私も驚いたけど唯君の親戚で同性同名なの……」
 どよめきが起こる……そして、質問攻めと来た……。
「とりあえず一番後ろの席に座ってね」
 少年だった頃の席よりは後方になる。この日は夏休みの課題提出があり唯も出した……これは彼女が超して来た際に慣れさせる為に先生が出したと言う事になっている。彼女はあまり学校に行ってない設定だからだ……。
 放課後は質問攻めに会いボロを出さない用にしていたがこれでキャラが固まってしまった……朱実は真実を知っているだけに笑いを堪えていた。その後は学校内の施設案内を朱実共にする……その時ボールがテンテンと転がって来て朱背後から猫耳と尻尾が生えた少女が飛び掛りボールにじゃれていた。
「うぁあ〜〜〜」
 唯と朱実は直ぐに図書室の司書室に猫耳が生えたレオナを連れ込んだ……。

「ナイス!」
「朱実ちゃん出ているよ……」
 朱実も犬耳と尻尾が出ていた……レオナを抱えて飛び込めたのも朱実のお陰だった……獣人よりは力が劣るが小学生が持つパワーよりは強いのだ。
「あら、あら……早速出たのね」
 図書室を管理する司書である新居 久美子は三人を見て言う。無論事情は知っているので動じてない。
「でも、可愛い〜〜〜〜う〜〜ん若い頃思い出すわ〜〜〜コスプレしていた頃……」
 彼女は若い頃にはコスプレしていてバニーガールもしたし狼娘もしていた……聞けば小学生の高学年からし始め大学生の頃になると有名になった……そして同人誌作家の彼氏と結婚して一応卒業したが……時々しているらしい。レオナは床に寝転がり体を丸めている………調度日当たりがいいんだろう…。
「どうする?」
「暫らくしたら収まるから……」
 朱実は言うとじっとしていた。


 TSハザート 第六話 波乱の新学期 終 第七話 変わる環境へ続く
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