もと子の完全な手下となってしまった男子児童も、その夜中にもと子に案内されて新たな仲間をふやすように言われたのであった。
「この家に、髪の毛が長い女の子が住んでいるわ。」
「ここは…。」
「ほら、もうすぐおふろに入るところだわ。あの窓からつたってお入り。鍵がかかっていてもわたしの魔力であけられるから。」
もと子に命令されて、壁をはい、男子児童はその家に入ってしまったのである。
その家には、男子児童らと同じ小学校で学年がふたつほど下で、その学年で髪の毛をいちばん長くしていてお尻をなでるほどまである若林圭子が住んでいたのであった。この時は三つ編みに結っておふろに入るためおだんごにまとめていたが、そのおだんごをちょうど解いてぱらっと二本の三つ編みにしていた髪が背中に垂れ下がったところに、男子児童はとびついて抱きつきはじめたのである。
「くくくく。」
「きゃっ、だれ?」
「ひひひひ、ひひひ。」
その不気味な笑い声に圭子は驚くばかりであったが、後ろを向こうにも背中から両腕で胴体をしめられてたしかめようにもなかった。
「この腕は、きゃあーっ!」
へびのうろこに覆われているその腕を見て、圭子は悲鳴をあげた。
「くくくく。」
「はなして、だれか助けて。」
だが、男子児童をあやつっているもと子がまたその家に魔力をかけており、ふろ場には誰も来られないように、また圭子の悲鳴が誰も聞こえないようになっていたのである。もう、男子児童の自由がなすままになっていたのである。
「えへへへ。」
とうとう、男子児童は圭子の胸をもみはじめていた。
「いや、エッチ、ほんとうにだれなの?」
しかも、興奮した男子児童は性器も上向きになって、とうとう精液を勢い良くだしたため。圭子の三つ編みにしていたかたほうの髪にも直撃してしまった。女の命である黒髪が、無情にもいやらしい男の精液で汚されてしまったのである。精液は、圭子の首にもかかり、肩から前のほうにも垂れていたのである。
「くくくく。」
「やめてよ。ほんとうに、これから髪の毛を洗うのよ。」
「ふふふ。どうせ、洗うのなら、たっぷり汚してから洗っても同じだろう。」
「おねがい、はなして。」
「それなら、離してやろう。」
やっと、身体が離れたかと思って圭子が後ろを振り向くと、同じ小学校にいた上級生の男子児童であることがわかって圭子はまた驚くのであった。
「きゃあーっ!あなたは…。」
「いひひひ。」
「いやあ。」
傍らにあった洗面器を投げつけて逃げようとした圭子であったが、せいぜいその程度まで抵抗するのが精一杯だった。ふろ場の扉をあけることができず、また後ろから三つ編みの髪の毛をそれぞれ両手で一本ずつわしづかみにされ、ひっぱられてしまった。
「ひひひひ。おまえはどうせ逃げられないんだよ。」
「やめて、なにするの?」
「おまえをへび女にするんだよ。」
「へび女ですって。」
「そうだよ。おまえもへび女になるのさ。」
「いやよ、やめて、いたい。」
「ふふふふ。」
男子児童は、とうとう圭子の身体にまたがって頭の上に自分の性器をのせはじめ、その性器の両側から圭子の三つ編みの髪を左右から巻きつけはじめたのであった。きつく髪を握られて圭子は身動きもほとんどできない状態であった。
「ううっ。」
もう、めったに泣かない圭子がとうとう泣き出しそうになっていた。圭子の三つ編みにしている髪の毛を巻きつけて興奮した男子児童はまた精液を大量に出してしまい、頭の上からその精液が圭子の顔にも垂れてきたのであった。そして、圭子の口にも精液は侵入してしまった。また、男子児童が両方の髪の毛をぐいとにぎりしめたその時だった。
「うぐっ、はっ。」
「ひひひひ。飲んだな。」
とうとう、圭子は男子児童の精液を飲み込んでしまったのである。
「あたし、いったい…。」
「ひひひ。これでおまえはへび女だよ。」
「ああ…。」
圭子の腕や胴体にもぽつぽつとうろこが現われてきていたのであった。
こうして、へび男やへび女が、少年少女たちの間に広がっていくのであった。
「ほほほほ。もうこれで二十人、三十人ぐらいの子供たちが集まったかしら。」
その夜中、へび女の主犯格となっている雅紗也の家に、手下のへびとなっていた者たちが大勢集まっていた。
「みんな、よく来たわ。わたしたちはこれからもっとへびの仲間をふやして、この人間の世の中を乗っ取るのよ。いいわね。」
一本の三つ編みにまとめた髪の毛先をつまみながら、雅紗也が呼びかけると全員、首をうつろな表情でたてに振っていた。
「じゃあ、みんな、いっせいに。」
雅紗也が指を鳴らすと、へび少女や少年たちがそろって夜中の街に身体をはいながら繰り出していくのであった。