へび少女の長い髪(第三夜)長毛 編髪作
 風俗営業店の一室で、長い三つ編みの髪の毛が写っている後ろ姿の写真だけで雅紗也を指名した男が、雅紗也とのプレイに入っていた。たがいに裸になり、ベッドの上で仮面をつけて顔を隠している雅紗也が男に背中を向けながら身体をかがめ、男のぼっきしていた性器に口を加えようとしていた。男は雅紗也の三つ編みにしている二本のおさげ髪をそれぞれの手でわしづかみにして興奮し、雅紗也のくっきりきれいに現われている後頭部のヘアラインに顔をうずめようとしていた。
「いひひひ、いひひひ。」
 男もいやらしい声をたてていた。いっぽうの雅紗也も不気味な笑いを顔に浮かべながら、男の性器をしゃぶったりなめたりしていた。
「くくくく。」
「ああ…ああ…。」
 男の声がやがてあえいでいるようになり、ついに発射させてしまった。
「うふふふ、いっぱいでたわね。」
 この時、雅紗也は男の性器に唾液を逆流させていたのであった。精液で汚れた男の身体を雅紗也はティッシュペーパーでふき尽くし、またうがいに行った後に男が横になっているベッドに戻ったのであった。
「おほほほ。こんどはなにをしましょうか。」
「それじゃ、あなたのこの髪の毛、ここに巻きつけてみたいのですが。」
「おちんちんにわたしの髪を…。」
「あとでしっかり洗いますから。」
「うふふふ、よろしいですわ。じゃあ、ベッドの下にわたしがすわりますから、後ろから足でわたしの身体をはさんでくださいね。」
「はい、さっそく。」
 いわれたような体位になり、男は性器の先が雅紗也のうなじにあたるようにして、左右からその亀頭部に雅紗也のおさげ髪を巻きつけはじめたのである。雅紗也のお尻まで届くほどある長い三つ編みの髪を何重にも巻いて男は興奮しようとするが、最後の毛先が残ったその時だった。
「あっ。」
「どうかしたんですか。」
 巻きつけられた髪の毛が少しずつうごめき出し、毛先がひとりでに上を向くようになって、しかも毛先がへびの顔に変わりはじめたのである。
「う、うわーっ、髪の毛がへびに…。」
「おほほほ。」
 雅紗也は仮面をはずし、身体じゅうの肌がべりべりとやぶけてはがれ落ちるとへびのうろこだらけになって、男は驚くのであった。
「うわっ、おまえは…。」
「先生、よくこんなところに遊びにいらっしゃるのね。やっぱりいやらしいわ。」
「先生って、君は…。」
「うふふふふ。」
「ああっ。」
 男は雅紗也が通学している女子高校の教師で唯一の男性教師であった。
「おほほほ。一年生の時にわたしがはじめて三つ編みをして通学した時も、先生は授業でわたしの髪の毛をなでていたわね。その時も先生のおちんちんがふくらんでいたの、見えたわよ。」
「君もしかし、こんなところで…ううっ。」
 男は突然苦しみはじめた。男の身体も皮がはがれ始め、へびのうろこが現われ始めたのである。
「おほほほ。先生もへびになるのよ。そして先生はわたしの下僕。学校じゅうの先生や生徒たちをみんなへびにするのよ。先生が好きだと思うタイプの子だけ直接襲わせてあげるわ。あとは生徒どうしでへびにさせるから。」
 さきほど男の逆流した精液に、雅紗也が混入したへびの毒液が男の体内に入り、男も雅紗也にあやつられるようになるのであった。

 そして翌日、昼休みに女子生徒たちが校庭で遊んでいるようすをじっと見つめていた男性教師に雅紗也が近づいていた。この日はポニーテールを一本の三つ編みにした髪形に変えていた。男性教師はその姿を見て雅紗也の髪にさわろうとしたが、すぐに止められた。
「だめよ。勝手に髪の毛さわらないで。ひと仕事やってからよ。」
「ひと仕事って…。」
「おほほほ、見えるわね、あそこにいるツインテールのいちばん髪の毛を長くしている子、二年生だわ。あの子をまずへびにするのよ。」
 標的にされた生徒は、石井由美子(いしい・ゆみこ)だった。
「二年◯組の石井由美子さん、至急理科準備室のほうまで行ってください。」
 校内放送で由美子が呼び出されていた。
「えーっ?あたし、文系で理科なんかもう選択してないのに。」
 けげんな気持ちを感じながらも、由美子はその理科準備室に入っていった。そして、外のほとんど見えない室内ですぐに照明が消えて真っ暗になってしまった。
「きゃあ、急にいったいどういうこと?扉は?へんね、あかない。だれか来て!」
 驚く由美子の前に、少しだけの電灯がともり始めた。
「あっ、きゃあーっ!」
「くくくく。」
 雅紗也によってへびにされた男性教師がうろこだらけの顔で由美子の前に迫っていた。
「きゃあーっ、いや!」
「おまえもへび女になるんだよ。」
 男性教師ははいていたズボンや下着もずりおろして由美子に襲いかかっていた。由美子の制服のスカートもホックをはずして下着ごとぬがせ、ツインテールの髪をそれぞれの手でわしづかみにして由美子に抱きついていた。
「ああ…、ああ…。」
 由美子のお尻に男性教師の性器がずぼっと入って、興奮して出て来た精液が由美子のお尻から逆流していき、由美子の身体も肌の皮がはがれてへびのうろこが現われ始めていた。
「うふふふふ。」
 理科準備室の外では、扉をあけないように雅紗也が手のひらを口にあてながら不気味に笑っていた。

 その女子高校では、へび少女となっていく生徒が徐々にふえていった。
「きゃあーっ、由美子さんの顔が…。」
「くくくく。」
「由美子さん、やめて。」
 目がつりあがり、口から恐ろしい牙があらわれて他の女子生徒の首にかみつき、かみつかれた者もすぐにへび少女となってさらに別の生徒にかみついていくのであった。生徒たちは職員室の女性教師たちにも毒牙を向けてへび女にしていった。
「これで、この学校はわたしたちへび女のすみかよ。」
 雅紗也が女王のような振る舞いで校内の者たちをあやつっているのであった。
「さ、こんどはほかの学校の者たちも、それにみんなのうちの人たちも仲間にしていくのよ。」
 雅紗也の前で、うつろな表情でへび女になった者たちがいっせいに首をたてに振っていた。

 女子高校の近くで、由美子が同じクラスの者たちと五、六人ほどで歩いていた。その一本道に逆方向からひとりの男子高校生が歩いてきた。由美子と同じ学年であるが、面識はだれともなかった。だが、由美子たちはその男子高校生の前に横にならんで道をふさぎ始め、また男子高校生を囲み始めたのであった。
「あ、あの…。」
「うふふふふ。」
 へび少女たちの毒牙が男子にも…。


(つづく)
へび少女の長い髪(第四夜)
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