そして翌日、昼休みに女子生徒たちが校庭で遊んでいるようすをじっと見つめていた男性教師に雅紗也が近づいていた。この日はポニーテールを一本の三つ編みにした髪形に変えていた。男性教師はその姿を見て雅紗也の髪にさわろうとしたが、すぐに止められた。
「だめよ。勝手に髪の毛さわらないで。ひと仕事やってからよ。」
「ひと仕事って…。」
「おほほほ、見えるわね、あそこにいるツインテールのいちばん髪の毛を長くしている子、二年生だわ。あの子をまずへびにするのよ。」
標的にされた生徒は、石井由美子(いしい・ゆみこ)だった。
「二年◯組の石井由美子さん、至急理科準備室のほうまで行ってください。」
校内放送で由美子が呼び出されていた。
「えーっ?あたし、文系で理科なんかもう選択してないのに。」
けげんな気持ちを感じながらも、由美子はその理科準備室に入っていった。そして、外のほとんど見えない室内ですぐに照明が消えて真っ暗になってしまった。
「きゃあ、急にいったいどういうこと?扉は?へんね、あかない。だれか来て!」
驚く由美子の前に、少しだけの電灯がともり始めた。
「あっ、きゃあーっ!」
「くくくく。」
雅紗也によってへびにされた男性教師がうろこだらけの顔で由美子の前に迫っていた。
「きゃあーっ、いや!」
「おまえもへび女になるんだよ。」
男性教師ははいていたズボンや下着もずりおろして由美子に襲いかかっていた。由美子の制服のスカートもホックをはずして下着ごとぬがせ、ツインテールの髪をそれぞれの手でわしづかみにして由美子に抱きついていた。
「ああ…、ああ…。」
由美子のお尻に男性教師の性器がずぼっと入って、興奮して出て来た精液が由美子のお尻から逆流していき、由美子の身体も肌の皮がはがれてへびのうろこが現われ始めていた。
「うふふふふ。」
理科準備室の外では、扉をあけないように雅紗也が手のひらを口にあてながら不気味に笑っていた。
その女子高校では、へび少女となっていく生徒が徐々にふえていった。
「きゃあーっ、由美子さんの顔が…。」
「くくくく。」
「由美子さん、やめて。」
目がつりあがり、口から恐ろしい牙があらわれて他の女子生徒の首にかみつき、かみつかれた者もすぐにへび少女となってさらに別の生徒にかみついていくのであった。生徒たちは職員室の女性教師たちにも毒牙を向けてへび女にしていった。
「これで、この学校はわたしたちへび女のすみかよ。」
雅紗也が女王のような振る舞いで校内の者たちをあやつっているのであった。
「さ、こんどはほかの学校の者たちも、それにみんなのうちの人たちも仲間にしていくのよ。」
雅紗也の前で、うつろな表情でへび女になった者たちがいっせいに首をたてに振っていた。
女子高校の近くで、由美子が同じクラスの者たちと五、六人ほどで歩いていた。その一本道に逆方向からひとりの男子高校生が歩いてきた。由美子と同じ学年であるが、面識はだれともなかった。だが、由美子たちはその男子高校生の前に横にならんで道をふさぎ始め、また男子高校生を囲み始めたのであった。
「あ、あの…。」
「うふふふふ。」
へび少女たちの毒牙が男子にも…。