「うっ・・・。」
次に俺が目を覚ますと俺は全裸にされた状態で手足首に鎖つきの枷を嵌められた動きを制限させられた状態で、誰もいない薄暗い空間に放置されていた。今の姿勢から察するにどうやら俺は、壁か何かに鎖がつなげられていて経った姿勢しか取ることが出来ないようであった。
「誰だ・・・こんな事をしたのは・・・。」
カンッ!
そう呟いた途端、まるでそれを待ち構えていたかのように部屋の中に複数の投光機が放つ白い光が爆発した。余りの強さに思わず、目蓋を閉じて恐る恐る開けると光は若干落とされて、自分からやや離れた場所に裸白衣の格好をした彼女、恵子が何かを見下す様な目をして光をバックに俺を見ていた。
「あら、康平?気分はいかがかしら?」
「恵子、これは一体どういうことなんだ?」
「どういう事かって?フフフ、まだ分からないのねおバカさん・・・いいわ教えてあげる、これは私からあなたへのもう1つの誕生日プレゼントにして・・・。」
恵子はそこで言葉を一旦切るとこう続けた。
「私へのお返しだわ。」
と、俺は稽古の言っている内容が一瞬理解出来なかったが、すぐに理解するとこう返した。
「プレゼントにしてお返し?何を言っているんだ、ふざけた真似をするなよ。」
「あら、ふざけてなんか私は決していないわよ。むしろ本気よ、ええ、これがあなたに対する私との3年間の付き合いに対するお返しでもあるわ・・・この浮気男が!」
「浮気男だって・・・どこでそんな話を・・・。」
俺は見に覚えの無い事を言われて、大いに戸惑いながら答えた。すると彼女は休む間も無く強い口調を続けた。
「はん、あなたの言っている事が皆嘘なんて分かっているのよ。酷い男よね、口では私の事を愛しているなんて言っておきながら、裏では別の女に好きだというなんて・・・本当に最悪よ。」
「ち、ちょっと待てそれは誤解だ。俺は浮気なんてして無いぞ!?」
吐き捨てる様に言う彼女に俺は懸命に反論した。事実、全く見に覚えの無いことだったからだ。だが、彼女はそれを信じなかった、そして更なる言葉を吐いた。
「でもね、私があなたの浮気を知っていて何で別れなかったか、分かる?それはね・・・あなたを心から愛しているからよ、康平・・・もう二度と私以外の女に目を奪われない様にして上げるわ。」
その時、俺は彼女の思い込みを変える事は不可能であると悟りそして強い落胆を深く感じていた。もうどうにでもなれ・・・正にその気持ちが心を満たしていった。
すっかり気落ちした俺を前に恵子はうきうきとしていた。そして、どこからか取り出したのか分からない注射器を手に取ると、何も言わずに俺の左腕へと刺した。俺はそれに対して特に何の反応も示さず、彼女もまたそうであったので静かに液体だけが動いていた。注射が終わると彼女はまた俺から少し離れた。そして、静寂を破った。
「今、あなたに注射した薬はね・・・人間を人間以外の者にしてしまう薬なのよ・・・ホホホ、一見すると残酷な様に思えるけど、これはあなたとそして私の事を思ってやった事だと言う事を忘れないでちょうだい・・・さぁて、そろそろ始まるわね。ウフフ楽しみだわ・・・。」
「人で無くなる・・そんな事があるものかアッ・・・ウグッ・・・な、何だ・・・ぁ。」
俺の体は急に熱を帯び始めた、そしてそれは急激に上昇し体の芯に行けば行くほど強くなっていく。そう寒くない室内だというのに、吐く息は白く、体は小刻みに揺れて汗が噴出した。余りの事に動揺して何が何なのか深く考えられないでいると、突然体の幾つかの箇所に熱が集中し始めた。それは大豪雨の際に決壊する恐れのある土手に水の圧力が強くかけられていると言った方がいいだろう。
「あっ・・・うはぁっ!」
それが合図だった。その僅かな喘ぎ声をきっかけに、俺の体は崩壊し始めた。別の者への変化、見なくても分かるほどの変化が俺の体を破壊し始めた。
背骨と尾てい骨の辺りに集中した熱は、皮膚を突き破り尻尾をそして体の他の箇所、首筋や太腿、腹と共に莫大な量の何か、そう毛を獣毛を俺の体の中からあふれさせ、表面を覆わせていく。股間に集まった熱はペニスに注がれ、形が次第にグロテスクに変貌させられペニスと尻の間にも何か分からない熱があふれている。手の平足の平には人には消して有り得ない、膨らみの肉球が姿を現し爪もまた鋭く変形する。そして、顔、顔全体に満ち満ちた熱は骨格の動きよりも先に暴れ出し、鼻と顎が一瞬の緩みも無し前へ伸び、目と耳は動いて開かれた瞳は縦長に、耳は上から垂れていた。だが、それで全ては終わってはいなかった、最後まで胸に溜まり続けていた熱が他全てが終わるのを待っていたかのように爆発し、筋肉質の胸板は丸みを帯びた双球へと変わった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
すっかり変わり果てた姿となった俺は鎖のお陰で倒れる事も出来ずに、斜めの姿勢で息を荒くし耐えていた。全身を薄黄色の長めの毛で覆い、人の体に犬の頭、すっかり勃起したペニスに豊満な乳房を持つ奇妙な生物・・・それが今の俺であった。いや、俺でも私でも無い、何と呼べばいいのだろうか・・・。
そんな自分を恵子は非常に嬉しそうな視線で見つめていた。そして、満面の笑みを湛えて近付くとこう言って来た。
「おめでとう、康平・・・これでもう私以外誰のものでもない、私だけの存在、私以外は誰も知らないペットになれたね・・・。」
と頭を撫でて、首輪を嵌めた。赤い、『KOUHEI』と彫られた金属板の付いた首輪を康平の首に嵌めた。
「さぁて・・・楽しませてもらおうかしら・・・こーちゃん、よろしくね♪」
と呟き、康平のグロテスクな赤黒いしっかりとした太さと長さを誇るペニスを口に咥え、恵子自身の股間から生えたペニスを起たせていた。