Interlude―眠れない夜に

Interlude―眠れない夜に-3

「う…。逢河、だいじょうぶ?」
「ああ。…夕、しよう」

 一緒に飯を食って、風呂に入って、今は夕の部屋のベッドの上。二人はどちらも裸で、俺の腹の上に夕の細い体がちょこんと乗っかっている。布団を半分払っても寒くならないほど火照った身体を抱き締めて、俺は少し潤んだ瞳をこちらに向ける犬にやさしく口づけをした。

「ほんとにいいの?僕に入れても、いいのに」
「ああ…入れて欲しいんだ。頼む」

 俺のものを入れようとして、夕の身体が壊れてしまいそうになるのが怖い。あまりに華奢なその肢体を傷つけるなら、むしろ俺はそれを受け入れる側に回ることを望む。表すだけではなく、飲み込むのも必要な時もある。夕がそばにいさえすれば、俺はそれで幸せだ。

「くう…ッ」
「だいじょうぶだよ。ゆっくり、ゆっくりね」

濡れた割れ目からは既に俺の身体に見合うほどの、しかし夕には不釣り合いなほどの一物が飛び出し、後ろの穴には夕の小振りなそれが中ほどまで差さっている。夕は胸の上に圧し掛かって、完全に砲身を俺の中に埋めた。

「んあっ…あったかいっ」
「っはッ…!う、動いて…くれ」
「う…うんっ」

 たどたどしい腰使いで俺に乗りかかる夕を見つめながら、俺は情けない声で喘ぐ。いやらしい音を立てて突かれながら俺のものを掴まれると、俺の身体は予想外の刺激にびくりと跳ねた。

「こんなにおっきいのにっ…入れられて感じてるのっ?」
「ッ、るせえ…がッ!?」

 敏感な尻尾をぐにぐにと掴まれ、俺の身体は方々から涎を垂らして悦んだ。左足を持ち上げられて抱きつかれ、半ばベッドに伏せる形になりながらも、シーツを掴んで身体を震わせる他になかった。

「ゆ、夕ッ…どこで、こんなこと覚えたッ」
「ずっと好きだったもん…弱いとこは、ちゃんと隅まで調べてるよっ!」

 股の内側に手を這わされ、胸の突起を甘く噛まれるその度に、俺の身体は更なる快感を求めてうち震える。次第に摩擦で熱くなった結合部を通して、絶頂がすぐそこまで押し寄せていた。

「ぐがッ…駄目だ、出ちまうッ」
「僕も、も…限界っ!」

夕の白い毛を黄色がかった俺の精で染め直しながら、俺の中で夕が震えているのを感じた。力を失った夕の身体はぐたりと俺にもたれかかり、温い余韻に浸っていた。

「可愛いくせして、こんなに凶暴だとはな」
「…山椒は小粒でも、って言うでしょ?」
「やられたな。…俺は、とことん甘い」

 一人で打ち震えた夜は、二人ならば甘い夜に変わる。すり寄って肌を合わせるように、向き合って口づけを交わすように、俺たちの心はゆっくりと溶けあう。元の形もとどめないほどひとつになったのなら、その時俺たちは本当に結ばれたのだろう。



 眠れない夜は、終わらせることができる。ふたつの絡まる手と、ふたつの心があれば。






http://kemono.cc/findeterre/