この話は成人向け表現が含まれています!

『MS』

 

ポケットモンスター。
それは、人々と共に生き、支えあって生き物。
この世界にはポケットモンスターことポケモンがたくさん生息している。
ほとんどの種類は我々にも認知されている。
が、伝説のポケモンという種類はその姿さえもはっきり分かっていない。
そんな珍しいポケモンや、ありふれたポケモンでも、最近の調査で分かったことがある。
源だ。
ポケモンの大元たる生き物がどこから来たか、ようやく明らかになってきたのだ。
しかし、そこは人が踏み入ることの許されない領域で、誰一人そこに到達したものはいない。
故に人はそれを、エデンと呼ぶ。
ポケモンに関わるもの全てにとっての理想郷とまで称される場所である。
その場所で、今日も人の手が届かない場所で、感情豊かなポケモン達が生活を営んでいた。

 

ここに一匹の”オトナ”になりきれないライチュウがいる。
周りの仲間は、次々に”オトナ”へと段を踏んでいっている中…。
彼は未だにその機会に恵まれなかった。
受け身の性格が災いしているのであろう。
妄想は膨らめど、それはいつになってもやって来ない。
来ないというより、そこへ行かない。
理想が高いワケでもない。
ただ彼が動けないだけ。
そこまでの積極性を持てないだけだ。
年相応に意欲があり、淡白なワケでもない、そんなライチュウのお話。

 

「ライチュウライチュウ!
 ちょっと聞いてよ!」

「ん?
 何?」

 

比較的に仲良くしていたラッタが、とても嬉しそうな顔でライチュウに話しかけてきた。
それだけで、十分だった。
ライチュウは何となくラッタが言おうとしているコトが分かってしまった。
何故なら…ラッタも”オトナ”になりきれなかったポケモンの一匹であったから。

 

「僕もさ、ついにオトナになることができたよ!
 何か自信が湧いてきたね!
 これでようやく一人前扱いしてもらえるし、女の子だって振り向いてくれる!」

 

あぁやっぱり、思った通りだ…。
と小声でつぶやき、自分の身の上のツラさを隠して笑顔を作る。

 

「へぇ〜、そっかそっか。
 やったじゃんっ!」

「???
 その調子じゃ…やっぱりまだ相手が見つからないのか…?」

「うん、まぁ…。」

「とりあえず一度は経験しないと、オトナとして見てくれないからなぁ…。
 早いトコ相手見つけてヤっちゃいなよ。
 もう体は大人になっちゃってるんだし…。」

「うん、分かってるんだけどね〜。
 どうも…うーん。」

 

このエデン(彼らの言う里)には、昔からこんな言われがある。

「大人になるまでに性行為を体験しないと、将来子宝に恵まれない」

と。
一体誰が作ったのかは分からない。
勿論そう言われているだけで、別に人生のパートナーを得てから体験しても十分間に合う。
ちなみに、ここで言う大人は(肉体の)年齢のことである。
性行為を通して、初めて精神的にも男性、または女性としてオトナになると言う。
ポケモンの数が多いとは言え、種族の壁なども問題の一つだ。
ライチュウやラッタのように、ねずみ系のポケモンに合う種類はかなり限られてしまう。
確実に自分の子孫を残すには、やはり自分と同じ種族でないといけないからだ。
言い方を変えれば、それが高望みだとも言えなくはない。
しかし、そういうシステムなのだから仕方が無いところだ。

  

「で、どうするのさ?
 この近くにライチュウやピカチュウの種類って住んでないと思うんだけど…。」

「うん、そうだよ〜。
 一応自分の種族のことだから、そんなことは知ってるよ…!
 ちょっと離れたとこになら住んでるだけどね。
 うーん…でも…。」

「でも?」

「あんまりこっちに顔出さないみたいだし…。
 まぁ、同じライチュウさんが住んでるってことだけは知ってるんだよ。
 でも…うーん。」

「別にそんなの関係ないだろー!
 とりあえず会ってみなくちゃ分かんないだろ?」

「……ただ…その……。
 ヤるためだけに行くの?」

「でも、ヤらないと本当の意味でオトナになれないぞ?」

「そりゃ僕だってヤりたい…けど…。
 ただそれだけのために行きたくないよ。
 何か飢えてるみたいだし。
 なら独り身で居る方がずっと良いもん!」

 

そう言い残すと、ライチュウは走って家へと帰っていってしまった。
ラッタの制止も振り切って…。
そう、性交渉をしたいのは当然の衝動だ。
年も盛り。
周りはそんなオトナだらけ。
冷やかされる日常。
そんな日々を過ごしていても、それでも無理だった。
どう誘っていいかも、どうすれば良いのかもさっぱり。
家に帰り、ふかふかの葉っぱのベッドに横になると、
いつものようにまた自慰行為を始めるのであった。

 

「ハァ…ハァ…。」

 

血が最大限に通った肉棒を、一心不乱に手で擦る。
それは自分への怒りなのか、それとも友への羨みなのか…。
とにかく、何か激しい衝動に任せて、自分を更なる高みへと追い詰めていく。
ふと頭にちらつくのは、友達のラッタが自分の知らないポケモンと性交渉をしているところだった。
それを想像、妄想して、さらに興奮する。
ラッタがどれ程の快感を得たのだろう。
その快感を想像し、さらに雌に挿入した時を妄想する。

 

「う…っ…。
 ぁあ…!」

 

普段自慰行為で声を出さない彼が、今日は何故か声が漏れてしまう。
あらゆる衝動に押し流され、自分を失いかけているのか。
それとも今までに無いほど行為に浸ってしまっているのか…。
それはライチュウ自身も分からなかった。
擦りあげられていく肉棒は、擦られる度に温度をあげる。
そして痙攣の激しさを増す。
先端からは壊れた蛇口のように、先走りの液がこぼれていく。
手は既にベトベトで、それが潤滑剤となり更なる快感がライチュウを貫いた。
その快感が後を押し、手は既に止まることを知らなかった。
何キロも走ったかのように息を荒げ、そして喘ぎ、ついに絶頂へと昇り詰めた。

 

「ふ、ふぁうぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

悲鳴にも似た喘ぎとともに、彼の分身から解き放たれたもの。
噴水の如く吹き上げ、彼の腹・胸・首・顔・ベッドを白く染め上げていった。
白濁の粘液は、この上も無く淫靡にライチュウの上で輝きを放つ。
今まで出したことも無いような量を吐き出した肉棒は、力を失ったようにうなだれていく。

 

「あぁぁ…。」

 

気の抜けた声を、誰に放ったワケでもなく…。
ただライチュウの中で虚無感を生む。
先程までの熱い、たくさんの衝動は消えていた。
そして、急激な眠気と共に明日を夢見て、今日も眠りにつくのであった。

次の日。
今日は一週間に一度、餌を蓄えに行く日。
木の実を持ち帰ってツボに蓄えているのだ。
寒くなり始めたここ最近では、めっきり木の実が減ってしまって、
思うように木の実が集まらなかった。
いつも木の実を取る場所に行っても殆ど無かったので、さらに奥へと足を運ぶ。
普段ならこの場所にはたくさんあるのに…と愚痴をこぼしながら、さらに奥へ奥へと進む。
すると、見知らぬ森の開けた場所に出た。
その光景に、ライチュウは目が離せなくなってしまった。

 

「え…?
 どうしてこんなにも木の実が…。」

 

一目見る限りで分かる。
無数の木には多数の実。
木の実だらけの場所。
まさに木の実の倉庫、と呼ぶにふさわしいような場所だった。
ここなら、一冬問題なく越せる分の木の実が手に入ってしまう程だった。
いや、もしや春までいけるかもしれない。
嬉しくなり、いつもの調子で軽い電気ショックを当て、次々と木の実を落としていった。

 

「わぁ〜!
 たくさんあるなぁ〜。
 ラッタにも教えてあげようかなぁ〜。」

 

持ってきた袋いっぱいに木の実を詰め込み、ルンルン気分で家路に着…こうとした矢先。

 

「ちょっと待ちなさい、アンタ。」

 

ぞくり。
ただそう言われただけ。
なのに背筋に鋭い視線を感じたライチュウは、警戒するように後ろに振り向いた。
そこに居たのは…。

 

「あ……ライチュウだ……。」

 

同じ種類のライチュウだった。

 

「あの…何か?」

「あの…何か?じゃないわ。
 アンタ、誰の許可得て木の実持ってってるのよ。
 それ、私が一生懸命作った木の実なんだけど。」

「え?!
 そ、そうなんですか…?」

 

それはそうだ。
そんな都合よく木の実の豊富な場所がホイホイと見つかるワケがない。

 

「えっと……最近木の実の集まりが悪くてですね…。
 困ってるんです。
 どうか分けていただけませんか…?」

「はいそうですか〜、ではご自由にどうぞ!
 …何て言うと思った?
 私だって頑張ってここまで育てたのよ!
 冬のためにね。
 分かる?
 アンタみたいなのにおすそ分けするためのものじゃないの。
 だから返してちょうだいな。」
 

それは困る。
しかし、相手がそう言っている以上仕方が無かった。
元々そのメスのライチュウのものなら…。
渋々木の実がたくさん詰まった袋をそのメスのライチュウに返す。
はぁ、また集めなおしかぁ…なんて思いながら踵を返したちょうどその時。

 

「ちょ、ちょっと!
 ホントに帰るの?!
 …ま、そこまで鬼ってワケでもないわよー。
 ちょっと古いので良ければ…あげてもいいけど。」

「ほ、ホントですか?!」

「えぇ。
 ちょっとウチにいらっしゃいよ。
 ウチにたくさん貯めてあるから。」

「あ、ありがとうございます!」

「それと、何で同じ種族なのに敬語なの?
 アンタ、そんなにヘコヘコしててオスのプライドってもんがないのかしら?」

「別に…ないワケじゃ…。」

 

一々トゲのある言い方をするけれど、それなりの優しさはあるライチュウだった。
それはともかく、ただで餌がもらえるのはありがたい。
結局そのメスのライチュウについて行くことにした。

案内されて着いた先は、結構な大木の中身をくりぬいた様な家だった。
木の上は下から見上げても見えそうにないほどの大木だ。

 

「…何してんの?
 そんなトコで突っ立ってないで、さっさと入ったら?
 ほらほら。」

「あ…はい。
 …じゃなくて、うん。」

 

入ってみると、家の中もなかなか女の子らしく綺麗に片付いていた。
しかしライチュウは、そこでやっとこの目の前にいるライチュウをメスであると認識した。
強気な態度からメスとは判別しにくかったが、家に入って間近で見てみるとはっきり分かった。
オスのライチュウには、股間の部分には男性器を収納するためにやや膨らんだところがある。
しかし、目の前にいるライチュウはそれがない。
ということはメス、ということだ。

 

「あ…女の子…なんだね。」

「は?
 アンタ何言ってんの?
 見た目で分かるじゃない。」

「………。」

 

確かにそれはその通りなのだが、態度からは全くそれが感じ取れなかったから言っただけだ。
きっとそんなライチュウの気持ちを、相手は理解していない。

 

「えっとね…確かこれが…よっ!」

 

力強い声を出して、多少古いツボを担いでくる姿は、あまりにも勇ましいすぎたた。
やはりメスなのかどうか疑わしくなってくるほどだ。

 

「まぁ2年くらい前に貯めておいた木の実ね〜。
 腐ってはいないから食べられると思うわ。
 こんなので良ければあげる。
 食べようにも、どうも疑わしくてねぇ…。」

「あ、ありがとうございます…。」

 

内心、「ちょっとこれは無いだろ〜」なんて思ったライチュウであった。
毒見役を任されているような感覚さえした。
が、もらう手前、それを言うのははばかられた。

 

「これをさっきの袋に詰めて、新しい木の実を入れれば…。
 あ、悪いからちょっとさっきの木の実も入れておいてあげるわ。
 よし、これで良いわね。」

「キミ、力が強いんだね〜。」

「は?
 ツボくらい持ち上げられなきゃ、どうやって移動させるのよ。」

「だって僕…できないから…。
 いつも友達にやってもらってるもん。」

「はぁ?!
 アンタ、それでもホントにオスなの?!」

「一応は…。
 女の子じゃないよ。」

「ふ〜ん…。
 あ、分かった。
 ふむふむ、そういうことなのね〜。」

「???」

 

明らかに顔が怪しい。
メスのライチュウが嫌な笑い方でオスのライチュウを見ていた。
それで、何かを悟られた気がして、背筋に悪寒が走る。

 

「アンタ、もしかして…まだでしょ?」

「な、何の…?」

「オトナになってないんでしょ?ってことよ〜。」

 

それはほぼ一瞬のことだっただろう。
ライチュウの顔は驚くほど早く真っ赤になってしまった。
まさかメスにまでそんなことを言われるなんて、夢にも思わなかったからだ。
しかも初めて会った人に言い当てられて、恥ずかしいにも程があった。

 

「ははは!
 やっぱり図星よね!
 アンタのその性格じゃ、女の子の一人も誘えないわよね〜。!」

「う…。
 いちいち皮肉言うんだね、キミって。」

「オスってバカよねー。
 ヤりまくってるバカもいれば、内気すぎて一切できないこんなのまでいるし!
 ホント、不思議でバカって感じだわ〜。」

「あぅぅ…。
 別に…バカじゃないと思う…。」

「バカ以外に例えようがないじゃない?
 ま、バカみたいにヤりまくってるよりはマシだとは思うけどね〜。」

「ははは…それは褒めてるのかけなしてるのか…。
 あ、暗くなってきちゃった…!
 は、早く帰らないと…!
 じゃあこれで失礼します。
 本当にありがとうございました。」

 

さっと一礼をして袋を担ぎ、てくてくと家の外へと出て行った。
知らないメスにさげすまれて気分もダウン。
”オトナ”になれない不安や焦燥でさらにダウン。
こんな日は家で自分でして寝るに限る…。
また今日も自慰行為に浸るんだろうなぁ…。
そんなことを思いながら、家を出た直後。

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいって!
 アンタ、来た道覚えてんの?!」

「え?
 だってここまで一本道だったから…。
 多分大丈夫。」

「アンタ、来る途中のことを覚えてないの?
 この辺は道という道もないから、一本道とかそういう問題じゃないわよ!
 結構入り組んでるから、この辺に住むポケモンはそんなにいないのよ。
 広場が殆ど無いしね。」

「え?
 えぇっ?!
 ど、どうしよう…。
 もう森の中、真っ暗だよぅ…。」

「アンタの家なんて、ドコにあるかも分からないしねぇ…。
 ま、野宿でもすれば良いんじゃない?
 この辺は結構安全よ。
 時々タチの悪いアブソルとかいるくらいで。」

「そ、そんな…。
 僕…そんなことできないよ…。」

「…はぁ、ホントに弱いオスねぇ…。
 じゃあ私のトコで泊まる?」

「…はい?」

 

意味が分からない。
理解できない。
さっき知り合ったばかりのメスのところに泊まる?
そんな話は聞いたことも無かった。
しかも相手はメス。
ヤりたい盛りの彼でも、さすがにそれはためらった。
自分が何もできないにしても、とにかくマズイと察した。
何か色々道徳的な面で。

 

「いや、無理です!
 それにさっき知り合ったオスを泊めるって、あなた平気なんですか?!」

「べっつにー。
 アンタ、オスって言っても全然オスっぽくないしー。
 平気も何も、アンタまだ”オトナ”じゃないんでしょ?
 アンタの性格じゃ襲われる心配はまず無いし、安心して泊めてあげられるわ。」

「………。」

 

ここまでボロクソに言われても何も言い返せない自分が、情けなくてしょうがないライチュウだった。
がしかし、それは一理あるので文句さえ言えなかった。

 

「それに折角の来客だしね。
 しょうがないから泊めてあげるわ。
 同じライチュウ同士、たまには助け合わなくっちゃね。
 この辺り、何故かライチュウは極端に少ないし。」

「そう…?
 えっと…じゃあお言葉に甘えて…。」

 

と、結局泊めてもらうことにしたライチュウは、 これから何が起こるかなんて、
一切全く想像さえもしていなかった。

その夜。
綺麗な月夜。
外も静まり返り、辺りは静寂と暗闇に支配されている、そんな世界。
良い感じに熟睡している時のことだった。
ふと変な感覚がして、少しずつ現実に戻されていく。

 

「ん…。」

 

温かいような、ぬるいような感覚がそこから広がっている。
何となくくすぐったい。
でも何となく気持ちいい。
そんな感覚もあった。
寝返りを打とうと体を動かそうとして、うまく動かないことに気が付く。
そこでようやく、何かの異変に気が付いた。
ゆっくりと体を起こすと、目の前には何か影のようなものがあった。

 

「?
 えっ?!
 …誰?!」

 

暗い中でじっくりと目を凝らすと、そこには………。

 

「ちょ、ちょっと!
 あなた、何してるんですか?!」

 

この家の主、メスのライチュウだった。
メスのライチュウが、何のためらいも無く自分の股間を舐めているのだ。
にわかに反応し始めている、自分の欲望そのものを。
そこからは、少しずつオスの象徴が顔を出し始めていた。
メスは何か含みを帯びた笑みをしながら、こう返してきた。

 

「え?
 見れば分かるでしょ〜。
 舐めてるんだけど?」

「だ、だから!
 何で舐めてるんですか?!
 大体そんなトコ舐めたら汚…」

「毎日弄ってるんでしょ?
 見れば分かるわ。
 それだったらそんなに汚くないんじゃないかしら。」

 

妖艶に笑み、じっとオスを見据えている姿に、何故か見とれていた。
メスは体勢を変え、オスにのしかかる様な体勢でじっと見つめ、さらに紡ぐ。

 

「オトナになりたいんでしょ、やっぱり。
 だから私が”オトナ”にさせてあげるって言ってるのよ。
 ちなみに、アンタに決定権は無いわ。
 初物って良いのよね〜。
 声もじゃんじゃん出してくれるし、元気も良いし…。
 ゾクゾクするわぁ。」

「ひぃ…。」

 

恐怖を感じるオスだが、それと同時に何故か興奮を覚え始めつつあった。
もしかしたら、彼はこうなることをどこかで望んでいたのかもしれない。
彼の性格であったからこそ、逆にメスに迫られるのを望んでいたのかもしれない。
知らぬ間に舐めあげられていく肉棒は、おのれの意志とは関係なく起立。
赤く猛々しい、オスそのものが姿を現した。

 

「あら、もう勃っちゃった。
 随分とヤる気マンマンね〜。
 それとも初めてで興奮しちゃってるのかな?
 ふふふ…。
 じゃあまずは慣らしてあげなくちゃね。」

 

また最初の体勢に変わり、入念にじっくりと舐めあげ始めた。
舌のザラザラした感じが、妙に心地が良い。
いつの間にか、オスの口からはかすれた喘ぎ声まで出始めていた。

 

「はぁ…。
 あっ……あっ……。」

「んふ…。
 可愛いなぁ。
 私、アンタのその顔、結構好きよ。」

 

されるがままに、オスはひたすら喘がされた。
首筋、胸、乳首、脇腹…。
あらゆるところを舐められて、メスの唾液でベタベタになってしまっていた。
そんな姿にされても、オスはさらに舐められることを求めた。
がしかし、突然快感が絶たれる。

 

「え…?
 はぁ…はぁ…。
 も、もっとぉ…。」

「あらあら。
 舐められるの、好きなのね〜。
 でも夜は長いわ…。
 これからが本番よ。」

「ふぁ?」

 

メスがオスにのしかかる形になる。
今度は陰部と陰部がちょうどぶつかり合うか否かの位置で…。
オスの視点からは、メスの性器がよく見えた。
初めて見たそこは、オスの全てを吸い尽くされそうなイメージ。
それでも、オスはそこに魅せられていた。

 

「挿れたい?」

 

メスが問う。
オスは答えない。
恥ずかしすぎて答えられない。

 

「挿れたいの?」

 

それでも問う。
それでも答えない。

 

「じゃあやめちゃおっかな〜。」

「?!
 あ、やだ…。」

「じゃあどうして欲しいの?」

「…挿れさせて…欲しいです…。」

「なぁに?
 もっとはっきり。
 じゃないとやめるわよ?」

「い…挿れさせてください…。」

「あらそう?
 じゃ、遠慮は要らないわね〜。
 はぁ、それでは…いただきまーす♪」

 

メスが大きく開いた淫口で、ゆっくりとオスの肉棒を飲み込んでいく。
ズプリ、ズプリと飲み込まれていく。
よだれを垂らしたその口は、まるで飢えた肉食獣のような印象さえ感じさせた。
ひ弱で、硬く血の気を帯びた肉棒が、淫らな音と共に飲み込まれていった。

 

「あ…あぁ…。」

「ん…ふぅ…。
 性格とは裏腹に、結構しっくり来るもの持ってるのねぇ。
 どう?
 初めて女の子の中に挿れてみた感想は?」

「と、とっても温かい…。
 それに…中が絡み付いて…気持ちが良いよぉ…。」

「そっか〜。
 ま、私、割りとセックスには自信があるのよね。
 今日は私が満足するまでいただくわ♪」

 

グチュ、ヌチュ、ヌチャ…。
ゆっくりと、それでもリズミカルに淫らな音が空間を支配する。
粘着質な音が、よりメスを興奮させる。
オスも同じく興奮。
しかし、今の自分の状況を思うと恥ずかしくて目を閉じた。
何でこんなことになっているんだろう…。
何故これを望んでいる自分がいるのだろう…。
オスとは本来メスを支配するものではなかったのか…。
羞恥心の何物でも無かったが、今は本能が勝ってしまってそれどころでは無かった。
そして気が付いてしまった。
オスは、自分が組み敷かれ、弄られる方が好きであることに。

 

「あぁっ!
 あぁ…気持ち良いー…気持ち良ひーよぉ。」

 

オスはかすれた声で何度も叫んだ。
その快感は、もうこれ以上にないと言うくらいだった。
自慰行為で得られるものとは比較にならないほどの快感が、
メスの体が上下するたびにほとばしった。
メスの肉の壁がオスの肉棒に絡みつき、擦りつき、そして吸い上げる。
オスに更なる快感を与え、さらに自分も快感を貪るように。

 

「あぁ…もっと喘ぎなさい…!
 声が…枯れるまで…喘ぎなさい!」

「あぁぁ!
 気持ち良いよぉ!
 気持ち良いよぉ!
 気持ちよすぎておかしくなりそうだよぉぉ!!」

 

既にオスには自我なんてものは殆ど無かった。
ただ、目の前にある快楽を求める欲望そのものであった。
自分が寝ている葉っぱのベッドをかきむしって、首を激しく横に振った。
それでもこの究極の快楽からは逃げることができなかった。
いつしか、その快楽をさらに求めるため、
メスが上下するのに合わせて自分も腰を上に突き上げていた。
突き上げるスピード、メスが上下に動くスピードは徐々に速くなっていき、
お互いがこれ以上動かせない速さでお互いを濡らす。
今はもう、グチャン、グチャン、グパン、と妖艶な音が爆発音に近くなっていた。
オスの限界は、もうすぐそこまで来ていた。
それでも動きは止まらず、肉棒から快感が電気のように全身を駆け巡っていく。

 

「出る!出る!
 もう出る!
 ダメぇぇっ!!」

「出しなさい!
 たくさん出しなさい!!
 私の中で、枯れるまで出しなさい!!!」

「で、出るぅっ!
 あはぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ドグン、ドグン、ドグン…。
最後の一突きの後、オスはメスの中に濃厚な白い欲望を叩きつけた。
赤い猛りはその勢いを知ることなく、何度も何度も吐精した。
ついにはメスも受け止めきれず、大量の白濁液が無理矢理肉壷の中から外に排出されていった。
ゴプッ…と音を立てて、白濁液は肉棒を伝い、そしてオスの腹へと落ちていく。

 

「はぁー、はぁー、はぁー。」

 

昨日の自慰行為が何キロ分かなら、今回のは何十キロも走ったのと同じくらい、
オスの息はかなり激しく荒れていた。
自慰行為をしても、こんなに疲れたことはなかった。
ゆっくりと体を起こそうとしても、オスは体を動かすことができなかった。
が、動かせたところで、メスが起きることを許さなかった。
そしてまた、メスが上下に腰を動かす。

 

「…え?」

「私が満足するまでって言ったでしょ?
 まだ終わらせないわ。
 これからが本番なのよ!」

力でオスを倒すと、また激しく腰を振り始める。
中身を出して疲れ果てた肉棒でも、更なる興奮を覚え元気を取り戻す。
しかし、射精後で敏感になってしまって、ただ悶えるしかなかった。

 

「ふあぁぁぁあ!
 あぁあぁぁぁあ!」

「そうよ!
 そうやって喘げばいいのよ!
 今日は私が満足するまで、何度も何度もイカせてあげるんだから…!」

 

何度も何度も、行為は繰り返された。
メスに命令され、メスに乗られ、メスに言われ後ろから攻め…。
濃厚なまでの性を味わうことになった。

そしてその後、結局オスは朝方までその行為を続けさせられることになった。
起きた時には既に日が沈みかけていて、急いで帰りの支度をしようとした。
が、体がうまく動かず、結局ベッドから抜け出せなかった。
メスがオスの上にまたがり寝息を立てていることもあり、結局帰れそうになかった。

 

「困ったなぁ…。
 どうやって帰ろう…。」

 

そうつぶやくと、その声に反応してメスが起きた。

 

「お、おはよ…。」

 

あんなことがあったあとで、情けない声を出すオス。
オトナになってもオトナになりきれないオス。
その姿があまりにも滑稽で、メスは急に笑い声をあげて笑った。

 

「な、何がおかしいんだよ…!」

「あはははは!
 あ、アンタ、今初めてオスっぽい言い方したね。
 いやー、アンタも成長しないオトナだなー、なんて思ってね。」

「し、失礼な…。
 僕だって色々考えてるのに…。」

「で、良かった?」

「え?」

「だからセックスよ、セックス!」

「あ、…うん…。
 こんなに気持ちの良いことだなんて…知らなかった。」

「ま、アンタの場合は特に、だろうね。
 それに、私達は体の相性が良いみたいね〜。
 私も久しぶりにハシャいじゃったわ。」

「でも正直に言うと…。」

「ん?」

「嬉しかった。
 僕、今まで女の子にこうやって求められたこと無かったから…。
 僕、こうされるの…好きかも…。」

「んふふ、そっかぁ。
 じゃあアンタ、私のオトコになる気、ある?」

「…へ?」

 

メスが不思議なことを言った、ような気がした。
何を言ったのか分からず、ただぼんやりとしているオスに、さらにメスが言った。

 

「私も思ったのよね〜。
 私、アンタみたいに逆に私が主導権握れる方が好きみたい。
 今までのオトコは私をメスとして伏せようとしてたし。
 でも今回は…何か楽だった。
 私、アンタのこと好きよ。
 そりゃ勿論、体の相性が良いのもあるけど。
 弱いオス、って好きかもね。」

「あ…えっと…僕は…。」

 

急激に顔が熱くなり、まるでりんごのような色になった。
そんなオスの様子を見て、さらにメスは大声で笑った。
何だかそれが滑稽で、今度はオスまで笑い出し、結局二人で高笑いをしていた。

 

「うん、アンタ、私のダンナになるべきね。
 アンタが家周りやってくれれば、私がいろいろ外でやってきたげるし。」

「ぼ、僕なんかで…良いんですか…?」

「ほら、また敬語。」

「あ…うん…。
 じゃあ…これからよろしく。」

「よし、決まりっ!
 さてと、続き続きっと。」

 

ニコニコしながら、メスは未だ繋がったままの部分にぐいぐいと力を込める。
それにビックリしてメスを止めようとするが、オスの体はうまく動かなかった。

 

「あぅん…っ!
 ちょ、ちょっとぉ…。」

「良いじゃない♪
 アンタもここで暮らすんだからさ〜。」

「あぅ…。
 じゃ、じゃあ…良い…かな…。」

 

そして、数え切れない程の熱い抱擁が繰り返される。
今度は、ただのオスとメスとしてではなく、恋人同士として。
オスはオトナへの階段を踏みしめた。

エデン。
こういった意味で珍しいポケモンも、そこにはいるのかもしれない。

 

 

あとがき。
僕の趣味全開で作りました。
前より少しエロシーンを長くして、オスライチュウの自慰シーンも入れてみました。
とりあえずこんな感じですかねー?
ちなみにこれは、前掲示板に出していたSSに加筆・修正したものです。
あ、そうだ。
何で題名が『MS』なのかと言うと…。
まぁSMを逆にしたんですけど、これはMっ仔が主体なので逆にしてみたのです。
でもこれはSMとは言わないですけどねー。

NOVEL TOP