その先にあるもの。

Story24 離れないように 後編
この話の中には成人向け表現素が含まれています。

 

「ミー…ちゃん…?」

「ごめんね…。
 今まで…思い出してあげられなくて…。」

「えっ?!
 ミーちゃん、記憶が…」

「よく分からないけれど、少しずつ思い出してきたかも…うん。」

「…ミーちゃん…!」

「ひゃうっ!
 …はは…。」

 

抱きつかれて、うまく声が出せない。
圧迫されてってのもあるけど、気持ちがいっぱいで何から話していいのか…。
とりあえず、ここは精一杯抱きしめ返すことにした。

 

「よーし、じゃあミーちゃん!
 今日は私の部屋においで!
 お祝いしよう♪」

「お、お祝いって…。
 別にそんな大したことじゃ」

「いーの!
 私がするって言ったらするのー!」

「…はははっ♪
 レナらしいというか、何と言うか♪
 あ、でも僕、この服を部屋に置いてこないと…。」

「えー?
 その服、着て見せてよ♪
 見たい見たい♪」

「んー、しょうがないなぁ…。」

 

そんなこと言われたら断れなくて、結局僕はそのまま買い物袋をぶら下げてついていくことにした。
ちなみに、女子寮は別に男子禁制ってワケではない。
基本的には何でも自己責任を掲げてるからね。
まぁ自分で言うのも何だけど、かなりレベルの高い学校だから自分で考えなさいってことだよね。

 

「はい、じゃあどうぞ入ってくださいな♪
 ほとんど何にも無いけどね〜。」

 

初めて入るレナの部屋は、何と言うか…シンプルそのものだった。
特に女の子らしく飾っているワケでもなく、しかし何も無いワケでもなく。
内装はほとんど男子寮とは変わらなかった。
ただ一つ違うのは…。

 

「あ、普通のキッチンがついてる…!」

「え?
 男子寮って付いてなかったっけ?」

「付いてることは付いてるんだけど…。
 簡易キッチンみたいな感じだからさ〜。
 …僕、料理できないからあっても意味無いけどね。」

「私もそんなにできるワケじゃないよー?
 軽いものくらいしか作れないし。
 あ、そうだ。
 じゃあ今日はミーちゃんに私のお手製料理でもご馳走して差し上げますか♪」

「ホント?!
 それは楽しみだ♪
 何か手伝えることがあれば手伝うよ!」

「うん、ありがとー。
 じゃあねー…」

 

こうして、場の雰囲気でご飯を作ることになってしまった。
んー、確かに晩御飯の時間だしね。
冬だから外はもう真っ暗。
敢えて学生食堂を利用しなかったのは、女子の中にあんまり混じりたくなかったからだ。
…自分で言うと認めることになるけど、自分の存在が周りに同化してしまうから。
それだけは何となくダメだと思うんだ、男として。
早く少しは男らしくなりたいもんだなぁ…。
で、問題の晩御飯は…。
レナの部屋にあった冷蔵庫にあった食材から、シチュー辺りが無難だと判断された。
って、圧縮鍋もないのにどうするつもりなんだろう。
テキトーに食材を切って、材料を軽く炒める。
それを鍋にうつして、水を入れて煮込み始める。
そこにさらにシチューのルーを入れて、グツグツとひたすら煮込む。
ここまでは大体10分くらい。
勿論中身はあまり煮えてないだろう。

 

「あの…レナ…?
 これ、どうやって煮込むつもり…?
 このまま3時間も待つの…?」

「まっさかぁ♪
 こういう時に便利な魔法でしょ♪」

「魔法…?
 …ぅっ!」

 

突然の頭痛に、僕は頭を抱え込んだ。
実はこの時、まだ欠けていた記憶があったんだ。
それは思い出したくない過去だった。
だからきっと…僕は他の記憶と共に封印していたのだろう、と今では思う。
そう、レナが…アメリア・フローライト・ブルーデンスという偉大な女王の後継者、であること。
直系の魔法使いであるということ。
これを思い出すと、暴走していたレナを思い出されてならないから…。
僕には相当ショックが強かった。
忘れ去りたい過去であり、全てが無かったことにしてしまいたいようなことだった。
そしてこの時、僕の記憶は完全に戻ってきてしまったのだった。

 

「ミ、ミーちゃん?!
 どうしたの?!」

「…はぁ…。
 いや、大丈夫…。
 気にしないで。
 もう、治ったから。」

「ホントに…?
 まだ無理しちゃダメだよ?」

「うん…分かってる。
 もう大丈夫だから、お料理しよ?」

「そうね…うん。
 ご飯食べれば治るかもしれないしね♪」

 

もう治ったっていう嘘を、いとも簡単に見抜かれた。
うん、確かに今も頭痛は続いてる。
多分まだ思い出しきれてない何かがあるんだと思う。
この頭痛は、急速に脳が回転して記憶の一端一端を繋いでいる証拠なんだろう。
でなければ、こんな風に負荷がかかるはずがない。
僕を気遣ってなのか、レナは僕らが使う詠唱とは違う、不思議な言葉をぼそりと呟いた。
きっと、古い詠唱方法なのだろう。
一瞬だけ、レナの目が赤く光った。

 

「Metars evesErs, vEro tiILem」

 

レナの詠唱に呼応して、鍋の中の時間が加速する。
時間を扱うなんていう、魔術では到達し得ない魔法が展開している。
とてもじゃないけど、僕にはできっこない。
…まぁ元々、僕は自然より高位なものに干渉するのは不得手みたいだけどね。
物質変化の方が得意かな。
物質変化なんて、原子・分子の組み換えを意識的に行うだけだし。
…そんな話は今どうでもいいか。
考え事をしているうちに、いつの間にかシチューはちょうどおいしそうな感じに仕上がっていた。

 

「はい、でーきたっ♪
 お皿に盛って…よし。
 じゃあこれをあっちのテーブルに持ってってね♪」

「はーい。」

 

シチュー以外にも、パンやらサラダやらがついてくる。
…うん、軽いディナーって感じだ。

 

「んじゃ、食べよっか!
 多分食べれるレベルではあると思う…。」

「すごくおいしそうだよー!
 自信持って♪
 いただきまーす♪
 ………。」

「どう?
 まずかった?」

「……。
 すっごく美味しいよー♪
 一瞬言葉が出なくなるくらい。
 何か…プロの人が作ったみたい…!」

「そ、そこまで褒めなくても…。
 でもありがとう♪」

 

冗談抜きで本当に美味しかった。
すごく単純な作業しかしていないのにこれだけ美味しいってことは…。
レナ、さり気に料理の才能を隠し持ってるんだろうか。
ちょっと未来が楽しみかも、なんて言ってみる。

ご飯を食べて、二人で笑いながら洗い物して…。
それから二人で笑いながら話をする。
ただ普通な感じなのに、何故かそれがとても幸せに感じられた。
こうして記憶が戻ってなければ、きっと僕はこの幸せを感じずにはいられなかったと思う。
感じていたとしても、この感情が何なのか分からなかっただろう。
そして今気が付いたことがある。
今日のデートは…あの時と同じだった。
初めて本格的にデートしたあの時と。
僕から…キスした時と。
お店を回るタイミングとか…。
きっとレナは、前と同じことをすれば思い出すかも…なんて思ったのかもしれない。
って、よくよく考えたら、さっきも僕からキスしたりもしたじゃん。
全ては…きっとレナの思惑通りだったんだろうなぁ。
とりあえず感謝感謝。
そんなことを思っていると、突然レナが話を切り出した。

 

「あ、そうだ!
 ほら、今日買ってきた服!
 ちょっと着て見せてよ♪」

「え、えぇっ?!
 ここで?!」

「うん♪」

「じゃ、じゃあトイレに行って着替えてくる」

「だーめ。
 何でわざわざトイレ行くのよー。」

「だって…ねぇ?」

「しょうがないなぁ…。
 後ろ向いててあげるから、早く着てみて♪」

 

そう言って、後ろを向いてさらに目隠しまでするレナ。
…何だろう、この徹底ぶりは。
とりあえず考えても分からないので、そのまま着替えてみることにした。
緑のTシャツを下地に、白のパーカーを着る。
そして下は赤がところどころに鏤められている、白いカーゴパンツ。
冬をイメージさせる色ばかりだ。
レナと僕が同時に選んだものだから、きっとレナも良いって言うと思う。
ささっと着替えてレナに見てもらった。

 

「はい、どーぞ!」

「あー、良い感じじゃん♪
 私と同じで白好きだもんね♪」

「えへへ…。
 じゃあ今度また着てこーっと♪」

 

そしてまた、レナは後ろを向いた。
つまり着替える猶予を与えてくれたのだろうと判断。
この時、何故か僕も後ろを向いて着替え始めた。
多分、それもあったんだろう。
これから起こることの発端、とも言えなくもなかった。
服を脱いで、トランクス一枚になる。
そして、今日着ていた服を手に取った瞬間だった。
後ろから…暖かい何かが、僕を包んだ。

 

「ちょっ…!
 レナ…?!」

「えへへ。
 ミーちゃんって、結構暖かいんだね♪」

「そ、そういう問題じゃなくて…!
 何してるのさ…!」

「んー?
 ミーちゃんに抱きついてる♪」

「〜〜〜〜!!!
 だからそういうことじゃ…。」

「イヤなのー?」

「あ、いや、別にそういうことじゃ…ないけど…。」

「なら良いじゃん♪」

「で、でも……あの……。」

「ん?」

「変な気分に…なっちゃうよ…。」

「あはは♪
 …してみる?」

「え…?
 な、何を…?」

「もう、分かってるくせに♪
 エッチなミーちゃんだったら分かるでしょ♪」

「え、あ、ちょ…!
 えぇっ?!
 って、僕は別にエッチなんかじゃ…」

「本棚にさぁ、教科書と教科書の間に挟んであったアレ。
 どういう本なのかなぁ。」

「っ?!」

 

な、何で僕がエッチな本を隠してる場所を知ってるんだろう…?!
それより、今のこの状況は一体何…?!

 

「ははは♪
 相変わらず反応が面白いね♪
 で、どうするのー?
 するのー?しないのー?」

 

うぐぐ…。
一応そんなつもりでここに来たつもりは無かったんだけど…。
何て言うか、レナからはヤる気十分ってオーラを感じる。
それに、もう十分変な気分になっている僕は…断る理由が無かった。
で、でも…。

 

「でも…僕…ゴム持ってきてない…。」

「あ、そのことは気にしなくても良いよ♪
 私たち竜族は、発情期以外はできないようになってるから、子供。」

「で、でも何かの間違いで…。」

「大丈夫♪
 もう、仕方ないなぁ…。」

 

何かを決めたのか、レナは抱きしめていた手をゆっくりと動かし始めた。
その柔らかな手つきで、僕の胸の突起を少しずつ刺激し始めてきたのだ。

 

「あ、…ちょ…ダ…」

「んー?
 これでもまだしないー?
 私は…ミーちゃんとしたいなぁ。」

「う、…うん…ぁ。」

「ミーちゃん…感度良いのね♪
 私、まだ胸しか触ってないのに。」

 

よく分からないけど、レナはテクニシャンだ。
言葉と焦らすような手つきで攻め立てられ、僕はもう完全に虜になってしまっていた。
レナの腕から逃れ、僕はそのままレナをゆっくりとベッドへと押し倒した。

 

「あはっ♪
 よく見たら、ミーちゃんの体…まだ子供みたい♪」

「むぅ…。
 それは言わない約束でしょー。」

「ははは♪
 …ほら、ね?
 私の服、脱がせて…?」

「うん…。」

 

手がカタカタ震える。
緊張しているのか分からないけれど、初めて見るレナの妖艶な表情に僕は理性を失いかけていた。
レナが言うとおり、ゆっくりと服をはがしていく。
まずビックリしたのは、レナがブラジャーというものをしていなかったということだった。
突然現れる豊満な胸。
竜族特有の、乳首の無い乳房。
それを見ると、急にそこに顔をうずめたくなった。
静かに顔をうずめ、そしてレナの匂いを確かめる。
…直に感じるレナの匂いは、甘く…柔らかだった。

 

「うぅ…何か気持ち良い…。」

「ははは♪
 よしよし♪」

 

レナの手が、僕の頭を撫でる。
表現しきれない程の安心感。
お母さんから与えられる安心感とは違うもので、とても落ち着いた。
そして、その感覚に溺れていく。
顔を胸にうずめたまま、さらにスカートを脱がせていった。
もう、二人は下着しかつけていない状態だ。

 

「あらら、脱がされちゃった♪」

「レナが脱がせて、って言ったじゃん…。」

「そういうのは言っちゃダメー。」

 

自然と顔が近づき、僕たちは唇を重ね合った。
今までとは違うキス。
今までは唇を重ねるだけだったキス。
でも今は、ゆっくりと舌を絡め合うキスだった。
艶かしい音が、部屋の無音をかき消していく。
ピチャピチャ、という音がさらに雰囲気を高めていく。

 

「…はぁ…はぁ…。」

「…震えてる…。
 ミーちゃん、寒いの?
 暖房、つけよっか?」

「あ、大丈夫…。
 何か…緊張してる…。
 前は、レナの暴走状態を食い止めるためにエッチしようと思ってたんだけど…。
 今は違って、お互いに求め合ってる。
 すごく嬉しいんだけど、逆に怖い…ってのもあるかもだけど。」

「大丈夫大丈夫。
 ちゃんと私がリードしてあげるから…ね?
 こういう時、先立つ記憶があるって便利だなー、なんて♪」

「あー、そっかぁ。
 記憶の上では…そういう経験があるってことだもんねぇ。」

「まぁそういうことだから、安心して良いよ♪
 だから…一つになろう?」

「う、うん…。」

 

もう一度、強く抱きしめあう。
本当に…最初の経験がこの仔で良かった…という安心感が、どことなくあった。
それを感じていると、突然下半身の方に刺激が走る。

 

「ひぁ…!」

「あら、もうカチコチだ♪
 エッチだなぁ、ミーちゃんは。」

「ち、違…ぁぁっ!」

「まだパンツ越しにしか触ってないのに〜♪
 サイズもまた可愛らしいのね♪
 …そこまで小さいってワケでも無いけど。」

「うぅ…。
 それってけなしてるの…?」

「そんなことないよ〜。
 ミーちゃんらしくて良いな、って褒めてる♪
 じゃあ、パンツも脱がしちゃおうかな♪」

「わ、わぁ!」

 

急にレナとの位置関係が逆になった。
つまり、僕が下でレナが上という状態。
ついに…レナが僕の下着に手をかけ、ゆっくりと脱がせていった。
明かりがついたままなので、相当恥ずかしい。

 

「…うん、やっぱりミーちゃんだ♪
 ここからもミーちゃんの匂いがするぅ…。」

 

僕の熱い象徴に鼻を近づけ、クンクンと匂いを嗅ぎ始める。
そんなことをされて、ますます恥ずかしくなった。

 

「ちょ…そんな…汚いよぉ…。」

「だったらシャワー浴びる?
 どうせあとからシャワー浴びるんだしさ♪
 それにシャワーを浴びない方が、ミーちゃんの匂いが強くするし。
 私はこのままが良いな♪」

「うぅ…。
 レナが良いなら…良いけど…。」

「じゃあこのままね♪
 …。」

 

そしてまた、レナは匂いを嗅ぎ続けている。
もう何だろう、この羞恥プレイは。
…と思っているうちに、いきなりレナは僕のそれをパクリとくわえた。

 

「あぅぅ…。」

「ふふ♪」

 

その様子を見ていると、あまりにもエッチなので目を伏せる。
もう見てられないほど。
その間にも確実にレナは僕に快楽という刺激を与え続けていた。
以前ボルトにやってもらったのとは段違いに気持ちが良い。
何も考えられず、ただ快感に悶えていることしかできない。
僕の口からは、泣き声にも似た喘ぎが自然と溢れだす。

 

「ふあぁぁぁ…!
 ぁぁっ…。」

 

神経が痺れてくるような感覚。
これが本当の気持ち良い、という感覚なのだろうか。
思考回路は既に停止して、電気信号は全て快感へと変換されていく。
このままだと…出ちゃう…。

 

「レ…ナ……ッ!
 このま…ぁ…まだと…ぉっ!
 で、出ちゃう…よぉ…っ。」

「ふぁ。
 出してもらっちゃ困ります♪
 どうせ記憶喪失の間は、自分でもしてなかったんでしょ?
 だって最近の記憶が無いんだもんね〜。
 それに、何か…もうかなり濡れてきてるし♪
 自分でするの覚えたのって、結構最近でしょ?」

「…はぁ…はぁ…ぁ。
 ど、どうして分かるの…?」

「自分で長くしてる人って、ここまで感度良くないからね♪
 自分でする方が気持ち良いって言う人もいるくらいだし。
 まぁ私も自分でしたことなんてないけど。」

「…ふぅぅ…、助かったぁ。」

「じゃあ…ミーちゃん、私の方も…触って?」

「う、うん…。」

 

また位置関係が逆になり、僕が上になった。
そして僕は、レナの敏感な部分を触ろうとした…。
が、その前にどの辺だかよく分からないことが発覚した。

 

「あ」

「ほら、ここ。
 ここを撫でて?」

 

レナの手に導かれ、僕はついにレナの下半身に触れた。
誘導されて触りだしたそこは、コリコリするようなものがあった。
それに刺激を与えるたび、目をギュっと閉じて何かに耐える様子を見せるレナ。
多分、ここが気持ち良いのだろう。
触り方はよく分からないけれど、優しく撫でるようにそこを触り続けた。

 

「…ん…っ…。
 ふ…ぁ…ぁっ。」

 

必死に声を出すまいと耐えているレナが、何故だかとても愛おしく感じた。
もう何か…よく分からないけど可愛すぎだ。
とりあえず衝動のままに、レナを強く抱きしめた。

 

「ふぅ…はぁ…。」

「レナ…何か可愛い…。」

「ひゃ♪
 今言うなんて…卑怯じゃない…?」

「だってそう思ったんだもん♪」

「もう…。
 あとからもっといじめてあげなくちゃ。」

「ははは♪
 じゃあ、これも脱がすよ?」

「…うん。」

 

さっき僕にしたように、今度はレナに…。
下着に手をかけ、ゆっくりとそれを下ろしていく。
露わになったそれは、とても不思議な光景だった。
やはり竜の血が混じっているだけに、お腹は何段も横割れしている。
けれど、犬とのハーフであるレナは、そこに柔らかな短毛が生えている。
その短毛に埋もれている、ある一部の割れ目から…小さな何かがぴょこんと出ている。
きっと、さっき僕はこれを触っていたのだろう。
多分、竜族独特の女性器なんだと思う。
そして察するに、この突起物の奥が膣部になるのだろう。
先ほどと同じように、いや今度は直に触るわけだからもっと優しく、
そして撫で回すように突起物に触れてみた。

 

「あぁ…っ!」

 

…うん、大当たりみたいだ。
その部位を撫でるたび、レナの体が喜びのしゃくりを上げる。
ビクリと動き、その妖艶な表情でこちらを見てくる。
その表情に何故か異常な興奮を覚え、さらにレナに快楽を与えていった。
気が付けば、僕が触れていた場所はしっとりと湿り気を帯びていた。
溢れ出る露をすくい取り、ちょっと口に入れてみる。
…うん、お世辞に美味しいとは言えないけど、何かレナの匂いがする。

 

「あぅん…。
 こぉら、そんなの口に入れちゃだーめ。」

「レナだって、さっき僕の舐めちゃったじゃんかぁ。」

「あれはしょうがないじゃない♪
 ふぅ…。
 じゃあミーちゃん、横になって?」

「…こう?
 って、あぁ!
 まだ僕、レナのそこ舐めてない!」

「舐めなくていーのっ!
 …よいしょ。」

 

僕をベッドに寝かせると、レナはまたがる様にして僕に覆いかぶさってきた。
…これはもしや…。

 

「え、もう…やっちゃうの…?」

「んー?
 イヤ?」

「イヤじゃないけど…。
 いいの…?」

「ミーちゃんが良いなら♪」

「…そっか、分かった。」

「じゃあ…いくよ…?」

 

レナがゆっくりと、僕の上に降りてくる。
レナの秘口が、僕の熱棒を飲み込もうとする。
最初は先から。
そしてあとは、レナの愛液と僕の先走り液が後押ししてくれた。
レナが腰を下ろしきるのとほぼ同時に、にゅるりと僕自身がレナを貫いた。

 

「「あぁぁっ!」」

 

二人同時の喘ぎ。
既に、僕らは一つになりかけていた。

 

「はは…入っちゃった♪」

「う、うん…。」

「でもね…まだ…なの。
 あんまり動かないでね…?」

「分かった…。」

 

レナは腰を下ろしきっていなかったみたいで、さらに僕を奥へと誘おうとした。
…と、その瞬間、何か違和感を感じた。
何だろう、きつい…。

 

「はぁ…はぁ…。
 これはね、処女膜って言って…女の子が処女である証なの。
 ミーちゃんのサイズでも届いたみたいで…良かった。」

「はぁ…、それって…皮肉…?」

「違う♪
 …じゃあミーちゃん、ちょっとキツイかもしれないけど…。
 我慢しててね。
 私も我慢するから。」

「???」

 

レナの言葉が言い終わらないうちに、最奥への誘導が始まった。
レナの体重の勢いで、そこへストンと何の苦もなくたどり着いた。
…しかし、レナにとっては痛覚だったらしく、その痛みに身を震わせていた。

 

「だ、大丈夫…?!」

「う…うん…。
 ミーちゃんのだから…頑張れる…♪」

「そんなまた…恥ずかしげなことを…。」

「ちょ、ちょっとこのまま…そっちにもたれかかっても良い?」

「うん、良いよ…。」

 

下になっていた僕が、レナの体をこちらへと招き寄せる。
余程痛いのだろう、僕の体をぐっと抱きしめている。

 

「…ふぅ…。
 少しずつ慣れてきた…。
 …どう?入れてみた感想は?」

「あ…何か…やばい。
 暖かくて…気持ち良い♪
 このまま溶けちゃいそうな感じ。」

「あはは、そっか♪
 私も…うん、良い感じ。
 膜を破るのは痛かったけど、今は大分落ち着いてきたし…。
 じゃあ…動いてあげるね♪」

「ぼ」

「問答無用♪
 私は、ミーちゃんが気持ち良さそうな顔を見ていたいの♪」

「うぅ…。」

 

そんな小悪魔みたいな表情でにこりと笑うと、レナはまた僕の上にまたがるように座る。
そして、腰をゆっくりと上下に動かし始めた。
1ミリ動かすのでも十分な快感だった。
ゆっくりながらも大きくグラインドするので、僕は大きな快感に身を委ねるしかなかった。
あまりの快感に、思わず口からは吐息と同時に声が漏れる。

 

「あっ…あっ…あっ…あぁぁ…。」

「んっ…ふぁ…。
 どう…?
 気…持ち良い?」

「うぅん、気持ち良いよぉ…。
 すごく気持ち良いよぉ…っ!」

「ははは♪
 あぅん…ミーちゃん、可愛い♪」

 

初めは遠慮がちに動いていた腰も、次第に速さが増してくる。
速さが増すたび、僕の性欲の塊とも言えるものがすられ、喜びの涙を流す。
見ているワケじゃないから分からないけれど、どくどくと先走りが垂れ流しであることは体感していた。
レナの方も感じてきたのか、体が上気ばんできて体温が上がっている。
中からも更なる潤滑油が噴き出してきていた。
そして、何よりも時々漏らす淫靡な声が、更に僕の快感をかき立てていた。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…。
 あ…あぁっ…。」

「んぅっ!
 ふぁん!
 あぁ…あぁぁっ…あぁぁぁぁぁっ!」

「ほぉら、あんまり大きな声出しちゃだめ♪
 他のところに届いちゃうかもしれないでしょー?」

「ふぅぅ…っ!
 んぅぅ…っ!!!」

 

精一杯声を抑えるけれども、それでも出てくる声。
もう呻き声なのか喘ぎ声なのか、自分でも判別できない。
レナの腰を打ち付ける音が、さらに速さと大きさを増す。
僕の欲望が…もう…解き放たれる寸前だった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…。
 じゃあ、ミーちゃんがツラそうだから交代…ね♪
 ミーちゃんが腰動かしてくれる?」

「ふぅぅぁ…。
 う、うん…やってみる…。」

 

また攻守逆転。
入れたままで何とか体勢を整えて、今までイメージしてきた通り、
僕はゆっくりと腰をグラインドさせ始めた。
させ始めて、やめる。
理由は簡単。

 

「あぅぅ…。
 これ、気持ちよすぎてすぐ出ちゃいそうになるよぉ…。」

 

自分で動いているというのは、動かしてもらっているより快感が増す。
つまり、さっきまで追い詰められていた自分は、もう後が無いってことだ。
仕方が無いので、そのまま一旦動かすのをやめ…

 

「んじゃ一回出しちゃおっか♪
 夜は長いんだしね〜。」

 

…レ、レナが言うなら…良いかなぁ。

 

「でも、レナがまだ…。」

「良いよ♪
 私の体力が続く限り頑張るから♪」

 

あー、僕の体力は関係ないのね。
…もうこうなったらとことんやってやる…!
この日だけは心身ともに、本当にレナに尽くそうと思った。
少し会話をして余裕が出てきたので、今度は少し速めに腰を打ちつける。
やはり先程よりも気持ち良いのか、レナの表情に更に妖艶さがこもる。
それを見て、更に僕も興奮が高まる。
二人の声が、同時に淫靡な世界を支配する。

 

「「あっ、あっ、あっ、あぁぁっ!」」

 

自分でするのとは比較にならないほどの強い快感が、幾度も押し寄せてくる。
もう、頭の中では、気持ち良い、以外、感じ…られない…!
あ、あぁ…も、もう、ダメ、だぁ…っ!

 

「あぁっ、あぁぁぁぁっ!
 出るっ、出るよぉぉっ…!」

「出…してぇ…っ!
 私の、中に…っ!」

「あぅぁぁぁっ、もう出るっ!!!」

「んぁぁっ!!」

 

二人が果てるのは、ほぼ同時だった。
あれだけ余裕があったレナも、あのピッチの上げ方にはついてこれなかったようで、
あっさりと絶頂を迎えた。
そして僕も、レナの中に欲望の奔流を吐き出した。
自分で処理するよりも激しく、多く、長く、吐精を繰り返す。
もうどれくらい出したか分からないくらい。
長い射精はようやく止まり、僕はそのままレナに覆いかぶさった。
僕たちの吐息だけが空間を漂って、数分。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…。」

「はぁ、はぁ…。
 あは、まだミーちゃん、私の中でビクビクしてる♪」

「うぅ…。
 初めてこんなにも、気持ち良いことした…。」

「私も…。
 実はね、初めてミーちゃんのを見たとき、
 『ひょっとして、これじゃ気持ちよくないかもー?』
 なんて思ってたけど…。
 体の相性が良かったのかもね♪」

「あ、さりげなくひどいこと言うんだなぁ。
 やっぱりレナも、さっきの方が気持ちよかった?」

「ん?
 あぁ、正常位ってこと?
 うん、ヤバかった♪
 それでどう?
 童貞、無くなっちゃったけど。」

「えー…。
 特に何も感じないよ〜。
 レナは?」

「私も…特には無いかなぁ。」

「僕と変わんないじゃん♪」

「そういうことになるね♪」

「よし…。
 よっ…。
 …?
 あれ?」

「どうしたの?」

 

腰に違和感。
何と言うか…力が入らない。

 

「あは…は…。
 動けなくなっちゃった…。」

「何でミーちゃんの腰が砕けちゃうのよ…。
 ホントはそれ、私の役割なんだからねー?」

「だってぇ…。
 動けないんだもん…。」

「もう…しょうがないなぁ…。」

 

そして何度目かの、攻守逆転。
…って、えぇっ?!

 

「あの、ちょ…レナ?!」

「言ったでしょ?
 私の体力の続く限り、頑張ってもらうから♪
 それに、ミーちゃんだってまだヤる気みたいだし♪
 …ね?」

「あぅん…。」

 

そうだ、まだ入れたままだったんだ。
相変わらず僕の性の象徴は硬さを帯びていて、ヤる気も十分そうだった。
いつも一人でする時は、必ず一回でバテてたんだけど…。
まぁさっきもレナに尽くすって決めたし、ここは頑張るか…!

 

「じゃあ、頑張ろっか♪」

「そうそう♪
 私無しじゃ、いられないような体にしてあげるんだから♪」

「そ、それはそれで怖いような…。
 んぁっ…!」

「何か言った?」

「い、言ってなひぃ…んぅ…。」

 

そして僕たちは、再度深く愛を確かめ合うため、何度も何度も体を重ねる。
お互いがもう離れないように。
何度も何度も、お互いを求め合った。
それはもう、朝焼けが見えそうになるまで。
これで僕らは、一つになれたんだ。

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