その先にあるもの。

Story16 ゴメン…、でも…。
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目が覚めた。
開いたばかりの目をこすりながら、枕元にある明かりをつけて時計を見る。
…まだ、午前3時…。
登校には5時間程早すぎる。

 

「3時、か…。
 さすがにまだ寝てるよね…。」

 

誰に言うわけでもなく出した声は暗闇にかき消されてしまった。
窓から差すはずの月の光が、今日はひどく弱く感じられた。
何となくそれが私自身にも見えてしまう。
…こんな時間に起きてしまった理由。
そんなのは分かりきったコトだ。
だって私は……。

 

「はぁ、秋の1回目。
 昨日までは平気だったんだけどな…。」

 

そう、秋の1回目。
今年の夏は、合計7回も来てしまった。
今までの経験上初めてのコトだ。
そして今。
まさか9月も始まったばかりのこの日に始まってしまうとは…。
私にはさっぱり分からない。
でもこれはどうしようもない。
ただ抗うしかない。
無機質な言い方だけど、これは自然の欲求なのだから。
こんな時ほど普通の人たちが羨ましく思えてしょうがない。
でも、これもまた幻想族であることの性質だからしょうがないんだけど…。

私たち幻想族の獣人は、発情期が一定に定まっていない。
幻想族は普通の獣人に比べ、子孫を残すのが若干難しいから、だとか。
詳しいコトは分かっていないから何とも言えないけど…。
しかも発情期が一定に定まらない上に、何度も何度もやってくるのだ。
普通の獣人は1年に数回って聞いてる。
でも私は数回なんて生易しいものじゃない。
月に1度が普通のサイクルで、2月に1度なんて言ったら余程運がいい時だけだ。
月に1度が普通のサイクル。
今、それが壊れ始めてる。
夏休みに入った直後辺りから、私の体は月に数回発情期に入るようになった。
それはもう頭が狂ってしまいそうなほどの苦痛。
ただ飢えるこの体を、私は何とか必死で押さえつけてきた。
でも、それもそろそろ限界が近いらしい。
身に着けていた下着は、汗なのかそれとも違う液体なのか、
とにかく水分でベタベタになってしまっている。
こんなコトも初めてだ。
そして何より…。
体の中から熱く疼く、この感覚。
今以上にこんな感覚に襲われたことは無かった。
どうしてこんなコトになっているのだろう…。
確かにこれは、私の体なのに………。
いや、考え込んでいてもしょうがない。
とにかく服を着替えよう。
そう思いベッドから抜け出し、私は汗ばんだパジャマを脱ぎ捨てた。

 

「…………。」

 

服を脱いで、何となく鏡の前に立つ。
そして、鏡に映った全裸の自分をじっと見つめてみた。
弱い月の光の下でも充分に分かるほど、体が上気ばんでいるのが見て分かった。

 

「やだ…。
 いつもの私の体じゃないよ…。」

 

自分でもビックリするほどのなまめかしいこの体。
うっすら汗をかいている。
何もしていないのに、乳首は何かを求めているかのように硬さを帯びている。
そして…。
若干ねっとりとした透明な液体が、内股を伝っている。
勿論私はそんなトコロは触っていない。
むしろその…オナニーとか言うヤツをしたコトもない。
なのに何故その液体は流れているのだろう。

 

「やだよ……。
 こんなのいやだ……。」

 

今、鏡に映っている私の体がいやなワケじゃない。
頭ではまだ早すぎるって分かってる。
そんなにも早くそこまでたどり着きたくないコトだと。
そうやって分かっている。
だけど心はその欲求で埋め尽くされようとしている。
悔しいけれど、確かに心がそれを求めている。
その矛盾がいやだった。

 

「助けて……ミーちゃん……。」

 

平常である私の心が、潰れてしまいそうな声で大好きな人に助けを求めた。
いつの間にか顔まで涙でベタベタになっていた。
心も、体も、それぞれ違う意味で助けを求めていた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

今日からついに文化祭。
はっきり言ってドキドキだ…。
ボルト曰く、「とりあえず形になった」ダンスだけど…。
そんなコト言われると心配になってきちゃうのが普通だよね。
僕たちのクラスのダンスは、今日は午後の第1部からなんだ。
それまでは他のクラスの出し物を見ようかなって思ってたんだけど…。

 

「………あのさぁ。」

「ん?
 何だ?」

「レナはともかく、何でジョアンもノールもついてくるの?」

「えっと…ノリ?」

「そんなコト聞いてないよ!
 ジョアンは同じクラスだからしょうがないとしても、何でノールまでいるのさ!
 キミ達のクラスの出し物は?!」

「あ、まぁ…。
 オレたちのクラスも午後からなんだ。
 それまで一緒にいようかなって思っただけで…。」

「何で?
 ノールなら他の女の子見つけて回ったりすればいいじゃん。」

「うぐ…。
 そ、それはその…。」

 

何でそこで赤くなるんだよ…。
そういえばやたら最近僕の近くにいるなぁ…。
…あっ!
まさか…。
他の二人には聞こえないように、ぼそぼそと聞いてみた。

 

「もしかしてノール…。」

「な、何…?」

「…レナのコト、好きなの?」

「はぁっ?!」

「最近僕のトコによく来るじゃん?
 それって僕からレナの情報を引き出して…」

「なわけないだろ!」

「え?違うの?」

「当たり前だろ!
 誰がお前の彼女を盗ったりするもんか!
 オレはなぁ…あ!いやいや!
 な、何でもない、うん。」

「えー?
 …ま、いっか。」

 

じゃあ何でほぼ毎日僕の部屋に来るんだろうね?
サッパリ分かんないや。
で……。

 

「…レナは何してるの?」

「何って?」

「だってココ、人前で…。」

「だから?」

「あの、手…。」

「握っちゃダメなの?」

「いや、良いけど…。」

「なら良いじゃん♪」

 

今日のレナは特に変で…。
一緒に歩いてるときは常にベターってくっついてくるんだ。
まぁ…悪い気はしないんだけどね。

4人で他のクラスの出し物を見て回ってみる。
やっぱり趣向を凝らした出し物が多いって思う。
上級生なんかは特に…。
斬新さが半端じゃないもん。
よくこんなの思いつくな〜って感じで。
1年生はやっぱり1年生、みたいな出し物だね。
あんなの、来年できるのかなぁ…。
って考え込んでたら、いつの間にか横にノールがベッタリくっついてるし。
レナは別に良いんだけど、ノールは何か暑苦しいよ…。

 

「あの…ノール…?」

「ん?」

 

…何かやたら上機嫌だし…。

 

「暑い。」

「そうだなぁ〜、暑いよな〜♪」

「うん、暑いから離れてくれる?」

「何で?」

「暑いからだってば!
 ほら、早く!」

「そんなに…嫌がらなくても…いいだろ。」

 

ふぅ、やっと離れた…。
離れたら離れたで、またジョアンと何かコソコソ話してるし…。
何これ?
僕は完全に蚊帳の外みたいだし。
レナが目的じゃないとすると…何だろうなぁ…。

 

「ミーちゃん、そろそろご飯食べなきゃ!
 じゃないと間に合わなくなっちゃうよ?」

「え?もうそんな時間かぁ…。
 じゃ、教室戻ってご飯にしよっか。
 ほら、ノールも教室戻るんでしょ?
 自分の教室でご飯食べなよ。」

「えー?!
 帰らなきゃダメなのー?!」

「だって演劇やるんでしょ?
 セリフの確認とかしておいた方が良いと思うけど…。
 ねぇ、町の通りすがりの不良のボスさん?」

「くっ…。
 何でそんなどうでもいいコト覚えてるんだよ…。」

「毎日のようにノールが言うからじゃん!」

「あれ、そうだっけ?
 んじゃ一旦退散するよ〜。
 また後でな♪
 フッフフ〜ンっと♪」

 

長年ノールを見てきたけど、あんなに上機嫌なのは初めて見た。
鼻歌まで歌っちゃってるし…。
一体何なんだろう。

 

「ま、いっか。
 僕たちも教室に戻ろうよ。」

「うん♪
 ……あのさぁ、ジョアン君。
 ちょっといい?」

「え?
 あぁ、良いけど……何?」

「…ごめん、ミーちゃん!
 悪いけど先に戻っててくれるかな…?
 ちょーっと、ミーちゃんがいるとマズイから。」

「えー?!
 何それ?!」

「ごめん!
 お願い!
 5分したらすぐ行くから!」

「あぅ〜…。
 分かったよ…。」

 

むぅ…。
何だろう、いきなり。
ジョアンに話があるらしいけど…。
気になるけど…教室に帰らないと…。
レナがじーっとコッチを見てるし。
仕方がないので、とぼとぼと僕は教室に戻っていった。

 

  

「あのさぁ、ジョアン君。」

「ん?」

「絶対無いとは思うけど、私は負けないからね?」

「は?」

「ノール君、何か変だなぁ〜って思ってたんだ。
 彼、ミーちゃんのコトが好きなんでしょ?」

「うぉっ?!
 どうしてそれを…って、アイツの様子を見てれば察しはつくか…。
 一応友達として温かく見守ってやってるんだけどな。
 ま、レナがいる限りアイツに傾くのはまず無いから安心しなよ。
 それ以前に、ミックは別に同性愛者でもないけどな。」

「そっか♪
 やっぱりそうだったんだね〜。
 最初は仲良くしたいんだな〜くらいに思ってたんだけど、何か違う気がしたんだ。
 ノール君の目、完全に恋してる目だったもん。
 いるトコにはいるものなのね〜、同性愛って。
 いや、別に偏見持ってるワケじゃないよ?
 誰が誰を好きになっても、それはとっても普通なコトだもん♪
 だからノール君に伝えておいてね。
 『私はキミに負けないから、そのつもりでよろしく』って♪」

「分かった。
 アイツ、どんな反応してくるかなぁ…。
 レナにもバレたぞ〜って言ったら。」

「ははは!
 ジョアン君は、ノール君より自分の心配した方が良いんじゃない?
 エマ、仲直りしたいって言ってたよ。」

「あ、…えっと…、そっか。
 ありがとな。」

「どういたしまして♪
 さ、早く戻ってあげないとミーちゃんに叱られちゃうかな。
 行きましょ!」

 

 

僕が教室に着いた数分後に、すぐレナとジョアンも戻ってきた。
一体何を話してたのかは気になるけど…。
まぁ内緒の話って言うなら仕方ない。
でも、あんまり隠し事とかして欲しくないなぁって思ってしまったりする。
レナの全部を知っていたいって思ったりするの、これはワガママかなぁ…。
そんなコトを思いながら、もくもくとお昼御飯を食べた。

お昼を食べてすぐ、早速会場に向かった。
最終確認などをするため、始まる40分前から打ち合わせって言われてたんだ。
最後の最後まで入念にチェックをして、ついに僕たちの出し物の披露。
結果はどうだったかって言うと、まぁ…ちょっとミスしたけど頑張れたかなって感じ。
明日は失敗しないように頑張らなきゃね!
その後はバタバタとノールのクラスの演劇を見に行ったりとか…。
適当に売店を見てアイスクリームなんか買ったりとか…。
こんな生活が一週間近くも続くなんて夢みたいだよ。
だって、次の日の予習とかしなくて済むもんね。
ちょうどいい中休みって感じだ。
その日はそのままお開きで、明日のコトも考えて真っ直ぐ部屋に帰った。

夕飯を食べてちょっと一息。
今は午後8時。
いつもはもっと遅くに寝るから、まったく寝る気にならない。
少し散歩でもしてこようかな。
そう思ってベッドから起き上がった瞬間。

♪ピンポ〜ン

ん?
誰か来た。
誰かなぁ…。
思い当たるフシもないけれど、とりあえず僕は玄関の扉を開けた。

 

「どちら様…」

「ミーちゃん♪」

「?!
 …ってノールじゃん。」

「へへへっ♪」

「どうしたの?
 ノール一人で珍しいね〜。
 ジョアンは?」

「いや、誘ってもないけど…。」

「へぇ〜?
 最近いつも一緒にいるから、てっきり一緒かと思ったよ〜。
 まぁ立ち話も何だし、中に入りなよ。」

「お♪
 ありがとな。」

 

いつも通り、僕は上がってきたノールに冷たいお茶を出してあげた。
最初にジョアンがお茶を出してくれたのに影響されて、
今では来客には必ずお茶を出すようにしている。
小さな気配り…って言うのかなぁ。
そういうのできるのってスゴイなって思ったから。

 

「で?
 今日は何?」

「ん?
 何が?」

「何が?って……。
 何か用があったから来たんでしょ?」

「うーん…無いかな!」

 

すごく爽やかな笑顔でそう返してきた。
最近のノールは完全に変だ…。
変と言うか、もうよく分からない…。

 

「何も無いのに来たの?!」

「おぅ♪」

「……。」

 

そんなコトをさらりと言う。
じゃあ何で来たんだろう…。
ただこうしているのも仕方ないので、思い切って聞いてみることにした。

 

「…じゃあ何で来たの?」

「え…?
 え、えっと……。
 や、やっぱりいきなりやってきちゃダメか?!」

 

すごく不安そうな顔をして聞いてくる。
こんなコトは、前のノールなら非常に珍しいコトだ。
こんなコトでこんな顔するなんてね。

 

「いや、別に良いけど…。
 最近さぁ、ノールって変だよ?
 いきなり嬉しそうになったり、不安そうな顔になったり…。
 何かあるなら聞くよ?」

「あ…えっと…。
 た、例えばだぞ?
 俺とお前、好きな子が一緒だとする。
 でもお前は既に付き合ってて…。
 そうだけれど、俺はまだ好きなんだ。
 そういう時ってどうすれば良いと思う?」

「………。
 つまり、ノールもレナのコトが好きってこと?」

「違うって!
 例え話!
 レナちゃんのコトはもう諦めがついたんだよ!」

「へぇ〜…。
 う〜ん、そうだなぁ…。
 諦めるってのが手っ取り早いけど、そうもいかないよね。
 その例え話になぞらえるなら、僕はその好きな子と両思いなの?」

「あー、まぁそうだな。」

「なら諦めるしか…。
 それでも告白し続けるか、かな。
 ノールの場合だったら後者の方が強そうだね。
 で、でもね!
 レナは絶対に放さないから!」

「分かってるよ、そんなことぉ!
 俺は別にレナちゃんはいいんだよ。」

「ふ〜ん。
 ってコトは他にまた好きな子ができたんだ?」

「うん…。」

「で、さっきの状況なワケね。
 まぁ考え方なんて人それぞれだし、ノールが思うようにすれば良いんじゃないかな。
 ノール自信が納得するか満足しないと解決しないんだしさ。」

「そっか…。
 そうだよな。」

「うんうん。
 僕で良かったら応援してあげるし。」

「………。」

 

突然、また黙りこくってしまうノール。
今度は何か深刻に考えているような顔だ。
入学試験の時のノールとは大違いだ…。
あの時のノールだと、こんなにも考え込んでいたら、
まず100%くらいで5秒後くらいには寝ちゃってるね。
そんなコトを考えながら、そのノールの姿を滑稽に見ていた。
何か結論が出たらしく、ふと顔を上げた。
またまた真剣な顔だった。

 

「ん?」

「なぁ…。」

 

いきなり顔をずいっと近づけてきたので、思わず後ろにさがってしまった。

 

「ひゃう!
 どうしたの?
 そんな真剣な顔して…。」

「俺……」

 

全てを言い終わらないうちに、ノールは僕の体に抱きついてきていた。
呼吸するのと同じくらい自然に。

 

「言わないって決めてたけど、お前の言葉でダメになった。
 気持ち悪いって思うかもしれないけど、俺、お前のコト……。
 好きだ。」

「え…?
 ちょ、ちょっとノール!
 変な冗談はやめなよ…。
 最近確かに変だけど、ここまで変になっちゃったの?」

「俺は真剣だぞ。
 ミックが…好きなんだ。
 それは友達としてってコトじゃない。
 恋愛の対象として、お前が好き。
 勿論OK貰えないのも分かってる。
 お前が俺を嫌がるのも分かってる。
 でも、そんな俺でもできること、してやりたい。」

「で、できることって…?
 ひゃう!」

 

座っていた場所が災いした。
僕たちはベッドの上で隣同士に座っていた。
だから今、ノールにベッドに押し倒されたような形になってしまっている。
ここまでくれば、さすがの僕でも次に何が来るかは予想はできた。

 

「だ、ダメだよノール!
 それ以上はダメ!
 確かにキミの気持ちは嬉しいけど、僕は飽くまでキミの友達で…。」

「でも俺、もう我慢の限界なんだよ…。
 少しだけで良いから…。」

「ちょ、ノ…」

 

僕が手でノールの顔を押さえるのをさっと振り払い、
次の瞬間には僕の唇にノールの唇が接触してきていた。
相当安定していないらしく、鼻息がこれでもかってくらい聞こえる。

 

「んー!
 んーん!」

 

僕がどれだけ声を出しても、力を出してもまるで無駄だった。
そりゃ全国一位の格闘家が相手だから…。
女の子並の力しかない僕には太刀打ちできるものじゃなかった。
相当嫌がったせいか、ようやくノールは僕から唇を離した。
まるで何分もキスしていたかのような錯覚だった。

 

「ダメだよノール…。
 僕たち、男同士でしょ?
 それに、僕にはレナがいるし…。」

「それでも構わない。
 俺はただ奉仕してあげたいだけなんだ。」

「え?
 …ふぁっ!」

 

服の上からまさぐるように、ノールの手が僕のチンチンを刺激した。
優しく、けど荒々しい手つきで僕に少しずつ快感を与えてきた。
こんな形なのに、すこしでも快感を覚える自分がイヤだった。

 

「あぁっ…!
 だ、ダメェ…っ!
 やめ…てぇ…!」

「イヤだ。
 少し、俺のわがままに付き合ってくれ…。
 俺だって本当はこんな形じゃイヤだよ。
 でも…でも…。
 好きなヤツがいて、さらに今発情期になってて、しかも月の力が強いんだ!
 俺、今日は抑えられない…。
 お願いだ、ミック。
 お前の性欲処理を手伝うだけだから…。」

 

そう言われると、僕は何も言えなかった。
だって、ボルトとも同じようなコトをしているから…。
でもそこには恋愛の情は絡んでいない。
だから普通にできるコトであって…。
今はそれと違うような気がする。
しかし、事実的には変わらない。
さらにチンチンから強い快感が脳髄に伝わっているために、
僕の理性は少しずつ飛び始めていた。
もう首を横には触れなくなっていた。

 

「ミック…勃起してきた…。
 感じてくれてるんだな。
 そのままにしててくれれば良いから…。」

 

僕はもうされるがままだった。
ノールは僕のズボンを一気にずり下ろすと、僕のチンチンをじっくりといじり始めた。
そのねっとりとした動きは、手で早く動かすより強い刺激だった。
本当に気持ちが良かった。

 

「あぁんっ!
 んぁっ…ぁっ!
 あ…あ…あぁ……っ!」

 

ぬちゃ、ぬちゃ、といやらしい音が部屋に響き渡る。
それだけでも恥ずかしいのに、さらに僕のチンチンをいじっているのはノールなワケで。
もう何が何だかよく分からなかった。
快感の二文字が僕を支配し始めていた。

 

「うわぁ、先走りがすごいなぁ…。
 お前、溜めてたの?」

「あぅんっ!
 はぁはぁ…。
 昨日は…してない…かなぁ…はぁ。」

「1日してないだけでコレかぁ…。
 しかも敏感だし。
 いじってる方はすっげぇ楽しいなぁ♪
 ほらほら♪」

「ぅぅん…。
 んぁぅっ!」

 

僕のチンチンからは、だらしなく先走りが流れ落ちてくる。
そんな自分のチンチンも、何だかすごくエッチな感じがして見ていられなかった。
目を瞑ると、より強い快感が僕を襲ってきた。

 

「しっかし、可愛いチンコしてるなぁ…。
 何かおいしそうだ…♪
 …はむっ。」

「んぁっ?!」

 

思いも寄らなかった。
まさかフェラをされるなんて…。
ノールは僕のチンチンを加えると、舌で転がすように舐めてきた。
計り知れない程の強烈な快感。
既に電気だった。
電気が僕の体を走っていた。

 

「はぁぁっんっ!
 んぁぁっ!
 ああぁぅっ!」

 

もう喘ぎ声しか出せない。
気持ちが良いという感覚しかない。
僕はもう完全にされるがままだった。
ノールの舌のざらつきがちょうど良く、それがさらなる快感を与えてくれる。
それに加え、ノールが頭を上下に動かし始めた。
同時に、僕はもう腰がガクガクしていた。
僕は横になっていて、ノールが覆いかぶさるような体勢なのに、
腰は勝手にガクガクと痙攣した。

 

「あぁぁっ!
 はぁぁっ!
 ふぁあぁっ!」

「…んぱっ!
 どうだ?
 気持ち良いか?」

「…うん、気持ち良いよぉ…。
 もっと…もっとぉ…。」

「分かった♪
 イキたかったらイっていいからなぁ♪」

 

そう言い、さらに口と手で強い快感を与えてくるノール。
既に限界が近いことは分かっていた。
いつの間にか無意識にノールの頭を掴んでいた。

 

「あぅぅっ!
 イクっ!
 イクゥゥッ!
 イっちゃうよぉぉっ!」

「うん。
 うん♪」

「離してぇっ!
 出ちゃうぅ…からぁっ!」

「むー。」

「あぁぁっ!
 イクぅぅぅっ!!!」

 

どくん。どくん。どくん。
僕のチンチンから、自分でも分かるくらい熱い精液がノールの口内に放出されていく。
一生懸命口から離そうとしたのに、ノールはまったく離れてくれなかった。
そのため、結局口内で射精してしまった。
一通り出し終わっても、それでもまだ執拗に舐め続けるノール。

 

「あぅん!
 ダメェ!
 何かツライよ、それ!
 ダメダメ!」

「ちぇ〜。
 面白いのになぁ…。」

 

やっとの思いでノールを引き剥がす。
ふぅ、何が面白いんだまったく!
出したばっかの時は敏感になっててダメだって言ってるのに…。
って、んん?
何で今、ノールは喋ったんだろう。
だって、口の中には僕の精液で…。
…!

 

「こ、コォラ!
 精液、飲んじゃダメじゃん!
 マズイのに飲んじゃダメ!」

「えー♪
 でも飲んじゃったし♪
 まぁ確かにうまくはないけどな。
 お前のだから飲んだ♪」

「………。」

「ごめんな、今日は。
 俺のワガママでこんなコトして…。」

「あ、うん…。」

「これっきりだからさ、うん。
 明日からまた友達として接してくれよ?
 俺は…諦められそうにないけど…。」

「う…。
 まぁ頑張ってみる。」

「ありがとな♪
 うし、じゃあ俺、部屋に戻るよ。
 今のミックの姿を想像しながらオナニーするからさっ!」

「ひゃう!
 そんなコトしなくてもいいよ!」

「やーだ♪
 んじゃ、また明日な〜。」

 

いつものノールが後ろを向いたまま僕に手を振った。
玄関前でふと立ち止まって何かを言っていた。

 

「ホント、ゴメンな…。
 ゴメン…。」

 

そのまま、ノールは僕の部屋を出て行ってしまった。
何故か、すごく後ろめたい気がした。
時々ボルトと同じようなコトをしてはいるけど…。
そこに愛は無い。
ただの友達同士でのオカズの共有に過ぎない。
けど…。
ノールは一方的だけど愛があったワケで…。
どうにもこうにも割り切れなかった。

 

「でも…。
 僕はレナが好きなんだ!
 ノールなんかに邪魔されないもんね!」

 

自分に喝を入れて、今日は明日に備えてもう寝よう。
ささっとお風呂に入って、すぐにベッドに入った。
ノールの気持ちを知っちゃったけど、僕はまた友達として接することができるのかな…。
そんなコトを考えながら、僕はゆっくりと意識が薄れていった。

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