全ての話のエピローグ

空は晴れ渡り、鳥のさえずりが今起こった戦いがなかったかのように思える。


僕は、大剣を担ぎながら、外へ出た。


遠くを見るほど、青く晴れ渡っていた。


雲は風に流されるがまま、どこへ行くか、聞いてみたいぐらいである。


その後、ゼロギガと分れ、僕らは帰路へついた。


大陸の南部に位置した大陸、ウィレッツ大陸へ。


クレスがいない分、旅費を稼ぐのが大変だったけど、なんとか、僕らは聖都市へたどり着いた。


そして、今までのことを、町長に、みんなに話した。


涙を流す者、世界に魔族がいなくなって喜ぶ者、様々だったよ。


僕もいっぱい涙流したよ、いっぱい……枯れるほど……


でも、クレスとの約束、僕守るよ……


でも、でも、やっぱり……辛かった……


「エル〜、エル?」
僕の呼ぶ声に、エルは振り返った。
今は聖都市のクレスが無理矢理奪った家なんだけど、
身寄りのない僕達にそのまま暮らしてよいってことになった
「なんだレン?」
エプロン姿のまま、エルが応えた。
妙に似合ってるとこが違和感を感じる。
「少し、体を鍛えようかなって、その、修行、手伝ってくれないかな?」
エルが笑みを浮かべる。
OKっと言うことらしい、その表情を見て、僕は嬉しくなり、二階のクレスの部屋に向かった。
大量の本に、くたびれた机。
現在、僕がこの部屋を使っている、クレスを身近にいられるように……
クレスはどこへ行ってしまったのだろうか?
僕が探し出すのを、待っててくれるだろうか……?

僕は机の引き出しから、分厚い手帳を手に取ると、その中身を読んだ。
それは、クレスが旅してきた間に起こった出来事をかきつづった手帳。
クレスは消えることを予感してたのかな?それをエルに渡して置いたらしく、それを僕がもらった。
何回も、何回も、それを読み返した。
僕達が旅してきた記録、そして、手帳の最後に、こうつづってあった。

『俺が死ぬかもしれない、だけど、怖くないと言えば嘘になる。
だけど、魔王を倒すまで死ねない、倒して死んだら、それはそれで親友を救えるのなら嬉しい
俺の生まれ変わり、あるだろうか?わからない、だけど、それを探してくれる親友がいる
……だから、ずっと待ってるよ……約束だ、レン』

それは書きなぐりであったが、確かにクレスの字。




全てが終わるとき全てが始まり……
僕がこの手帳を読み返すとき、必ず最後に静かに泣く。