第9章 邪竜王の攻撃
闇がうごめく、空気が少し揺れる。
しげみがかさかさと揺れた。何かいる・・・
風の流れが木にあたり叫び声のような音を出している。
――どこだ・・・
俺はあたりを見回した。レンとグロールもあたりを見回した。
しかし、誰もいない、あたり前だ、普通に見てわかるなら苦労しない。
だが、気配だけがそこにいることを確信させる、満足の情報だ。
近くにしげみに気配を感じる、ん?この気配は・・・
「うらああぁぁぁぁっ!」
「ぐっ!?」
なんか変な音が聞こえたがそれはたぶん気のせいだと思う。うん、
俺の投げた大岩は何とか命中したらしい、ちょっと恐ろしい奴の顔を思い浮かべてしまったが・・・
いや、思い出さないようにしよう、気のせいだ気のせいだ・・・
「今のってなんだったんだろう・・・?」
レンが近づくが俺が寸前で止める。
「見なくていい、いや、見てほしくない・・・」
「えっと、どうして?」
「どうしても!」
レンを引っ張ってもとあるいている道を歩く、グレンもグロール、ディコルもわけ分からないままついてくる
あたり前だろう、あの気配に覚えがあるのは俺だけだから・・・・・・
ましてや久しぶりすぎてその気配を察知するのが難しかったが・・・
俺たちは早々とその場を立ち去った。――しかし、グレンだけはその瞳でしげみをみすえていた。

洋食店、夜のせいか人が結構いるにはいる、まともな客ならいいけど全然まともそうじゃないのがあんまし・・・
頭丸めて頬にキズがある悪人顔にぴったりな怖いおっちゃんとかがそこら辺の席でうようよいるのだ。
あんまり食べる気はしないが、本当に、今日はあんまり食が進まない。
「ふぅ〜、食った食った〜!」
「って、人の何人前食えば気が済むんだよ」
そこそこの量を食べたグロールが俺の皿の山を見てそうつぶやいた。
そうかな?あんまり食べてないって言うわけじゃないけど、少量だと俺は思う。
「なにいってんの?そんないつでも食べられるわけじゃないし、それに今日はそんなに食が進まなかったし」
「それにしてはよく食うな・・・」
ディコルも共に同じようなことをつぶやく、たく、この二人ときたら。
「あのねぇ、昨日も言った通り邪竜に俺たちは狙われてるみたいなの、たしかにこれは推定であるけど
ほとんど、あってると思うよ」
「しかし、何故、邪竜の攻撃だと確信できるか、説明できます?」
グレンが紅茶を飲みながらそう言った。ん〜、なんか虎の顔が普通じゃ見れない顔になってる感じが・・・
「まず先々日の宿に襲われた。だけどそれは俺の部屋だけ、何故他の客室に入らずに俺の部屋までくるか、それは邪竜の攻撃をしかけた、別に邪竜のほかのモンスターがしかけた可能性が高いけどそれだったらほかの客室を一つ一つ開けて調べていくはず、だけど開けずに通り過ぎるばかり。
だから邪竜が攻撃をしかけた、っと言う結論になるわけよ、魔道士が攻撃をしかけたなら相当な技術が必要だし、そんな芸当、俺には無理だけど専門の奴がやればできない事もないが、実際そんな奴はいるもんじゃないんだ。専門の人でもモンスターをあやつるには一日一匹のモンスターしか洗脳できない、そして、その効果は一日で切れる。
――どう?この説明で不満があるならもっと言うけど?」
「いや、もういいや・・・」
グロールが少し頭を押さえて俺を止めた、なんかたてがみがだら〜んって倒れてるように見える・・・
俺はひといきはいて、順番に顔を見る。
「もしかしたら、決戦が近くなってるかもしれないよ・・・・・・」
その言葉につばをのむ音が聞こえる
「だから♪じゃんじゃん食べて決戦に向かおう!」
そして、俺以外のいちどうがあきれるなか・・・俺の最悪な時は刻々と近づいていく。