第8章 勝利は俺の手に!
俺達は『マテリアル・シティ』へ着いた。しかし、この町はなんか変だ
町並みはいたって普通、人通りも少なくないし、店もちゃんとやってるしだけど・・・なんで魔道師ばっかいるんだ?と考えているうちにそこらへんにあった看板を見つけて、掛かれてある物をグレンが呼んだ
「何々、ここ『マテリアル・シティ』は本日の午後から魔法対決大会をやります。場所は町の闘技場にて受け付けをしています、、だそうで」
ほ〜!こんなところでこんなことしてるんだ、と言ったら出場あるにのみ!
「よし出よう!魔法使えるのはこの4人だったよな」
「なお、優勝商品は、金貨5000枚とオリハルコン製の剣、、、」
金貨5000枚とオリハルコン製の剣!たかがオリハルコンではない、売れば優勝賞金の2・3倍はある、だけどなんでこん何賞金が出るんだ?ま、考えてもしょうがない
「これは出るっきゃない!」
(クレス、さっきよりも燃えてる・・・)
「扱いやすいタイプですね」
おーきなお世話だい!だから、魔道師ばっかいるのか、資金もそこにつきかけてるし出場するか

「第21回、魔法対決大会を始めます!」
わあああああぁぁぁぁ
司会者の言葉に観客席の所から歓声が巻き起こった。
「それでは、1回戦と2回戦の人以外待合室で待っていてください」
え〜と、俺は3回戦、レンは4回戦にグレンが5回戦、、、ディコルが6回戦か・・・グレンとディコルが勝ったら両方とも次の戦いで当たるな、まぁディコルも結構強い魔法使えるし、同等なんじゃないかな?
短い開会式を終えて舞台の上に二人の対戦者が立った。
「それでは第1回戦始め!」
司会者の声と共に対戦者は魔法の詠唱には言った・・・


<数分後>
「では、第3回戦!クレス・ファンレッド対ラグ・イーシャート、始め!」
俺はすぐさま魔法の詠唱にとりかかった。まずは簡単な呪文で
俺は短い詠唱を終えようとしていた。その時、
「フレア・アロー!」
何!俺に詠唱が終わった瞬間相手の魔法が解き放たれた!うわっ!早い!
数十本の炎の矢が俺に向かってくる、すぐに横に避けた、相手の詠唱が予想以上に早い・・・
その瞬間俺の唱えていた魔法を解き放つ
「ファイヤーボール!!」
俺の半分の力を出した『ファイヤーボール』は大きさが身の丈よりやや小さ目くらいだった。
「何!!」
しかし、そいつはすぐに避けた。むぅ、やるなぁ
「ファイヤーボール!」
相手も同じように撃ってくるがまた俺が唱えるよりも早く・・・・・・
しかし、あんまり大きさもないから俺はあっさり避ける。
もしかして・・・
「アクア・クリエイト!」
ぱちんっ、と指を鳴らすと相手の頭上に水が現れ、相手を濡らす。
「くっ!甘い甘い!それで俺が倒せると思ってるのか!」
そういって手を突き出して
「フレア・アロー!」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「フレア・アロー!フレア・アロー!!」
何度も手を突き出して魔法名を言う・・・やっぱり・・・・・・
「魔法呪法符でしょ、体に貼り付けるとその張ってる時間だけ魔法が唱えられるっていう」
相手が硬直した。みればわかりそうなぐらい硬直した。
「あれね? 書かれてるものがスミで書かれてるから濡らすと効果ないんだよね」
また相手が更に硬直した。うーん、そういう取り扱いはちゃんと説明書を読むように
「とゆーわけでファイヤーボール♪」
どっごおおぉぉぉ〜ん
俺の紅蓮の炎で硬直した体をほぐしてやりました。
はぁ、初戦から張り合いがないな・・・

第3回戦  ○ クレスファンレッドVSラグ・ラーシャート ×  勝者クレス


その後もレンも勝ってグレンとディコルも勝った、そして次はグレンとディコルの番が
8回戦目のレンと対決は俺の圧勝!ちょっとレンが涙目だったのにはさすがに止まったが・・・
「第9回戦!グレン・インシール対ディコル・ガルディ、始め!」
「お手柔らかに☆」
「そっちこそ」
2人は言葉を交わしたらすぐに魔法の詠唱にとりかかった。
『アースクエイク!!』
2人の声がハモった。当然その呪文はぶつかり合ってかき消された。また次の呪文に取りかかっている
「エアロ!!」
「ブルードラグ・ブレス!!」
ディコルが放った魔法、あれは失われた竜族の魔法だとか・・・しまった!そんなことなら竜のおっちゃんを捕まえて教えてもらうべきだったー!
当然グレンの放った『エアロ』は消された、だがまだディコルの放った魔法は消されてない!
「クリスタルシールド!!」
グレンの言葉でグレンの周りにシールドができる
これでディコルの魔法を防げた。
「なかなかやりますね、ではこれはどうです!」
〜生命を生み出せし白き竜よ
これは・・・『ドラゴンスレイヤー』っ!これはやばいんじゃない・・・
 死をもたらしめる黒き竜よ
でも大丈夫かな?一応この魔法は竜人族には効くけど死にはいたらしめないって言うし
 空を統べる空の騎士竜よ
でも・・・会場吹っ飛ばないかな?
 全ての竜を命令する金色の竜よ
大丈夫だろう、結構会場は結界が張っているから・・・ははは(汗)
 今ここに我が力、我が身となり
「レンこっち来て早く!防御結界!!」
風の結界を張ったから大丈夫・・・俺とレンは!
 我の前に立ちふさがりし者を
もうなんでもかんでもやっちゃってください
 滅せよ〜
「ちょっと待てそれはヤバイ!!」
「大丈夫ですよ。弱めてありますから」
そう言う問題じゃないような・・・・
「ドラゴン・スレイヤー!!」
どおおおごごごごおおおおぉぉぉぉぉぉぉん
グレンの手から解き放たれた魔法は一瞬のうちに舞台の上で爆発が巻き起こり壊れた。
まぁ、当然と言ったら当然なんだろうけど・・・・・・普通壊れるわ・・・・・・・
煙がたちこまってから数秒煙が無くなった
「勝者!グレン・インシール!」
「いや〜、勝っちゃいました」
そうにこやかに笑ってみせた
まさかあれをぶちこめるとは、あれでも半分くらい手加減したぐらいだろうな
そして、すぐさまタンカが来た


<決勝戦>

「やっぱこうなったね・・・・ははは」
決勝戦で待ち構えていたのはグレンであった。一応グレンは賢者だし・・・・うまく戦えるかな?
「それでは存分に戦いましょう」
「決勝戦!クレス・ファンレッド対グレン・インシール、果たしてどっちが焼き肉になるのか!始め!」
「焼き肉になるかーっ!」
言葉と同時に詠唱の短い魔法を唱えた。
「フレア・アロー!」
数十本の矢がグレンに向かう!
「フリーズ・アロー!」
炎と氷、二つの対立した属性が交じり合い消滅した。
やるなぁ〜、相殺関係のものを発動させて消滅させる、さすが賢者だわ・・・
『ファイヤーボール!』
同じ攻撃を同時に出した。まさかこんなことがあるなんて!ってたくさんあるけど。
なんにせよ次に手を、俺は目くらましにある魔法を唱えた。『ライト』ではない
これを唱えて次に一撃が勝負!グレンはフレア・アローの魔法を唱え終わってこちらに放ってくる
数十本の矢がまた来る、と同時に俺の魔法は唱え終わった。
「アクアクリエイト!」
俺に前に水柱が巻き起こり炎の矢は水の中へと消え去った。
チャンス!俺もグレンも見えない状態、だが俺の周りは水柱がかかって攻撃呪文は一切こないはず!だが!
「ボルト!!」
アクアクリエイトの水のせいで電気が通って
「うぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ!!」
痺れた。うにゅ、やっぱりライトにすべきだったか・・・・・・
何とか麻痺した体を動かして立ち上がる。
「それじゃあ、最後に大技決めさせてもらうよ!」
「それじゃあ俺も手加減はしませんよ」
二人とも詠唱に入った。もちろんどちらかが早いほうが勝利・・・
しかし、俺のほうが少し早い!詠唱が終わり解き放とうとした。
「ウィンディープ・フィールド」
先手はグレンだった。詠唱早いし!?
水の精霊を象った攻撃、押し寄せてくる水は鉄のように硬いとか、
喰らった事ないからそんなこと分からないけど、ケガをすることは確実である。
ここはどうにかしなければ・・・そして、おしよせてくる水の手前で俺は魔法を唱えた。
「ノーミル・フォース」
舞台の石床に手を当てると俺の周りの壁になる。おしよせてくる水を防ぐと同時に石の壁から槍のような鋭いものが飛び出て、あたりに放つ。
これはノームの力を借りてできたもの、見ればわかるけど無差別呪文だからあまり使いたくないけど、
状況的にこれに変えたのだ。
「ディルヴォルト!!」
グレンの声が聞こえた。俺は上を見上げると稲妻が今にも放たれそうだった。
って――
そこから俺は何が起こったかは見えなかった。



<その後の宿屋>

「どっちにしろ結果は同じか、金貨5000枚とオリハルコン製の剣が手に入ったのは代わりない!」
「ひがんじゃって、俺に負けたのが悔しいですね?」
ぎくっ!、、、、確かにあの時は負けた。俺の計算ミスのせいで
「ディコルさんの心配した方が良いよ?」
「大丈夫だ、しかし、あんな時に『ドラゴンスレイヤー』をぶちかまさなくても」
「でも手加減してあげたでしょう?」
ディコルがこっくりうなずいた、手加減してもあの威力と思う方もいるけれど俺にとっちゃぜんぜん力出してない状態って感じかな(言いすぎ)、グレンと負けたとき『ドラゴンバスター』使えば良かった(泣)、とかなんとか考えながら俺はステーキの最後の一切れを食べた。
「すいませ〜ん、これお代わり☆」

「どうも・・・・寝つけないな・・・」
こんな日は限って何かある、たぶん、そこら辺の夜盗の襲来なんかだろう、でも物を盗まれるわけにもいかずここで持ちぼうけしていた。何故そんな事がわかるかというと・・・・カンである(笑)
――ぎし、ぎし、
妙な足跡、夜盗の物じゃない、だけどけして仲間の物でもないだとしたら・・・・・・・・・・・・
そして、あきらかに人の足跡ではない・・・・・・『魔物』かそれとも『魔族』・・・悪ければ『純魔族』・・・
――ぎし、ぎし、
やっぱり魔物みたいだ、でもどうして?とりあえず俺はマントとバンダナをしてドアから離れた・・・
――ぎしゃ、
俺の部屋の前で止まったのがわかる・・・・
奇襲攻撃を食らわないように壁を背にしていた
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙が続いた、このまま思い過ごしであればいいのだが、しかし沈黙が破られた
「がおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ゴブリンがドアを壊して中へ入ってきた。ざっと、5・6匹ぐらい・・・・楽勝!
「こっちだ!」
ゴブリンを部屋の中へ誘きよした。案外頭悪いゴブリンで良かった。簡単にさっきと逆の立場を作る事に成功した。
「みんなまとめてファイヤーボール!!」
放ったらすぐドアを閉めた
――どごごおおおん
手応えあり!と言っても、あの部屋から逃れるすべもないからあたりまえか。
「なんであのゴブリン達・・・・俺を狙ってきたんだろう・・・・・・もしかしたら別の人だったのかもしれない・・・・」
「そうでもないですよ」
「グレン!・・・ってあんたいつのまに・・・」
それはよしとしてグレンがドアを開けてゴブリンの額を指差した。
「洗脳呪法!」
そうゴブリン達は洗脳されていたんだ!確かにこうすればゴブリンたちはいうことを聞く、もともとゴブリンたちは仲間以外はあまり信用しない、だから洗脳をすればこうして、ころっ、と仲間になることも出来るということか。
高い魔力を持つ人しか出来ないのに、おかしい・・・5匹のゴブリンでも3人は魔道士が必要とされている
それほど、洗脳の呪法は高い魔力を必要とされているってことだ。
「他の人はグレンが眠らしたの?」
こっくりうなずいた。ファイヤーボールをぶちかましても人が来ないから大体は予想できたけど。
グレンがスリープで眠らしたらしい、明日の朝まで続く効力をもって
「とうとう、邪竜王も本格化してきたみたいですね」
そして俺もうなずいた・・・・・