第7章 恐るべき未来・下
俺が地を蹴るとディコルも地を蹴りこちらに近づいてくる
しかし、俺は後ろに後ず去る為に地を蹴ったがそう近づいてこられたら・・・
俺は詠唱を始め、すぐさま解き放つ
「フレア・アロー!!」
「レッドドラグ・ブレス!」
いつのまに詠唱をしたのかディコルの手から火炎竜とも呼ばれるほどの火力が俺の炎の矢を飲み込み
俺の方へ襲い掛かってくる、むしろ、詠唱なし。
――くっ、
少し苦しい戦いになりそうだった。ディコルが剣を本気で振るう、それをなんとか身を縮こませてよける。
ちょっと待て!そんなぶっそうなもん振り回すんじゃない!
すぐにまた詠唱にはいるが、とうぜん相手はそんなこと許す行動はしない。
ディコルが走ってくる、しかし、相手が俺のところまで来るまえに詠唱が終わった。
「アース・コントロール!」
俺の想像したものは地面が爆発するもの、ディコルの足元に魔法陣が一瞬でえがかれ
――そして。
どごおぉぉぉんっ
って、おい・・・・・・
「うぐ・・・」
あっさりその場で倒れるディコル・・・・・・じつはしたからの攻撃は弱かったのかー!
はぁ、本気で相手してちょっと損したかも・・・・・・
「さてと、これでこっちの勝ち・・・・・・だね?」
「ぐおぉぉぉん・・・・・・」
「そうだって言ってます」
「もう少し修行しておくんだったな・・・」
そういったのはさっきまで倒れていたディコル・・・・・・そのぶん、復活が早いし・・・・・・
「そういえば、ゴールデンドラゴンは喋れないのか?」
「喋れるが?」
そう口を開いたのはさっきからずっと竜のことばを発していたゴールデンドラゴン本人だった。
「喋れるの!?」
「あぁ、長い年月で数々のことばを習得してるんでな、人のことばなんぞ簡単なものだ・・・・・・」
ちくしょう、喋れないと思ってたのに意外と多くのことばを知ってるんじゃないか・・・こいつ・・・・・・
最初から竜のことばだったからだまされた・・・・・・
「まあ、いいや、んじゃ案内してくれるよね?竜の宝玉へ・・・・・・」
俺は人差し指を立てながら言った。
黄金竜は頷いて後ろを向き、姿勢を低くした。
乗れってことなのだろう、俺とレン、グロール、グレン、そしてディコルが乗った。
そして、翼をばたつかせて空を飛ぶ、実際、一度でいいから鳥の気分になりたい、とかそういうひとは乗ってみてください。
はっきりいって、早いし怖い・・・・・・たしかに快適っていうのもあるかもしれないけどやたらと高度が高い
レンが少し怖がって俺の引っ付いてくるのが感じられるほどだ・・・・・・
俺は内心怖がってるが、グロール・・・・はやっぱりちょっぴり怖がってるみたい・・・
グレンとディコルは平然としている、あんたら・・・・・・いや、別にいいや・・・・・・
「んで、竜のおっちゃん、そこはどこまで行けば見えるの?もしかして、本当はわたす気ないとか?」
「いや、持っていけるものなら持っていってもいいが持てるのは情報だけだ」
「情報?」
はて?竜の宝玉でなぜ情報が手に入るのだろう?むしろ、物が手に入り情報は無理なんじゃないだろうか?
しかし、情報となればどんなにすごい情報なのか期待はできる。
まあ、いってみてのおたのしみか・・・・・・・
そして、突然、黄金竜が急降下し始め地面に着地する
「さぁ、ついたぞ」
そこはなにもへんてつのない岩場、どこからどーみても岩だらけ
「ここ?」
「何もないぞ〜?」
レンとグロールが続けていう、確かになにもない。
「ここからは俺が案内する・・・・・・」
ディコルがそういって竜の上から降りる、グレンもそれに続いて降りた。
しかし、どうやって案内するのだろう?見渡すかぎり岩だらけ。
「どこを見ている、こっちだ」
そう言ってディコルが岩に手をついた瞬間、手が岩に溶けるように入っていく
なるほど、俺が足を動かしてそちらに向かおうとしていたら、
「こいつ以外はここで待っていてくれ」
ディコルがそういった。すでに半身岩にはいってる異様な姿で・・・ってあんまり説得力が・・・
彼が俺の向かって手を伸ばす。その手を俺が掴む
「それじゃあクレス、早く戻ってきてね」
「無事戻ってこいよ、まあ、戻ってこなかったら盗賊が平和になるけどな」
「ちゃんと戻ってきますよ〜っと俺がそんなやわな奴に見えるか?」
グロールとレンがお互い顔を見合わせて――
『いや、全然』
ハモるなぁ!
そう言おうとしたが確かに自分の事については自分が良く知ってると思うけど・・・
うーん、もうちょっと考えようかな、自分の行動・・・
「行くのか?行かないのか?」
ディコルが呆れた顔をしながらそういった。
「行くって!」
彼に返事を返した、そして俺たち二人は岩場の中へ・・・って、
「にょわぁぁぁぁっ!」
「うるさいぞ、お前・・・・・・」
「いや、驚かないのがへんでしょ・・・・・・」
そう、俺達が入った瞬間・・・とゆーよりもともとそういうふうになっているのだろうか。
俺がいる場所が無限に広がる大地の真ん中にいた。
そして、近くに小さな神殿が・・・・・・
「まあ、俺も最初は驚いたからべつにいいんだが・・・・・」
「って、全然ひとのこといえないじゃないか・・・・・・」
「う・・・とりあえず、ついてこい・・・・・・」
俺はひたいに流れる汗を見逃さなかった。
面白いな・・・・・・後でいじめたおすか、
っと、そんなこと考えてる暇じゃないな、俺は先に進んでいるディコルの後についた。
石柱がところどころに建てられている神殿か、あんまし見ないなこの型は・・・・・・
こつこつと二つの足跡しか聞こえない空間・・・・・・ここに閉じ込められてたら神経が疲れて死んじゃうなぁ
そして――しばらく歩くと神殿の中心まできた。そこには緑色の光を放っている球。
けして眩しくはないが明るく太陽のように光を放っている。
「あれだ。しかし、あれは持っていけない」
「えぇ!?なんで!」
「あれはここに最初からできてるものだ。あそこから離れさせることができないしもちろん持ち出すこともできない、あれは世界ができてから共に世界をみてきたもの・・・・・・」
ふーん、またたいそうなものだな・・・・・
「じゃあ、ここにきた意味も何もないじゃん・・・・・・」
「いや、意味はある・・・・・・」
そう言ってディコルが光球に近づいた。そして、くるりとこちらを向いて
「この球に手を添えてみろ、己の進む道が知ってもいいならな・・・・・・」
――己の進む道?
「それってまさか未来が見えるなんてことじゃないでしょうね?」
「そういうことだが?」
ひょえぇぇぇ!
そんなたいそうなものだったなんて・・・・・・しかし、未来がみえるといってもそれは確信できない
ましてやそれが普通の魔道士のいってることばだったら・・・
しかし、竜族、そしてそれの親友とも呼ばれている彼が嘘をつくのだろうか?
答えはノー、消して嘘をつくような性格でもないし、それに持ち出せるはずも無い物を実際試してみれば嘘なんてすぐ分かるはず、しかし彼は持ち出せないと言った。
本気なわけだわ、彼は。
「そう、じゃあ俺の未来・・・みせてもらいましょうか」
俺は歩み、ディコルが横からみている中、光球に手を添えた。
一瞬、頭に何かがよぎった。一瞬だけど、長い未来・・・・・・
しかし、あるところで途切れている――
邪竜と戦って・・・そして、負けた――そこからである・・・・・・
何も映らない・・・何もかも・・・終わった状態だった・・・
――うーん、俺は口の下に手を当てて考え込んだ。
確かに自分が映った映像に俺が邪竜に負けていた。
ある魔法の失敗、そして敗北か・・・・・・
「どうだ?」
声の主、ディコルがきいてきた。
「さあ、自分の道にヘンなものがあればどけるし、何かあればそれをのりこえる・・・・・・自分の気に入らない未来だったらそれを捻じ曲げるだけだ」
俺は笑いながらそういった。けして偽りじゃない笑いを
ディコルはそれを聞いて少し瞳にあきれた色を見せた。

『彼を仲間に入れてほしい』
それがあの竜の希望だった。
もちろん俺はOKした、ある部分は弱いが戦力としてはかなり使える・・・
それに、今は仲間が増えてくれるのが嬉しい
俺の未来、誰も決められない!俺の未来は自分で作る!