第6章 恐るべき未来・上
―愚かな・・・何故に、自分の寿命を縮ませる・・・―
漆黒の闇がそう言った。誰・・・
そして、その場所に『俺』もいた。その闇に対立する形で・・・
何故・・・?
「俺は自分の寿命を縮ませるなんてことしてない・・・」
―馬鹿な奴だ・・・そこまで、、死を望むとは・・・―
闇が何かを吐き出した。『俺』は剣を構えて結界を張る
結界が破られそうになるギリギリで吐き出すのをやめた。
―さぁ、乞え、命乞いをしてやれば、今なら命だけは取らん・・・―
「邪竜が、、お前に命乞う奴なんていないね!」
―命知らずめ・・・逝ね!―
闇が何かを溜める・・・さっきのよりもだいぶ各が違う!
しかし『俺』は・・・両手を自分の胸にやり・・・何かを唱える・・・
小さくてよく聞き取れない、が邪竜がその詠唱を聞いて溜めるのを止めた。
―貴様ごときに!何故そのような魔術を!!―
「この世から滅びろ!!ジャ・・・・!!」
『俺』は何かを唱えた。しかし、それから俺はどうなったかは知らない・・・
「なんだったんだ・・・?今の・・・」
俺は宿屋のベットに大量の汗をかきながら起き上がった。



「んで?この後どうするの?」
グロールが言った。それはちょうど朝食が終わって外に出歩いてる時だ。
だけど、答えなんてすぐに出る
「竜の秘法とも呼ばれる宝玉を、手に入れるのさ♪竜が守ってるって言われてる宝玉!絶対凄い宝に違いない!あは〜、、早く拝みたい・・・」
俺は一人の世界に突っ走っていた。だけど、すぐに我にかえって軽く咳をする
「だけど、この先のアカート山脈に行きたいけど、その行く道が分からないんだよ
竜っていうのは一般的に知られてるけどその身体まではほとんど知られてない
それは、竜は自分達の寝床に結界を張るからだと言われてる」
俺は指を一本立てて説明する、レンとグロールとたぶんグレンはもうわかってるが一応聞いている
「確かにこの竜の宝玉って言うのはガセネタかもしれない、だけど、確めてないのにどうとも言えない
それに、これが本当だったら入る道くらい誰か知ってるはず」
「でも、誰が知ってるか、、どうやってわかるの?」
レンが俺についていきながら問う
「まぁ、ついて来て」
そして、俺達はある建物に入る、ギルド、つまり賞金稼ぎなんかがよく来る場所だ。
「つまり、ここで依頼をすればすぐに見つかるって訳だよ」
「すぐって訳でも無いと思うぞ・・・?」
「まぁいいのいいの♪」
俺はカウンターにお金を出して
「おっちゃん、依頼を頼みたいんだけど、竜の住む山脈の道案内って言うね、これが依頼料」
俺はお金を渡して言った。が・・・
「なら、俺が案内してやるよ・・・」
その言葉に振り向いた。その人物は鋭い目をしてこちらを見てくる
結構小柄っぽいが、普通の巨漢の男も倒せそうなぐらいの強さがここからでもわかる・・・
「ふぅ〜ん、じゃあ、お名前を教えてくれる?」
「俺はディコル・・・ディコル=ガルディだ・・・」
竜人は立ち上がってそう言った。


「竜人か・・・」
俺は森の中でつぶやいた。
「どうしたの・・・?クレス・・・」
隣を歩いていたレンが心配そうに言った。
「いや、竜は少数しかいない、、珍しいなってね・・・」
何故少数しかいないのかはたぶん、ほとんどの人が知ってるはずだが・・・
レンは、一応記憶喪失だ。たぶん知らないんだろう・・・あの悲劇を・・・
「何をごちゃごちゃ話してる・・・」
「何にもないさ」
俺は相槌を打った。
しかし、さっきから獣道を歩いてばかりだ・・・
「ちょっと〜、いつになったら着くの〜?」
「そう急ぐ事でもないと思うんだが・・・まぁ、もうすぐだ・・・」
今思ったが年齢と考えたら結構声が低いよなぁ・・・こいつ・・・
その対象的にレンは高いし・・・
賞金稼ぎにはちょうどいい声の高さだと思うけどね・・・まぁ関係無いけど
それに、気になるのがこいつの武器・・・
腰にも背中にもはたまた服の中(裸ではないが)にもありそうにもない・・・
服装も、それほど強い護守が誇れるほどでもないと思う・・・
まぁ、それは後で聞くか・・・
そんなことを考えてる時、そいつは言った
「着いたぞ・・・」


「うわぁ、、」
俺は言葉を失った。そこには竜、竜、竜、竜ばかりである・・・
まぁ、ドラゴンの寝床だから大体の事は予想していたがこれほど多い竜を見たのは初めてである
そして、近くを飛んでいた竜が俺達に気がついて降りてくる
「ごおぉぉぉぉっ!ぐるぅぅぅっ!」
「ごぉぉぉっ!」
竜語、とゆーか、普通の人にはただの鳴き声にしか聞こえない言葉をディコルが返す。
たぶん、俺のほかにも驚いた人はいるだろう・・・
そして、それを見たディコルが俺達にある木の実を渡した。
それを食べろと言ってまたドラゴンに向き合って何か言っている
「じゃあ証明してみよ・・・」
「わかった・・・」
木の実を食べて最後の部分しか聞こえなかったがディコルが説明してくれた。
「竜の宝玉はそう簡単に渡せないし、そこから動かす事も出来ない・・・
だが、その宝玉はその人の未来を見せてくれる代物だ・・・簡単に見せるわけにも行かない・・・」
「それで」っと俺は聞いた。
「俺と戦って勝ったら見せてやろう・・・と・・・」
「俺とって・・・ディコルさんと・・・?」
レンがそう言った。ディコルは頷いて虚空を手で切った。
そうしたら、異様な形をした剣が出てきた・・・
「な、、」
それから、ディコルとの戦いが始まった。