フェンリルに向かってテットが拳を振るう、フェンリルは難なくかわす、、、が、、、
かわし終えた場所にレンがすでに光の剣で攻撃を仕掛けていた。
だが、それにもフェンリルは簡単にかわす。
フェンリルはレンに向けて真空の刃を飛ばす、レンは寸前のところでそれをかわした。
少し頬に傷が出来たが、レンはそれを回復呪文で治す
「どうした？もっとちゃんとかかって来いよ！」
フェンリルは思いっきり遊んでいた。レンとテットが必死に戦っているのにである・・・
フェンリルにとって人は玩具みたいな物だ。
そして、シオンがテットの近くにいきなり現れた。手には傷が完全に塞がったコウを持って
「コウ！大丈夫！」
テットはコウをシオンから取った。そして、シオンが言った・・・・
「お前は危険すぎる！白竜と共に安全な場所へ行け！」
「でも・・・・」
「早く行け！！」
シオンはテットを大声で追い返した。テットは吃驚しながらコウを持って氷の町を走っていく
レンとシオンはその後姿を見送ってフェンリルの方へ向きなおした。
「お～、、今度は兄弟で攻撃かな？俺様に当たるかねぇ！」
相変わらず邪悪な笑みを浮かべるフェンリル、シオンは持っている剣を構えてなにやらつぶやく
「我、神に願わん、我が剣の力を解放せよ！」
その詠唱っぽい言葉をつぶやくと剣が光だし、形を変える・・・・
レンが隣でそれを吃驚しながら見る、そして、フェンリルの方を見て呪文を詠唱し始める
「風の精霊よ、汝の風の力もて、我が敵に極限の嵐を！喰らえ！エアロブラスト！！」
フェンリルに向かって真空の嵐を巻き起こさせる、真空の刃がフェンリルの近くの地面に傷跡を残す
が、、、、
「これだけか？少し効いたが、、、それで俺様を倒そうなんて・・・甘い！」
フェンリルが消えていきなり数10人近く分身してレンとシオンの周りを囲む
そして、フェンリル１０人近くが邪悪な笑みを浮かべてこう言った。
「エイリクス流、空絶殺劇襲！」
１０人が一斉に消えて、レンとシオンの間地かで姿をあらわす。そして、一人がレンに爪攻撃を喰らわし
そして、もう３人がレンに蹴りを飛ばす。レンは一人の攻撃を受け止めただけで３人の蹴り攻撃を防ぎきれず
レンは近くの建物に向かって吹っ飛んだ。
そして、フェンリルはシオンに向かって残りの６人で爪攻撃をするが・・・
「神剣守護陣！」
シオンは変化した剣を地面に向かって構え精神を集中させている、、、それと同時に剣の先から光が漏れ
地面に降り注ぎ大きな円陣の形をして青い光を放っている
そして、フェンリルはそれを気にせず爪で攻撃をしているが、その円陣部分に入った瞬間、フェンリルの手が消えた。
「うわ！！ちぃ！」
フェンリル６人は同じ事を言いながら後ろへ大きく下がった。
そして、分身であった９人が一気に消えた。フェンリルが自分の手を見ると瞬時に手が修復された。
「ふぅ、、あぶねえあぶねえ、そのまま入ってたら本当に消滅するところだったぜ・・・」
シオンは一瞬消えて、レンが飛んでいった方向にある建物に現れた。
レンは気絶しているものの致命傷ではない・・・が、今は氷の町、この状態でいると危ない
そう考えたんだろう、レンに向かって何かを唱えるとレンは光を放ち消えた。
「ふぅ、、レギュラーほぼ全滅ってか・・・？」
フェンリルは邪悪な笑みを浮かべながらシオンを嘲笑った。
シオンはフェンリルの方へ向き直って剣を構える、フェンリルも自分の爪を構えた。
そして、二人とも消えた。が、地面や建物に刃の跡が所々に現れる
空間内での戦い・・・だが、レインとガルムはそれを眺めているだけで何も仕掛けない
たまにシオンとフェンリルの姿が見えるがすぐに姿が消えまた所々に刃の跡が出来る・・・
「やれやれ、、、これじゃあ全く終わりませんね♪」
レインは溜息交じりで言った。だが、ガルムはそれを無言で受け取る・・・
「あなたも少しは喋ったらどうです？」
だが、ガルムは無言でシオンとフェンリルの戦いを見ている
「ふぅ、物好きですね～♪」
レインも諦めたようにその戦いを見る、普通の人なら何をやっているのか見えない戦い・・・
だが、レインとガルムは魔族だから見えるんだろう・・・空間の中で戦っている二人の姿を
そして、シオンとフェンリルが向き合ったままの状態でまた姿をあらわした。
シオンの肩に着いていたショルダー・ガードが片方壊れかけていた。
フェンリルの方は足の方に傷のようなものが出来ていた。
「・・・・まだか・・・」
「神官さんもしぶといねぇ～！」
フェンリルはまた嘲笑うように言った。シオンはそれを微動だにせず聞いている
また、消えて戦うと思う人が多いだろう・・・だが、
「炎の精霊よ！我が意に従い！汝の業火で敵を焼き尽くせ！我が名はリゼル！！」
遠くからそう聞こえた。赤い星の形が生まれその中からサラマンダ-が現れる
サラマンダーはフェンリルに炎の嵐、炎の剣、炎の雷を喰らわした。
「ぐおおぉぉぉぉぉ！！」
フェンリルは大声を上げた。炎が消えるとフェンリルは苦しみながら立っていた。
「何故だ・・・こいつは、炎の精霊の力が宿っているはず・・・何故、、、！！」
「クレスさん！」
テイサーが叫んだ瞬間フェンリルが揺れた。フェンリルは苦しそうに頭を抑える
「黙れ黙れ黙れ！クレスはいねぇんだよ！」
「クレスさん！聞こえますか！！」
フェンリルがまた揺れた。フェンリルの魂が・・・・・・俺の魂が今出かかっているんだ・・・
フェンリルは頭を抑えながら地面に倒れる、、、
「ぐううぅぅぅあああああぁぁぁぁぁ！！！」
その叫び声と共に・・・フェンリルの静かになった。シオンは何かわかったのだろう、剣を元の形に戻して虚空へ消した。
テイサーとリゼルは心配そうにフェンリルの近くまで行く
「これは、、、困りましたね～、、、」
レインが困ってないような顔で言う、、、ガルムは無言のままだ。
そして、フェンリルが立ち上がった。が、髪と瞳の色が赤色に変化して・・・
「ふぅ、、、助かった・・・」
俺がそうつぶやいた。近くにテイサーとリゼルがいたのを確認してテイサーとリゼルを撫でる
「ありがとな、、、助けてくれて・・・」
照れ笑をしながら言った、、、まわりに今まで通りの夜が生まれる・・・
吹雪が止んで、氷の町と化した町は普段の町並みに戻った。
「さてと、、、僕たちもそろそろ退散しましょうか♪ガルムさん♪」
「・・・・・そうだな・・・」
その言葉を交わしてレインとガルムは消えた。そして、その後を追うようにシオンが消えかかったが・・・
「待ってくれ！」
俺が止めた。シオンはその言葉を聞きもとの戻った。
「俺がフェンリルの状態になってたときにお前、、、レンの兄なんだってな・・・？ちゃんとレンに会ってくれないか？」
「・・・すまない、俺は一度死んだ身、それに・・・・神が与えてくれた使命だ。」
そう言ってシオンは俺達の前から姿を消した。港町の大騒動は・・・こうして幕を閉じた。

「当たり前といっちゃあ当たり前なんだよな・・・」
俺は溜息まじりでその言葉を発した。俺は今、船の上だ。
自分の所持金をはたいて買った船・・・そう、あの町から厄介払いされたのだ。
だが、海を越えなければ次の大陸に行けない・・・だから俺は船を買ってその街を出たのだ。
船旅なんて・・・久しぶりだな・・・俺は心の中でそうつぶやきながら出て行った町を、大陸を眺めた・・・
「クレス～？どうしたの～？」
「ん、、、なんにもないよ・・・」
レンが船縁にいる俺に声をかけた。そして、俺の隣に来て心配そうに訊いてきたのだ。
白い毛並みの犬族の子・・・俺はそいつを思ってそいつは俺を思ってくれる・・・
嬉しい事だ・・・俺はまた船の外を眺めた・・・
一応、船旅は俺とレンとテットとコウとエルが出た。リゼルとテイサーは共に旅に出た。
一旦聖都市に帰るって言ってたからたぶん、そっちに向かったんだろう・・・
ルジア達は他のところに旅に出た・・・ってあいつ等は良いや別に・・・
「わ～！エル～！避けて！！」
なにかテットが騒がしい声をあげる・・・俺は船の先端を見た・・・って
「うわあああぁぁぁ！！避けろーー！！」
船が進んでいる先に大きな岩山があった。エルが大きく面舵を取った。
「よし！クレス～、漁やろ漁♪」
エルが沖で船を停めて言った。すでに片手に網を持ちながら・・・
「よし！マグロ捕まえるぞ！マグロ！」
「マグロって一本釣りじゃあ？」
「わ～い♪マグロマグロ♪」
「しぎゃぎゃ～♪」
俺の提案にレンがつっこんでテットとコウは嬉しそうに言う
楽しい船旅になりそうだ・・・
俺は心の中で苦笑した・・・