第4章 賢者現る!
「ファイヤーボール!!」
ドゴオオオオォォォォン!
爆発音が森に響き渡った。
今はなった火球は魔物に向けてはなったものだ。
俺があるところに行く途中であったんだが、雑魚だったようだ。
「一丁あがり♪」
「あいつの魔法すごいなぁ・・・」
「すごいですよね♪」
グロールとレンが遠くから俺を見て一言ずつコメントを言った。
実際自慢じゃないが、俺は精霊魔法、黒魔術、光魔術と言った数々の魔法をマスターしている
これもそれもみんなあの人のおかげなんだが…それはあえて言わない
「よし!目的の場所までもうすぐだ!」
俺は勢い良くして言った。
更に森の奥へと向かう、今から向かう場所は文献で調べた場所なんだが……
ある魔導師が閉じこもったまま出て来なくなった場所だ。
ある研究をしていてそれを世に出す事無く洞窟の中で息絶えたそうだ。
だが、それを簡単に渡すまいと洞窟の中には罠が仕掛けられており、
それを取りに行くのはほとんど不可能と思われた。
しかーし!俺が取りに行けばたぶんであるが取れる確率はある!
とりあえず、俺には取れる確信があるのである
「ここだね……?」
「まぁ、そうだろうな……」
俺達が見つけた場所は崖にぽっかり穴が開いたような洞窟だった。
これじゃあいつ落盤するかわからないな……
「じゃあ、張り切っていきますか♪」
俺達は呪文を唱えながら洞窟内に入った。
後ろに潜む気配を感じずに……
中に入った洞窟は保温性が高い土で覆っていた。
これなら研究も寒くもないし暑くもなく出来るというわけか……
そして、俺はぼそぼそと唱えていた呪文を解き放つ
「トラップガード!」
『???』
二人はよくわからないような顔をしていたがこの魔法は俺のオリジナル魔法
罠が作動するのは面倒って事で必死に組み合わせた魔法だ。
俺達の周りに薄暗い結界が張られた。
「じゃあ走るぞ!」
「ちょっと待てよ!」
グロールの静止を聞かずに俺とレンは洞窟の奥へ走っていった。
多分ところどころに罠があったんだろうけど発動しなかった。
「どう言う事だ?」
洞窟のおくまで走った後グロールが聞いた。
「つまり、罠って言うのは物理的な衝撃を与えると発動したりするでしょ?
だから、俺達を物理状態じゃなくせばいいって事、口では簡単に言うけどこれって結構難しいんだよ♪」
「そうなんだ・・・」
「さてと・・・ここが最後みたいだしね、さっさと頂くもの……」
「ちょ、、ちょっと待て!!」
洞窟の出口の方から声が聞こえた。
野盗の群れだった。でも、ボロボロずたずたの奴が多い
「俺たちが先に目をつけてたものだ!だから俺たちのものだ!」
「それはどうでも良いけど、手に入れたもの勝ちじゃないの?普通は」
「ええい!うるせえ!」
「じゃあ、グロール!ここはよろしく!」
「ええ!!」
と言いつつもグロールはちゃっかり剣を抜いていたりする
俺とレンは扉の前に立って扉を見た。
「魔法がかかってるみたいね・・・これは……」
古代文字が扉に描かれてた。
大体の古代文字なら解読が出来る、それにこの文字は魔法結界がかかってる
えっとぉ、これは、、、
「火の精霊サラマンダー、水の精霊ウィンディーネ、
汝ら全ての力もて、我に集き、力とかせ
スプリッツソング!」
俺は扉の文字に向かって火の力と水の力を放った。
魔法は扉の文字に吸い込まれ、文字がだんだん薄くなっていく
つまり、これは魔法を発動させて解除する魔法結界だったんだ。
指定された属性をこの扉に浴びせれば文字が消え、結界も消える
魔道師か、それぐらいの知識を持ったものしかたぶんこの扉は解けないだろう
扉が大きな音を立てて開かれた。
まぁ、ここら辺は良くある話だけど、、、
「レン、ついてきて……」
「うん…」
後ろにいるレンに言って、俺は部屋の中に入った。
中はドーム上になっており、そこらじゅうの壁にさっきと違う古代文字が描かれていた。
だけど、この部屋内では全て同じ文字だ。
「ふぅん、、、」
俺は真ん中にある柱を見た、鍵穴がちゃんとあり、柱をよく見るとへこみがある
開ければ手に入るだろうけど……あ、そうだ。
俺は何かを思ってグロール達がいる場所に向かった。
そこにはグロールと御頭らしい奴しかいなかった。
「盗賊さん!」
『!!!盗賊さん!?』
俺の言葉にグロールとレンとその盗賊まで驚愕の声を上げた。
ちょっと待てこら、俺が言ったら可笑しいのか!
とりあえず、演技だからそう言う衝動は押さえて……
「もう、俺にはこの宝は手に入れる事は出来ない……たからは盗賊さんに上げる!」
まぁ、これも演技なんだけど、ちなみにグロールは俺を違うものを見るような目で見ている
んな目で見るな…
「へっ、そ、そうするか、じゃあもらってくぜ」
盗賊はグロールと刃を止め、鞘へしまうと部屋の中に入っていった。
「なんだってあの盗賊にあげちまうんだよ!」
「考えがあるの、まぁ、しばらくすれば分かるよ」
「?」
そんな会話をしていた間もなく電撃の炸裂音が聞こえ悲鳴も聞こえた。
「……………」
グロールがじ〜っと俺を見る
「いいじゃん、お宝も手に入って、悪人も倒して一石二鳥だし」
そう言って俺は部屋の中へ入った。
さっきとはうってかわり部屋のあちこちに焦げた跡があり
近くには黒焦げになってる人がいた。
「まぁ、簡単に言うとこれが最後の罠なんだよ、鍵を開けると同時に発動する罠
だから俺は盗賊に鍵を開けさせ後から宝を手に入れるってこと
宝の扉の方は罠が発動したと同時にゆっくりと閉まり始めるけど盗賊が罠にはまってからでも遅くないし
だから、俺が手を出さずに倒す方法がこれだったわけだよ♪」
「へぇ〜、クレスってすごいね♪」
俺の説明を聞いてレンが褒めた。
「そうだろ♪っと、さっさと宝を手に入れないと………」
俺はまだ充分時間があるが閉まりそうになってる扉の奥にある宝を手に取った…
手にあたる感触が二つありとりあえず、両方取っておいた。
片方は、文献でも見たラックという魔力増幅器
片方は、青く透き通った石
「なんだこれは?」
「わ〜♪綺麗♪」
レンが石を見て目をキラキラさせながらその石を手にとって見た。
「なんだろう?文献にもこんなのなかったし……」
「いいじゃないか、とりあえず手に入ったんだ。帰ろうぜ」
「そうだな、じゃあ、その石はレンが持って手くれないか?」
レンが元気よく頷く
そして、俺はお宝と盗賊たちを捕まえたという礼金を役人から貰った。


「ふむ、やっぱりこの増幅器、結構役に立つかもね♪」
俺はラックを見てそう呟いた。
あの後、その街の宿に泊まることにした。
「そうなの?でも、どうやって使うの?」
「ラックを持ってそのまま魔法を唱えるだけで勝手に増幅されるしくみなんだ。」
「そうなんだ♪」
レンがにこにこしながら紅茶を飲む
そう言えば、レンは紅茶とかが好きらしいけど、何処で知ったんだろうなぁ…
「お?クレス、それ食べないなら貰うぞ♪」
「あ!俺のソーセージ!!このやろ〜〜!」
グロールが俺の皿にフォークを伸ばして俺の皿からソーセージを取っていく
俺は仕返しと言わないばかりにグロールの皿に乗っている唐揚げを2、3個取っていく
「あ!俺の唐揚げ!クレス!お前食べないと思ったから俺は取ったんだぞ!」
「そんなことが通じると思ってるの!それに俺はいらないなんて一言もいってないじゃん!」
「だからって3個も取るか!俺だって!」
グロールがまだ俺の皿に向かってフォークを伸ばす
あ!その皿にはステーキが!
俺はナイフでフォークの進路を止める
グロールが今度は片方のナイフを伸ばす
「あの〜、、、」
「グロール!やめろっての!俺のステーキだぞ!」
「お前が多く取ったからだろ!だから俺も取る!」
「すいません〜、、、」
「だからって俺の豪華なステーキを取る必要ないじゃんか!」
「それを取らないとお前はまた俺のところから多く取る!」
俺とグロールの食べ物争奪戦をのんびりと見守るレン…
「あの〜、、、」
「ん?」
「もらった!!」
俺が余所見をした瞬間、グロールが俺の皿からステーキを取っていく
「あああぁぁぁ!!俺のステーキがぁ!!」
俺は声を書けた人物を、きっ、と見て
「お前の所為でステーキを取られたじゃないか!!」
「す、、すいません、じゃあ俺が代金を払うんでそれでいいですか?」
俺はちょっと考えて、指を立てていった。
「ここの代金を全ておごってくれるなら♪」
「はぁ、じゃあおごりますよ」
「よっしゃ!定食ABCそれぞれ2人前ね〜!」
「あ、俺も!」
「それで、話があるんでしょ?」
「あ、、やっぱり分かります?」
その人物は頭を掻いて言った。
ちょっと小柄な虎、まぁ、めちゃくちゃ小さいってことじゃないけど虎の中では小さいだろう
赤い法衣と白いマントを着けて片手に何個もの宝玉をつけた杖を持っている
「実はあなた方が賢者の石を手に入れたって聞いたのでお願いに来たんです」
「賢者の石!?」
俺は驚愕の声を上げる、賢者の石、世界最大の魔法増幅装置
魔力をとことん増幅し、強化する魔導師なら誰だって一度は拝んでみたいものである
「んで、その賢者の石ってどこにあるの?」
「えっと、あなた方が持ってるって聞いたんですけど……青い綺麗な石を」
「これの事?」
レンが青い石をバックから取り出す、虎はその石を見て頷いた。
「これが!賢者の石、、、」
「そう、では、その石を貸していただけないでしょうか?」
「何言ってるんだよ、これは邪竜を倒すために使う……」
虎ははっと驚き、真顔で聞いた。
「本当に貴方達が倒そうとしてるんでしょうか?」
「まぁ、信じる信じないはお前の勝手だけど、知ったからにはこれを使って邪竜を倒す」
「ふむ、、、」
虎が額に手をやって考える、そして、口を開いた。
「なら、これから貴方たちに着いて行きます。俺の同じような事をしようと考えたですし」
「いいけど、その前にあんたは一体なんて言うんだ?」
虎がはっとなって小さくお辞儀をした
「申し送れました、俺はグレン=インシール、賢者の一人ですよ」
「!!!、そ、、あんたがグレンなんだ……俺はクレスだ、よろしく……」
「よろしく、、詳しい自己紹介とかこの後にしましょう……」
俺は頷いて部屋に戻っていくグレンを見た。