第39章 雪の町に魔狼現る!
「よかった♪クレスさんがいい人で〜♪」
結局、館まで行ったにもかかわらずレインはついてきた。
俺もいろいろ話したい事があるから一応、借りている部屋に向かった。
レインはなんか言っているが無視、俺は部屋のノブに手をかけて、、、止まった。
「? どうしたんです?」
「あ、、、その、、、ちょっとレイン待ってて♪」
俺は入った。だが、俺の思っていた光景は無かった。
「あれ?クレス〜、どうしたの?」
「やっほ〜♪」
レンとテットとコウとテイサーがカードで遊んでいた。
俺はほっとしてドアをあけてレインを入れた。
『あ、、、、、』
俺とレイン以外の全員の声がはもった。え?
「レイン、、、じゃん、、、どうしたの?」
「いや〜♪ちょっとクレスさん依頼みたいなことしたんで着いてきたんです♪」
「依頼って〜?」
「それは秘密です♪教えれません♪」
「え〜!教えてよ〜!!」
なんか、、、、わきあいあいなんですけど・・・・
「知ってるの?レインの事?」
「知ってるよ、えっと、前に話したけど、過去に行ったときに手伝ってくれた人」
「ふ〜ん、、、、、何で過去なんてこと知ってるんだ?」
俺は視線をレインにかえて聞いた見たけど、、、、まさかね、、、
『秘密です♪』
ほらやっぱり、、、、レインの言ったことを俺も言った
「あ、、、」
「予想通りかーーー!!!」
俺はレインに向かった勢い良くスリッパを投げた。
俺の投げたスリッパは見事、レインの顔面に当たったことを記しておく・・・



「ま、、、、ま、、、魔族ーーーーー!!!!!」
俺は説明を聞いて絶叫を上げていた。
知らなかったのだ。レインが魔族、一体どこまでの魔族なのだか分からないけど・・・
たぶんレインは俗に言う「純魔族」とか言う奴だろう・・・たぶん・・・
魔族に関しての資料とかは無いんだが普通の人が魔族と聞いたらデーモン系、それでも人を殺すことはたやすいが・・・
それを上回る者が「純魔族」と、、、、少なくとも世間一般ではそう呼ばれている
そして、、、、それが今目の前にいるのだ・・・ってあんまり迫力ないなぁ・・・・
「大きな声出さないで下さいよ〜、あ〜、、、耳が痛い・・・・」
「あ、ごめんごめん・・・」
「やっぱ驚くよね、最初は、、、、」
レインはまだ耳を押さえている・・・・ちょっと落ち着いたか?
「でも、普通に人だったら余計驚きますよね?」
「俺はいいほうってか?」
レインはよくなったらしく、耳から手を離した
「とりあえず、依頼の方なんですけど・・・・」
「絶対お断りします!!!」
当たり前だろう・・・・俺は内心つぶやいた・・・・
「というかそれは全然依頼じゃない!それに、俺は危険にさらすことはしない」
「そうですか、、、まぁ、とりあえず、諦めますけどね・・・」
「? 何の話?」
「う〜ん、、、、実はね・・・・」
その時、ドアを叩く人がいた。エルかリゼル・・・たぶんそこら辺かと思うけど・・・・
俺は立ち上がりドアを開いた。そこには予想通り、エルがいた。
「どうした?エル?」
「いや・・・・さっき、魔族とか・・・・大声で聞こえたんだが・・・?」
「それって僕の事ですか?」
エルはレインを見て溜息をついて部屋の中に入った。
たぶん、魔族じゃないだろうとかあきれてるんだろう・・・
、、、本気で知ったら、、、どうなるだろう・・・?
「な〜んだ・・・・」
ほら、あきれてた・・・・・
「とりあえず、クレスさん?なら今日あなたがその首飾りを外さなかったら、、もしくは、お分かりですよね?そうならなかったら金貨で100枚あげましょう♪」
「う〜ん、、、、なら1000枚で依頼を引き受けるよ♪あまり依頼みたいじゃないみたいだけどね・・・・」
これで俺に依頼するなんて事は・・・・・。確かにうまい話だ。普通の生活をしているだけで100枚ときた。
だけど、普通に依頼をしてレインがどう動くか分からない、しかも魔族だ。空間移動、色々御手のもののはずだ。
「!!いや〜、1000枚ですか〜♪わかりました♪」
引き受けたよ、、、、
え!?引き受ける!?
「ちょっと待って!?」
「ん?もしかして引き受けないんですか〜♪」
レインが嫌な笑みを浮かべる・・・・、よ〜し、そっちがそうなら・・・・
俺は手を前に出した。レインはわからないらしくそのまま手を見ている
「前金、1000枚だから500枚のはずだよね?」
「それじゃあ、前金として・・・・・はい♪500枚です♪後は自分で確かめてみてください♪」
「え、、、!?」
その後、レインは凍り付いている俺とレン達を残して消えた。
俺の手には500枚はある重さをもった袋を持っていた。



「あ〜、、、憂鬱〜・・・・」
俺はあのあと数分凍りついて、レンによってその氷から抜け出せた。
レインはいっこうに現れない・・・・まぁ楽な依頼・・・・いや、ゲームである・・・
大体の人は分かっているだろう・・・・これはレインにとっては遊び程度のゲームだと
もし分からない人は考えてもみて欲しい、魔族レインが現れる、ペンダントの秘密を知っている
だけど、レインはそんなことしなかった。そして、それを依頼に今日はペンダントをはずさないで下さいって言っている
これをゲームと言わず何と言う・・・・
ま、そのレインが今まで全然襲撃みたいな行動はとっていない
俺は暇になって夕食をとることにした。まだ夕日が出ている、もうすぐ落ちるな・・・・
そんなことを考えながら俺はレン達を呼んで飲食店に向かった。
飲食店はちょうど人がいる時間だった。でも二つか三つぐらいテーブル開いている
俺達は適当にテーブルについた。ウェイトレスの人がこっちに近づいてくる
やっぱりどこと同じにご注文を聞いてきた。
「俺はここの上手い料理を上から10個、それと、スフレを・・・一応、5個ください」
俺の注文にウェイトレルの鉛筆がカリカリ動く、それぞれレン達も注文を済ませる
窓を眺めた。外側にあるテーブルだったから普通に外をみた。
雪が降っている・・・・夕日が見えて雪が降っている・・・?
ちょっと、不自然な天気に俺は目を背けた。理由はさっき注文したばっかの料理がもう来たからだ。



「つまりだ、もうすぐ今日が終わるから・・・・・・・それで依頼は終了って事だ♪」
俺は食事をしながらレン達に色々話した。魔族と聞いてエルとリゼルは驚いた。
エルはあの時は面白半分で言っているんだろうと思ったんだろう
リゼルは図書館から出たばっかだから魔族と契約したといったら驚いた。
俺は口にグラタンを一口入れてまた喋る
「レインが攻めて来るかと思ったけど全然攻めてこないってことは何かあるんだと思う、エル以外はわかんないと思うけど、油断しないようにしなきゃならなくなったんだ・・・・」
また口の中にグラタンをパクッと、、、、
「じゃあクレスは〜、どうするの〜?」
「しぎゃ〜?」
テットとコウが同時に聞いてくる、一応コウの言っていることも分かるけどテットと同じ意味だ。
俺は、口にある肉を舌で遊んでから噛んで飲み込んだ。
「油断しないようにするよ♪まぁ〜、テット達に迷惑はかけないから♪」
「でもなんでクレスのペンダントをはずそうとしているの〜?」
「それは、、、、詳しく言えない・・・・」
「およ?」
テットは口にケチャップをつけながら疑問の顔をこちらに向ける・・・
隣に座っているレンがそれを拭く
こっちから見るとレンとテット、兄弟みたいだな〜、、、
っとそんなことを考えながら揚げたてのから揚げを口の中に入れる・・・
「とりあえず、俺はこのペンダントをはずさないよ、、、、、」
口の中にあるから揚げを飲み込んで・・・
「一生ね・・・・・・」
小声でそうつぶやいた・・・・
誰もそのつぶやきに気がつかなかった・・・・



「えっと、はい、10枚」
「・・・・・ありがとうございました〜♪」
食事を終えて料金を払った。そのまま外に出ようとする・・・外は雪で積もっているようだ。
先にテットやレンが出て行った。そして、ちょっとしたらレンがまた入ってきた。
「クレス〜、月が青いよ〜♪綺麗だから来て〜」
「青い?」
レンが俺の手を引っ張る、外は肌が刺すような冷たい空気がただよっている。
テットやコウが空を見ている、俺の後にエルとリゼルも出てきてみんな空を見上げる
俺も空を見てみた。星があり、そして、青い満月があった。その時
「ぐ、、がああぁぁぁぁぁ!!!」
剣で全身を刺されたような激痛が俺の体に走り俺は地面にひざまずいた。
血が冷たくなり、死ぬのかと思うくらい冷たかった。
「クレス!?」
レンが異変に気づいた。俺の声に飲食店にいる客たちも出てくる
俺に与える激痛は今だに続いた。そして、俺の中に何かが沸き起こった。
それはすぐに分かった。俺の中に封印されている・・・・魔族・・・・
「やばい!?レン離れろ!!」
エルが俺の近くにいるレンに向かって叫ぶ、レンはそれを無視する・・・
「レン・・・・はな・・・れ・・ろ・・・・が!ぐうぅ!!」
激痛で叫び声しか出ない状態でどうにかレンに離れることを告げた。
「嫌だ!クレス!どうしたの!?」
でもレンは離れない・・・それを見てエルがレンに近づいて抱えて離れる
レンが嫌がりながらもエルに抱えながら離れているテットとリゼルとテイサーの所に行く
俺の中に行動を開始した魔族が体全体に侵食し始める、自分の体が言う事を聞かなくなり
完全にその魔族に体を乗っ取られた・・・
そして、変化が始まった。体全体の毛の色がグレーに近い色に変わり
瞳や髪の色は金色に変化する、、、変化が終わったと共に俺についている首飾りが切れて外れた。
「クレ・・・ス・・・?」
レンが絶句をしながら俺を見る・・・・いや、魔族を見る
この時からすでに俺は気を失っている状態になった。そして、今はこの魔族が俺を動かす
「ふ、、くくくく、、、はっはっはっは!!」
魔族が笑い出した。町に人達はいつの間にかいなくなっている、魔族とレン達しかいない
レンが前へ出て魔族に近づく。
「フェンリル・・・!!」