第36話 クレス対レン!
鉄球に潰された俺はすぐとは言わないが救出された。
普通の奴だったら死んでるぞ!マジで!
「ツ!」
「すまんな〜、セットルが、、、」
「俺のせいか、、とりあえず、大丈夫か?」
「あ〜ルジアの仲間ね、、、俺クレスだ」
俺は腰を押さえながら立ち自己紹介をした。
セットルは魔導師ルックに後ろには大きく重そうな槍を背負っている、、、そこへ、、、
変な挑発をしている弓を持った人がいる、どこをどう思えばいいのだろう?
「!!!!」
ルジアは変なポーズをしている誰かをヘッドロックを仕掛けた。
てか、何しているのだろう?そして、ヘッドロックからルジアはそいつに乗っかった
「痛い痛い!ギブギブ!!」
あいつの体重でのったら潰されるだろうなぁ〜、と思いながら、俺はルジアをその人物から離した。
その人物はさっき言ったとおり弓を持ち、肩にシェルターガードがしてある
たぶん、ルジアの知り合いだろう、、、、
「で?誰?」
「あ、モールド、、、弓矢の名手ってとこかな、最近よく俺を挑発してくるんだ、、、しかもすぐ謝るのに懲りないし、、、だから、あれが普通になっちゃったんだ」
「ふ〜ん、でも弓矢の名手って言うのは始めてみたな、、、どんなのでも当てるのか?」
「う〜ん狙いより、、、技術かな?」
「どう違うんだよ!」
「まぁいいじゃないか」
俺が懐のスリッパで突っ込もうとしたらエルが止めた。って酔ってる!
「お前!エル!朝から酒か!?、、、もしかして?レンにも?」
「僕はここに要るよ」
俺の後ろの方で声がした。あいかわらず紅茶を飲んで優雅に過ごしているレンがいた。
俺はレンの顔にある変化に気づいた、、、、顔赤くなっとるぞ!
「レン!ストップ!」
俺はレンの飲んでいる紅茶をとりあげた。レンがそれを取り返そうとする
ルジアが騒ぐ、、、、とくれば、、、、店主に怒られる、、、、



結局、店主に怒られた。ちょっと最悪
俺達は部屋に戻った。ルジア達は依頼を進めるらしくどこかへいってしまった。
「ワーウルフの処理?」
俺は全員に今回の依頼内容を言った。最初に不満の声をあげたのはレンだった。
「ワーウルフって、、、でも、僕たちと同じ種族なんでしょ?」
「だけどな、ワーウルフに噛まれた者は理性を失って変ってしまうんだよ、、、だから俺は引き受けたんだ、、、別にワーウルフに恨み、妬みがあるわけでは無いけど、、、これ以上被害を増やさない為だ」
ワーウルフ、また説明するけど噛まれて理性を失った物は多々、失わなかった者は少しいたがほとんどが理性を失っている、元々、俺達獣人族は魔族の仲間だった。むしろ、一番下というべきか、、、、
魔王って言うのは大げさだけど高等魔族だったら、ぽこぽこぽこぽこ俺達みたいなのを作ってしまう
しかし、その魔族から生まれた者の中でも理性を失わなかった者もいた。それが俺達の先祖
数千数万年くらいの先祖だけど、、、
「でも、俺達の依頼内容はワーウルフを退治、または追放、、、それのどっちかを成功させれば依頼成立するんだ。仲間と同然の種族だけどしょうがない事だよ、、、、」
レンは少し黙った。やっぱり同種族の者は倒しにくいか、、、、
エルも同意したようだ、、、、むろんエルだけだ。テイサーもリゼルもテットもレンと同じ状況だ。
「いやだったら無理すること無いよ、俺とエルだけでどうにかしてみるから、、、、うん♪元気出して!じゃあ行ってくる」
俺とエルは部屋を出た。流石にワーウルフ退治は抵抗があったか、、、
宿屋を出て、街の外へと出て行った。
流石に森の中はあるきづらい、、、だが、目的の者はすぐ出てきた。
「2匹か、、、まぁ頑張るか、、、」
エルはなんか自分の腕に筒みたいな物をつけると
シャキン、、、
その筒の外側から1m近くの刃が出てきた。いつの間にそんな物を手に入れたんだろう?
そんな事はさておいてワーウルフが俺達に向かって地を蹴った。
一応、ワーウルフにも魔法は効くが、、、そんなにたいしたダメージは求められない
剣術でいくか、、、俺はさやからオリハルコンの剣を出し構えた。
すぐ近くまでワーウルフは来ていた。早い!俺はどうにか剣でかわし間をあけた。
剣で受け流しても少し手が痛む、、、、
エルはしっかりともう一人のワーウルフと戦っている
俺はとりあえず魔法を剣に唱えた。ワーウルフが再度俺に向かって地を蹴った、、だが、俺の術は既に完成している
「熊虎雷斬!!」
俺の剣から雷が出て、それが熊と虎のような爪跡が剣圧となって放たれた。
ワーウルフの体に6つの傷が出来た。よし!次!だがワーウルフは傷の痛みが無いような足取りで俺に向かってくる!何!?
俺は剣でまた受け流そうとした。それがとことん甘い考えだとわかった。
俺の剣は1つ、ワーウルフの爪は2つ、、、俺は1つの剣で片方は防げたけどもう片方が俺を襲う
「うがぁ、、、!!!」
俺は少し悲鳴を上げた、そして、ワーウルフに向かって剣を振るがワーウルフは既にいなかった。
傷がついたのはよりによって右腕、、、すこし、動かすと痛い、、、、
「ヒール!」
俺は右腕に手をかざしヒールを唱えて回復しようとしたがワーウルフはそんな事を許さなかった。
ヒールを唱えた瞬間、俺に向かって走っている、
「くっ、、、」
俺は寸前で爪を交わしたが少し当たったようだ。服が切れている、、、、
俺はエルを見てみるが流石に苦戦している、、、救援は来ないか、、、
「獅子奮迅!!」
俺は体当たりのように左肩を盾にしてワーウルフに体当たりと同時に掌底破を食らわした。
手を相手の胸において勢い良く押すような感じだと思ってくれ
掌底破を食らったワーウルフは見事に吹き飛んで近くの木にめり込んだ。
再度、俺は回復に専念した。左肩を盾にしたおかげで両肩軽傷だ。
「ぐるるるるるぅぅぅぅ!!」
思ったより早くワーウルフは復活した。まだ回復してないのに!
俺の目の前にワーウルフの爪が飛ぶ、、、かわそうとしてももう間に合わない!!その時!
「クレス!大丈夫か?」
突然エルがワーウルフを吹き飛ばした。どうやらエルの方は終わっているようだ。
「ちょっと油断しただけだから、、、、」
「油断もほどほどにな、、、結構お前、油断すると弱いんだから、、、」
「そうしとくよ、、、よし、、、でも、2匹だけでこんだけ時間かかるとは思わなかったよ」
俺は自分の方の治療を終えた。エルのほうもどうやら無傷とまでは行かなかった。
「でも、俺たちと最初あったときは5匹くらい一気に襲ってきたのに、、、なんか、、、、嫌な予感がする、、」
「、、、、俺もだ、、、戻ったほうが良い!」
俺達は町へ戻った。なんか胸騒ぎがする!



予想通り、街はワーウルフに襲われていた、、、ざっと10匹、、、気絶しそうなくらいだ。
だが、噛まれたという人はまだいないようだ。でも実際、ここにいるのが全部という訳ではないだろう、、
俺は呪文を唱え始めた。さっきは通りが狭くて敵が近かったから放てなかったがこんどは街の広場みたいなところだ。充分余裕がある、俺は手に込めた力と共に力ある言葉を放った!
「アースクェイク!!」
地面から岩が吹き上げる、そして、上からも岩を出現させる
上下とも攻撃可能の魔法、アースクェイク
予想通り、銀じゃなくても潰れればすべて同じ、、、でも、やっぱ惨い、、、、あまり見慣れた物じゃない
俺は近くの女性に声をかけた。別にナンパとか言うわけじゃない
「ここの他にワーウルフはいますか!?」
「宿屋のほうに、、、数匹、、、」
!?、、宿屋!?より強い嫌な予感を抱えながら俺は宿屋に向かった。
そこまでの通りにはワーウルフは全然見られなかった。宿屋だけを狙っている!?
俺は更に足を速めた。でも全速力だ。
着いた時には何もない変哲もない宿屋というわけにはいかなかった。
扉は破られ、剣士だったのかわからないが近くに瀕死状態の人が転がっている
俺は急いでその人にヒールをかけた。出血は止まったが男はまだ気を失ったままだ。
俺は宿屋に入り、自分達の部屋に向かった。扉の一つ一つを開けたようだ、、、訂正、壊したようだ。
部屋に入ったその時、タイミングよくレンがワーウルフに噛まれているところだった。
テットとテイサーとリゼルは自分達のことで精一杯だった。
俺達は部屋に入りいつのまにか抜いた剣をふった。
噛んでいるワーウルフはレンから離れた、、、レンの目に生気は感じられなかったが生きている
「テイサー!テット!リゼル!部屋を出ろ!」
俺はテット、テイサー、リゼルが部屋に出た瞬間、レンを抱えながら魔法を放った。
「ファイヤーボルト!!」
電撃混じりの火球を部屋にはなった。見事に爆発した。
ワーウルフたちの声が聞こえなくなった、、、レンは今だに目を開けたまま生気を失っている
理性を失う瞬間だ、、、、俺は急いで噛まれた傷口にヒールを唱えた。
これで、、、、どうにか、、、、俺は必死に魔法を放ち続けた。
「レン!レン!レン!!!」
俺が何度も呼んでもレンはおきなかった。だがそれでも魔法を続けた。
その時、俺が予想したのと同じ出来事が起こった。
レンが一瞬で起き上がって俺に何かで傷つけた。光を収束させた剣、、、、
「レン!、、、、!?」
俺はレンの目を見た。無表情だった。瞳に生気を感じられぬまま剣を持ちこちらに刃を向ける
「レンさん!!」
テイサーが近づこうとしたがエルが止めた。
「エル、テイサー達を連れて外で待っていてくれ、、、、すぐにけりがつく、、、」
エルは頷いてテイサー達を抱えて外に出た。
レンはずっと刃を向けている、、、光の剣、、、俺の剣では太刀打ちできない事はすぐにわかった。
ならばとおもい、俺は剣を抜いてある魔法を唱えた。
「ホーリー・セイバー!!」
光の属性が剣についた。これでどうにかできると思った。
レンが地を蹴る、、、俺は受ける事しかできない、、、、
俺はレンを吹き飛ばした。レンが倒れる、、、無表情で、、、、理性を失っても表情は失わないはず、、、
俺は気にせず殺傷力が無い魔法を唱える、、、、
レンは床から消えた。上!?俺は上を見たらレンが剣を掲げ振り下ろした。
寸前でかわしたが自分がいた場所に傷跡が残っている、、、
レンは変らず無表情で剣を構える、、、、どうやら、魔法は使ってこないようだ。それなら!この魔法で止まるはず!
「スリープ!」
俺は手に込めた力を放った、、、少しレンがよろめいた。少し効いている!
俺はレンに近づき柄でみぞおちを殴った。レンが俺にもたれかかる
レンの目もとじた、、、、



どうにかレンを静める事が出来た。町長の家で部屋を借りた。でも、、、、目を覚めない
全然目を開けない、、、死んでいるわけではないがこれでは死んでいると同然だ、、、
テイサーはさっきから揺さぶったり少し叩いてみたりしている、、、
俺達が心配になっている時にある人が窓から現れた。
「こんばんは!」
「おう!!」
少しびっくりした。相手は竜族、どうみても14歳だ、、、たぶんルジアの仲間か何かだろう、、、
「俺、ヤコウ・ヒエン、、、そう言えばレンっていう子が気を失ったままだって?」
俺は頷いてレンに目をやった。ヤコウはレンに近づいてある物を出してレンに飲ませた。
それがなんなのかは俺は知らない、、、しばらくしてレンが目を開けた、、、
「レン!!よかった!」
「あれ?クレス?」
俺は喜んだ。たぶん今まで以上に喜んだと思う、俺はヤコウを見た。
「理性を取り戻すような薬って思ってくれればいいよ、ちょっと前に手に入れたから少しあげとくよ、、、じゃあな」
ヤコウは自分が出てきた窓にもう一度降りた。なんだったのだろう?
「とりあえず、よかったぁ♪」
「クレス?どうしたの?」
俺は力いっぱいレンを抱いた。これまで以上に、、、、、