第31章 凍れる過去・上
白犬の村・・・僕が育った場所・・・現代では廃墟となった場所だ。
その白犬の村の目の前に僕達は立っていた。

レン「何かの結界みたいだ・・・僕たちが入れない・・・」

テット「どうするんですか?」

白竜「きゅ〜〜?」

その言葉に反応して虎族のテットと白竜のコウが心配そうな顔して聞いてきた。
虎族のテットは知っていると思うけど白竜のコウは知らないと思う、
ルナさんが転移呪文で失敗してここから約北に2日半歩いたとこのキルマ湖に落ちた。
僕達の近くでこの子も溺れてたって訳、白竜だけど白竜族ではない
この白竜は何故かテットになついてずっとテットの頭の上にいる

レン「結界の性質は魔力を封じる結界と魔物を寄せ付けない結界・・・だけど、流石に魔物を寄せ付けない方ではないと思う、たぶん僕達の魔力に反応して拒絶しようとしているんだと思う・・・だから僕たちも魔力を無くすか封じるかなんだ・・・」

コウ「きゅ〜?きゅきゅー!きゅ?」

テイサー「じゃあ、どうやって封じます?」

レン「自分で自分の魔力をセーブだね、できる?」

僕は二人に向かって聞いた。流石に二人は習得できてないようだ。
こればっかりはどうにもできないからいったんテイクオックの宿屋『無狼弟ヰ屋』に戻ることにした。
テイクオックまで戻るには一つの山を登らなければいけなかった。



翌朝、僕はテットとテイサーを残して白犬の村に向かった。山登りがめんどくさいから
ウィングをかけて登っている
そして、今、白犬の村についた。一見何もない様で実は結界があるって言うのはちょっとややこしい、ま、しょうがないかと思いながら結界の近くまできた。

レン「もしかしたらね・・・・」

僕は手を伸ばして結界の中へ入った。やはり僕の予想通りだった。
魔力を持つものでも同族であれば出入りできるわけだ。
入れたついでに村長の家まで行った。



レン「って、、、どこだっけ?」

明らかに小さい村で迷子になっていた。ワタワタしている僕を見てクスクスと笑いながら通る人がいたりする
そこへ、小さい子が僕に近づいてきた。

白犬の子「ねえねえ、お兄さん迷子なの?」

レン「まぁ、、、そうだね、、、」

可愛い顔していたいところをつく子だった。僕はちょっといじけた・・・
その時、聞き覚えがある声が飛んできた。

白犬「レン〜」

白犬の子「は〜〜い♪」

僕と同じ名前を呼ばれた白犬の子は親のところまで走った。
そして、親の手を引っ張って僕のところに来た。

レン?「お兄さんが道に迷ったんだって」

親「あらあら、結構小さい村だけど・・・まぁいいわ、あなた、家までくる?」

レン「あ、、、はい!」

僕は、なぜかその親子に家に招待された。しばらく歩いて小さな家の前で止まった。
屋根はわらで壁が結構丈夫な気を使っていた。
僕は親子と一緒にその中へ入った、、、家の中は初めて見るものではなかった。
食器のデザイン、戸棚にある写真、全て僕の頭の中で覚えている

レン「ここ、、、、」

親「ここが私達の家よ、、、、そう言えば名前を聞いてなかったわね、あなた名前はなんて言うの?」

レン「僕はレ、、、、、レイ・エンロスです」

僕はとっさに思いついた偽名を言った。とっさに出た偽名を親子は疑い無しに聞いた。
そして、親が小さい僕?を呼んで自己紹介をした。

親「私はフェリス・フデルよ。まぁここの村の第3の権力者よ」

子レン「僕はレン・フデル。お兄ちゃんと一緒の白犬だよ」

フェリスと小さいレンは笑いながら自己紹介をした。
その中でふと思ったからフェリスさんに聞いた。

レン「第3の権力者?じゃあこの村に村長はいないんですか?」

フェリス「まぁそうでもあるしそうでもない、立ち話もなんだし座って」

僕は近くにある椅子を探してその椅子に腰掛けた。そして、目の前のテーブルに紅茶が置かれて話を再開させた。フェリスさんの話によるとこの村には第1から第5までの権力者がいてその権力者のいう事は絶対だった。むしろ、権力者がこの村の村長みたいなものだ。
その中で中位に値するのがフェリスさんだそうだ。つまり、フェリスさんも村長に1人と言うわけだ。

レン「じゃあ、聞きますけど、、、この村に光の剣ってあります?」

子レン「ひかりの〜けん〜?」

理解不可能にみちた声を発する小さいレン・・・・

フェリス「歴史上登場するものですけどこの村にあるって事は聞いたことありません」

レン「そうですか・・・・」

子レン「ね〜ね〜ひかりの剣って・・・・何?」

フェリス「ん〜、まだレンに話するには早いからもうちょっと大きくなってからね」

フェリスさんが小さいレンに人差し指を立てて言った。
そうなると、、、僕の記憶はぜんぜん駄目って事だ。
頭の中では光の剣が奉られていると思ったんだけど・・・・・

レン「あ、、すいません、どうやら勘違いをしていたみたいです。それでは」

フェリス「待って!」

僕が席を立とうとしようとしたらフェリスさんが止めた。
それを聞いて獅子ににらまれたような感じで僕は立つのをやめた。

フェリス「今日は泊まっていってください。レンもあなたになついているようですし」

フェリスさんが言った。よく見ると、、、見なくても小さいレンが足を抱きしめている
僕が僕になつかれるって言うのはなんか複雑だった。