第3章 最強の獅子戦士現る!
う〜ん、、、お日様の光が気持ちよくて……
俺は宿屋のベットの上で目を覚ました。
朝日が窓から差し込んできた時、ポカポカとした暖かさにまた寝てしまいそうだった。
「さ〜てとっと、、、」
俺は身を起こすと隣にはレンがいた。一人で寝るのが寂しいから一緒に寝たいと言ってきて、
一人部屋を借りたのだ。
ま、部屋代が浮いたけど……
「……まだ寝かせておこうか…」
俺はレンを起こさないように起きて服を着替えた。
記憶喪失の白犬族、ある意味良心痛い……
白犬族はこの大陸では一つの村にしか存在してない、しかし、最近…数年前にある者によって村は壊滅、
絶滅してしまったと言われているが、今ここにその生き残りがいる……
その全滅にしてしまった理由が俺の中に入っていることを知ったら、レンはどう思うだろう…?
ま、そんな事気にしてたらこの先、生きていけないからね
「う〜ん、、、」
レンが欠伸をしながら眠たい瞳のままこちらを向く
「おはよ」
「おはようございます。」
レンがそう笑顔で言った。
ここ数日の間でレンがだいぶ俺に慣れてくれた。
まだすこし敬語で喋ってくるけど、名前が「クレスさん」から「クレス」になっただけでもだいぶいいと思う
「起きるの早いね、クレス」
「まぁ、腹減ったし…起きたから早くしたに行って食べに行こう」
レンが嬉しそうに頷いてベットから降りてあの民族衣装に着替えた。



いきなりだけど、囲まれた。
実は数日前にある盗賊団を襲って金目のものを盗って行ったんだけど……
まぁ、普通に捕まったのを逃れた奴かもしれない……
森の街道はあたり前だが隠れる場所は所々にある
俺が気配を感じているけど、たぶんレンはこの気配を察して無いだろう……
厄介だな……
「クレス?どうしたんですか?」
レンが心配そうに聞いてくる、俺が真面目な顔して歩いてるからだろうか?
俺はレンに安心させるように大丈夫と言っておいて足を止める
「そろそろ出てきても良いんじゃないの?」
「え?」
レンが疑問の声を上げあたりを見回した。
そして、上から上半身半裸のいかにも悪そうな犬獣人が出てきた。
うわ〜、ありきたりな盗賊ファッション・・・
「へっへっへ、、やっと追いついたぜ……」
「あらら、さっきからずっといたのに?」
「お?やっぱり気づいてたか」
「あたり前でしょ!あれだけ殺気放ちながら追ってくるなんて気づかない剣士や魔導師はいないよ!」
俺は人差し指を立てながら言った。
それに何がむかついたのか、盗賊の生き残りは怒りの形相になっていた。
「ははは、、この間の奪った宝、全て返してもらおうか?」
「いや」
俺はキッパリ言い放った。レンは俺の後ろに隠れている
そして、盗賊は腰につけてある三日月刀(シミター)を抜きさった。
「なら力づくだ!野郎供!!」
その声に森から数十人と獣人、人間、と出て来た。
「うおおおおぉぉ!」
俺に一気に向かってきた盗賊に俺はロングソードを抜こうとした。その時、
がさっ!、森の中で何か動いた。
その動きは素早くて気配を追う事が出来ない
まさか、、、助っ人を
俺の嫌な予感は的中しなかった。次の瞬間、盗賊達が宙に舞ってどさどさと落ち全滅した。
俺は見えたがその場で止まってることしかできなかった。
その男が放った。剣の一線を……
「何だお前は!」
「お前らに名乗る名前は無い!」
俺は呆然としていた。いや、展開にもあるけど……俺は何より台詞が……
「何を!!」
盗賊は三日月刀で襲い掛かった。遅い……
俺でもはっきりわかった。獅子の戦士が剣を振るう
――――ッ!
全く見えなかった。盗賊はまた宙を舞い盗賊の山のてっぺんに落ちた。
カチンっ
戦士が剣を鞘にしまう
「大丈夫か?」
「あ…あぁ…」
「ん?」
獅子の戦士が俺をまじまじと見る。
そして、レンの方も見る、レンは俺の服を掴みながら後ろに隠れている
「なんだ、男か」
ムカッ……
獅子が言った言葉に俺はちょっとむかついた。
「子連れかと思ったんだが、、、ただ、髪が長い狼の男か…」
ムカムカムカ!
「ア、、、」
「あ・・・?」
「アホかーーーーーッ!」
俺の懐から取り出したスリッパをもろに受けて獅子の戦士が盗賊の山の中へ吹っ飛ぶ
「俺を女とまちがえるなんて命知らずが!」
「クレス?」
「第一!俺をどこを見たら女に見えるんだ!」
「クレスってば……」
「な〜に?レン?」
「あの人、倒れたまま起き上がってこないよ……」
「へ?」
獅子を飛ばした方向へまた見てみると獅子はその場で倒れていた。


「修行不足か……」
「いやいや、そんなに落ち込まなくても……」
しばらく経って昼飯時、俺達は次の街の食堂にいた。
あの後、しかたなく獅子を担ぎながら森を出て目覚めるのを待ったのだ。
まぁ、スリッパで気を失うって言うのは流石に落ち込むけどさ……
「まぁ、とりあえず、助けてくれた事には礼を言うよ」
「いや、ただ俺は下心で突っ込んだみたいなものだから」
「確かになぁ……」
「そうだそうだ。自己紹介がまだだったな、俺はグロール=メインロードだ。」
「俺はクレス=ファンレッド、そして、こっちがレン=フデルだ。」
「よろしく〜♪」
「クレスって、あの盗賊キラーか?」
ガシャーン
俺は顔で皿を割ってしまった。ああ〜、まだ中身が残ってたのに〜
「あのね!その事どこで聞いたんだよ!」
「どこって、すごく有名だぞ……」
ふぅ、まぁどこの世界にもある二つなってとこだ。
俺は盗賊キラーのほかに色々な二つながあったりする……まぁ、それはさらりと流してるけど…
「とりあえず、そうだよ、俺がその盗賊キラーだよ」
「クレスって有名だったんだね〜」
「ま、、まぁ、それは流してっと……」
俺は荷物を整理してレンと一緒に席を立った。
「ここの支払いヨロシク♪」
「ちょっと待てーーー!」
グロールが俺の足を掴んで帰ろうとした俺を止める
「何するんだよ!」
「それはこっちの台詞だ!助けてやってなんで払わないといけないんだ!」
「ふっふっふ……」
俺はしゃがみこんでグロールに向かってにこにこした顔で言った。
「あのね、それはこっちの台詞なの!助けてもらったのは感謝するけど、俺を女に間違えた事と俺が食べてたものを破壊しちゃったでしょ?」
「お前が勝手に皿の中に顔を突っ込んだんだろ!」
「それはそれとしてここの支払はヨロシク♪」
「ちょっと待て!おい!行くなーー!」
俺は後ろから聞こえる声を無視してレンを連れて食堂を出た。


「んで、その話本当なのか?」
その夜、俺は宿屋の部屋にグロールといた。
あれからなんらかんら調べ上げたらしいけど…すごい奴だな、
「あぁ、保障はする」
「邪竜の情報を何であんたが知ってるんだ?」
そう、彼がここにいる理由は俺たちが街中で聞いた事を知って来たのだ。
邪竜の情報を持って……
「どうして奴に立ち向かうのかはわからないが、二人だけじゃ太刀打ち不可能だぜ……」
「それは分かってる、どんなに太刀打ちできなくても可能性は0じゃないからな……
それに可能性はないわけじゃない、その方法もある程度は掴めてるんだ……」
「そうか、なら俺もあんたらについていくよ……」
「え!」
俺は声を上げた。レンは吃驚した表情をしている
「何言ってるんだ!あんたには関係無いだろ!」
「関係無い関係あるの話の前に、この大陸を支配している奴と戦うって言うのは、
この大陸全員が関係してるんじゃないか?」
「……わかった」
「これからもよろしくな、クレス、レン」
「よろしく♪」
ある夜に新たな仲間が加わった。
俺が太刀打ちできる方法を聞かずに……