一生の間で虹を見る回数は限られていると思う。
ボクはそのなかでも、二重の虹を見たことがある。
しかも、それは完全な半円を描いていて、遠く、遠くへの門のようだった。
ソレを見たのは、ボクの人生を救ってくれた親友の葬儀の朝。

人は何かのために生まれてくるというが、何かのために死ぬのだろうか。
生まれてきて死んでいくことに意味はあるのだろうか。

それに疑問を抱くと、あの虹が脳裏に浮かぶ。
人の一生とは、儚く永遠ではない、かけがえのない、あの虹の様な光なのだろう。