TVP「ライオンスペシャル 第41回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2021)感想
モルモット
「クイズ! ある動物をお答えください」っていわれたら、枕さん頭の中でだいたい「ネコ! モルモット!」って候補を挙げておくんですけど、猫に比べて「モルモット」が答えになるクイズってあんまり無くって、中らないので逆にモルモット推しがちなんですけど、今回はモルモットだったのでうれしかったです(感想)。
なおガチ回答は「ウサギ」で誤答しました。
競技クイズ好きの高校生が高校生クイズに出る意義がなくなっている昨今
まぁその。90年代の地方の高校生にとっては、知識クイズの頂点を目指す場としての高校生クイズというものがあったよ、という郷愁を前提としての語りです。
今、知識ベースの早押しクイズをやりたいのであれば、「全国高等学校総合クイズ大会」(ニュース・博識甲子園)(2018~)を目指すのもひとつだし、TVクイズの華やかさに憧れがあるのなら、TBS「東大王」の高校生大会であるクイズ甲子園(2020~)を志すのもアリだし、そのほか有志のクイズイベントであるとか、あとは内輪でのクイズってオンライン化によって時間・場所を選ばなくなったよねとか、クイズアプリの隆盛だとか、いろいろひっくるめて、高校生クイズに出る意義がめちゃめちゃ薄まってはいるんですよね。
そもそも発想力に舵を切った2018年以降は、知識ベースで力を見せつけたいクラスタは離れていっているだろうし。
本戦
全国大会1回戦
50→15
リモートで書き回答。
「50→15で1×敗退」と説明していたが、つまり通過数決まるまで敗復、ということで、要するに1○勝抜(同時勝抜時定員オーバーの場合はサドンデス)であった。しかしながら参加者へのインパクトは「1×敗退」と「1○勝抜」ではぜんぜん違い、前者はコワい。もっとも「1○勝抜ですが、難問粒揃いなので、毎回全員不正解かもです」って言われるのもコワいよね。
今年の全国大会第1問は書きでした。最近2択だったのでちょっとびっくり。
- 1996年以降に生まれた日本人のうち一番多い誕生日
- 12/25
- クリスマスでありめでたい・覚えやすいので、調整してその日に産まれるようにしているのではないか、とのこと
- 3抜
- 日本地図 赤く色づけ 関東 南の島の北部 三重
- 富士山が見える場所
- 8抜
- QuizKnock出題 市販のかき氷のカップの側面が波型に整形されている理由
- カップの中で氷が回らないように
- 14抜。15校が敗退決定、14校で残り4枠を競う
- クックパッド シチュー・カルボナーラの検索数が1年のうち数日急増するが、その開始日は?
- 2/14
- チョコ作りで余った生クリームの消費のため
- 良問。シチューとカルボナーラの共通点→ホワイトソース→……から生クリームに行くのと、チョコレートに生クリームを混ぜてガナッシュとか生チョコにして、さらにタルトやケーキにしたりするんだよというお菓子作りの知識(バレンタインチョコって“板チョコ溶かして型に入れて固めた作為的な再成形物”じゃないの?)、そして「余る」という発想を出せないと取れない。
- 3抜、残1
- (放映なし)
- 1抜、15校確
ステージ2
15→9
@東京。
72mmと70mmの大小ボールを早く正しく仕分ける。シンキングタイムは5分。
道具がいくつか提示されている。段ボール、虫網、一斗缶、スケッチブック、懐中電灯、テープ(両面・ガム・ビニール)、ロープ。
仕分けミス、未仕分けボールはペナルティとしてタイム加算。先着7校+ナイスアイデア賞2校。
専門家の推薦方法は「段ボール1面に両面テープを貼り、床の上にたくさん置いたボールの上に、垂直に近づけていく。貼りついたものが大」とのこと。
放映時は見逃していたが、この道具のラインナップだと両面テープ怪しいな……仕分け装置を作るのに道具を接着するとして、使う機会がなさそう(ガムテで事足りる)なので、じゃあ何かくっつけるのでは……ボールかな、と辿り着けたかもしれない。もっともそこから、「ボール1個では72/70mmの仕分け基準にはならず、道具で72/70mmを模るのは難があるが、ボールが数十個あれば、互いが互いを強化して基準たりうるので、そっと段ボールを乗せれば70mmはくっつかない」に届くのはしんどそう。
模範回答として「提示された道具以外で、スタジオセットから鉄パイプを数本ゲットできるので、パイプをハの字型の橋にして、狭いほうからボールを転がすと大きさにより落下位置が異なるギミックの仕分装置をつくる」。この装置によりナイスアイデア賞に1校が選ばれた。
ステージ3
9→?
3校1チームになっての協力戦(史上初とのこと、組み合わせは籤引き)。
各校代表1名ずつ、計3名がチャレンジ。残り6名は別室でモニタリングしながら指示出し。
敗退は3校一蓮托生なので、勝抜数は9か6か3か0ってことになりますがたぶん9・6想定だったのでは。
コレ、協力のためというよりも、混乱を招かせるためのルールですね。9人の中で牽引者となりうることができるか。チーム競技ニガテな人間にとってはグロ問。
勝抜条件:部屋に設置された謎のカウンターを100にする。
回答は、「水槽の中の金魚が定位置を通過すると1カウント」。
プレイヤーの皆様は、自発行為がカウントになるだろうと想定し、飛んだり跳ねたり引き出しを開けたりしていました。たぶん私がその場にいたとしたもそう動いたと思います。ただ、
- 行為者が陰に隠れたり、カメラの届かない範囲で行った行為はカウントできないのだから、カウントは目視ではなくて機械的に判定可能なもので、おそらく実際にセンサーなどで機械的に算出している
- と仮定した時点で、「カメラに映らないように色に触れる」「0.5mm飛び跳ねる」がカウントできない以上、「色に触れる」「飛び跳ねる」は除外でき、となればこれは自発行為のカウントではないのでは? に気付けそう
- また、自発行為によるカウントであれば、「見つけたモン勝ち」になってしまい、ゲーム的には底が浅い
- となると、自発行為、つまり部屋の中にいる3人のプレイヤーとは無関係で、動的な要素がカウントに関わっているのでは?
- からの金魚!
- ……というのが取るべき思考の流れのひとつで、つまり自分たち以外で勝手に動くものに気が付くかどうかが鍵でした。
あと、水槽の乗ったラックにキャスターがついてたの気になりました。いや、動かされること前提で設えたのはわかりますし、仮住まいのセットに難癖をつけるワケではないのですけど、生き物と水が入った棚を固定しないのは、地震大国日本ではありえないですよね。これヒントだったのでしょうね。
あと、ネット検索で「金魚 水槽を揺らす」で検索して、行為の生物学的是非を問おうと思っていたら(はっきりしたOK/NGの言及は見当たらなかった)、番組への批判記事がいくつか挙がっていらっしゃった。
準決勝
6→3
書き・早押し混合。1問1ポイント。全10問出題後にポイント上位勝抜。
8・9・10問目は書きで得点変動、1校正解3P、2校正解2P、3校以上正解1P。
早押しは制限時間1分、何回答えてもよいが誤答で1回休み、5校正解で問題終了。詳細説明なかったけども、口頭回答ではなく書いてから押すタイプの早押しですね(他校に聞こえないように)。
「普通のクイズ番組では出題されないようなちょっと変わった問題」とのアナウンスがわざわざあった。
- 書き QuizKnock作成 Googleトレンド 線グラフ出題 2020/7/12と10/25 に急上昇 二つの英単語の組み合わせ
- go to
- Go To キャンペーンのうちGo To トラベルが7月に、Go To Eatが10月に話題となった。
- 書き 日本の動物園でもっとも多く飼育している動物 26ヶ所 ※番組による調査
- モルモット
- 問題をよく聞くと、90の動物園に質問、80の動物園から回答とのこと。10件はスルーしたということか。忙しいだろうし、公式サイトに全部統計置いてるかもしれないし、日テレが高飛車だったのかもしれないし。
- スポンサーがライオンなのでライオン、との回答があった。いい視点。第6回の全国1回戦「究極のジャンル別クイズ」の「ライオン」を思い出しますね。
- 早押し 日本地図色分け 赤ではできるあること 白:鳥取、島根ほか
- ウーバーイーツ
- 問題途中のヒントで「コロナ下で流行したサービス」と言われたのでわかった。
- 早押し 日本地図色分け ある行事で使われているものの色で色分け 東日本:茶 西日本:黄
- 節分の豆(落花生/大豆)
- 早押し 日本地図色分け ある食べ物の色で色分け 東日本:白 西日本:黒
- 蒟蒻
- (6問目 放映なし)
- (7問目 放映なし)
- 書き 得点変動 日本地図色分け 九州の中で福岡だけ青い
- 東京駅から乗り換えなしで行ける都道府県
- 書き 得点変動 線グラフ @東京都 2021/7/28 21:20ころから15~20分間だけ増えた
- 水道使用量
- オリンピック サッカー男子 日本‐フランス戦 ハーフタイムでみんなTVの前から離れて水道に行った
- 書き 得点変動 線グラフ ある食べ物の2020年売上グラフ 12/24に上がり、12/31に向けて最大になっていく
- いちご
- 高齢者がお正月のデザートに苺を求める
- 11問目 同点サドンデス 早押し 日本地図 東京、兵庫、和歌山と日本3ヶ所にしかない
- パンダ
- 東京の上野動物園、和歌山のアドベンチャーワールド、兵庫の王子動物園
- これわりと純知識だな……知識問題を棄てた高校生クイズの、サドンデスで知識問題引くっての、やりきれない気持ちだろうな。
決勝
3→1
砂中トロフィー抜き。4トンの砂、2m/25kgのトロフィー。シンキングタイムは10分。
9種の道具が使用可:タイヤ、ロープ、ポリ袋、掃除機、塩ビパイプ、角材、鉄棒、ハンドミキサー、風船。
そのほか、テープ、結束バンド、鋏のような工作道具は使用可能だったもよう。
あと「※電化製品は解体禁止」とのテロップが小さめに出ていたが、用途展開を防ぐため、というよりは、リスク回避のためだろう。あぶないからね。
競技時間が1時間を超えていたそうで、すごい長丁場。なかなかこういう長時間一点集中の機会はないので、みんなにとってよい経験になったと思います。
模範解答は、掃除機をポリ袋に入れ、ポリ袋にパイプをつなぎ、排気口からの風をトロフィーの下に送り込んで、「砂の流動床」現象を起こす。埋まった物の下に風を送り込むと砂が流動化する現象、とのこと。
番組データ
- 5代目総合司会:安村直樹アナ
- 「燃えているか」「ファイヤー」「POWER」「VICTORY」に次ぐ新キャッチフレーズは「トトトトトラ~イ」である……でいいのかな、公式サイトには明記無いっぽいんだよなコレ。
- 応援ソング『何度でも何度でも』日向坂46
- シングル「ってか」(2021/10/27)所収。