PC『Jewels II The Ultimate Challenge』(1998、DreamCatcher Interactive)
誰?
誰、ってダークネスくん。Jewels II のパッケージに描いてある、このゲームのマスコットで、遺跡に棲む幻獣で番人で案内者で護神だよ。
編注:『GEMS OF DARKNESS』と銘打たれた初期版(H+a Entertainment版)ではなく、「Jewels II」を冠するDreamCatcher Interactive 流通版のパッケージ表に、「Arithmetic」の途中のやつのキャプチャが載ってるんだけど、その模様が烏のような鳥人に見えませんか、カラスもいいけどハチュ系だな、ツリ目ハチュサイコーだしな、という偏執と妄想により生み出された架空のキャラクター。『Jewels of the Oracle』がオラクルさんなので『GEMS OF DARKNESS』から命名、とは妄想者の弁。
ということで
PC『Jewels II The Ultimate Challenge』(1998、DreamCatcher Interactive)、要するにオラクルの宝石2の布教記事を書くつもりだったんだけど、作者公式サイト(http://www.courtlandshakespeare.com/)にだいたい書いてあったので私の出番はないかもしれない。英語斜め読みですがおおむねこんな感じ。
- オラクルの宝石1はめちゃくちゃ評価が高くて、各国語に訳されたし、メディアの取材も受けたよ
- だけど版権関係がうまくなくて、知らないところで知らない発売元がいろんな版を発売したよ
- 『Jewels II』は1のリメイクだよ
- 続編っていう意識はあったけど、最初のタイトルは『Gems of Darkness』だったんだ。でもオラクルの宝石1に肖って後から『Jewels II』にしたよ
プレイしてるときはオラクル1の記憶を失っていたのであまり気付かなかったのですが、大半のゲームがオラクル1の焼き直し、再解釈、難易度拡張版ですね。いや、ぜんぜんいいんですけどね。
OP
ブハンダム教授がOPムービーで「俺のジャーナル見なかった?」って喋ってるのだが、まさかプレイヤーがパクったという設定なのだろうか。
個々ゲーム紹介
古代遺跡なのにパズルの周辺とか部屋とかがめちゃめちゃ綺麗なので、誰か掃除してるんだろーなーというところから、ダークネスくんがこまめに整えているのだと考えている。
1st Floor
なんでか1F・2Fは、説明書の振り番号と、ゲーム内ジャーナル(左上にあるやつ)の所収順が逆なのよね。
Complex Sequential Movement
1「夜空の広間」のリメイク。太陽と四角いクラッカー(1では星の形容だったが、なんでか2は完全に幾何模様)をしゅかたんしゅかたんと動かして所定の位置に収める。SEが心地良い。
EASY:各パネルが1枚ずつ少なくなっており、各3枚計6枚
Picture Puzzles
1「ブハンダムの想い出」のリメイク。絵合わせだが、すべてのパーツが裏返しになっており、選択・移動するときにしか絵が見えない。
1屈指の手数(「太陽の広間」VSこれ、って感じ)を誇るブハンダムが、なんと4枚セット(Picture Puzzle"s")になって帰ってきた! ……かと思ったら、解くのは1枚でいいし、絵柄の目安もジャーナルに載っているというサービス仕様。
とはいえ猫イラ以外は難度が高いので、ネコチヤンしか勝たぬという気概をもって面倒さと戦おう。
EASY:たぶん同
Polyominoes
1「計画者」のリメイク。ペントミノ埋め。ただし1はデカいのがひとつ(ゲーム開始時に出てくるBARDWORKS社のロゴ!)だったが、2では7パターンからの選択制(Polyominoe"s")である。1パターン解けばクリア。
英語何て書いてあるのかと思ったら「ポリオミノ」ですね。n=2がドミノ、n=4がテトロミノ、の、正方形n個をくっつけたパーツの名称。
上から下まで逆三角形を描くように、7つ並んだ引き出しは、その大きさがおおむねパズルのサイズに比例しています。
上2つが大型組、下から3番目の引き出しがパーツ5つで最小だが、ポリオミノはサイズが小さければ楽というワケでもなく、デカくても8割方埋めるとこまではそんなに難しくなくてラス3~4個が勝負、というのが定石なので、どれでもいいかもしれない。すきな形を選ぼう。
EASY:たぶん同
Exchange
1「イナゴの跳躍」のリメイク。……Easyは間違いなくそうなんですが、Hardはちょっと自信ないかも。前作は動線が前後だけなのでわかりやすかったのですが、2は前後左右に動けるようになったんですね。とはいえEasyは前後移動だけで解けるのでよいのですが、Hardについては禁じ手の判定が把握しきれてません。埒が開かなかったので、けっきょくジャーナルのぼやけた数字を読み解いて、その通りに動かしてトークンゲットしたため、枕さん破門かもしれません。
イースターエッグでヘビちゃんが通りすぎていくのが印象的な部屋。
EASY:駒が少ない
比較的広さがあるのと、ヘビちゃんとお話したりもするので、ダークネスくんの寝床となっていた。
ちなみに枕さんとのお付き合いが始まった以後は、ふたりだけの新しい洞窟を掘って新居にしているという妄想。
Arithmetic
1「デヴァーサの回転」のリメイク。「Arithmetic」は算術の意味ですが、各区画の特定の面を表にするために、どのスイッチを何回押せばよいのかを四則演算を用いて割り出すことにちなんでいるのでしょうか。
ときにデヴァーサではディスク1枚合わせがノルマですがこちらは要3枚。絵柄の解が別部屋にあるところもデヴァーサリスペクト。
EASY:たぶん同じ
片隅に力を失ったオラクルさんがぐったりしており、お声をかけることができます。
ダークネスくんの意匠を象っていたことで知られる旧跡。
Mazes
1「マヒマンへの道」は立方体を渡り歩く迷路でしたが、こちらは複数の迷路パネル(Maze"s")を渡り歩いてゴールを目指します。
コートランド・シェイクスピア氏のサイト・オラクル1の「マヒマンへの道」に、「この素晴らしい迷路は僕の兄弟マットが作ったんだよ!」との微笑ましい記載がありますが、オラクル2の説明書のCREDITにもスペシャルサンクスで迷路作:マットさんへの言及がありますので、おそらく同一人物による作でしょう。
EASY:引き出しから飛び出してくる迷路パネルの総数が少ない
Pattern Grid
新作! 正方形の絵柄合わせとしては1「アシュバの馬」が思い出されますが、こちらはそもそも絵柄の何をどう揃えるかから考える必要があります(ジャーナルに答え合わせ有)。
なお解法の大ヒントなのですが、正方形を回転させるだけでイケます。移動・回転が許されたパズルで回転だけでクリア可というのは意表を突かれる。
EASY:正方形パーツの数が少ない
Sequential Series
空隙1枚を含む、6枚のパネルのパターンを見極めて、空隙に当てはめるパネルを6枚から選ぶパズル。
- 6枚のパネルのパターンは、上3枚が参考パターン、下3枚が回答パターン
- 問題は複数ある。誤答直後に再挑戦すると別問題が出題され、同問への再回答はできない仕組みになっている
EASY:たぶん同じ
2F
2F行きましょう。
Adjacency
方形に並んだ凸凹の、押したところの凸凹と上下左右の凸凹が逆転する。すべて凹にするとクリア。なお凸だけでなく凹もクリック可能。
マリオRPGで云うところのマジカルスイッチ、タカラのガジェットで云うところのライツアウト。
EASY:たぶん同じ
Rotating Stars
六芒星の六方に正三角形のパネルを嵌めこんだものを5つ組み合わせてあり、六芒星の中央を押下するとパネルが回転するようになっている。特定の位置に特定のパネルを持っていく、回転星の名に相応しい絵合わせパズル。
BGMは環境系、風というか砂塵の音に、チャイム音のメロとお経が断続的に聞こえてくる。
EASY:左右のマークは揃えなくてよく、中央のみ揃えればクリア
Layers
ぜんっぜん解けない。コレいうなれば1「隠されたつながりの広間」(12コの雑貨をノーヒントで6対の組み合わせに分けるやつ)ポジなのではなかろうか。
ジャーナルの記載も、何書いていいか困っちゃってて、農業と畜産の話とかしてる(たぶん)。
……っていったん書いたけど、コレサム・ロイドの「トリック・ドンキー」ですね。超名作じゃないですかもう。
EASY:絵柄が異なる。EASYは馬でHARDは牛。なお解法はまったく同じ
Mazes Numerical
1「ウツバへの道」の正統進化形ですね。ほら、コンパスみたいな製図道具ディバイダが動くやつ。
右の区画に「入ったら抜けられない四が四枚」あるので気を付けて歩きましょうね。
EASY:ほぼ半分のサイズ。永久パターンが四ではなく三で仕込んである
Solitaire
ペグソリテアですね。1「エカケンのクーツー」はスクエア移動でしたがこちらはヘクス移動。
EASY:駒数がHARDより多いのだが、間隙の位置を調整することで難易度が下がっているもよう
Memory
記憶によるペアリング。
前面壁にあるめちゃめちゃちっちゃいスイッチを押していく必要がある。
EASY:ペアリング数が少ない
Dissection
シルエットパズルですね。1「ハスナのハーモニー」は答えの形が不明でしたが、こちらは型が用意されています。
パーツ多いのですが、いちばん大きい凹六角形の入るパタンが3通りほどですので、これを最初に決めてからの総当たりでイケると思います。
なおエラー状態で開始すると、動かすごとにパーツが消失するため永遠にクリアできなくなってたり。
EASY:まるっとタングラム(七巧図)
Maze
グルグルマークでおなじみのMaze。"Maze"はオラクル2に3種類所収されています。これとMazesとMazes Numerical。
一見バラバラに散らばっているように見える穴ぼこは、45°刻みの等間隔で渡り進むことができます。右下から左上に抜ければクリア。スタートとゴールが日向、それ以外が日陰っていう演出が白眉。
なおジャーナルには「9コ四角いのがついてる」……と書いてありますね。
EASY:穴の数が少ない
3F
最上階。
Complex Sequential Re-ordering
正方形4×4、端がループしてるタイプのスライドパズル。ヒントが多少トリッキーだが読みきれる。
いつもパズル画面の下部にある「リセットしたいときに押す、金の鳥の置物」が、部屋内に置いてあります。これ運動のあとに使うと回復できたりするんですかね。
日常生活にもリセットを活かしていこう、××してから押してみようよ! と提言する枕さんと、そういうことに遺物を用いることに抵抗のあるダークネスくん
EASY:3×3にダウンサイジング
Unilateral Triangular Symmetry
円で表現されてはいますがHEX配置なのでポリヘクス、ポリヘクスの5つつながりだからペントヘクスですね。これら7パーツを底辺が8の正三角形の型に並べる。回転・裏返し可。
型に入る六角形の数が36、パーツを構成する六角形の合計が35なので、1ヶ所余ります。
EASY:たぶん同一
Logic Passage
1「昼と夜の憎しみ」の拡張版。川渡りパズル。
EASY:昼が5で夜が3になってる! なおHARDは4・4なので、比較すると夜に喰われにくくなってて難易度が下がるのね。
Runes
回転する文字盤を動かして、特定の文字を特定の順序に並べる。文字盤の下のほうがちょっと見切れてて、全量見えないってのがまたいいですよね。
EASY:たぶん同一
Slider
正方形スライドパズル。
初回、パーツが上下左右から降ってきてカシャーンとなるモーションがある。よい。
EASY:図柄が簡略化され、絵合わせする部分が少なくなっている
Hexiagonals
正六角形の各辺にマークが描かれている。並べて置き、他の六角形、または外側の枠と辺が接する場合、同じマークが揃うようにするパズル。正方形の1「アシュバの馬」の六角形バージョンというべきか。正六角形のパーツは回転・移動が可能。
ジャーナルにも書かれているが、回転ナシでクリア可能であり意表を突かれる。
EASY:外側の枠のマークが大増量
Logic "Planning"
1「太陽の広間」のリメイク。急に引用符が出てきた。
1のときは移動カーソルを動かして上下左右ボタンを押しスカラベを動かすという、指が痛くなる仕様だったのだが、本作では改善され、上下左右を押下するだけでスカラベが動くのでありがたい。ただでさえ繰り返し手順があり手数の多いパズルなのである……。
EASY:小さめになった
Inductive Reasoning
Inductive Reasoning は「帰納」の意ですね。
提示された図形を組み合わせ、かっこいい魔方陣を作るパズル。「かっこいい」あたりに「帰納」が効いてくるのだが、何を「かっこいい」と思うかは個人差があり、この説明だと物足りないけど、しっかり書くと解になっちゃうな……。
EASY:これも小さめになった
ラストパズル
1Fの突き当たりにある謎空間がラストパズルであった。
聴き馴染みのあるフロアBGMが、ラストパズルのBGMである。燃えますね。
いちおう理詰めで解けるような感じがするんだけど、6つのうち1つがどうも整合性が合わなくて、枕さん総当たりで解いたので、もしかしたら解釈した理屈が正しくないのかもしれない。
EASY:たぶん同一
ED
そして得たものは図書館……というか本とか巻物の類の山、英語わかりませんが「ソロモン」って言ってたから「ソロモンの鍵」とか? であり前回に引き続きサイコーである。