TVP「第34回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2014)と関東大会の感想

「高校生クイズ 都道府県代表決定SP」(日本テレビ、2014) ※関東大会

 録画失敗して○×第1問目見逃した。関東大会第1問目は実質的な高Q第1問目(時系列としては沖縄大会第1問目、6/29)であり、番組の試金石であります。

 第1R:33回はYESNOでしたが今回は○×。

「高校生クイズ 全国大会先出しSP」(日本テレビ、2014)

 全国1回戦1問目でいきなり、2014年7月の芥川賞受賞(柴崎友香)が出題されており、「なんと先月の話題!?」(全国大会初日は8/2)と度胆を抜かれた。

TVP「第34回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2014)

 まぁ、いろいろと思うところはありますね。

 今回の大きな見処のひとつは、「押してから思い出す」技術です。

 目覚ましかったのはとくに決勝「集団的自衛権」。女子「(ポーン)答えてくださいー!」男子「わかりません」女子「えーと、えーと、集団的自衛権!」(引用不正確)。何がスゴいって、

 こういう技術を常日頃から磨いてきていたのか、ブレーンとしての男子を立てたスタイルを高Q2014にて確立した結果として偶然生じたのかは不明ですが、巧妙でございました。惜しむらくは、ちょっと難易度が低かった(一般回答率が高そうな時事)ので、「わかりません」「えーと、えーと」のあたりは「集団的自衛権も知らないの?」と視聴者に小馬鹿にされがちなシーンになってしまったこと。

要点

 3本柱。

時事が多かった。
先述しました「柴崎友香」「集団的自衛権」、
それと厳密な時事ではないが、
今年 東京ディズニーランドのイベントでも使われた
建物の TVP「第34回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ、2014)、全国1回戦
の「プロジェクション・マッピング」など。後ろ2つは、高校生クイズにおける2007年以前の、“高校生クイズ用の時事問題の問題文と回答”っぽかったです。
2人になっちゃった。
……うん、まぁ、最初に聞いたときはショーゲキだったんだけど、だんだんどうでもよくなってきました。コミック「ナナマル サンバツ」の作中の夏大会が、TVクイズではなくオープンイベントを目標(#32、『ナナマル サンバツ 7』2013、P.70)とし、さらに4人一組(同P.91)だと聞いたときに、私の中の高Q権威付はあっけなく崩れたし、
それ以前に『QUIZ JAPAN vol.1』(編:大門弘樹、セブンデイズウォー、2014/02)を読んで知った、現代そして2000年前後の高校生たちが目指したクイズの頂は、ブラウン管の中ではなく有志イベントの最中にあったという事実により、無残に罅入っていたんだ。
ストレート多用
前回2013年は、知の甲子園との温度差があり、極端にバラエティ寄りにしたことで、難度降下も畢竟といった感がありましたが、今回は知力の比重をもう二回りくらい高くしてきました。そして、“答えさせる”難易度の問題を取り揃えていたのも特徴でしょう。
  • ストレートが多く、「では」問題がかなり少ない。
  • 準決勝は3秒回答クイズ、形式の都合もあり、専用問題が42問用意されていたことになる
  • 難易度は普通、くらいかな。知の甲子園と比べてしまえばやはり下だけれど。
    あくまで目安ですが、たとえば、決勝の「オングストローム」は、2011年知の甲子園の第1ステージにて出題されており、「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会」はコミック『ナナマル サンバツ 2』(2011)の第2ラウンドにて御来屋クンが答えておりますね(P.70)。一問多答についても過去大会の五賢帝に比べ六歌仙は少し落ちる気がする。
    また、平家物語冒頭、といった、早押しでの長文回答は久しぶり。ここ近年は出ていなかったはず。

 個人的な希望を言えば、答を聞いてもなんだかわからないレベルの問いを数問用意しておいてほしかったかな。知の甲子園以前であっても、毎年決勝にはいくつかあった気がしたのだけれど。

形式

 全国1回戦はまさかの通過クイズ。その後ドロンコ、マラソン、バラマキとウルトラクイズの形式を拝借。これはもちろん、アメリカを横断しニューヨークに赴くことが全国大会の路程となった以上、アメリカ横断ウルトラクイズに対するリスペクトががっつり生まれた、ということでしょうね。また出場形式が3人組から2人組になったことによって、はたしてこれまでの3人用出題形式が通用するのかということに疑念を呈した結果、1人参加のウルトラ時代から、日テレそして各社のクイズ形式として使用し続けられ、ノウハウの蓄積されている古典形式を適用し、最低限のテンションをキープするとともに、参加者・視聴者への受け入れられ具合を把握して今後に活かそう、というスタッフの慎重な意図が感じられます。

全国1回戦 通過
60→15。この大人数にて早押しを制し、さらに抽選された6チーム相手に押し勝て、という二段構えは、正直ツラい。放映されなかった捨て問題がどのくらいあったか気になるところ……。
敗復は鉄棒ぶら下がり耐久、1チーム。
国外1回戦 ハワイ
16→?、○×。1問正解にて勝ち抜け。勝ち抜けチーム数が決まっていませんでしたが、次のマラソンクイズの回答席が3つでしたので、3の倍数にはしたかったんじゃないかなー。結果9チームが抜けまして、敗復なし。
未確認なのですが、ここでのいくつかの出題は“ウルトラか高Qの過去問まんま”、だった気がします。「ワイシャツのワイはアルファベットのY」「ルビを振るのルビは宝石のルビー」なんかは聞き覚えがある。
ベタ「一画の常用漢字」にて二の足を踏んだのは私の落ち度である。「常用漢字」であることに自信が持てなかった。「常用漢字」っていうのはいわゆる“新聞に使える漢字”なので、新聞紙上でひらがなにひらかれないものは該当すると考えていい。「乙」ですと、浦島太郎の「乙姫」は「おと姫」とは開かないので常用、と判断できます。
☆サブカル:ふなっしーの誕生日は138年7月4日(梨の日)、ついでに本名は「フナディウス4世」。
本土1回戦 ハリウッド
9→5、マラソンクイズ、早押し2問勝ち抜け。回答席は3つ、回答者を3列に分けて先頭のみ回答可、誤答・他者正答は列の最後尾に並び直し。ここで、向かって右側の列は先に2チーム勝ち抜けてしまったため、その後ずっと回答権を得っぱなし、という状態になっておりました。この状態ですと誤答ペナルティなしだったので、馬鹿押しラッシュやノーリスクの問題潰しが可能でしたね。私だったら芸能スポーツ問題はジャンル判断したとたんに押して潰したかもしれない。
スルー問題「割稽古」(⇔通し稽古)。
それはさておき、ユニバーサル・スタジオ・フロリダが舞台だったウルトラ第15回を踏襲して、オール芸能時事だったらうれしかったんだけど。
☆サブカル:クロミ(サンリオ)。クロミ様おめでとうございます。今年の「29th サンリオキャラクター大賞」では11位。
☆サブカルじゃないけど:「Dream、Happiness、Flower」ってのはプリキュアかと思った(いちおうシリーズ中に全員いるなぁ)。しかしdream(ヒカ碁OP『Get Over』、当時のグループ名は小文字)さんはもうエイベックスじゃないのね。
敗復1チーム@ロサンゼルス・サンタモニカ:身長190cm以上、かつ日本製品を持っている人を呼んでくればクリア。現地人という縛りはないのですが、身長制限がある以上欧米人に限られると考えられ、英語話せる前提での出題ですね。
本土2回戦 テキサス
6→4、7問回答による正答数を競う。回答時間は3秒。上位4チームはすべてパーフェクト通過。
うん、基礎問題オンパレードでした(そういう意味では、「5000秒、50分、5時間。いちばん長いのは?」という計算問題が混ざっていてやはり誤答した仙台第二は、運に恵まれなかったと言えるか)。
決勝前半 ニューヨーク
4→3。バラマキ、1問2答、相談なしでひとりずつ答える。3ポイント勝ち抜け。
☆サブカル:アナ雪ダブルヒロインの声優。
決勝後半
3→1。早押し、正答1ポイント、お手つき誤答はマイナス1、10ポイント勝ち抜けという、おなじみの形式。
ゲストクイズにて、ペリーの子孫と、ボクシング芸術家・篠原有司男が登場。

応援ソング

今年の応援ソングは、
ももいろクローバーZ『猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」(Emperor Style)』(配信限定シングル、2014)
でした。