えーと。
まずもって、1996年に七音社から『パラッパラッパー』(PS1)が発売されています。これを踏まえて。
SS『じゃんぐリズム』はパラッパライクゲームです。そして、醜悪なコピーか、あるいは忠実なオマージュのどちらかです。
パラッパのシステム、つまり相手パートと自分パートを交互に繰り返す、っていうのは音ゲーのシステムの一種で、AC『TEKNOWERK』(ナムコ、2000)にも適用されています。んで、パラッパとテクノヴェルクの違いは、
とまぁ、遊び方はいっしょだけど遊んだ感触は違うよね、という差別化を図っています。
……なんだけど、『じゃんぐリズム』はあきらかに、パラッパを意識したゲーム作りがなされています。偶然の一致と考えるよりは、意図的にパクったと見るべき要素が多い。
相手パート→自分パート、を繰り返す音ゲーは、相手パートがお手本譜面となります。パラッパではこれを「先生」と呼称し、個性的なキャラクターが場を盛り上げてくれました。なお、PS2『パラッパラッパー2』(2001)では導師や教官などパリエーションが出ています。
対して、じゃんぐリズムの説明書には、ゲーム画面の説明文に「相手キャラクター(先生)」と書かれています。
パラッパはラップの音ゲーです。ステージ1のタマネギ先生は空手を教えてくれまして、キックやチョップはプレイヤーが最初に体感するボタン音でもあります。
じゃんぐリズムはダンスの音ゲーです、たぶん。音楽ジャンルはロックンロール、社交ダンス、サンバと幅広い。んでステージ2、相手パートの歌詞「今夜はヒップホップ?」に対し、「今夜はキック・チョップ?」と返すんですね。もうコレ喧嘩売ってるか心底尊敬してるかのどっちかですって。
パラッパのステージ3は低速ステージです。同ボタン低速連打が特徴的な譜面で、歌い出しは「雨の日も 雪の日も」です。
対してじゃんぐリズムのステージ4は演歌レゲエ、低速ステージです、同ボタン低速連打による「ナムアミダ」が特徴的な譜面で、「雨の日も風の日も」というフレーズを有します。
パラッパのラストステージ前PVは、パラッパがサニーちゃんをデートに誘う話になっています。ここで流れる『Funny Love』。パラッパのサウンドロゴをフィーチャーした楽曲です。
対してじゃんぐリズムのラストステージ、つまりジョー・チン……じゃなかった、Mr.チョーキングのライブにバニラ・エッセンスさんが訪れてデュエットする話ですが、その前のPVはライブ会場への移動。そのときの挿入歌が『Jazz Round Up』。ステージ曲はすべて日本語を含む歌詞なのに、この挿入歌は全編英語。
そして回り巡って、ステージ5のハンバーガーショップ(レジ)が、パラッパ2ステージ1にてハンバーガーショップ(調理場)という意趣返しをされるとは。因縁を感じる。
タイミングの話。パラッパでGOODの出るタイミングで叩くと、じゃんぐリズムでは1目盛分遅いんだよね。ラップじゃないからボタン音が長く、かならずしもボタン押下タイミング=音の出だし、というワケではないことはわかるんだけど、遊びにくいにゃー。
ところでじゃんぐリズムの説明書には歌詞カードが入っています。最後の曲『Rock'n Dreamin'』は聴いたことないです。OP『Rock'n Ecology』の歌詞替えっぽいんだけど。