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堀越耕平『逢魔ヶ刻動物園 5』(2011)感想

 最終話サブタイトル「逢魔ヶ刻動物園」にはグッときますね。表紙と表紙裏のイラスト(既刊と同様ペア扱い)、中表紙の大集合イラスト(タイトルロゴ描き下ろし! さらに右下、「GORIKON.」の署名入り。芸が細かい)もうれしい。

 連載全37話のラストバトルに相当する椎名VS志久万戦の極め技は、二度と人間に変身できないことを代償にウワバミ・キサゾー・シシドが提供した魔力をその身に受け、一部身体的特徴を反映させた上で、おそらく「ラビットピース」(技名記載ナシ)。椎名さんがうりゅうりゅしててこっちももらい泣きしそうでしたが、大味といえば大味でした。
 とはいえオーマガの本領は、「この漫画はコメディとしてやれ」(4巻P.202)「動物達の変身物語」(5巻P.190)であるからして、バトルモノとして第一線の作品でなくても構わないと思います。読み手としては。
 サーカスが動物園に併合するくだりは、いかにも打ち切りっぽい感じがしますね!(笑い泣き
 番外編「ダーウィンが来るやも!」は、TVP「ダーウィンが来た! ~生きもの新伝説~」(2006~)のパロディでしょうか。
 そしてまさかの5102話。水族館組登場。
 あとがきページは各キャラの身長比がよくわかります。志久万はサカマタよりデカい。

 椎名がウサギ化したのが「15年前…いや13…?」(1巻P.26)で、タカヒロに会ったのがそれから間もないころ(5巻Pp.78-79)。そいでタカヒロの現在の動物/人間換算年齢が「14歳(30歳くらい)」(5巻P.26)だから、逆算してそのときのタカヒロの年齢は……あ、あれ、30から15引くんじゃなくて14から15引くのか? え?

 もしも連載が続いていたら、仲間たちとの出会いもじわじわマンガ化されていったのかなぁ、と涙を誘うPp.80-81。知多が細くて若いが腹筋も薄い。ウワバミさんのバックストーリーが激しく気になるなぁ。

 P.105でシシドがモモに口の利き方をレクチャーしてますが、これは4巻P.203に書いてある弟子入りネタの断片ですね。

 作者、堀越耕平さんの次の舞台は「少年ジャンプNEXT」、って何ですか。調べたら要するに増刊号、旧称「赤マルジャンプ」。カラー原稿あるなら買おうかなあ。宇宙モノかー。

 2011年マンガの暫定ベスト台詞(ってもオーマガくらいしか読んでないんだけど。「おざなりダンジョンTACTICS」(こやま基夫、コミック2010~)は落ち着いてから読みます)は、4巻の「メデューサ/よく見りゃ/すげえええ!!」(鈴木太郎、4巻P.140)から
「前も後ろも/面白そうだぜ」(シシド、5巻P.25)
にシフトしました。こっち(5巻P.16)はまぁ措いといて。今後ともよろしくお願いしますシシドきゅん。

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