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枕のちせの100冊

 「長門有希の100冊」に影響されて、いつかまとめようと思いつつ、そのタイヘンさに腰が引けていた作業。

リチャード・ドーキンス『神は妄想である―宗教との決別』早川書房、2007

 宗教。神様はいると信じていたほうが幸せだとボクは思うので信じてます。

編:シブサワ・コウ『爆笑エジプト神話』光栄、1996

 宗教。数あるエジプト神話本の中からコレをピックアップしたのはセトるんがかわいいからです。いつもの爆笑テイストで読ませてくれるのはそれなりに評価したいんだけど、エジプト以外の神話にも言及してるのはなぜなんだろう? 尺の都合?

著:アルテミドロス、訳:城江良和『夢判断の書』国文社、叢書アレクサンドリア図書館第二巻、1994

 夢の中で獣姦した場合の解釈が掲載されている。

【追記:201401】買った。ひゃっほう。

 獣と性交する夢を見た場合、もし自分が獣の上に乗ったのなら、その獣の種類に応じたある事物から、なんらかの利益を得るだろう。その事物が具体的になんであるかは、動物についての項で明らかにする予定である。一方、もし獣のほうが上に乗ったなら、恐ろしい暴力と脅威に直面するだろう。この夢のあと、死亡したひとも少なくない。 著:アルテミドロス、訳:城江良和『夢判断の書』国文社、叢書アレクサンドリア図書館第二巻、1994、P.108/Ll.6-9

田尻智『新ゲームデザイン――TVゲーム製作のための発想法――』エニックス、1996

 ゲーム。読み応えのある内容。『テトリス』への言及、覚えゲームに関する考察などが興味深い。

ロジェ・カイヨワ『遊びと人間』講談社文庫、1973

 文庫。アゴン・アレア・ミミクリ・イリンクスの説明。

渡辺浩弐『1999年のゲーム・キッズ』アスペクト、1994

 小説。何はともあれ「究極の小説」。ただオチに至るまでのページ送り具合は幻冬舎文庫版(1997)のほうがスマートだった。ちなみに、正統後継作品として「文学の死」(『プラトニックチェーン 02』エンターブレイン、2003)を挙げておきます。

『イヌの繁殖と保育を知る本』叢書:ドッグシリーズ(6)、モンキーブックス、1991

 ペット。わふわふ。

流智明/青狼団『黒魔術の秘法』叢書:サラ・ブレッドブックス(521)、二見書房、1989

 オカルト。とりあえず「エクスタシーの性魔術」(P.186)と「内なる獣の覚醒術」(P.188)あたり。

谷山浩子『浩子の半熟コンピュータ』毎日コミュニケーションズ、1998

 エッセイ。谷山浩子さんの作品から。イラストをご担当なさった中野豪さんとのコンビは『それゆけ! 廃ゲーマーズ』(角川書店、1992)に続いて2冊目でいいのかな?
 「黄金のRPG」(P.74)にFC『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(1990、エニックス)の「スライム」に関する、「守るべきファンタジー」(P.286)にPS1『MOON』(1997、ラブデリック)に関する言及があります。

浅倉大介『D Scope』角川書店、1995

 エッセイ。「もし、ボクの頭の中に浮かんだ音やリズムが、世の中にあるものだったら、バンドを組んでいたと思う。」(P.10/L.8-9)「でも、作りたかった音はバンドでは作れなかった。」(P.10/L.10-11)

著:ダグラス・アダムス、訳:安原和見『銀河ヒッチハイク・ガイド』河出文庫、2005

 SF小説。最初の邦訳である、訳:風見潤の新潮文庫版(1982)は未読。
 アーヴィンが可愛いので三部作は読んでおくとして、全五巻の残りふたつはアーヴィン目当てに読むと痛いかもです。

著:アイザック・アシモフ、訳:小田麻紀『アイ・ロボット』角川文庫、2004

 SF小説。「ロボット工学三原則」初出。

編著:ファイティングスタジオ『タントアール必勝攻略法』(1994、双葉社)

 タントアールシリーズ関連の書籍はコレくらいしか持ってない。あと複数のゲームの攻略記事が1冊になってるヤツとか。
 バーチャルコンソール移植おめでとうございます(2007、メガドラ版)。

沖田雅『オオカミさんと長ブーツを履いたアニキな猫』(2008、電撃文庫)

 「なんというか…………言動が実にアニキです。オレ様キャラです。見た目はショタでやんちゃ系の美少年ですが。」(P.191/Ll.10-11)
 「↑が出ました。しかも猫耳ついてます。猫耳美少年です。色々とこびまくりなキャラ設定です。時々語尾ににゃとかついたりします。でもアニキ。」(後袖、上図の作者近影に「ショタ」と書かれている)
 萌えの記号化を推し進めた結果なのか、「オレ様キャラ」「やんちゃ系」という萌え傾向を表現した語、「アニキ」「ショタ」「猫耳」「語尾ににゃ」という萌え属性、また作者自身が「色々とこびまくりなキャラ設定」と(作品中ではないにしろ)明言していることなど興味深いですね。このようなキャラクター描写が一般的なのかどうかはわかりませんが、男の子に適用しているのは珍しいと思ったのでピックアップ。

 3巻『オオカミさんと“傘”地蔵さんの恋』での登場箇所。
 「りんごさんが目の前で壁になってるおおかみさんの脇からひょいと頭を出して前を見ると、そこには柄の悪いにーちゃん三人に絡まれてる少年の姿があった。絡まれているのは制服からして、同じ学校の生徒に違いない。」(P.112/Ll.13-15)
 「今だチャンスと、少年はダダーッと見事に逃げ出す。男の風上にも置けない感じですが、それはおいておいて、逃げ出す少年に気づくにーちゃんのうち一人。」(P.113/Ll.12-13)

 ところで猫宮三郎センパイって、なんだかんだ言って頼んだら×らせてくれそうですよね。うなじ担当のイラストもたまらん。アニメ化おめでとうございます!(「電撃オンライン」2010/01/10記事)

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』太田出版、2000

 「私の考えでは『SS』こそ、まさにおたくによる作品所有の手段にほかならない。作品をみずからに憑依させ、 同一の素材から異なった物語を紡ぎ出し、共同体へと向けて発表する。この一連の過程こそが、おたくの共同体で営まれている『所有の儀式』なのではないか。」(P.36/Ll.12-15)
 私はかねがね、二次創作に対する欲動の理由がわからなかったのですが、上記の端的な説明に大部分首肯しましたので、忘れないように記しておきます。なりたい欲望ともちたい欲望の2区分からすると後者なのですね。

中島梓『小説道場I』新書館、1986

自分自身をいつわるな。
自分や世界にウソをつくな。
自分ともっと話しあいなさい。 中島梓『小説道場I』新書館、1986、P.91/Ll.9-11

 えー、2-3巻未読ですがとりあえず1巻を。新版(1-4巻、こっちは既読)だと読者作品が載ってない。
 それから、尾鮭あさみ作品の押韻はとにかくスゴくて頭にクる(しかし残らない)ので、孫悟空×ナタクのあった『悪名西遊記』を100冊に加えるかもしれないことをメモしておく。

コミック

《捏造》紫部さかな『紫部さかな作品集』たぶん講談社

 少女コミック。紫部さかなについては全作品未刊行。せめて「南第一学園」と「幻想曲芸団」だけでも頼む。

こやま基夫『おざなりダンジョン 6』ノーラコミックス(学習研究社)、1992

 少年コミック。「DUNGEON37 さながらフレンズ」を読んで検討した正しい解毒剤の渡し方。1.口移し。2.体の一部に垂らして舐めさせる。

餅月あんこ『ドラネコシアター 2nd collection』アスキーコミックス、1997

 少年コミック。「ドラネコシアター」シリーズの刊行はファミ通ブックス版が1stのみ、アスキーコミックス版だと全4冊(1st、『2nd』、『3rd』、『final』)で間違いないと思われます。その中でも著者が大学時代を中心に描いた、フルカラーの作品群には目を惹かれるものがあります。
 名セリフ「大学ふざけんな」(P.10)、「ああ人生はスタイルだ。」(P.67)。1stだと「残念ですが共学です。」(P.35)、「花壇の花がみんな柵をやぶって逃げ出してしまって」(P.88)などに強く心を打たれました。

 同作者の書籍、『餅月あんこの花咲かペンペン草』には桃井はるこへのインタビュー有。

――今回ウィッグをつけてもらいましたが、ずっとショートヘアですよね。
桃:まえは長かったんですけど、高校卒業時に短くしました。短いほうが明るそうじゃないですか(笑)。なんか、わたし、この世界の使命みたいなものを感じていて、ネットって扱ってるものが暗い、っていうイメージがあるじゃないですか。だから一見インターネットとかゲームやってなさそうな、普通におしゃれな女の子でありたいと。 餅月あんこ『餅月あんこの花咲かペンペン草』(1999、アスキー)、Pp.058-059(赤太字は引用者による)

藤崎竜『サクラテツ対話篇 下巻』集英社、ジャンプコミックス、2002

 少年コミック。上巻と合わせて読みたい(『サクラテツ対話篇 上巻』集英社、ジャンプコミックス、2002)。漫画って何だろうと考えさせられる作品。

日輪早夜『幻想少年恋物語』芳文社、花音コミックス、2004

 BLコミック。作者のコメントに「ファンタジーオンリーのショタコミックス」(P.196)とある通りの内容でたまらん。

ツヅキ真宵『ふたりのはて』松文館、ダイヤモンドコミックス、2004

 BLコミック。ツヅキ真宵さんの描く世界にはどうにも作品論や作家論が脳内をちらつく。Pp.165-167の「あとがきマンガ」が印象深い。「大切なものを失いつつこのままなめらかに」「地獄は続いて行くのだと思っていた」(P.165)。

たかしたたかし『微熱☆惑星』茜新社、2009

 BLコミック。同社「好色少年のススメ」シリーズのショタ作品をとりあえずまとめ希望……と考えていましたが、このたび単行本が刊行(同作者のエロ漫画としては『犬雨』(2000)『ヤングパラダイス』(2000)に次いで3冊目)。晴れて100冊のラインナップに加えさせていただきます。振り番号は所収順。
3.「オーバーブルー」(『好色少年のススメ 2』2003)
4.「ビグルス」(『好色少年のススメ 3』2003)
5.「俺は☆ネコボクサー!」(『好色少年のススメ 4』2003)
6.「猫夏」(『好色少年のススメ 6』2004)
0.イラスト(Pp.5-6、『好色少年のススメ 7』2004)
 P.6は目次なのですが、このイラストは好色でも目次に使用されており、レイアウトほぼそのままに流用されてます。
2.「午後の発情期」(『好色少年のススメ 8』2005)
7.「みつばち」(『好色少年のススメ 9』2005)
8.「プラネタライナス」(『好色少年のススメ 12』2008)
 カバー裏には「作品解説」有。以下は好色以外。
1.「低俗☆少年」(書き下ろし)
9.「ポルノマシーン―デビル―」(『ペットポーイズ』司書房、1997)

『少年愛の美学 17 THEわんぱく少年』(松文館、2006)

 ショタアンソロジーの最終巻、といわれて即座に挙げなければいけないのは『少年嗜好6』(2004、オークス)で、言及しろといわれたら外せないのがMacop.「幸福追跡機」。そして「ボクらのアイドル」こと坂本ハヤトの「いたずらハヤトくん」と「雑誌廃刊男ハヤト」だと考えていますが、ぐるり巡って同作家の「ジェラシックワンパーク」です。作家本人が登場するメタ作品として秀逸、とくに「いじめっ子」についての「いたずらっ子ややんちゃっ子とは違う!暴力を好み盗みだってする」という発言は、カテゴライズされた作品群(2巻が「やんちゃ少年」で、7巻が「悪戯っ子」なんだよなぁ)を安易に創出することに対する警鐘とも取れる。ちなみにこの17巻ではツヅキ真宵が「本当はショタマンガにハッピーエンドなんて無い」とコメントしているあたりも含め、読んでいるのがツラくなりますね(褒め言葉)。あ、ちゆ12歳はいつも通りです。

《捏造》乃木坂太郎『キリンジ Open The Adventure Door』たぶん小学館

 少年コミック。週刊少年サンデー連載作品(2000、全5話)。「HOOP STAR」といっしょにしてもコミックス1冊分には足りないかな。

藤異秀明『真・女神転生 デビルチルドレン 5』講談社、2002

 少年コミック。最終巻。ハードな作風が今日の子供たちに受け入れられたとすると、嬉しい反面倫理観に影響を与えないかと固い頭で考えてしまいますね。「環境犯罪誘因説」はいちがいに受け入れられませんが、少年期に感受性を大きく揺るがす作品に出会うのは幸か不幸か判別しづらいところです。
 第三話表紙と後ろのカバー袖でナハトコボルトが見れたので(後者はカラー)私は満足。

 2巻でエレジーの「無意識」に「きらい」と言われ襲われたフェンリル隊長。そのあとガルムには「すき」と寄っていくのを見て密かに凹んでる展開を希望。
 書店で買いづらい表紙の3巻、P.151最後のコマではナハトコボルトがM字開脚。布越しですが。

 次シリーズ初巻の『真・女神転生 Dチルドレン ライト&ダーク 1』(講談社、2003)はギャグタッチながらも、集団戦闘や自決など藤異テイストを残していて巧いなぁと思いました。全3巻、セトるんはかわい……くない。

村上真紀『ゲーマーズヘブン! 3』(2004、マッグガーデン)

 P.127「ボクは…」「あなたが『萌え』るようにプログラムされているんです…」(ナタ)。連載再開希望。

漫画:あいやーぼーる、原作:吉川兆二『ライブオン CARDLIVER翔 5』(2009、ポプラ社)

 裏表紙カバー下、「もうムリかと思って…」(プラグ)。

堀越耕平『逢魔ヶ刻動物園 1』(ジャンプ・コミックス、2010)

 オーマガが漫画史的に優れている、とか、サブカル“ケモノ”的に目を瞠る、とか、絵やセリフや物語運びが巧い、とか、そういう評価はぜんぜんつけられなくて、1巻と比べて2-3巻の水族館編と4-5巻のサーカス編が劣っている、と捌く気もないです。言葉を濁せば「琴線に触れた」ですかね。万人にオススメする作品でもないし、ミニコミでおおいに流行る類でもないけど、私は手元に置いておきたい。

漫画:田村光久、シナリオ原案:楠出尽「ポケットモンスターReBURST 7」(少年サンデーコミックス、2012)

 XYでフェアリー増えたから、もう17タイプ網羅するアルカデスの価値はないのかしらん。アニメ化は絶望的なのか。田村さんはバディファイト(アニメ201401-)のコミカライズしてるんだけど。

 ハイライトとしては、

おまえの旅を終わらせに来たんだよ… アム台詞;漫画:田村光久、シナリオ原案:楠出尽「ポケットモンスターReBURST 7」(少年サンデーコミックス、2012)、P.40

という、リョウガに対するプロポーズ(=いっしょにここで永住しよう)が私の中での最高潮です。

 えーと、田村光久の嫁が険持ちよ、『ポケットモンスターB・W グッドパートナーズ』(てんとう虫コミックススペシャル、2013)の作者。

編:東京公司『危ない1号 VOL.1』データハウス、1996

 雑誌。『危ない28号』と併せて、どれを100冊に加えるかは要再考。

カタログ「2007 HIROYUKI MATSUURA」東京画廊・BTAP、2007

 一般流通書籍という扱いではないですが、本の体裁をもっているので入れておきます。
 松浦浩之氏の画集。竜神たん。

***

次点

秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏 その4』(電撃文庫・メディアワークス、2003)

 ライトノベル。「その1」が2001年でこちらが最終巻。シリーズ通して肉体的精神的な痛描写がありますので注意。「セカイ系」の代表作といえましょうか。
 「他(ほか)の哺乳類なんか局部の周りはむしろ毛が薄いもんだが」(P.48/L.9)という言い回しが秀逸。んと、「猫の地球儀」シリーズ(全2巻、2000)は選外でお願いします。

佐藤友哉『エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室』(講談社ノベルス、2001)

 ミステリー。苛め描写あり。以下引用。

「やっぱガルキーバなんか描くんじゃなかったわ」
「後悔先に立たずだよ。諦めよう」
「だって、云ってみれば獣姦だし、アレ」
「じゅうかん?」
「やっぱガンダムW(ウイング)にすべきだったわね」

(P.76下/L.16-P.77上/L.2)

 引用終。ちなみに、「じゅうかん?」と言っているのは小学生の弟君ですハァハァ。

『バディ 3月号』テラ出版、2007

 雑誌。ゲイ雑誌として「獣人萌え」(P.52)を取り上げたことは評価すべきだと思う。記事の質に関しては、賛否両論ありそうな文面と内容です(「ケモナー」「ケモショタ」「ケモホモ」の用語解説があるのはやはり貴重ではないだろうか)。イラスト引用はひばきちさんの作品から。

すんぢ『Humanize Sequel(上)』ラポート、2001

 少年コミック。『~(下)』読んだんですが、オチが普通だったので選外へ。「全世界に存在を主張」(下P.120)する獣人、製作者の失踪、苦しむ者同士の共感。これらの鏤められた要素は王道というかマンネリ感すらあるなぁ。あ、でも電話ボックス内で横たわる小淵沢(いわゆるレイ○目というヤツか)にはグッときました。余談ですが小淵沢駅は山梨県に、大船渡(「戸」ではない)駅は岩手県にあります。

***

2011/06/05(日)
IN:【017】『小説道場I』

2011/05/29(日)
IN:【003】『夢判断の書』
 【100】「2007 HIROYUKI MATSUURA」

2010/05/01(土)
IN:【058】『少年愛の美学 17 THEわんぱく少年』

2010/09/15(水)
IN:【015】斎藤環『戦闘美少女の精神分析』
OUT:【053】すんぢ『Humanize Sequel(上)』

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