「・・・ハラ・・・減った・・・」
夕立にあいずぶ濡れになった一人の少年が木の根本で座りこんで言い放つ。
「・・・・・・オレ・・・どうなるんだろ・・・・・・」
ただただ降り続ける雨を虚ろな瞳で見つめる。
そんな時、その瞳に黒い影が映った。
「・・・・・・・・・・・・」
少年はただその黒い影を見ていた。
これからどうするかを考えながら。
少年の手には刃が欠けた槍が握りしめられていた。大方、この近くでの戦に敗走した幼き将であろう。
人と獣人との間での絶えない争い。その無意味な争いに巻きこまれた言わば被害者。
この少年もその一人なのであろう。傷口から流れる紅が白い毛に映えて見える。
「・・・・・・・・・・・・」
そんな時、瞳に映っていた黒い影が大きくなった。
何か語りかけていたみたいだが何も聞こえなかった。
ただ雨の音はしっかりと聞こえた。綺麗な夕立の雨音だけが・・・。
そして重くなっていたまぶたが閉じた。




・・・どれだけの時間が過ぎただろうか。少年が目を開けると夕立の降っていた森ではなく
ログハウスの屋根が見えた。・・・そう、室内から見た屋根が。
「!!」
少年は飛び起きた。さっきまでいた木の下ではなく家の中にいるのだから。
あたりを見まわすとドアがガチャっと音をたてて開いた。
そのドアから見えた人影はあの黒い影の主だった。
「あっ、気が付きましたか?」
「・・・あんたは・・・?」
黒くしなやかな体つきの獣人。おそらく♀だろう。
少年は獣人に助けられたと内心安心していた。
黒い獣人が再び少年に語りかける。
「どうですか、体の具合は?」
体には包帯が巻かれていた。おそらく彼女が介抱してくれたのだろう。
・・・いや、少し頬が赤い彼女に間違い無い。
「ああ、たいした痛みはない」
そう言うと彼女は子供のような笑顔でよかったと言ってくれた。
「あのぅ・・・あなたはなぜあんな木の下にいたんですか?」
少年は助けてくれた彼女に黙っているのもなんだか悪いと思い事細かに話した。
「・・・そして、オレは一人だけ生き残ったんだ。」
「・・・そう・・・ですか・・・。」
話を聞くと彼女はこう言い残し部屋をあとにした。
「今日は泊まっていって下さい。外はまだ雨なので・・・。私なら別にかまいませんので。」
少年は彼女の言葉に甘え深い眠りについた。

〜翌朝〜

コンコンとドアを叩く音が響く。しかしそうとう疲れていたのか少年からは起きる気配がしない。
「・・・まだ寝てるのかな・・・?」
そっとドアを開けると目の前にはとんでもない光景が広がっていた。
「!!!」
ベッドから落ちたのかうつ伏せになって倒れている少年。
彼女はすぐさまかけよった。
「だ、大丈夫ですかっ(汗)!?」
少年をゆする彼女。しかし少年は・・・
「・・・くかー・・・すぴー・・・」
寝ていた。しかも熟睡だった。
「・・・・・・。」
無言で彼女は少年をベッドに戻した。
「・・・大丈夫かしら・・・この人・・・」
色んな意味を含んだ言葉を言い放ち一人で木の実を取りに出かけた。
それから30分後。ようやく少年は起きた。
「・・・ふあぁ・・・。」
眠い目を擦りながらベッドから降りる。
すると、壁に立て掛けてあった槍を手にして外に出た。
「・・・はあぁぁぁ・・・・・・。・・・・・・はっ!!」
槍術の基礎訓練だろうか。基本的な動作を繰り返す。
「・・・こんな事をしても結局、戦いでしか役にたたないのか・・・。」
とその時、鋭い悲鳴が聞こえた。彼女だ!
「キャ――――――ッ!!」
「!!」
少年はすぐに悲鳴の聞こえた方に急いだ。


その頃、彼女は・・・
「は、離して下さいっ!!」
「へっへっへ・・・そうはいかないなぁ・・・お嬢ちゃんよぉw?」
「これもあなたの運が悪かったと割りきって下さい。」
大きな体つきの♂と白に赤が映えている♂が彼女を捕らえていた。
「それに、今悲鳴をあげても誰も来ませんよ。こんな朝早くにはね。」
「そうそう、おとなしく犯られてくれないかなぁw?」
「や・・・嫌ぁ・・・・・・」
力が抜けていく彼女を大きな体つきの♂が突然押し倒した。
「きゃぁっ!!」
「うへへへ・・・綺麗な体してるなぁ・・・あんた・・・///w」
「い、いやらしい目で私を見ないでっ!!!」
「なんだとぉ・・・?んっ?」
大きな体つきの♂が彼女の秘部に手を這わせようとしたその時。
「おいてめぇらっ!!オレの恩人に何してんだこらぁっ#!!」
「だ、誰だっ;!!こんな良い時にっ#!!!」
大きな♂がふと顔を上げると木の上に白い姿が目に入った。
そう、槍の練習をしていたあの少年だ。
「はっ!!」
大木の天辺から飛び降り着地する。
「・・・さっさとその娘を放しな・・・ザングース・・・。」
「・・・放さなかったら・・・どうしますか、アブソル君?」
「無論。この槍の錆にしてくれる。」
槍の切っ先をザングースに突きつける。
「おーこわw・・・だったら錆にしてみろよ?」
大きな♂がアブソルに近づく。
「ねずっちょは黙ってろ。」
「な・・・なんだとぉっ#!!!」
ねずっちょはアブソルに襲いかかった!
「はいはい・・・大きい奴は足下から崩すっ!」
槍の柄をねずっちょの足下に置く。すると見事に足をとられ盛大にすっ転んだ!
「うぉっ;!?ぎゃぁっ!!!」
ドスンと大きく大地を揺るがした。
「・・・やれやれ、所詮はねずっちょですか。」
「・・・オレは・・・オレは・・・・・・バクフーンだぁぁぁぁっ#!!!」
ねずっちょ・・・良いと思うんだけどな。
「・・・ひっく・・・ひっく・・・バクフーンだもん・・・オレ・・・」
「・・・今日は日が悪かったようですね。あなたの彼女、お返ししますよ。」
彼女をアブソルの方に突き飛ばし抱きとめる。
「それでは、今度は友として伺います。・・・ごきげんよう・・・」
と微笑みを見せいじけているバクフーンを連れて帰って行った。
「・・・ったく・・・阿呆が・・・」
「・・・・・・・・・」
「っと・・・大丈夫か、あんた?」
「・・・・・・・・・」
彼女は無言のまま頷く。
「・・・一人で歩けるか?」
「・・・・・・はい。」
「そっか、よかった・・・。」
「・・・あの・・・こっち・・・向いて下さい・・・・・・。」
「ん?何か用k・・・」
振り向くと唇に何かが触れた。・・・彼女の唇だった。
「・・・・・・・・・///」
「なっ・・・///・・・!?」
「・・・助けてくれたお礼です・・・///・・・」
二人はともに頬を赤く染めた。
「・・・オ、オレはただあんたがオレを助けてくれたから・・・その恩返しにと思って・・・///」
「・・・あの・・・朝ご飯・・・食べますか///?」
「あ・・・うん、食べる・・・///・・・」
ぐぅ〜っとアブソルの腹が鳴る。
「ふふっ・・・wじゃぁ、戻りましょうか?」
「そうだな・・・w」
二人は仲良く並びながら家に帰って行った。
家についた頃にふとアブソルが彼女に訊いた。
「あっ、そういえばあんたの名前・・・まだ訊いてなかったな。」
「そういえばそうでしたね。私はブラッキーって言いますw」
「そっか・・・かわいい名前だな・・・w」
そして夜まで色々とそして延々と話していた。

〜夜中〜

「・・・・・・んっ・・・寝れないな・・・・・・。」
深夜に目が覚めたのはアブソルだった。
あんなことがあったせいかなかなか寝つけなかったようだ。
「・・・いつ・・・ここを出ようか・・・・・・」
そんな事を考えているとドアがノックされた。
「んっ、ブラッキーか?入っていいぞ。」
ガチャっとドアが開く。
「・・・ご、ごめんね・・・///・・・」
「・・・ブラッキーも寝つけないのか?」
「・・・うん・・・なんか・・・恐くて・・・」
「・・・そっか・・・。」
アブソルの目線は月明かりに照らしだされたブラッキーの体に釘付けだった。
「・・・な、何見てるんですかっ///!!」
「えっ///?い、いや・・・その・・・///・・・」
持っていた枕をアブソルに投げ付けるブラッキー。
「ぶほっ;!」
「・・・バカ・・・///・・・」
ブラッキーはそのままアブソルが入ってる布団に潜りこんだ。
「///!?お、おぃっ///!?」
「・・・一緒に寝よう///?」
「そ、そんなこと・・・ぁっ・・・///」
ブラッキーが体を寄せて来る。ただそればかりが気になりせまりくる手には気がつかなかった。
「アブソルぅ・・・////・・・」
「ぅあっ・・・ど、何処触って・・・っ・・・////・・・」
ブラッキーが触っていたもの。それは♂の象徴そのものだった。
いままで♀はおろか♂にさえ見せた事のない物を知り合ったばかりの♀に触られているのだ。
「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・////・・・」
「・・・ねぇ・・・ちゃんと見せて・・・////・・・」
ブラッキーに従うかのように布団をめくり勃っている逸物を月明かりが照らし出す。
それを見つめるブラッキー。彼女も興奮しているようだった。
「・・・はぁはぁ・・・・・・////」
「・・・んっ・・・ブラッキー・・・////」
次第に逸物をブラッキーが銜える。アブソルはただその感覚に耐えるしかなかった。
「・・・んっ・・・んんっ・・・////」
「うぁっ・・・くっ・・・////」
「・・・ちゅぅっ・・・れろぉ・・・////」
「あっ・・・んぁっ・・・////」
とても朝♀を助けた♂とは思えない声を出す。
「・・・ねぇアブソルぅ・・・////・・・」
「な、何だ・・・///・・・?」
「・・・ちょっとベッドから降りて・・・////・・・」
「・・・ああ・・・////・・・」
アブソルはベッドから降りその場に立つ。するとブラッキーがベッドに手をつき尻尾があるほうを
アブソルに突き出しある事を催促した。
「アブソルの・・・ここに・・・・・・入れて・・・////・・・」
「えっ・・・////・・・」
「私・・・今日、とっても嬉しかった・・・・・・助けに来てくれて・・・////・・・」
「・・・ブラッキー・・・・・・////・・・」
次第にブラッキーに近づくアブソル。
そしてブラッキーの腰を掴み逸物を秘所に突き付けた。
「・・・本当にいいんだな・・・オレで・・・////・・・」
「うん・・・アブソルがいいの・・・・・・////・・・」
「・・・分かった・・・じゃ・・・いくぞ・・・////・・・」

ずぷっ・・・ずぷぷっ・・・ぐぃぐぃっ・・・・・

「んんっ////!!・・・あぁ・・・ぁあっ////!!!」
「くっ・・・ぶら・・・っきぃ・・・////・・・」
ゆっくりと彼女の事を考えながら逸物を挿し込んでいく。
「あ・・・ぁぶそるぅっ・・・////・・・」
「・・・ぅあぁ・・・っ・・・////・・・」
根元まで挿し込みブラッキーの腰を掴み自分の腰を前後に動かしていく。
「あっ・・・あんっ・・・////・・・」
「くぁっ・・・ぅぉっ・・・////・・・」
二人の甘い声が宵月の闇夜に響き渡る。
「ふぁっ///!!あんっ////!!!」
「うあっ///!!んんっ////!!!」
いつしか体位が変わりブラッキーがベッドの上に仰向けになり向かい合ったまま繋がっていた。
「はぁっはぁっ・・・////・・・も、もう・・・限界・・・っ////!!!」
「わ、私もっ・・・ダ、ダメぇっ////!!!」
絶頂を迎えたのか逸物がきつく締め付けられる。
経験無しのアブソルには絶え難い感覚だった。
「ぐあぁっ・・・////・・・っ////!!!!」
ズンっと奥まで突っ込みそして・・・

びゅくっ!!びゅるっ!!びゅるるっ!!!どくん・・っ・・・・

「あぁっ///!!!・・・・あっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・//////・・・」
「うぁっ///!!!・・・くっ・・・はっ・・・はっ・・・//////・・・・」
腰を振り出しきろうとするアブソル。それを受け止めようとするブラッキー。
「・・・あっ・・・アブソルの熱いのがぁ・・・・////・・・・」
「・・・・はぁはぁ・・・////・・・」
見つめあう二人。宵月だけがそれを見ていた。

「・・・アブソル・・・」
「・・・ブラッキー・・・」
重なりあう唇。体。そして心。

・・・・・・そして・・・・・・

それから数日が経った。あの時、あの木の下にいなければ二人は会う事が無かったであろう。
「・・・すぅ・・・すぅ・・・」
「・・・くか〜・・・すぴ〜・・・」
幸せそうな二人。静かな二人だけの生活は始まったばかりだ。
・・・おや、寝てるのに手なんか握りあって・・・。
ここは二人を見守ることにしましょうか。
これから始まる二人の愛語を楽しむために・・・w