【生まれ変わる事】

「人間に生まれ変わりたい・・・」

唐突に犬の少女は言いました。その言葉を聞いて人間の少年は驚きました。

「なんでいきなりそう言うんだ?」

「だって・・・やっぱり言いたくない」

「気になる・・・それに、その言葉って死にたいってとれるから怖いぞ」

「わかったわよ・・・んとね・・・好きなヒトがいるんだ・・・」

「それと人間に生まれ変わりたいって願望にどうつながるんだ?」

「その人、人間なんだ・・・犬の私が好きですって言ったって相手にしてもらえないよ」

「ああ・・・そういうことか」

種族の差でよくある問題だと少年は感じました。でも、犬の少女にとっては大問題です。

「肝心なのは誠意じゃないのか? オマエが本気で好きだって気持ちをその人に伝えれば早い話だと思うぞ」

「そうかな・・・?」

「そうだよ」

少年のその言葉で犬の少女は勇気が湧いてきました。

「なんだか私言える気がしてきた」

「よし、その調子だ!」

「うん、ありがとう・・・それから・・・」

「どうした?」

そのときに犬の少女は少年からもらった勇気を使いました・・・

「大好きだよ・・・」

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