【抱き枕?】

恋人同士が一緒の寝床で寝るのは当たり前みたいなもの。だけど、寝方はどうやら千差万別なようで・・・あ、またコイツは・・・

「うぅ〜さびぃ〜」

今の季節は冬、暖房やストーブをつけたまま寝るわけにもいかずに寒い中の就寝といこうかなとしたんだけど・・・まったく、彼ッたら男のくせして大の寒がり だなんて・・・ま、彼が人間で私みたいに暖かく、寒さに少し強い犬の身体をしてないからってのもあるわね・・・

「うぅ〜もう限界」

「へ?」

彼はそう言うと私をしっかりと強く抱きしめてきた。旗から見れば良い感じのカップルが仲良く見れる場面だけど彼の目的は私で暖を取ること、あ〜私ってかな り良い感じの毛布なわけ!?

「ちょっと、そうしちゃうと私寝返り打てないよ!」

「オレが凍え死ぬのと寝返りが打てないのどっちがいいんだよ!?」

「私が寝返り打てない方」

「うぅ〜鬼〜・・・」

鬼で結構結構・・・なんて言おうとしたんだけどちょいグッと抑えちゃった。だって、私から見れば彼って少し子供っぽいところがあるんだもん。私はそこを好 きになっちゃったからさ・・・だから、私が少し大人にならなくちゃね。

「ホラ、おいで」

私は一旦彼から少し離れて彼の身体を掛け布団の中にスッポリと入れちゃったの。そして、可愛いぬいぐるみを抱く感じで抱き返しちゃった。

「どう? こうやって私が抱く方が暖かいでしょ?」

「うん、断然いいわ・・・あ、でも今度はオレが寝返りを・・・」

「ツベコベ言わない」

「ハイ・・・」

「フフッ・・・じゃ、おやすみ・・・」

私の可愛い可愛い抱き枕君。

戻る