同棲生活・下冬風 狐作
"4・5・6と揃ったもんだな・・・じゃあ始めるか。"
 そして最後の斉藤も手を動かし始めた。自慰を続けている斉藤とようやく意識が戻りかけている川窪を前に魅せ始める・・・ラバーを通じて感じる視線は極上の興奮剤、先程まで見せていた冷静さと言う仮面を躊躇わずに脱ぎ捨てた斉藤は新たな姿を露わとする。彼のスーツには他の2人には無い細工がされていた、そう肛門とは別にもう一つの穴が設けられているのである。それは睾丸の下の辺り・・・女で言うワギナのある場所だった。
 当然ながら斉藤は背の高い意外は特に体の特徴の無い男である、決して男装の麗人とかそう言った類ではない。だが何故その様な物を空けているのか、それはかれの趣向の問題である、そう彼はフタナリと言う物に突出した関心を抱いていた。だから擬似的にでもその様な間隔を求めたく空けた次第なのだ、そうして指にて弄る内に彼はまだ隠されていた己を知った。睾丸を刺激される事に無上の快感を感じると言う・・・正直意外であった、だが気が付いてしまったからにはもう抑えられない。そうしてその穴の役割は増えた、擬似的なふたなりと睾丸の刺激と言う2つの役割を併せ持つに至ったのであった。
 今回も片手で扱くと共に彼は指を突っ込んで睾丸を弄る、あの微妙な重い痛みの様な感覚が斉藤にはこれ上ない極上の快楽に感じられた。そして刺激を加えつつ器用に手を動かして肛門・・・アナルへ空いていた指を回しそしてこちらも弄り始める。途端に川窪や三坂が感じたのとは別種の、正に電撃と形容出来る刺激が背筋を通って脳底を直撃していく。その度に漏れるマズルの奥からの唸りとも取れる喘ぎ声、本当に狐と化してしまったかの様な気配すら感じてしまう。
 長年弄られ続けて緩んだアナル、そこに挿し込まれる指を通じて漏れる微量な腸液は指を伝い妖しく輝く。そして表では激しく扱くと共に睾丸を弄り続けると言う普段の姿からは、及びもつかない斉藤の姿を眺めている内に再び気分が高揚してきた川窪は再び扱き始めた。斉藤のストップウォッチは当になって鳴り終えてしまっているが彼もまた止める気配は無い、三坂とは言えば相も変わらず扱き続け、それだけでは足りなくなったと見えて彼もアナルへと手を回していた。
 彼らの姿勢も三者三様で、相変わらず膝を折り曲げて立ったままの者もいれば寝転んで悶え扱き続ける者、そして大きく腰を下にして膝を折り曲げた・・・和式便所独特のスタイルをする者と別れており何時もの展開ではあるが、互いを意識しラバーの締め付ける感覚に酔い痴れながらも自分が最も感じる事の出来る姿勢を貫いていた。そして間も無くその何時終わるとも知れぬ展開に新たな転機が訪れる。

「ウハッ・・・ハッハァッハッハッ・・・ハアァァァッ・・・!」
 最初に現れたのは三坂であった、彼の獣ペニスの先端の精液袋となった余裕はパンパンに膨れ上がり、彼の体が動く度に大きく振られていてそれだけでもどこか感じてしまいそうだ。その彼のマズルの奥にある口から、大きな喘ぎ声が耳をつんざかんばかりとは言い過ぎだろうがそれに匹敵する程度の物が流れた。そして大きく痙攣する体、それでも扱くのを止めないのは快感に魅入られた者の悲しい性か。
   とにかく複数回痙攣して何か梱包剤のプチプチを潰した時の様な音が響き始める、気になってそちらの方へ目をやると爪先から次第に上半身に向けてラバーの光沢感が薄れ、動いても弛みが見慣れなくなりつつあった。代わりに表面が繊細になった様に見える、その見える繊細な物は獣毛。ラバーの色そのままの獣毛であった、仮にその獣毛の根元に触れても返ってくる反応は熱を帯びた肉の皮膚。決して冷たいラバーではない。
 だがこの様な事態になろうとも戸惑う等の様子は見られなかった、彼らは既にこうなる事を承知・・・いや、こうなる事を望んでラバースーツに身を投じているのだから。大学入学から半年ほどでこの趣向に目覚めた彼らは以来一週間に一度の楽しみにこれをしている、3年目の今日は今年初めての楽しみであった。だからあれほどにまで狂ったのである。そして原理こそ不明だがこの様な変化を生じさせるには多くの性感と精液を要する、普通に着ていただけではこうはならないのだ。

 もし可能ならば毎日やりたいものだが、した後の消耗が激しく下手をすると寝込む羽目になる事を彼らは身を以って味わっていた。それを防ぐべく設けた一週間の間、少しでも良いからより多くの快感を得たいが為に3人は禁欲的な生活に励み、そして爆発させる・・・これこそこの3年間の基本的な生活様式であったと言っても過言では無いだろう。
 そして変化は進行する、腰から下そして胴体、両腕、頭へと。進行する度にあの膨らみきった精液袋は縮小した。尻尾が膨らんだだけのラバーからふさふさの獣毛に満ちた狐の尻尾となり、顔のラバーも皮膚と融合して毛を生じ骨格もそれに併せて変わった最後にまだ黒い人の瞳が、黒く縦長の瞳孔をアクセントとした以外は全て黄色に染まった時精液袋は消え去った。
 そしてその余裕の中までも融合しつつその物へと変貌して長さを得たペニスが拡大、全てを占めると正真正銘の狐のペニスとなって君臨した。変化が終わって間も無く、再び射精が行われた。それは空打ちではなく濃厚で黄味のかかった精液が勢い良く放たれ畳を汚す・・・。
 ようやく扱くのを止めて三坂は落ち着きを得た、その口からは安堵の息が漏れる傍らで残りの2人、斉藤と川窪の強い喘ぎ声が相次いで聞こえた。彼らも始まったのだ、そしてしばらくは2人分の強い喘ぎ声が部屋に満ちていく。

「もっと深くして・・・もっとぉ。」
「こうか・・・全く好きだね、お前は・・・。」
 水音の様な物が響く室内、その中にて艶かしく2つの体が絡み合っていた。一方には胸があり女の様だが、四つん這いになったその足と胴体との直角に近い付け根の辺りからはペニスが垂れている。そして後ろから突いている者は男で自らのイチモツを女の中へと挿し込んでいた。
「どうだ・・・。」
「いいわぁ、さぁ振って・・・振ってもう我慢ならないのよ・・・。」
 男が締め付けてくる女の肉を感じながら問うと女はそう喚いた。すると本心であると示すかのように膣肉は力を増して締め上げてくる、その意図を汲み取った男は腰を降り始めた。喘ぐ女・・・いやフタナリ、そしてそれを眺めていたもう一つの体・・・こちらは男が立ち上がると。喘ぐ女の口元に怒張し切った己の物を突き出して指で促す、すると女は無言で口に咥え込み愛撫を始める。
「相変わらず気持ち良いよ、斉藤さん・・・最高だね。」
 フェラをされて上機嫌な声を出したのは三坂、彼はそのフタナリを斉藤と呼んだ。するとその隙に後ろから攻めている川窪が尻尾の付け根を弄った。強い刺激が走りフタナリ、そう斉藤は目を見開き思わず口から出しそうになるが持ち堪えて愛撫を続けた。
 完全に狐人となった彼らの饗宴はまだまだ続く、とは言えこんなにも激しいのは人がいないから出来る事。人がいる時には精々互いに自慰を見せ合う、それも今回の様な派手な物ではなくもっと落ち着いた様にしかする事は出来ない。恐らく当分は不完全燃焼のまま終わらなくてはならない・・・その現実が後押しをしたのだろう、彼らは今日一日をそれで潰す。そして翌日からは成績優秀品行方正な優等生として再び一週間を送るのだ。


 完
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