夏期講習〜起き上がりそして・・・〜冬風 狐作
   翌朝、迎えに来た男に連れられて水樹は牢屋の様なその部屋から外へ出た。恐らく香の作用だろう、何時になく気持ちが良かった。最も一晩中嗅いでいたのだから当然とも言えるかもしれない。そんな事を考えながら昨日の今日でまだ慣れていない、この体を操って男の後を付いていくと病院の様な場所に通された。そこで私は身体検査をされた、慎重や体重と言った基本的な事項は勿論、ガゼルとなってしまっただろうか?ジャンプ力等の検査を徹底的にやられて放免されその日は終わった。
 またあの牢屋の様な部屋に戻ると昨日より幾分香りの強い香を焚いて、男は私と共に再び語らっていた。今日の香は昨日の香よりも香りが強いせいか何だか気持ちが昂る、そして何かを欲していた。一体何を欲しているのかは皆目見当がつかなかったものの、ふと何気無く気を緩めてる度に私は背中を男に向けて腰を揺らしていた。男は男でそのおかしな行動に対しては何一つ言わず、その時は何の感心も示しはしなかった。私自身一体どうしてその様な事をしてしまうのかと言う思いに釣られて、恥ずかしいと羞恥心を抱いていたので気にしてくれない事は真に有難かった。
 だが昂りは何時までも持続し続ける、食事を摂るとそれはますます酷くなり男がいなくなった隙に私は思わず、無意識に手を股間へ伸ばしかけ、時には乳首に触れそうになるのを何度も押し止めたか数は知れない。それでも私はそうして恐らく体が求めている事、つまり本能のままにされる事を恐れ避け続けたのだ。
 しかしその幕切れは最悪だった・・・何度目かに手を伸ばし、それを戻しかけたその時扉が開き男が戻ってきたのだ。私は思わず固まり、手は股間の真上、見様によっては弄ろうとしていたと見られても弁解の余地がない格好になっていた。そしてその沈黙を破ったのは男の方だった。
「おい・・・何をやっているんだ・・・。」
「えっえぇっとこれは・・・その、ただ手を伸ばしただけで・・・。」
「そんな事は無いだろう・・・ほら、証拠に・・・。」
 と男は膝を曲げてまだそこに残る私の手を取って上にかざし、その蹄の先端を指でなぞった。
「ほら、見ろ・・・濡れているじゃないか、まだ本格的ではないとは言え・・・始め掛けていたのは事実だろ?違うのか?」
「そんな事はありません・・・私は、していません・・・。」
 私はどう言う訳か顔を赤らめてそれを否定した。確かに私は自分の言うとおり弄ってなんていない、しかし今回は本のわずかに戻す時に手がぶれ、わずかに染み出ている愛液に触れてしまったのだ。これは些細な事だったが大失態であった、これにより触っていないとは言えなくなりしてはいないと言うだけの、弱い理由しか私には示せなくなってしまったのだから。
 終わった、主導権は全てあの男が・・・親密そうに見えても調教師と言う肩書きのあの男に握られているのだ。私は何処かが崩れたのを感じた、そしてその下から諦めが来ると思っているとそうではなくこうなったからには、とことんやってしまえと言う積極的で半ば投げやり的な感情として私を突き上げたのである。男はそう言って以来じっと同じ目線で私を凝視している、私は心境の変化を悟られない様にしつつその顔を見つめ返した。

「したんだろ?」
「はい・・・してしまいました・・・申し訳ありません・・・。」
 私は潔く、最もしていないのが真実だが抵抗してもしょうがないと観念してそう告げ頭を垂れた。一秒、二秒、三秒・・・一向に次の動きが見えない。私の思わぬ態度に驚いているのか、それとも何かを準備しているのかと考えてしばらくそうしていると、不意に頭に手が置かれて頭を一撫ですると手が外され、頭を挙げる様にと促された。それに従って視線を上へと上げると、そこには上から見下ろす男の顔があった。男は口を開いて言う。
「そうか・・・したのか、正直であるのは良い事だ。ただ言ってはいなかったがお前は私の、ここにいる間は調教師たる私の指示に全て従わなければならない・・・今回の場合は明確に告げていなかったので、別に咎めはしないがそれとは違って必ずやらねばならない事がある。お前、処女か?」
「へっ・・・あっは、はい。勿論です、ヒッキーしていましたから・・・。」
「過去は良い、そうか処女か・・・じゃあここで破らねばならんな。これからの講習、いや調教に備えて破らねばならん。」
  「そうですか・・・私は構いませんよ・・・こんな体になってしまったのだから今更そんな事こだわった所で仕方ないですし、それにここに来た直後に見た様にされるんでしょう?私も・・・。」
「その通りだ、全く・・・皆が皆お前みたいに頭の良い奴でいてくれたら、とつくづく思うよ・・・まぁ今のは良い。とにかく本当に良いんだな?」
「ええ・・・それに何だか、先程から体が疼いて・・・だから先程の様に股へ手をうっかり・・・。」
「そうか、わかった。じゃあ・・・早速、それだけ濡れているのだから・・・準備は整っているだろうし。」
 そう男が言う間に言われるまでもなくと言った感じで水樹はその両足をY字に広げると、このわずかな間に漏れているのに留まらずすっかり潤み切ったその割れ目を露わにした。そして更にそれに留まる事無く、彼女はその中身を隠している周囲の皮を両指にて脇へ寄せて中の、本当に赤く熟れて透明な愛液を滴らせ熱を発しているワギナを露わにしたのだ。心なしかその前後から彼女の吐息は荒くなり、どこか顔も赤らめた様に感じる。どうやら見られているだけで感じてしまっているらしい、男は息を吸い唾を飲むと隠す事無くその眼前にてベルトを緩め、ファスナーを下へ下ろした。
 ファスナーが下ろされると男は勢い良くそのズボンを下へと下ろして脱ぎ去った。トランクスも遅れて下ろされると、そこにはすっかり勃起した勢いのあるペニスが陰毛の森の中から血管を浮き上らせていまや遅しといきり立っている。水樹は男の、成人男性のペニスを見たのは初めてだった。予想以上の大きさと太さを湛えたそれに獣の本能が混じったせいなのか、彼女は息を飲みじっと見詰めると涎が口の中に流れ始めた。体の疼きも加速している、ペニスから発せられる熱とかすかな匂いが鼻腔を刺激し次第にそのペニスしか眼中になくなってきた。
ぺチャッ・・・
 液体の様な音が響く、見れば水樹が男の竿を一舐めした音であった。竿からは付着した彼女の唾液が光に反射し時折床へポタッと垂れており、その音を数度聞くと今度は本格的に、そっと近付いてそのペニスを咥え込んだ。彼女の長い口腔にすっぽり含まれたペニスは長い舌と草をすり潰す為に平たく、石臼の様になっている歯にて愛撫されるのだ。幾度と無く竿、雁、亀頭、鈴口・・・と順序良く舌が愛撫し舐め込み挿し込まれると、今度は若干前後して歯にてそれを甘噛みしていく。噛み箇所1つずつ丁寧に丁寧に、膨張した海綿体を解き解すかのように噛まれ、時には舌が伸ばされて睾丸の裏をも刺激する。

「お前・・・本当に、ヒッキーだった・・・のか?」
 水樹は小さく頷く。これまで幾多の彼女と同様に不本意に獣人となった者達と交わってきた男だったが、初めてだと言うのにここまで上手くツボを押さえたフェラをしてくる者は誰もいなかった。初めてと言う者は皆ぎこちなく何処か初々しくて、ある意味初物と言った雰囲気が存分に味わえたのだが今回は違う。まるで場数を踏んできた風俗嬢並、下手な風俗嬢よりも余程上手いフェラだった。男はこいつは逸材だと感心しつつ、その刺激にすっかり虜となって腰をますます突き出していた。
 一方、初体験の水樹はとにかく必死と言う他には無い。予備知識も殆ど無いのでとにかく思う通りにその場その場で対処して、舌と歯、そして首を動かし懸命に頑張っていたのだ。よって微塵にも自分のフェラが高評価を得ているとは思ってもいない、むしろ逆に怒っているのではないかと考えている始末であった。
 そして咥え続ける事5分余り、もう限界だと水樹は察して最後にもう一度睾丸の更に奥の肛門を舌先で突いた。その途端、強い熱が一気に睾丸へと集中し力が抜けると共に勢い良く、無数の精子が睾丸より尿道を伝って水樹の口腔内へと注ぎ込まれたのである。
 初めての精液はかなり熱くそして無味、若干な苦味すらあるそれは口の中でしばし暴れると、次から次へと食道へと流れ落ちて行った。体が芯からカッカと温められ、血流が加速しますます興奮の度合いは上がる。すっかり熱にうなされた水樹はそれが終わると間も無く、自ら立ち上がりいきなりポカンとしている男と口付けをした。男は大変驚いた様だったがすぐに受け入れると口を開いて下を絡ませ、互いの精液と水樹の口の中に残る精液を混ぜた複雑な液体を潤滑材として深くしばらく舌にて繋がっていた。
 互いの舌を解き、しばし過ごすと今度は男が膝を折って最早洪水と化しているワギナを舐める。舐めれば舐めるほど、その熱き愛液は漏れ出でて舌のみならず男の顔を汚していく。仕上げに上に小さく見えていたクリトリスを一舐めして水樹をイかせると、立ち上がり、そして手を水樹の尻の下へと回して抱え挙げるとすっかり回復したペニスの上にその割れ目を突き刺した。
「ヒッ・・・アッ・・・ヒィッ・・・。」
 ペニスの先端に感じるわずかな障壁、膣から感じる激烈な痛み、2人はそれぞれの性別に合わせて同時に破瓜の刻が来た事を感じた。一旦そこで男は上へ上げると、そっと笑って一気に力を抜き舌へずり下ろす。その時、部屋の中に水樹の壮絶な喘ぎ声、いや悲鳴が響いた。彼女の処女膜が男のペニスによって突き抜けられた瞬間であった、わずかばかりして彼女の白い獣毛は赤く染まりその下の男の大腿部の皮膚の上を血交じりの愛液が走っていく。それが全ての答えであり、否定出来ない現実を表していたのだった。
 しばしその姿勢で待機した男は再び突き上げを開始する、処女を失った彼女の膣は舌から上りつめて来るそのペニスを迎え受けて、痛みの恨み晴らさんとばかりに包み込む。流されるものかと耐える男は何とか逃げ切り、数回ピストンをして敗北した。彼女の胎内に精液が放たれる、そしてそれを期に男は吹っ切れたのか既に吹っ切れている水樹と同調して一晩中、嬌声と淫声、そして音と匂いに包まれた部屋の中にて交わり続けたのである。翌朝、部屋から出てきた男の姿は、何もかもを吸い取られたと言う様な物でふらふらとしていたと言う。

「よし始めるぞ。」
 水樹に対して特別講習と言う名の"性調教"が始められたのは更に1日を置いた翌日の事だった。男との初体験によってすっかりその方面に開花していた水樹は、次から次へと教えられる性技を見に付けると調教中であると言うのに、調教師達へ次から次へと逆襲し完勝すると言う有様でその上達振りと威力には誰もが目を見張った。
 通常、12日と言うカリキュラムを半分の6日で完了した彼女はその力量を買われて、特別講習に在籍する生徒の中で出来の悪い者を調教師に代わって調教するという役目を仰せ付かった。これは真に異例な物で過去にもこれに明示した例は無く、訓練学校史上初めての事であった。そしてそれに当たるに辺り彼女は再びある改造を受けた、それはペニスの増設。つまりはふたなり化であり、これは調教師としての最低条件を満たす為で男が殆どの調教師の中にわずかにいる女性調教師も皆、彼女と同じくふたなりとなっていた。
 ペニスを加えて装いを新たにした水樹が担当する事になったのは彼女と同じく、通常講習から特別講習に変更された者。但し、幾らその様に動いた者とは言え水樹と異なって試験に受からず複数回落ちた挙句そうなった者であるから、水樹はその相手をどこか格下にある者と捉えており、見くびられる事の内容に堂々としようと心の決めてその元へ向った。そして、扉を開けた先にいたのは純白のユニコーン獣人、青い髪がなんとも美しく暗がりの中にいると言うのにどこか輝いている様に見えた。
 私は簡単な挨拶をすると早速、その場で調教を開始した。それはもう徹底的に覚えこませ、狂う寸前までやって休憩、落ち着いたら又・・・と自分自身も疲れはしたが恐らくそのユニコーン人にとっては死ぬかと思えるような内容だったでしょう。それ程までに激しくやった結果、日数の無い中で5日にてベテラン調教師ですら匙を投げたというその悲しんでばかりいる難物を、ペニスを見ただけで発情しよがり狂うと言うレベルにまで育て上げる事が出来ました。
 どうしてここまで激しくしたかと言えば、私はそのユニコーン人の正体を知っていたからだ。水沼小枝子、私と違う旅行課に在籍していた彼女とはバスで別れて以来の再会。それがこんな場所で、調教師と落第生と言う感じで再会するとは・・・侮られる訳に行かない、気が付かれる訳には行かない・・・その一心で私は臨み、そして何も伝えずに別れたのです。
 落第生をわずか5日にて叩き直すと言う成果には又も注目が集まり、私はその場にてまだ後2年在学すべきと言うのに飛び級で卒業が認定され、その功績を以って試験無しでの調教師資格の認定を受けました。そして私は人に戻る術を最後に教わると人へと戻り、来た頃の志とは別の成功を手にして誇りを胸に帰宅しました。学校からはもう連絡が来ていたらしく、両親は本当の事情を知らない両親は喝采し涙を流して私を褒めてくれました。私は嬉しくてなりませんでした。

 その後順調に社会復帰した私は、数年は専属の調教師として私をこの方面に目覚めさせ、成功と誇りを与えてくれた学校に恩返しの意味も込めて働くと籍を残して独立。蓄えた資力と人脈を活用し、独自の店を構え表向きは普通の風俗店だが裏では会員制の特殊な風俗、獣人風俗を提供しています。店を開くまでは少々どれほど需要があるかと疑問でしたが、比較的緩い条件のクラブにしたので他に幾つかあるその手の店、つまり自分の店と同じく獣人風俗を供する店より条件に合わないとして弾かれた人々が押し掛けて来たのです。
 勿論、その中から弾かれた人もそれなりにいます。しかし大抵の人は合致したので年会費と秘密厳守を条件に受け入れ、今や日々大繁盛しており店を拡張するまでになりました。そして更に驚いた事は男性も多いが女性の愛好者もまた多い事、男女を問わずに遊んでいる内に興味も抱き自らもなりたいと言う希望も多かったので、再び拡張し新たに出来たスペースにて自分やこの店で働いている従業員が受けたように本格的な事はしないまでも、それなりの事を教える教室までも運営する事となりました。
 時たま現れる就業希望者には学校の方を斡旋していますが、大抵の方はこちらで満足しているのでいまや登録されている会員の半数近くは獣人という始末。詳しいプロフィールをざっと見ただけでも一言で言って様々な顔が並んでおり、普通のサラリーマンから公務員、教員、政治家・・・と良くもこれほど集まったものだと感心するほどでして、外国人もちらほら、外資の日本駐在員や大使館職員、中には観光で来たついでとかこれが目的に来た者まで。本当その行動力には驚嘆の他に無いわね・・・と私はしみじみと感じています。
 さて話はこの辺で・・・あなたも来て見ませんか?私の店へ、誰かの紹介は要りません。とにかく来て下さればその場で審査致しますが、大抵の人は会員になる事が出来ますよ。そして会員となった暁には思い思いに楽しんでください・・・人のままで楽しむのも良し、自らも獣人となって楽しむも良し、そして本格的にその道へ入るのも良し・・・全てはあなたの思い通りに開かれるのです。


 完
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