「ねぇ・・・どうしたの?返事ぐらいしてよ・・・。」
不審に思った早苗が立ち上がり方に手をかけたその時であった。突如として一声唸った和弘はその手を振り払い、まるでかばう様に背を丸めて胸を隠す。何とか体を振り払われずに済んだ早苗は驚きの余り何の声も出さずに、数歩後退りをしてただ凝視する。
数秒の間を置いて体を震わせていた和弘は、片手を自らの何時の間にやらはちきれんばかりに肥大化していたペニスにやり、再び唸って元の姿勢へ戻ると同時にペニスを前へと引いて、まるで大根でも抜くかのように体からペニスを引き剥がしたのだ。その途端、ごく普通に筋肉の付いた平坦な胸板が膨れ上がって2つの膨らみが、乳首を頂点に鎮座させた乳房へと変貌を遂げたのだった。剥がしたペニスを上へ誇らしげにかざし、まるで女の割目の様になったかつてそれが突いていた場所を叩くと獣の様な唸り声と共にペニスを早苗へと投げつけた。
回避する間も悲鳴を上げる暇さえなく、早苗はそのグロテスクな形に肥大化したペニスを喰らった。槍投げの槍の様に自分に対して垂直に根元から飛んで来たペニスは、見事に股間のまだ液の滴る割目へと根元から突き刺さったのだ。割目へとペニスが突き刺さった衝撃にに思わず彼女は悲鳴を上げた、だがその間にペニスはも重力に引かれる事無く割目の上へと留まっている。
「なっ何なのよ。って外れないじゃない、どうしてなのよ!?」
割目へと刺さったペニスを外そうと前へ引っ張った早苗は、そのペニスが全く微動だにせず逆に自らの腹の皮がペニスと共に動く事に大きな戸惑いを感じた。まるで元から生えていた様に振る舞うペニスから考えられるのはただ1つ、ペニスがあの悲鳴を上げていたわずかな間に自らの肉体と融合してしまったと言う事しかなかった。
それは信じたくも考えたくも無かったが真実であった、あのわずかな間にそのペニスの神経と尿道は彼女の体の物と融合しており、輸精管は残った穴、膣と融合しその影響で彼女の卵巣は巨大な精巣へと機能を変えて子宮は巨大な精液溜めへと変容していたのである。そして追い討ちをかける様にその瞬間から卵巣の転じた巨大な睾丸は精子の生産を始めており、続々と子宮であった精液溜めへと備蓄しつつあった。
「ど・・・どうして、どうしてなのよ!?どうして和弘さんが女になって私が・・・男に・・・いや、いやぁ・・・!」
先程から微動だにせず一言も発しない和弘とは対照的に、己の変貌した体に対して早苗は一人混乱し騒いでいた。だがそれで何が起きる訳でも、何が変わる事も無く彼女の胎内では睾丸が精液溜めへと続々と生産した精液を送り込み、今や彼女の腹は外から見るだけで分かるほどわずかに膨れ始めていた。そして精神の混乱、自分とは違う何者かが自分を脅かしつつある・・・そう早苗は感じておりそこに安定などと言う物は欠片すら見出す事は出来なかった。
「うぅ・・・早苗さん、どうしたのです・・・早く入れてくださいよ・・・。」
「和弘さん・・・?」
すると突然和弘が口を開いた、だがそこから出て来た言葉は変貌した己と早苗の体に対する驚きの声等ではなく、全く予想しなかった言葉。自らにペニスを入れる様に求める言葉であった。
「和弘さん・・・どうしてしまったの?体が女になってしまっているのよ、あなたは・・・!」
「それがどうしたのです?僕は何とも思いませんよ・・・さぁ早くその雄雄しいそれをここに入れて下さい・・・さぁ早く。」
そうして和弘は恍惚した表情をして早苗の前に四つん這いになると、尻だけを上に上げてすっかり熟れて気配を漂わせる割目を露わにした。最初は顔を背けていた早苗だったが一度見てしまうと背く事が出来なくなり、その怪しげな気配の匂いを嗅いでしまった今となっては最早打つ手は無かった。彼女の体はいまだ抵抗する理性を完全に無視して前へと進み、その尻をすっかり逞しく筋肉質になった手で捕らえると、一気にペニスを突き刺した。
「いっいいです・・・いいですよ、早苗さんっ・・・もっと激しくても・・・!」
和弘は激しく突き刺されながら満足気に大声でそう叫んだ。それに対して早苗は無言、色々な事が立て続けに起きたせいですっかり考える気力を失っていたからである。そして射精、元はと言えば和弘のものであるペニスから濃い早苗の精液が、先程の和弘の精液など比較に成らない量となって注ぎ込まれる。それと共にまだ女の名残として残っていた早苗の乳房が縮み、そこは逞しい男の胸板と化した。
こうしてすっかり男と女と立場の入れ替わった2人の絡む様は正に獣の如くで、何とも激しいものであった。時折唸り声などを交えて休む間も無く交わっていると、次第にその体の他の部分にも変化が現れ始めた。
女体となった和弘の体の表面は滑らかな皮膚から細かい鱗へと変わり、太い尻尾が尻から伸びて手の指は4本、足の指は前に3本後に1本となってそれぞれ鋭い爪が姿を現す。顔は前へと伸びて眉間の辺りからは二本角、耳も角と同じ角度に鰭の様になって伸びる。首も伸びて髪の毛がすっかり抜けたその姿はすっかり人とはまるで違うものだった、あの指輪の宝石と同じ緑色の鱗をたたえた一匹の、いや一人のメス竜人の姿がそこにはあった。
平行して早苗も変化を遂げる、早苗の体は鱗ではなく純白の毛に覆われて手の先は人のまま先端が硬質化して、指とした分化したまま、足は踵が伸びて先端はすっかり融合して蹄の様になっていた。そして全体に筋肉質となり、あの華奢な体の面影がすっかり姿をなくすと顔は和弘と同じく伸び、髪の毛は伸びる首筋へと集中して鬣に、そしてペニスも人の様に雁のある形から棒の様に少しだけ括れのある形となってこちらも完了した。早苗は馬、馬人と化していた。それは白毛の見事な姿であり、本物の牡馬の如く激しくその長いペニスを竜人となった和弘の胎内へ叩き込んでいた。
「弱ったな・・・本当に見つからないぞ。」
「盗まれたのかしらね・・・困ったわ。」
時はほぼ同時刻の早苗の実家、そこでは蔵の中にてその両親が疲れ果てた顔をして腰を下ろしていた。
「あれが無くては婚約が成立しないぞ・・・弱った、何と先方と早苗に説明すれば良いんだ・・・。」
「それもそうだけど、盗まれた指輪をしたまま絡んでしまったらとんでもない事になるじゃない。手順を踏んでいないんだから。」
「確かにそれも深刻だが・・・とにかく、もう一度捜そう。もしかしたら見落としているかもしれないからな。」
「えぇそうね、分かったわ。本当こんな肝心な時に・・・。」
そうして両親は再び蔵の中を捜し始めた。あの早苗が以前に持ち出した指輪を捜して、盗まれたのかそれとも失くしただけなのかと考えて、早苗が持ち出して深刻な事態を巻き起こしている事など露にも思わずに見つかるはずの無い失せ物を探していたのだった。
遠く離れた都市のホテルの一室にて娘の早苗と婚約者の和弘が、異形の姿へと変貌して交わっている事なぞ知らないまま。