運命の手招き〜DG(理沙)編・・・覚醒の時〜冬風 狐作
 部屋の中へ一人入れられてから数時間が経過した。以来扉が開く事は無く、何も無いその部屋に変化の起きる筈が無かった。無論理沙も同じである。彼女は入れられた時からずっと、一時も休む事は無くその自慰を続けていた。当初はただ単純に指をワギナへ入れ挿しするのみであった自慰は、次第に疼き行く体と共にエスカレートして行き、もう片手が形の良い乳房へと伸び、その膨らみとつんと立った乳首を弄り回すかと思えば、ワギナを弄るのに余っていた指が閉じられたアナルの口に触れ、ゾクゾクッとした得体の知れない未体験の刺激が背骨から直に脳を刺激する。
「ウ・・・ハァ・・・ハァ・・・アッアァァハァァ・・・。」
ピチャ・・・ピチャビチャ・・・ピチャッ・・・
 時折軽く登る度に大きくなる喘ぎ声と常に響き続ける水音、纏われていた服は汗と愛液、唾液によってすっかり湿り、スカートに至ってはすっかり濡れそぼっていた。薄く白い服越しに見えるそのスリムな無駄の無い体は何とも妖艶、わずかに漏れ入る光によって尚も強調されている。だらしなく開いた口からは唾液の筋と喘ぎ声が出るのみ、そこには完全なる自慰の虜と化した理沙の姿があった。

「そろそろいい頃合だろう・・・楽しみだ・・・。」
 自室にてしばらく休眠を取っていたコクは理沙を放置した部屋へ向けて、心なしか足取りも軽く接近していた。その表情には迷いや悩みと言った物は全く見られない、見られるのは喜びのただそれだけであった。まあその様な顔であるのも無理は無い、その青年然として若い風貌をした彼は今年で120才と言う彼の年齢は人間で言えば二十歳そこそこの若者なのである。
 様々な種族の入り混じる霊界の中において、コクやセイの属する神魔族は、文武に長け精力絶倫と神族や魔族と言った有名所からも一目置かれることで有名な種族である。若い時期が極めて長い彼ら神魔族の精力は神や魔王を時には狂わせ虜にするという代物で、それ故に求める物、つまり性欲も極めて強く、また一人一人がそれぞれ異なった性癖を持ち合わせており、それら全てが一度に満たされないと気が済まない彼らの身内だけで全て処理するのは、困難以外の何物でもなかった。
 そこで始められたのが人界より霊界へと向う人間を捕らえる事であった。勿論、何もかも無差別に思うがまま捕らえるのではない。理沙達の様に自殺やそれ以外の何らかの理由によって、人界と霊界の狭間である中界に永遠に閉じ込められる定めとなった救われぬ人間達を言葉巧みに、時には強引に連れ出して自分達の生活する空間へと引き入れてしまえばもう逃げる事は出来ない、甘言で連れ込んだのならそれを撤回し、強引に連れ込んだのなら少し優しくして1人1人の好みに合わせた精奴隷にして、その精力を発散するのである。
 霊界と言うのはその位階や能力も然ることながら、個々人の持つ精力も重視されるべき対象となっている世界である。その為、当然の事ながら霊界を代表する神族や魔族の精力は極めて強い。その様な強者揃いの霊界に置いて、一目置かれると言う神魔族の精力の壮絶たるや、最早人間の想像の範疇を超えた物である。仮に肉体を持つ人間が何らかの形で神魔族に犯されたとしよう、恐らくわずか数回、下手をすれば1回程度で気が狂うほどの威力なのだ。
 しかし、霊魂となった肉体を持たない人間、特に自殺など非運命的な手段によって肉体から離れた霊魂は、輪廻と言う霊魂の最大にして最高の存在意義を失っている為に、相当な回数交わったとしても耐える事が出来る。また、霊界から見捨てられた存在であるので如何扱おうと文句を言うものは誰もいない。本当、これほど都合のいい存在が他にあるのだろうか?どんなに扱っても、どんなに傷付けても誰からも文句を言われない存在、壊れたり飽きたりしたら捨てればいいだけ・・・まるで我々が使い捨てカメラを使うような調子で、コク達神魔族は輪廻から外された人間の霊魂を好きな様に使っていたのである。
 そしてコクにしてみると、理沙は彼にとって2人目の性奴隷となるものであり、以前所有していた奴隷を手放して以来、溜め込んでいた性欲と妄想が今にも爆発しようとするのをそっと静めて、その時を待ち望んでいたのだった。

「どうだ、気分の方は?」
 コクが鍵を開けてその部屋の明かりをつけると、部屋のほぼ中央にあられもない格好をした理沙が息を荒くして見つめていた。
「どうだ、決心は付いたか?」
更に近付くとコクは膝を折って、魂の抜かれた様な顔をした理沙の右隣に立った。理沙はただそれを目で追い、首を向けるばかりでその口からは呼気と呻き声の様な声が微かに漏れるのみであった。
"全く・・・この程度でこうもなるとは弱い奴だな・・・まぁ、その方が鍛え甲斐があるな。どれだけ長く耐えられるようになるかとね・・・まぁここはひとまずこれをやるか・・・。"
コクは犬を愛でる様に理沙の頭を撫でると、ポケットから再び丸薬を、今度は白い丸薬を取り出し半開きになった口の中へと入れて顎を上げてそのまま食道へと落し入れた。
"今のは気付け薬だ・・・すぐによくなる。"
 その様に思っているのも束の間、すぐに効果を発揮した薬のお陰で彼女の目には輝きが戻り、血色も幾分回復した様に見えた。
「どうだ、決心は付いたか?リサ、感じているのだろう?」
コクは一歩踏み込んで血色の戻ってきた理沙にまた問いかけた。しばらくの沈黙の後、理沙は小さく呟きそして首を縦に振った。
「そうか、それは本心だな?」
「はい・・・ご主人様・・・。」
「ふむよろしい・・・では決まりだな・・・お前は俺の性奴隷だ、異存はあるか。」
コクはこの期に及んで仮に理沙が、最もまず有り得ない億分の確率なのだが、その想いを翻さないか探りをかけた。すると
「異存はございません・・・ご主人様。」
「そうか、ではそう決心したお前に褒美をやろう・・・ほら。」
と急に膝を元に戻して立ち上がった。仁王立ちになってそのまま構えていると、理沙もまた立ち上がり膝を床についてその手をコクの腰へと置き、もう一方の手にてズボンの中よりコクの逸物を取り出した。人と大概は同じだが、雁が2つあり長太くそして黒いそれは決して人の物ではなかった。人外のいや神魔族のペニス正にその物である。
 その臨戦態勢に入っていたペニスの付け根の辺りを掴み、一段目の雁を口に含みまずはそれを舌で愛撫する。これまで一度も男と交わった事の無い処女の理沙は、当然の事ながらフェラチオなどした事は無い。そして、普段の彼女であれば酷く嫌悪して断る事だろう。
 しかし、薬と数時間に渡る自慰のお陰で性の快楽と言う名の麻薬付けになっていた彼女の精神は、自らそれを求めた。一度口の中へ入れるとまるで幼い子供が自分の好きな飴を丁寧に舐めるかのように、さもいとおしそうな至福の目をして丁寧に舌を動かす。一段目の雁をしばらく舐めると今度はその先にある二段目の雁へと動いた、一段目の雁はすっかり口腔の中へ入りその先端は喉チンコを押し上げて、最奥の粘膜ぎりぎりの箇所にまで入り込んでいた。口はその太さのペニスを受け入れたために限界ギリギリにまで押し広げられ、鼻での呼吸しか出来なかった。
 彼女のフェラによって鈴口から漏れた先走りは、食道へと落ちて粘膜に触れる。すると途端に熱が神経へと伝わり体は再び熱を帯び始めた。熱が溜まる度に彼女のフェラも巧妙化して行き、やがて十数分にも渡った頃、鈴口の中より液体ではない何らかの気体が噴き出してきた。そうそれはフェロモン、性フェロモンである。口内へと放出された高濃度のそれは、鼻腔と気道へ流れて行き鼻腔からは神経を通じて直接脳へ、気道からは酸素と共にヘモグロビンと結合して全身の細胞へと行き渡り、核へと染み込んで行く。これで準備は全て整った、そして・・・。

「行くぞ・・・ぜんぶ飲めっ!」
ヴァシュッ!ズシュッ、ドゥシュッ・・・!
 長年溜め込まれたコクの精液が、精液の洪水が理沙の口内へと注ぎ込まれる。食道、鼻腔へと流れたそれらは腸を通じて全身へ回り、各細胞に浸透していたコクのフェロモンにより作り出された成分を活性化させた。それらはDNAを片っ端から予めコクが念じた様になる様書き換え始め、必要とあれば細胞を新たに分裂させたり、変形させるのを繰り返した。
"ホゥッ、ホゥッ、ハアゥッアァオアウゥゥッ・・・。"
 注がれ続ける莫大な精液によって腹を膨らませ、息苦しさと全身の激しい痛みと高熱によって彼女の理性は沈黙し、ただ脳裏にはその様な生命の危機を感じ取った悲鳴がこだまし、その目は涙目を浮かべる。その傍らで、コクは目を閉じてまさに至福の顔をして片手を腰に、もう片手で理沙の頭をペニスへと押さえ付けているという、完全に分裂した光景がそこで展開されていた。
 結局全ての精液を注ぎ終えるのに5分を要し、外された時にはわずかな精液が口元より静かに垂れ流れている有様であった。その体は燃える様に熱く、さしものコクでさえも触ることを躊躇いその場へと倒れ伏せさせた。そして、意識の無いまま理沙はコクの目の前にてその体を変貌させて行く。
「くくく、こいつは何になるのか・・・楽しみだ。」
 まずは手、細く華奢で白いその腕の表面には無数の線が走り、白から緑へと変色していた。無数の線は次第に分かれて浮き上がって鱗となり、それは全身へと広がっていく、全身の毛髪と言う毛髪は全てその場へ抜け落ちた。 背は高くなり体は更にほっそりと、それでいて芯の通った形が保たれ、背骨と共に尻が伸び長い鱗の尻尾が現れた。顎の下から股関節にかけての前側は蛇腹上に大きく分かれて、白くなり乳房はその数を変えずにその蛇腹に盛り上がりを見せていた。首筋には肩甲骨の辺りから頭にかけて耳より後ろへ膨らむ様に張り出したフードの様な厚みを持った皮膚が形成される、その顔は扁平気味になり黄に輝く目をギロッと動かし、唇の間かに見える白く輝く4本の牙、そして時折外へのぞかせる先端が二股に分かれた真っ赤な細い舌・・・静かな音を立てて口より気を吐くその姿は正に蛇、そうコブラその物だった。
「ククク・・・望み通りになってくれたものだな、素晴らしい・・・。リサよ、忠誠を・・・。」
 コクはその姿を見て満足した様子であった。そしてその言葉に応じてその蛇人は、膝をついて頭を垂れてコクの前に固まった。濃くはその頭に手を置くとこう呟いた。
「我が精を受けしリサよ、我の求めに全て応ずると誓うか?」
「誓います、我が主コク=ドリフシャン=ノトール様、我が命を懸けてあなた様にお仕え致します。」
 その声は少し違うとは言え理沙の声であった。どうやら、彼女は彼の念のこもったフェロモンと精液、そして事前に飲まされた薬の作用により、体はおろか精神までもが書き換えられてしまった様だ。改めて満足した表情を浮かべたコクはこう告げた。
「汝のその思い、我受け入れん・・・我の終生なる性奴としての使命を全うせよ。我が求めに応じ、我が命に従って・・・。」
 ここにコクは1人の忠実なる奴隷を創り上げ、晴れて無事に我が物とした。その瞬間の彼の顔と蛇人と化した理沙の無表情な顔には、静かに目立ちはしないが喜びに満ちた表情を浮ばせていた・・・。


 終
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