「そうね、まさかあんなにこちらへ集まって下さるとは思わなかったわ。」
"まさかあんなにって・・・ところで、あの人たちは一体何者なんだい?"
ふと、僕はそれについて質問をぶつけてみた。すると
「あぁ、あの人達は私の一族の皆々様と両親の知人達よ。」
"親戚と両親の知人か、一体何を君の一族はやっているんだい?"
「私の一族は商家よ、まぁこの事は後で詳しく説明してあげるから・・・それじゃあ、始めましょうか。」
"そうだね。"
「じゃあ、まずは服を全部脱がないとね・・・。」
そうして会話に一旦終止符を打つと彼女は僕の服を脱がせ始めた。パジャマの様に薄かった僕の服はすぐに全てを脱がされて、全裸となった。今いる部屋はこれまでいたあの部屋とは異なり、何も無いが唯一石の祭壇が部屋の一方に鎮座しているだけである。彼女は自分も全裸になると、その祭壇の上に置かれた壷の中から杓で何等かの液体をすくいだした。
"その液体は?"
「聖水よ・・・さぁ飲んで。」
と彼女は僕の口の中へその聖水を流し込んだ。量は大した事なかったのですんなり飲み込むと、不思議と体がほんのりと温まり出した。何だかいつもよりも色々な感覚が敏感になった様に感じられるのは気のせいだろうか。
「どう気持ちいい。」
"えぇ・・・気持ちいいです。"
「そうならよかったわ・・・あら、もうこんなに反応が出たのね・・・ウフフ、楽しみだわ。」
と彼女はいつの間にか急に勃起した僕のペニスを軽くその手で握る。
"あはぁ・・・。"
声が出ないが僕はおもわず吐息を漏らす。
「初めてなの?」
彼女の問いに僕は静かに首をうなずかせた、すると彼女はうれしそうな表情を浮かべ
「なら、じっくり楽しむことが出来そうね・・・かわいがって上げるわ。」
と言い、その手でペニスを握ったまま僕の首筋をさっとなめる。ざらっとした感触がじわじわと伝わって来て何とも気持ちがいい。僕が気持ちよさげな顔をしていると、彼女は首筋から順に僕の感じる所を探してその全てを甘噛みして刺激する。甘噛みと舌での舐め、この2つが僕をじわりじわりと侵食していき、気が付いた時にはすっかり興奮していた。
"もっと・・・。"
「まだまだよ・・・もつとするからね。」
刺激を欲する僕にそう言いきったお嬢様は、今度はペニスを手で扱き、そして寸前で止めて、落ち着くとまた・・・と言うのを繰り返し始めた。出る寸前の絶頂の寸前で止められてしまうのだから、僕の中には大量の満たしきれない快感と次こそは・・・と言う期待感が積もりつつあった。同時に体中の感じる所を舐め回してくるのだからもう堪らない。
「あら・・・こんなかわいい顔しちゃって・・・まだ、耐えられるかしら。」
それら単調な動作を何十回とも無く繰り返した頃、ようやく彼女は舐めるのを止めて、僕の顔を、そして彼女の唾液と僕の汗とでぬるっとしている僕の体を見て言った。
"も・・・もう勘弁・・・。"
僕は必死に唇を動かしてそう途切れ途切れに訴えた、しかし彼女は
「そう・・・わかったわ・・・でもね、あなたは十分興奮しつくしたかも知れないけど、私はまだイマイチなのよね・・・私を興奮させてくれたら、出させてあげるわ。」
"わ・・・わかりまし・・・た・・・。"
「そう、じゃあ・・・とその前にこれしておかないと・・・。」
彼女は立ち上がりかけて、ふと思い出したかのように呟くと何かを僕のペニスの根元に巻いた、いや巻いたなんて物ではない、きついと言ってしまってよい位まで彼女はその何かを巻きつけると、安心した表情を浮かべて立ち上がり、そして僕の顔へと腰を下ろした。
「うふふ、あなたのおちんちんにベルトを巻いておいたわ。もし好き勝手に出されたら、せっかくここまで濃縮した努力が無駄になるもの・・・さぁ、舐めて。初めてでも分かるでしょ、そして気持ちよくさせてね・・・。」
と言う彼女のあそこからは、人間の鼻でも感じられるほどの濃厚な匂いが発せられ、熱に満ち満ちていた。僕は思わずその匂いに気絶しかけたが、それでも何とか気を保って静かに舌をあそこへとつけた。
ペロ・・・
最初の一舐め、何だか舌の先に痺れる様な感じを受ける・・・感覚が戻ってきたのだろうか。そんな思いもそこそこに一度舐めてしまうと、あとは調子良くとにかく舐め続けた。時折、下を伸ばして奥へと入れると微妙に彼女の体と漏れてくる愛液の量が増えてくる。もう既に僕の顔は愛液と自分の唾液でびしょびしょだ。
「あっ・・・・あぁ・・・。」
いつしか舐めて行く内に耳に彼女の喘ぎ声が入ってきた。それは舐めれば舐めるほど強くなっていき、やがて一際大きい喘ぎを出すと彼女は自ら立ち上がった。だが、その足はすっかり震えていてかなり来ている様だ。
「・・・は・・・初めてにしては・・・上手いじゃない・・・。」
彼女は息を荒くして、すっかり上気した加減でそう言う。僕は何か答えようと唇を動かしかけたが、余りにも消耗していてとても出来なかった。ただ、股間が以上に熱を持っているのだけを感じていた。
「いいわ・・・出させてあげる・・・。」
そして、彼女がベルトを外して根元付近を軽く舐めた、その瞬間
ドブュ!ドプッドプッ・・・。
精液がどこにそれほど溜まっていたのかと問いたくなるほど噴出してくる。噴き出した精液は彼女の顔を直撃しその毛皮を汚した。しかし、彼女は嬉しそうにそれを手にとって口に含み、軽くうなずくと水を飲む様にその噴き出している精液を飲み、そして僕の腹に落ちたまだ熱い精液をすすった。
「うふ・・・中々、いい味出してるわよ・・・人にしては珍しいわね・・・こんなおいしい精液出すなんて、流石私の目に適っただけはあるわ。」
と満足げに余韻を楽しんでいた。僕は僕であれだけの精液がどこから自分から出てきたのに驚き、そして出したと言う快感に浸っていた。
「さぁて、ここでへばっちゃだめよ・・・今度が本番なんだからさ・・・。」
そう言うと彼女は半開きになっていた僕の口にキスをすると、軽く何かを流し入れてきた。
「私の唾液を入れてあげたわ、人間にとって私達の唾液は強烈な媚薬となるからね。」
そして、彼女はもう臨戦状態にまで回復しているペニスへ腰を下ろした。狭い膣を大きく張った自分のペニスが突き進む、深くなる度に彼女はそっと吐息を吐き、全てが入った所で自ら腰を動かし始めた。ペニスが膣に揉まれていくその感覚は自分がこれまで感じてきたいかなる快感にも勝るものであった。
「ハッハッハァッ・・・ハッハッ・・・。」
お嬢様の喘ぎ声を聞きながら、僕は不思議な感覚が全身に満ちているのを感じた。これまで、体が使い物にならなくなってからと言うもの僕は自分の体が冷たくてならなかった。いくら毛布や何かで暖めても、それは表面だけで芯からは温まらない途切れることの無い寒さ・・・それは寂しさにも近いのかもしれないがとにかく冷えてならなかった。ところが、彼女とこう交わり、出す内にその寒さがだんだん薄れていくのに気が付いたのは確か3度目の頃、それが事実であると確信したのは5度目の時だった。そして、今再び僕は彼女の中に精を放った。もう軽く10回は達しているだろう。しかし僕のペニスに衰えは全く感じられない、これは最初に飲んだ聖水と称した媚薬と先程の彼女の唾液の効果と言えよう。
「あ・・・。」
出すと同時に僕は我が耳を疑った。そして、彼女も腰を動かしながら、驚いた顔をして僕を見ている。その様な中で僕は再び、喉に力を入れた。
「声が・・・出てる・・・。」
自分の声・・・久しぶりに聞いた自分の声、僕は驚きそして喜んだ。
声をきっかけに僕は続々と体の機能を取り戻した。手が動き、足が動き、首が動く・・・それは性の快楽と相まって信じられない快感と感動を僕にもたらした。そして、今・・・騎上位ではなく正常位で僕は彼女にペニスを打ち込んでいた。
「ハッハッハッハッ・・・気持ちいいか・・・い・・・。」
「さ・・・いこうよ・・・。」
心なしかこの体勢になってから僕のペニスはますます元気になったようだ、と言うのも出る量が半端ではなくなった。まだ体の復活していなかった頃は普通の人間よりもやや多いという程度に止められていたが、今では平気で1分以上は射精をし続ける。また、出す度に体の他の器官も力に満ちて活性化していくようだ。
"何かが起こり・・・そうだ・・・。"
と彼女の尻尾を時折刺激してその反応を楽しみながら思っている内に、二十何回目位の射精をしていた。途端、僕の脊髄を強い電流が走りぬける。
「あっ・・・があっハァハッハァーッ!」
その時、僕が自分の中にある人として大切な何かが別のものへと転換したのを感じて意識は白濁した。
「う・・・。」
僕が意識を取り戻すと、僕はお嬢様にペニスを突き刺したまま2人して床の上に寝転がっていた。
「お嬢・・・。」
と言いかけて僕は口を噤んだ。何故なら、お嬢様の口からは静かな寝息が漏れていたからだ、僕は起こさない様にそっとペニスを抜いた。ペニスが抜き出ると彼女の中からは莫大な量の精液と愛液の混合物がとろとろと滝の様に流れ出してくる。心なしか彼女の腹、とは言え獣毛に覆われているので毛の膨らみなのかも知れない、は膨らんでいる様に見えた。そして、激しい僕の初体験と共に獣化も終わっていた。僕の新しい姿は彼女のと同じ犬人ではなく、三角耳に薄黄色の獣毛とふさふさの尻尾を持つ狐人であった。
"狐って本当に尻尾がふさふさなんだな・・・んっ気持ちいい・・・。"
それが、新しい自分の体に対する最初の感想であった。
・・・僕は窓を閉めると自室へと戻った。あの日以来、僕は様々な世界と知識を知り、仕事も得て充実した気楽な日々を過ごしている。
"今日はあれを済ませてからにしよう・・・。"
昨日入った仕事について考えながら、自室の扉を開けるとそこには彼女、妻が待ちきれない表情をして僕を待っていた。
"これは今日も仕上がりそうに無いな・・・。"
そして僕は妻に抱きつかれながら思った。今夜も長い夜になりそうである。